食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

沼ノ平、麦畑通信・3

今日は、夕方少し早めに仕事を切り上げて、沼ノ平の麦畑の様子を見に行って来ました。
前回見に行ったのが5月10日でしたから、3週間ほど経過しています。
たどり着くとそこには、まだまだ先の事だと思っていた光景が広がっていました。



さわさわと風に揺れる姿に、何故か心騒ぐライ麦畑



細長くて禾(ノギ)が長いのがライ麦の穂の特徴です。



小麦はずっと丈が低く、穂先もズングリしています。



もうすでに開花後のようです。
これから実が入って来ます。



ライ麦は人の背丈近くに伸び、穂が付いていました。
穂が、ちょうど目の高さです。
小麦も穂を付けていて、こちらはすでに開花したようです。
草丈は、70cmくらいの高さに伸びていました。
これから刈り取りまで約二ヶ月、7月に入ると少しずつ黄色みを帯びて、麦秋と呼ばれる風景が見られます。


おかげさまで、この地元でとれる小麦への皆さまの関心は上々で、最近、飯豊山食パンの販売が目立って順調です。
それで今年の収穫ですが、まだまだ手探り状態でのスタートでしたので、それほど量が見込めません。
もう早々から足りなさそうな気配です。
来年分は、もっと思い切って作付けをお願いしたいと思っています。
この店の前の畑でも来年の今頃、ひょっとすると小麦の穂が風になびいているかも知れません。

突然のPCトラブル

今日は、「カフェクラブの集い」に4名様のご参加をいただき、オリジナルカリーソースやスパイシーマサラチャイ、そしてエスプレッソコーヒーなどを楽しんでいただきました。

今回、私は自分で思ったより疲れていたのかも知れません。
料理の出来が、今一つ満足ではありませんでした。
ご参加くださった方々には、ちよっと申し訳なかったと後悔しています。

それとは関係ないと思いますが、夕方PCに向かったところ、ディスプレーモニターが死んでいました。
もう全く電源も何も入らず、お手上げ状態で参りました。
買ってまだ二ヶ月にもならないのにと、一時パニックになりかけましたが、気を取り直してサポートサービスに電話を入れたところ、親切丁寧に対応していただき、結局代替え新品の手配をしていただくことになりました。
こういう時は、さすがに新品購入のメリットがありがたく思えます。

とりあえず、ノートPCがバックアップする体制をとっていますので、業務に支障はありません。
こんな時に限ってメールでご注文が入ったりするので・・・と開いてみたら、2件ご注文のメールが舞い込んでいました。
ありがとうございます。


「すべては善きことのために計らわれている。」と信じて歩いています。

うれしいご要望

仙台のカフェ gratitude さんから、うれしいご要望をいただきました。
6月から月2回くらいずつ、食工房のパンを販売していただけることになりました。


仙台と言えば大都会です。
天然酵母のパン屋さんだって沢山ありそうですが、わざわざこの食工房のパンを使っていただけるご縁に、商売は人の縁あってこそ成り立つものと、あらためて感謝の気持ちが湧いてきます。


今日も、会津若松市内へ配達に回って来ましたが、行く先々それぞれの方々とのお付き合いの時間を思いだし、いつも以上に頭が下がりました。


自分の焼いたパンやお菓子が、少なからぬ人に喜んでいただけることは、それ以上に他ならぬ自分の喜びだと気づきました。
デンマークの金言では、「受け取りたければ、まず与えなさい。」と言うそうです。
日本なら、「情けはひとのためならず。」でしょうか。
そうしていたら、今日訪ねたお客さまのブログに、こんな一言が掲げられていました。
「今日 あることを 喜び  今日 できることあるを 喜ぶ」と。
何だかシンクロしてますね。


すごいテンションで突っ走った今日一日でしたが、終わり良ければすべて良しの気持ちで、眠りに就けそうです。

一週間の始まり

食工房は、火曜日と水曜日が定休日ですので、木曜日の今日が一週間の始まりです。

今日は、早朝からパンこねに始まり、お昼過ぎには予定通り全部焼き上げ、配達に回って来ました。
毎週、木曜日が一日終わると、これで一週間持つだろうかと思うのですが、何だかんだと言いつつもう5年余りもそうやって過ごして来たのですね。

人の気力や体力そして意欲は、どこから湧いてくるのでしょうか。
一杯のコーヒーから、ということもあるでしょう。
他には・・・。

そんなことを思いながら、また一週間がんばります。

そう・・・、「よろこび」と「たのしみ」は違うという話しを、いつかしてみたいと思っています。

今日は、時間切れです。



とうもろこしが育っています。

どろんこクッキー


このラベルは、実は二代目です。
以前のラベルを知っているあなたは、
食工房のオールドファンです。



これが名物?「どろんこクッキー」  焼き上がるとすぐに裏返しにします。
なぜかっ?って。少しでも食感を良くするためです。ハイ。


チョコレートやココアの原料と言えばカカオです。
このカカオほどお菓子の材料に多用されている物は、唯一砂糖を除けば他にはないのじゃないでしょうか。
食工房のメニューの中では、マフィンが一品目、ケーキが二品目、そしてクッキーが一品目、それぞれココアやチョコレートを使っています。
そしてそのクッキーメニューに、「どろんこクッキー」という名前が付けられているのですね。



