食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

お馴染さん次々と、ご来店感謝の一日


スペインの食事パン「ピストーラ」、この形で定番に。
今日は、本当に気持ち良く醗酵して、のびのびしたいい形に焼き上がりました。


今日は、いつもに増してパンの出来が良くて喜んでいましたら、何だかまるで申し合わせたように、いつもご利用くださっているお馴染のお客さまが、次々とお顔を見せてくださいました。
このところちょっとお店の状況はさみしい感じがしていましたので、ありがたいやらうれしいやら。
クッキー類はほとんど品切れでしたが、上出来の焼き立てのパンとスコーンやケーキなどの焼き菓子がありましたので、何とか面目が立ちました。
やはり、堅焼き黒パンやプンパニッケルを手に取る方が多く、地元産ライ麦と小麦を使ったことに対する関心は、殊の外高いと感じました。
おかげさで、プンパニッケルは早々と売り切れてしまいました。

そして早くもご感想をいただいています。
焼き色が良くなって、とてもおいしそうに見えるとのこと。
商品の資質としては、大事なことかも知れないと思い直しているところです。
無添加で全く何の小細工もしていないパンですから、おいしそうに見えることと本当においしいことは、案外一致しているのかも知れません。
プンパニッケルが一段とおいしくなった、というご感想もいただきました。


これからは今まで以上に、見た目の良さも追及しなくてはと思っているところ。
まだまだ勉強です。


話しは変わって、皆さんこのブログを本当に隅から隅まで読んでくださっているようで、少し前の話題に取り上げたスズメバチの巣を見たいと仰る方が若干名。
遠巻きに観察する分には何の危険もありませんので、家の裏手にご案内しました。
そこで私もつい興に乗って、スズメバチの生態について講釈を始めてしまい、ご一緒にずい分長い間飽きもせずに眺めていました。


さて明日は、ギフト用にご注文いただいたケーキを焼かなくてはなりません。
見た目良くそして本当においしく焼き上げられるよう、最新の注意を払って作業します。
先ずは体調を整えるべく、ぐっすりと眠ることですね。

うれしい反響

沼ノ平産の小麦とライ麦に対し、皆さま方の並々ならぬご関心をいただいているようです。

今月号の「パンだより」でもお知らせし、先日の「あぐり・カフェ」には試食品も用意いたしましたので、そんなことも効いているのかも知れません。
今週はプンパニッケルのご注文が、いつもに比べてグンと増えました。
いつもだと、一週間のうちに4本でも足りてしまうことがあるのに、ご注文に促されて今日は13本も焼きました。
もっとも、大変個性的なお味のプンパニッケルですから、この数がずっと続くかどうかは分かりませんが、地元産の原材料を使ったパンに、それだけ関心が高いと実感しているところです。


ところで今年は、小麦もライ麦も収穫量が少なかったので、この調子で行くと一年回らないうちに無くなってしまいそうです。
小麦もライ麦も一年に一度しか採れないのですから、作付けの段階からしっかりと見積もりをして、お願いしておかなくてはならないのですね。
いつでもどこでも買える材料で造るパンではありませんから。
大きく、この日本の食糧自給の問題にも思いが至る、良いきっかけになりました。


今は製粉の都合上、全粒粉しか製粉出来ませんが、いつかきっと自前の精製粉が使えるようにしたいと、いろいろ手を考えているところです。


ちなみに沼ノ平産のライ麦について、パン屋としての感想を申し上げておきます。
これまで使用して来たカナダ産オーガニックのものに比べて、皮が厚いのではないかと思います。
と言うのは、粒張りが良いのに挽いて見ると色が濃く、明らかに繊維分が多くパン生地の弾力が弱くなっています。
堅焼き黒パンが、今までに比べて横に広がったような形になったことに、お気づきの方もいらっしゃると思います。
しかし風味はいいと思いますので、当面このままの配合で焼き続けます。
なお皆さまからのご感想、ご意見をいただければありがたいと存じます。


それから、ライ麦全粒粉100%のプンパニッケルは焼かないのか、というお問い合わせをいただいております。
やる気は十分なのですが、ライ麦の量が少ない状況なので、どうしたものかと思案中です。
近いうちに一度、試作品を焼いて見るつもりです。

