ニッケルハルパ/nyckelharpa



スウェーデンのフォークグループ、「ラーナ・リム」
メンバーのニクラスの奏でるニッケルハルパ


今日は、久しぶりにまた楽器のお話しです。
もうずい分前から、実は、いつかご紹介しようと目論んでいたものです。
世界の国々には、それぞれの国の民族楽器が必ず一つや二つあります。
日本なら、三味線や琴、尺八などが上げられるでしょう。
北欧の国々にどんな楽器があるのか、私など、50代になるまで何も知りませんでした。
ルーツミュージックの音源を聴いても、初めのうちは、自分がすでに知っている楽器かシンセサイザーの良く出来たものかくらいの認識しかありませんでした。
音からして、フィドルの一種だろうくらいしか想像がつかなかった私が、ニッケルハルパの写真を目にした時は、まさに晴天の霹靂と言うほどの驚きでした。
そういう発想の楽器があるということに、全く想像が追いついていませんでした。
先ず、バイオリンと大正琴とシタールを合わせたような楽器に思えましたね。
そしてこの楽器を深く知るにつれ、楽器を通してさえ、その国の文化に奥深く触れることが出来るのが分かって、以来ずっと新鮮な驚きの連続です。
説明が後になってしまいましたが、ニッケルハルパはスウェーデンの民族楽器です。
この楽器が、どのくらい国民的な楽器かということは、通貨の50クローナ札の裏に、ニッケルハルパが印刷されていることでも明らかです。
ちなみに、この札の表は、かの童話作家アンデルセンの恋人としても知られ、有名な歌姫でもあるイェニー・リンドの肖像です。
よく見ると、楽譜も刷り込まれています。
お国柄を感じますね。



まさしくニッケルハルパです。
チューニングの音程まで印刷されています。



北欧を旅したことのある方から貸していただきました。
同じヨーロッパでも、スウェーデンとノルウェーは、
今でも
ユーロじゃないそうです。


そしてもう一つのエピソードは、この楽器が決して宮廷で使われるような気取ったものではなく、いたって庶民的な楽器であったという話しです。
その昔、酒場で、楽師が愛用のニッケルハルパを置いて休憩している間に、酔った客がそれを勝手に手にとったところ、楽師が激怒して乱闘になり、客を殺してしまったというのです。
何でも「ニッケルハルパ殺人事件」と呼ばれる、よく知られたお話しだそうです。
さてさて、楽器というからには、音を聴いていただきたいですね。
幸いにも今はいい時代で、You Tube サイトに沢山ビデオがアップされています。
リンクを貼り付けておきますので、いろいろお楽しみください。
それから食工房店内でも、度々ニッケルハルパの音が、実は聴こえています。
この次ご来店の節は、ちょっと気にしてみてください。

You Tube  nyckelharpaの検索結果は<こちら>
から
Wikipedia 「ニッケルハルパ」の検索結果は<こちら>から

ニッケルハルパ/nyckelharpa」への4件のフィードバック

  1. 飯塚豊弓

    衝撃的な写真でした!しかも、こんな、細工も隆々みたいな楽器が庶民の楽器とは。世の中には見たことや聴いたこともないものがたくさんありまする。会津に来てから、フィドルとかケイジャンとか、クレズマーやらザディコとかそんな感じが妙にしっくりくる今日この頃です。

  2. Mikio

    飯塚さん、コメントありがとうございました。
    そしてご来店も。
    で、まだまだありますぞ!
    これからも、新鮮な驚きをお楽しみに。

  3. Mikio

    すだれさん、コメントありがとうございます。
    物々しいですか・・・。
    でもこういうローテクでメカニックな感じって、いいと思いません?
    ニッケルハルパの前身の「モラハルパ」とかさらに前の「ヨーヒッコ」なんて楽器もなかなか面白いですよ。

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