話しが横道にそれますが、どろんこくらい子どもたちの遊びに重宝なものは他にありませんね。
土をそのまま茶碗に入れればご飯になります。
水でドロドロにすれば味噌汁。
その他適当な硬さに練って、いろいろな形をこしらえて、我が家の子ども達はいつも夢中で遊んでいました。
たまにお母さんの手伝いをして、クッキーやパンの生地に触らせてもらった時、どろんこ遊びの技がけっこう役に立つのですね。
いつもそれを見ていた私は、チョコレート入りのクッキーの名前を考えていた時、すんなりと「どろんこクッキー」という名前が浮かんだのでした。
我が連れ合いは、一度は「エエッ!」と訝りましたが、すぐに「いいかも知れない!」と気に入って、「どろんこクッキー」がデビューしたのでした。


 



 
バックに流れている音楽は、セファルディ(スペイン系ユダヤ人)の歌です。

こんなのを聴きながら、作業しています。


 これを見ていただければ、いかに手間のかかる非能率的な
ことをやっているか、お分かりいただけることと思います。


 


ところで、どろんこクッキーのレシピはとても凝っていて、ここで公開することは出来ませんが、概略を申し上げると、ナイフで削ったカカオマスフレーク、ミックスナッツ、洗双糖(やや粗めのグラニュー状組精糖)が食感の決め手になっています。
そして、甘さはすごく控えていますが、バニラと秘密のスパイスの効用でとてもおいしく召し上がっていただけるはずです。

材料が高価なことと手間がかかることが重なって、販売価格はずい分高くなってしまいますが、それでも根強く支持してくださるお客さまのおかげで、このところずっと造る端から売り切れています。


 


   おしらせ

今週からしばらくの間、クリングラの製造をお休みいたします。
カネリプッラのみ継続いたします。
ご注文の際は、ご留意願います。

今日の暑さで

今日は日中グングン気温が上がって、さすがに食工房の作業場も真夏ほどではありませんが、蒸し暑く感じました。
パン生地の発酵には、まことに申し分のない環境なので、今日のパンの出来は上々でした。

ところが明日は、マフィンとスコーンを焼く日です。
再三申し上げておりますように、こちらは寒い環境の方が好都合です。
そういうわけで、仕事が終わって夕方気温が下がり始めた頃から、オーブンの扉を開け、部屋の窓も扉も開け放って部屋ごと冷却です。

オーブンの余熱というのは本当にすごいもので、真冬なら暖房が要らないくらい素晴らしい利き目がありますが、こう暖かくなってくると一転して灼熱地獄の様相を帯び始めます。
真夏には、いくら換気してもどうにもなりません。
今日も、まだずい分余熱が残っていましたが、まさか夜中まで番をしながら冷却しているわけにも行きませんし、明日の朝早起きして朝の冷気を利用する方が効果が上がりますので、途中にして締め切りました。

こんな状態なので、中に置いている冷蔵庫が一台、すごい負荷で悲鳴を上げています。
明日は久しぶりに氷を使って、道具や機械も冷やさなくてはならないかも知れません。

沼ノ平、麦畑通信・2


こちら、ライ麦です。さすが、よく育っています。



小麦は、今一つ。雨が降るのを待っています。


今日は、夕方ちょっと時間の隙間を使って、沼ノ平の農家さん宅まで出かけて来ました。
小麦の原穀がなくなったので、またいただきに上がるのが主な用でしたが、ついでなので麦畑に回って見ました。
このところすっかり日が長くなったおかげで、夕日が差している麦畑は、なかなか良い眺めでした。
ただ、ここしばらく雨が降っていないので、成長は今一つです。
それでもライ麦は、さすがに痩せ地でも育つ作物だけあって、すでに50cmほどの丈になっています。
小麦の方はかなり出遅れた感じで、雨が降るのを待っているというところ。

とにかく作物は、お天気次第。
本当にこの後どうなるか、最後に収穫された麦粒を見るまでは、「まだまだわからん!」の台詞どおりです。
とにかくも、無事の収穫を祈るしかありません。

来年は、もっとずっと作付けを増やしていただくことになりそうです。
そして出来ることなら、この店の前の畑も小麦で覆いたい。
そうなったらどんなにいいだろうかと思う私です。

地産地消、自給自足、昔は当たり前だったことが、これからの新しい時代にマッチする生き方として、また注目されて来るに違いありません。
ここで出来たお米や麦で、おいしいご飯やパンが食べられて、それで健康に生きていけるとしたら、それこそがユートピア(理想郷)というものに違いありませんね。
どんなふうに展開して行くか分かりませんけど、パン屋としてやれるだけやって見ようと思っています。


  麦畑通信・1 <参照>
  麦畑見学会のご報告 <参照>


風のいたずら




イタヤカエデの実ザヤです。
まだ中の実が熟していませんが、今日の強い風に煽られて落ちてしまったようです。
こんな形の実ザヤが、新緑の葉の数に負けないほど沢山ぶら下がっています。
秋になると、この羽根の付いた実がクルクル回りながら、パラシュートのようにゆっくりと地上に降りて来ます

