モノづくりの喜び

近頃、私がやっているパン屋のようないわゆる製造業を指して、「モノづくり」という言い方をしますね。
モノとは、手触りのある物、実物のことを言っています。
これは、コンピューターの時代になって、バーチャルリアリティー(仮想現実)という概念が出現して以降、頻繁に使われるようになった言葉じゃないかと思います。


ところでその昔、社会科の授業で教えられた、一次産業、二次産業、三次産業という捉え方。
そして先進国ほど一次産業の比率が低く、三次産業の比率が高くなると教わった覚えがあります。
「モノづくり」つまり製造業は、二次産業に当たります。
ちなみに一次産業は農林水産業、三次産業はいわゆるサービス業全般のことを指しています。


それでこの頃気になるのが、モノづくりが衰退していると言われていることです。
後継者が育たず、結果人の手の巧みさが失われ熟練工のノウハウが失われるとか、貴重な技術が消えてしまう危機を度々耳にします。


本来モノづくりは、手応えのある喜びの大きい仕事です。
それは、私も毎日の仕事の中で実感していることです。
でも、一つだけ問題があります。
それは、自分たちの造ったものを売ることで、自分たちの生活と事業の再生産性を維持出来ないということです。


例えば、今使っている中古品で手に入れたオーブンを始め製造設備は、今ここで壊れたらどう頑張っても新調することは出来ない。
つまり、その時点で廃業するしかないということです。
以前、そんな事情で惜しまれつつ閉店したパン屋を、実際に知っています。


この社会の仕組みのどこが悪いのか分かりませんが、モノづくりは報われない仕事だと、相場が決まってしまっているようなところがあると思います。


魅力のあるいい仕事なのに、そしていいものをつくって評判もいいのに続けて行かれない、そんな話を何度か耳にしています。
製造業は、まず設備にとんでもないお金がかかるのですね。
いいモノをつくれるようになるには、沢山の時間と精進の積み重ねも必要です。


それはそうと、製造業よりもっと報われないのは、一次産業の方かも知れません。


モノづくりを大切にしない社会は衰退すると、新聞記事の中で読んだ覚えがありますが、それなら一次産業を大切にしない国家は滅びると言えそうです。


おかげさまで食工房は、今すぐにどうこうということはなく続けて行かれそうで、これはもう皆さまのご愛顧の賜物と感謝申し上げる次第。


モノづくりの喜びを味わいながら、今日も忙しく過ごしました。



今日は、上の娘がうさぎパンをつくりました。でも、一個だけ。
耳が長かったはずですが、顔が膨らんだおかげで短くなってしまいました。



かわいいポップカードは、連れ合いのお遊び。