イタヤの大株

習刊 コーヒー通信 に替えて  


連休最後の今日、今一つお仕事モードになり切れないまま午後になって、明日の支度やコーヒー焙煎をやっています。

午前中、犬の散歩に行った折、いつものコースの途中にあるイタヤの大株の前を通りかかると、地面に黄色いものが降り積もるように沢山落ちていました。
途端、ハッと気がつきました。
それは、イタヤカエデの花だったのです。



この新緑を見逃してしは、一年の悔いになってしまいます。



葉の切れ込みが浅く、丸っこい形がとてもかわいい。
ウリハダカエデの葉と似ていますが、ずっと小ぶりです。


そうです。イタヤというのは、イタヤカエデの略称です。
見上げると、薄日を背景に透けるように明るいイタヤの新緑が空を覆っていました。
そう言えば山暮らしをしていた頃、このイタヤの開花期に梯子に上って花の写真を撮ったことを思い出しました。
散歩から帰って早速、今度はカメラを持って出直しました。
と言っても、歩いて2分もかかりません。


光線は十分ありシャッターも速いと思いましたので、手持ちで行きました。
ただ、オートフォーカスオンリーのコンデジでは、層になっている枝葉のどこにピントが来るか全く予想がつきませんし、自動露出オンリーでは、絞り込みという手も使えません。
とにかく下手な鉄砲も何とやらの例えにあやかって、シャッターを切り続けました。
それからこれはいつもの手なのですが、狙いをつけたところを中心に置いて、意図的にややワイドに撮影しておきます。
あとで大きな画面を見ながらトリミングして、欲しい所を切り取ります。
こうすれば、なるべくレンズの収差の大きい周辺部を避けて、中心部の精度の高いところを選ぶことも出来るし、ファインダーを覗けないコンデジには、重宝なテクニックだと思っています。


 



 


ちょっとカメラの話しに力が入り過ぎましたが・・・、イタヤカエデは根元から何本も幹が立って大きな株になる傾向があり、ここでも一本陰に隠れていますが全部で5本、それぞれ直径が30cmを超えるくらいの大株になっています。
こんな大きな株の前に立っていると、幹と幹の隙間に見えている向こうの風景は、別世界のように思えて来ます。
隙間から、今にも何かが出て来そうな雰囲気です。


たとえわずかでも、こんなふうに木と向かい合っている時間、私は言いようもなく幸せです。


 



すぐ近くの足元には、ムラサキケマンが咲いていました。
これも猛毒。ただしお薬になるそうです。