「あぐり・カフェ」完売御礼


開催中は、ずっと缶詰状態。
開店準備が出来たところで、
お客さまが見える前に撮影。


予定どおり、会津若松市内にて開催の「あぐり・カフェ」に出店して参りました。

今朝の今朝まで、本当にもう最悪のお天気模様で、夜中にザーザーと雨の降る音を聞きながら、ここはもう覚悟を決めておくしかないと、もう一眠りしました。
雨が止んで静かになった気配に逆に目が覚め、「よーし!これは奇跡が起こったかも知れない。」と起き出して外に出てみたら、青空が見え雲間から朝日が上って来るところでした。
準備万端整え、張り切って娘二人を伴って出発しました。


私は、イベントではどんなハプニングも起こり得ると、いつも覚悟して臨みます。
到着してみて先ず頭を抱えたのが、電源確保のための発電機の音でした。
排気ガスも臭いし、ミニコンサートもある場所で、これでは最悪のコンディションだと思い、事務局の方に対策を申し入れました。
すぐ目の前のお店の前に屋外コンセントが2か所あるのを見つけましたので、借りるよう交渉してみたらどうかと提案。
難なく承諾を得て、結果は、全てOK。
いや、良かった!良かった!



さすがテルテル坊主。
絶大なる効き目でした。



この人たちも、客寄せに一役買ってくれていました。


 


テルテル坊主さんたちの効果でしょうか、降りそうで降らない絶妙なお天気で、お客さまの出足も好調でした。


おかげさまで食工房は、顔見知りの方、初めてお目にかかる方と次々にご来店いただき、遥々遠方からいらした方もあったのに、ゆっくり言葉を交わす暇もないほどの忙しさでした。
スコーンとカネリプッラは、午前中に早々と売り切れてしまい、その他のパンも終了時間を待たずに全て売り切れました。


これも大勢の方のご来店の賜物と、この場を借りて厚く御礼申し上げます。


 



見事に、パン一切れも残りませんでした。
私の頭の中も、しばし放心状態に・・・。



それで少し気が早いかと思いますが、来月また同イベントの開催が決まっておりますので、第一報をご案内申し上げます。
日時は、10月10日(土)
場所は、会津若松市内 野口英世青春広場とその周辺
となっております。
詳しいことは、追々ご案内申し上げます。

夜なべして、奮闘中


まさに頭の中を体現する、彼女のデスク


明日のイベントの準備です。
いろいろ細々と用事があるものですね。
忘れ物すると、本当にどうにもならない時がありますからね。

かく言う私、イベント慣れしていると言うか、以前は毎週日曜日に「百姓の市」に出かけていましたので、もうありとあらゆる忘れものとトラブルを経験済みなのです。
それでもうっかりということが、絶対にないとは言い切れませんので、多分今夜は寝床の中で、持って行くものを繰り返し繰り返し反復しながら眠りに就くことになるでしょう。


連れ合いは、日中からずっと合間を見つけては、ポップカードを描いています。
この分野は、私にはまるきり手が出せません。
本当にイベントの時には重宝な人です。
いつのことだったか、「私の頭の中は、いつもお祭りなの。」と仰っていましたっけ。


※「百姓の市」の時の食工房の写真<こちら>


 



素材はティッシュペーパー
つまり雨に濡れたら困るもので
作るのが、呪いになるのだそう。


それから明日の天気が微妙だというので、テルテル坊主も用意しました。
こちらは娘たちの機転です。


私は専ら商品とコーヒー道具担当です。


明日は、あちこち他でもイベントがあるらしいです。
果たして「あぐり・カフェ」に、どのくらいの方々がお出でくださるでしょうか。


皆さま、どうぞお忘れなく!会津若松市・野口英世青春広場にて開催の「あぐり・カフェ」へお出でください。
ご案内の詳細は<こちら>

本日も目いっぱい

明後日のイベントの準備もあって、今日は朝のスコーン焼きから始まって、配達と買いだし、そして明日のパン焼きのために酵母の調整と粉の計量と、頭も体も休まる暇がありません。
今やっとPCの前に座ったところです。
でも何と言うか、疲れてさえいなければ、私はこういうテンションはいい気分です。

仕事でも遊びでも、元々そんな境目も曖昧ですが、およそ何をやっても楽しくやれるので、くたびれ果てたらそれが終了の合図です。
本当に、皿洗いでも便所掃除でも喜んでやれるので、まあ悪い性格ではないなと思っている次第。


明日も気合いを入れてパンを焼きます。
でも、そんなに肩に力を入れているわけではありません。
何しろ我が酵母は、いつだって私を裏切ったことはありませんので、私もそれに応えたいと思っているだけです。


いつも感じることなのですが、生地をこねて時間が経って酵母が回って来る時の変化は、まるで魔法のようです。
この感動は、イーストでは絶対に得られない、天然酵母のパン屋だけが知っているご褒美です。