連休も終わり・・・

ゴールデンウィークも終わって、また静かな毎日になりました。
ご来店くださるお客さまの顔ぶれも、ほとんどいつものご常連の方だけになり、お相手は連れ合いに任せて、私は作業場で黙々と仕事をこなしています。
ありがたいことに、ご注文がほど良いペースで次々と入るので、パニックにならずに落ち着いて仕事が出来ます。
今日のスコーンも上出来でしたし、明日のパン焼きに備えて酵母の調子も上々です。
明日は、パン焼きの後コーヒー焙煎も予定していて、仕事の密度を少し上げなくてはなりませんが、まあ大丈夫そうです。
こうして、皆さまに喜んでいただける仕事が出来るようになったことが、実は最近の私にとって一番うれしいことなのです。
明日も良い仕事が出来るようにと念じつつ、今日は早寝することといたします。
明日は、4時起きです。

味と香り

味と香りは別物ではないと、いつも思います。
おいしいものは、先ず鼻に来ると言われますね。
その通りだと思います。
ところが最近、どうもこの香りがいかにも偽物っぽい食べ物が多くなったような気がします。
私は、以前からずっと自然志向で暮らして来ましたから、人工的な香料の放つ香りを心地よいと感じたことは、ほとんど記憶にありません。
食べ物ではなおさらで、香料で香りつけしたものと、自然の素材の持つ香りの違いは、言われなくたってはっきり分かります。
例えば、手づくりした文旦ピールのあの香りを覚えると、人工的な柑橘系の香料なんか、不快に感じるほど嫌になってしまいます。

ま、それはそれとして、人はこの香りに意外に騙されやすい側面があるのですね。
冷たい水に、少量の食塩を溶かしたとします。
ほとんど何の匂いもしません。
ところがこれにバニラオイルを一滴落としてかき混ぜます。
するとどうでしょう。
何か甘い味のする飲み物に思えて来るから不思議です。
でも口に入れた途端、まずくて吐き出すに違いありません。


それを、小麦粉と炒り玄米粉と植物油などを混ぜ合わせて生地をつくり、薄く延ばして焼くと、皆さんよくご存知の「パタポン」です。
ノーシュガーでも、微妙に甘みを感じます。
それはもちろん、小麦粉や炒り玄米粉がわずかに甘みを持っているからですが、バニラオイルの香りがとても重要な役目を果たしていることを、お分かりいただけると思います。
あともう一つ、少量の塩分が逆に甘みを引き立てる性質があることも、ご存じだったでしょうか。


こんな風に食工房ではいつも、自然の素材が持つ香りを積極的に利用して、味わいにパフォーマンスを持たせる工夫をしています。
スパイスワークは、食工房の決め技というわけですが、こればかりは全てをご披露するわけには行きません。


それからこれが一番肝心なことですが、こうした小細工も主たる原材料の品質が背景にならないことには、何の役にも立たないということを、最後に申し上げたいと思います。

ゴールデンウィーク、実感してます。

先日4月29日からすでに連休期間に入っていますが、週末の今日は久しぶりの遠来のお客さまのお顔を拝見して、いよいよ連休なんだと実感した次第。
ちょうどお天気も良く、暖かさを通り越して少々暑いくらいの陽気の中、はるばる千葉から、いつもこちらに来る度にお立ち寄りいただいている方々が二組お見えになりました。

実は今年は我が家も、久しぶりに都会に出ている子ども達が全員
帰省して来ることになり、結婚した二人の息子の連れ合いと孫も一緒なので、明日から総勢12人の大家族になります。
さすがに仕事は明日の午前中までで、後は製造休止です。

今日はそういう事情もあって、通常のパン焼きの他にクッキー類も二種類焼きました。
連休中、お店の方はずっと開けておりますので、ご来店いただければありがたいと存じます。


     チゴユリが咲いていました。



低い位置に下向きに咲くので、目立たない上に、写真を撮るのは一苦労です。




斜面に咲いているところを下から狙って、やっと視野に入ります。


この花は、私が好きな花のベスト5に入ります。
それほど珍しいというわけではありませんが、開花時期が短くまた目立たない姿をしているため愛でる人は多くない、というよりそもそもお気づきにならないのかも知れません。

コンデジでチャレンジしましたが、小さい花なのでなかなか思った所にピントが合わず、背景の杉の木にピントが合ってしまったりして散々苦労しましたが、やっと2ショットこれならと思うシーンが撮れました。
小さくてもちゃんとユリ科の花の特徴を備えていて、特に三又にフックになっている雌しべの凝った細工には、自然の計らいの完璧さを思わずにはいられません。


 





ここはやはり一眼レフだと思い、フィルムを入れて久々にフィールドワークしました。
ファインダーで見るチゴユリは、なお一層感動的でしたけど、ちやんと写っているかどうかは現像してみないことには分かりません。

ずっと以前に撮ったチゴユリの写真を、すでに一度お目にかけています。
ご覧いただければ幸いです。<こちら>