不思議な光景


20年余り前、これから山暮らしに入る私たちに、
それまで山暮らしをしていた友人から手渡されたもの。


今日は念願叶って、6年ぶりに8分芯のランプにホヤ(ガラス製の燃焼筒)をセットしました。

ランプの芯は、巾が幾とおりかあって、5分(1.5cm)、7分(2cm)、そして8分(2.5cm)のものがあります。
8分芯は、巾が広い分明るさも一番です。
8分芯のランプなら、夜、本を読んだり手紙を書くのにも不自由はありません。
このランプに、14年間お世話になりました。


電灯を消してランプだけにすると、昔、夜、明かりがあれば、そこは特別な場所になったことが、容易に想像出来ます。
夜という時間の持つ、昼とは違う本当の意味の気配を、はっきりと味わうことが出来ます。


さて、ご覧に入れた写真です。
ランプのうしろでPCのディスプレーモニターが光っています。
デスクトップに使っているのは、比較的暗い目の画像です。
ランプの炎とディスプレーやLEDの光、そして周りにうすぼんやりと見える掛け時計やカレンダー。
光景としては面白いですが、この環境でPC作業は出来ません。
コントラストが強すぎて、画面を見続けていられないし、スロットにメモリーカードを挿入しようとしたら、今度はスロットの位置が見えなくて手さぐりになってしまいます。


夜をランプで過ごすことと、コンピューターシステムに付き合うことの間には、思っていた以上に深い溝がありそうな気がします。
これから時々、そうですね、一週間に一度くらいでも夜をランプの灯りだけにして、電気仕掛けのものと距離をおいて過ごしてみようか、そんなことを考え始めた私です。


「食工房のパンだより44・七夕号」編集中です。近日公開