そうです、その喜びを少しでも、焼き上がったパンの中に込められればいいな、そんな思いでパンを焼きます。
まだまだ努力の余地はいくらでもあります。
もっともっと気持ちがこもるよう、どんな方が召し上がっても、最後にはきっとおいしいと言っていただけるパンを焼けるようになりたいと思っています。


 



明日のパン焼き用に、計量を終えた所です。
写真だと容器の大きさが良く分かりませんね。
全部で7種類、合計約22kgの粉量になります。



勢いよくタンクの中で泡を吹く我が酵母
20年近い年月の私の様々な思いがこもっています。

結果は上々

先日ご紹介した<参照>、今年度地元沼ノ平産の小麦とライ麦を使って、パンを焼きました。
小麦はすでに昨年から使っていますから、今年度の小麦も変わりなくおいしいパンが焼けました。
ライ麦は今年が初めてですから、どんな具合になるのか興味津津、戦々恐々と言ったところでした。
製粉してから日が浅いので、万全のコンディションとは言えない状況でしたが、焼き上がったパンの風味は上々。



 



繊維質とミネラル分豊富な、食事用定番品


先ずは、ライ麦全粒粉入りの角型食パン、いつもより少し膨らみが少ないかなと思いましたが、最終的に追いついていつも通りのカサに焼き上がりました。
焼き色が以前より良くなっていると思います。
風味も上々です。
同じ水分量で、カナダ産オーガニックのライ麦に比べて生地が柔らかくなりましたが、トラブルと言うほどのものではありませんでした。



 



堅焼き黒パン・大 長さ約36cm
特大サイズは、これ2本分のボリューム


堅焼き黒パンもおいしそうな焼き色で、切ってみると中はサクサク。
これなら、スープや飲み物を楽しめるに違いありません。
日持ちも良いので、一週分のお食事に割り振ってお使いいただけます。



 



カマンベールチーズとワインに、最高の取り合わせになります。


そして本日の主役は、プンパニッケルです。
ライ麦全粒粉70%、小麦全粒粉30%、どちらも地元沼ノ平産のものです。
酵母も、ライ麦全粒粉を使って仕立てたザワータイクを使っていますので、正真正銘のMade in 山都です。
しかも、価格は据え置きです。

※ザワータイク : ライ麦全粒粉に酵母(自家培養)とヨーグルト菌(乳酸菌)を入れて仕込んだ、酸味と濃厚なうま味の出るパン種。


どなたのお口にも合うかどうかは分かりませんが、よろしかったらぜひ一度お試しを。
今日はその他、みのりのパンと飯豊山食パンも新小麦の全粒粉を使いました。


これからどんどん涼しくなって、食欲も増して来る季節柄、原材料の地元自給率がアップした食工房のパンを、ぜひとも食卓に載せていただきますようお願いいたします。


来る9/13の「あぐり・カフェ」イベントにも、これらのパンを沢山用意して販売いたします。
試食もしていただけますので、多くの方にご来場いただきたく、この場を借りて宣伝申し上げる次第です。


「あぐり・カフェ」のご案内は <こちら>

お日さまのにおい


ライ麦全粒粉を製粉中です。
製粉機周りは、粉埃で真っ白。
「粉屋のダスティー」を思い出します。



こちらがライ麦全粒粉
灰緑色をしています。



こちらは小麦全粒粉
赤っぽい茶色です。


今年度産の小麦とライ麦を製粉いたしました。
これでいよいよライ麦も山都町沼ノ平産のものに切り替わり、原材料の地元調達率が大幅に向上することになります。
特に、全粒粉だけで造る「プンパニッケル」は、地元産原料100%で製造することになります。

今日は、製粉機の立てる粉埃のにおいを嗅ぎながら、これを何のにおいと表現したら良いだろうかと思っていました。
「そうだ!お日さまのにおいだ。」違いない!と、次から次へと子どもの頃の記憶が蘇りました。

麦畑の中にしゃがみ込んでかくれんぼした時のにおい。
家の周りの、刈り倒した草が乾いて枯れて行く時のにおい。
稲刈りの終わった田んぼの中で、藁屑にまみれて遊んだ時のにおい。
麦わら帽子のにおい。

