お風呂焚きの思い出


火を扱うのは、真剣です。



勢い良く燃えてくれると、お顔もほころびます。


上の写真は、下の娘が9歳の頃お風呂焚きをしている時のものです。
山暮らしをしていた時、お風呂焚きは子どもたちの役目と決っていました。
皆、9歳になるとお風呂焚きの役目に加わりました。


どうして9歳なのかそんなに明確な理由はありませんが、そのくらいになると一人でやらせても大丈夫だろうという判断と、やってみたい本人の気持ちが合致して、上の兄弟たちに手ほどきしてもらいながら、何日かに一回の役目に責任を持つことになります。


風呂桶を洗って水を溜めるところから始まり、皆が入り終わるまで沸かし続ける分の薪を釜の前まで運んだり、焚きつけの用意をします。
時間になったら火を付けて、番をしながらお風呂が沸くまで薪をくべ続けます。
入れるようになったら皆に知らせて、やっとお仕事は終わりです。
そこから先は入る人が自分で火加減をして、出る時にもう一回様子を見て、必要なら薪をくべて置くということになっていました。
風が吹いて危なそうな時や、煙突が詰まって上手く燃えない時は、お兄ちゃんに手伝ってもらうこともありました。


それでも、親の私が手を出すことは一度もなく、全部子どもたちでやっていました。


お兄ちゃんたちは、父さんと一緒に伐採から薪割りまで全部やりましたし、女の子たちはほとんど毎日、枯れソダ集めをしてくれました。


お風呂沸かしも、煮炊きするのも、暖をとるのも、全部薪のお世話になっていましたので、薪は食べ物やお金と同じように大切だと分かっていました。


そして火を焚くことは、すっかり身に付いて体の一部になっていました。


今こちらでは、お風呂は最初から備え付けの自動式の石油ボイラーで、スイッチ一つで給湯するのです。
暖房は、ファンヒーター。
煮炊きは、ガスコンロ。
電子レンジも使います。


便利になったのですが、何か悲しい・・・。

お風呂焚きの思い出」への2件のフィードバック

  1. Mikio

    まっはさん、コメントありがとうございました。
    過去記事ですけど、より多くの方に見ていただきたいと思い、リンクしておいたのです。
    目に留めていただいてうれしいです。

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