いつもお日さまがカンカン照っていました。
お日さまのエネルギーをいっぱい吸い込んだ麦の粒。
蒔けば芽が出る命の粒を、ありがたく粉に挽かせていただきました。

今週のパンから、新小麦と新ライ麦を使います。


「・・・稲穂の海を吹き抜けて・・・」の歌詞を思い出します。
久保田麻琴の「休みの風」という歌。


今日は午後から、所用のため会津若松市内へ出かけました。
途中、刈り取り間近の田んぼの中を走り抜けると、やっぱり同じお日さまのにおいが漂っていました。

痛し痒しのこの頃



 飯豊山食パン    堅焼き黒パン
   カネリプッラ     スコーン・プレーン
    ブラウニー      ジンジャークッキー


 


おかげさまで開業6年目を進行中です。
この頃は、いわゆる売れ筋もいくつか生まれて、長いものはもう3年近く連続ヒット中です。
以前は、日持ちの短いパン以外は、毎週製造には及びませんでしたが、この頃は売れ筋のものは毎週造っています。
たまに急なご要望があって、一週間のうちに二回焼くこともあります。
と言うことは、売れ筋じゃないものは、なかなかお目見得する機会がないということになります。
目下ここが大変痛し痒しの心境です。

売れ筋じゃないと言っても、まるきり見限られたというわけではありません。
造ればそれなりに売れることは確かなのです。
特に歯がゆい思いをしているのがクッキー類です。

そこで一番の問題は、製造にかける時間コストが見合わないということなのです。
手が足りないのだったら人を雇えばいいと言う話しですが、一時間かけて1000円分しか出来ないものを造るのに時給1000円で人を雇うことは出来ない、とそこまで極端ではありませんが、その例えに当てはまる現状があります。

損得だけ考えるのなら、クッキーなんか止めてしまった方がいいのですが、そう割り切ってしまっては、お客さまにとっても私達にとっても楽しみがないと言うか、夢がないと言うか、潤いに欠ける仕事になってしまいます。
まあ当面は成り行き任せで、出来る時には出来るというスタンスでやって行きますので、どうぞ気長におつきあいください。

思いがけず、ご無沙汰していたメニューが、突然棚に並ぶこともあり得ますので。

パン屋の幸せ


食パンを袋詰めしているところです。


つい先日のこと、ここしばらくご無沙汰していた方からご注文のメールが入りました。
その中に、ご実家のお母さまが「あの福島のパン屋さんの美味しい食パンが食べたい。今まで食べたパンの中で、やっぱり一番美味しかったので注文してほしい。」と伝言して来たので、とありました。
お母さまの分とご自分のと合わせて、パンを届けて欲しいとのご要望です。

いやぁ、ありがたいですね!
もう最高に元気の出る褒め言葉をいただいて、パン屋をやっていて良かったと思いました。

そうかと思うともうお一人、近所に時々うちのパンを買いに来てくださるおばあちゃんがいます。
このおばあちゃん、どちらかと言うと口当たりの柔らかいパンが好きなので、いつもは行商に回って来るパン屋さんから甘い菓子パンなんかを買って食べているそうですが、そればっかりだとどうも体の調子が悪くなって元気が出ないとか。

そんな時に食工房のパンを食べると、何だか調子が良くなって元気が出ると仰るのです。
ついこの間も、「お宅のパンはモサモサしてかてぇけんじょ(硬いけれど)、これ食べっと元気が出んの。」そう言ってぶどうパンを1斤買って行かれました。

このおばあちゃん、そうやってもう何年もの間、うちのパンをひいきしてくれているのです。
何ともありがたいお話です。


案外こんな喜びの積み重ねが、こうしてパン屋を続けて行ける原動力かも知れないと思います。
これが、パン屋の幸せというものかと。

台風の接近の中、ご来店感謝の一日

今日は、朝から不安定な空模様。
ニュースは、しきりに台風の接近を伝えていました。

「今日は、お客さん来ないかも知れないね。」
「来ても来なくても、ちゃんと心構えをして店を開けておくのが商売だよ。」
連れ合いとこんなやりとりをしていました。

定休日前で焼き立ては用意していないし、ずい分売り切れて棚もさみしくなっているし、そのへんもうご存知の方も多いはずと思っていましたら、雨の中三々五々ご来店の方が。
昨日一昨日に焼いたビスケットやクッキー、スコーンがあったのが幸いでした。
おかげさまで残っていたパンも大方売れて、無事一週間が終わりました。


具合良く、残って欲しいと思っていた黒パンが少し売れ残って、明日からまたパンご飯を楽しめます。
何だか急に気温も下がって来ましたので、あたたかいスープとちょうどいい取り合わせになりそうです。


そうそう、昨日の選挙の結果です。
いよいよ政権交代ということになりましたね。
どうなって行くのでしょう・・・。
しばらくは混乱もありそうな気がします。


世界も注目しているようですね。


私は、明日は一日畑です。