看板を立て直しました


相川郵便局の方から入って来ると、こんな看板が見えて来ます。



反対側から来ると、こんな感じ。


開業以来8年目の食工房です。

看板もいつの間にかボロボロになり、初めていらしたお客さまが気付かずに通り過ぎてしまわれることも度々でした。
実は、今年の初めから材料を買って準備はしていたのでしたが、看板の文字や絵を描いて、表面塗装をして、取り付けるばかりになった頃に震災騒ぎです。

それからしばらく手が付かず、やっとこのお盆の休み中にそれも最終日の今日、立て直すことが出来たというわけです。
写真でご覧いただいた通り、遠くからでもお分かりになると思います。

あとは、駐車場の案内板を追加しなくてはなりません。
店の脇と道路向かいの小屋の脇、いずれも駐車可です。


いよいよ明日から仕込み再開、明後日から営業再開です。



今お店の前には、ルコウ草の花がいっぱいに咲いています。






  「風評被害」という言い方、止めにしませんか


以前からずっと申し上げています。
風評被害という言葉、いつ頃から誰が使い始めたか知りませんが、とても微妙で差し障りの多い言い方だと思います。


たいていの場合、農業や製造業、商業、観光業の人たちが、自分が受けた損害に対し「風評被害」という言葉を使っています。
考えてみると、なかなか便利な言葉で、本当の原因をぼやかして何でもかんでも被害にしてしまうことが出来るのですね。

一方、被害と言うからには加害者がいるわけですが、風評被害に関してはそれが全く特定出来ません。
人の噂の出所など掴むことは不可能ですから、そもそも何が風評なのかさえ分かりません。


ここでしっかりと認識しておかなくてはならないこと、それは今回の原子力災害の加害者は、福島第一原子力発電所であること、その事業者である東京電力だということです。
そして併せて、原子力発電を国策として推進して来た国家にも、重大な責任があるということです。
追及の矛先は、ただ一つそちらに向けるべきです。


それを、風評被害と言う時、何だか知りませんが相手がぼやけてしまって矛先が鈍るのですね。
否、実は最初から、これは矛先を逸らすための恰好の罠として、散々利用されてしまっているという気がします。


例えば生産者と消費者の間に、誤解や時に厳しい対立の感情が生まれたりするのは、本当ならあってはならないことです。
それを防ぐために、東電や国が最大限責任を持たなくてはならないのに、むしろ逆にそうした動きを利用さえしているように見えます。


当初から詳細綿密な測定調査を行い、全て数値を以て発表していれば、風評など生まれる余地は無かったと思うのです。


食工房とその周りの生産者たちは、はっきりと決断しています。

先ず可能な限り自主測定をすること、そして原則としてND(不検出)のものを出荷すること。
一つの地域で、土壌からの移行計数が高い作物一二品目を検査し、ND(不検出)の場合は、その圃場での作付けを継続してして行きます。

若干なりとも数値が出たものについては個別に判断し、出荷する場合は数値を示して消費者の判断を仰ぐとともに、除染対策をして次作に備えます。


それでも、その作物や加工された製品を買うか買わないかは、あくまでも消費者の方々の自由ですから、私たちは結果を見てその都度対応を考えるしかないと、最初から覚悟しています。


そのおかげかどうか分かりませんが、百姓市でも食工房でも、お客さまとの間に要らざる誤解や対立が生じたことは、今までのところありません。


「風評被害」・・・、本当にイヤな言葉です。

全員集合


 この写真を見て、懐かしんでくださる方が少なからずいると思います。
果たして誰が誰だか、分かるでしょうか・・・?


12日の夜に、まず千葉から二男一家、翌日には四男一家、さらに翌朝三男が次々と訪れて、全員集合となりました。
私たち夫婦二人、息子娘が6人、息子の嫁が2人、孫が5人、合計15名です。


皆、よく来てくれました。
ありがとう。


でも、楽しい時間はあっという間に終わってしまいます。
今日は早や一組帰り、夜また一人帰って行きました。


明日からはまた、いつもの日々です。


来年は、もう少しでも安心して帰って来られる場所になってるといいネ。




  郡山へ


全村避難で役場の機能を郡山市に移している、件の川内村です。
昨日14日は、我が家の一番下の娘の成人式で、生まれ育った川内村から招待状が届いていましたので、私と二人で出かけて来ました。


今年のこの状況の下で、成人式を開催出来るかどうか、遠藤村長はギリギリまで悩んだそうですが、何と言っても子どもたちにとっては一生に一度のことですから、郡山に会場を用意して開催の決断をされたのでした。


在村時にはいろいろとお世話になり、親しくお付き合いもさせていただいた遠藤村長、私たちは専ら「ユウコウ・雄幸」さんと呼んでいましたが、久しぶりにお目にかかったそのお顔は、以前にも増して明るいオーラを漂わせていました。


その他、村の沢山の方々にもお目にかかり、旧交を温めることが出来ました。


そんな中、何人かの方に「青木さん、会津に行ってて良かったナ・・・。」と、今まさに困難に遭われている方々からこんなことを言われて、思わず泣けました。


何としても、この方々には故郷を取り戻して欲しい、そう思い祈らずにはいられない私です。


 



娘の成人を、我が事のように喜んでくれた、村長さん。ありがとう!






  今日は、終戦の日でした。

「敗戦」とは言わず「終戦」ですべてが終わり・・・とは、私の父が残した文章の中の一節ですが、今の日本は、もう一回戦争に負けたみたいなもの、おまけにまだ内戦が続いているのと同じじゃないか、そんな風に思えて仕方がありません。
大げさですか・・・?
まあいいでしょう。
私だけの実感だったら、それはそれで結構なことです。
早く平穏な日々が訪れますように・・・。
今夜は、いつもにまして気持ちを込めて祈ります。

本日、宴会につき

子孫含めて14名の大集合、大宴会にて、本日休稿いたします。


明日はさらに一名増えて15名の大宴会にて、明日も多分休稿です。


どちらさまも、良い休日を。

真夏のカレーパーティーへのお誘い


画像クリックで拡大します。


一度この場に告知申し上げましたが<こちら>、改めてもう一度お誘い申し上げます。


関係者一同、週毎に打ち合わせを重ね、楽しいイベントにしようと張り切って準備を進めています。


会場の規模などから、参加定員50名を目途にしておりますが、現在すでに30名程の予約が入っていますので、参加ご希望の方はお早めにご一報ください。


なお前日の準備や当日のお手伝いをしてくださるボランティアスタッフを、引き続き募集しています。
スタッフの特典として、500円でイベントに参加出来ます。
カレー好きの方、料理するところに立ち会うチャンスも・・・。


多くの方のご参加、引き続きお待ちしています。


詳細は、ポスター(上の画像)とフライヤー<こちら>をご覧ください。




  明後日の百姓市もよろしく!

毎週日曜日、少しずつ定着して来ています。
野菜の種類も多くなって来ました。
テントの下のくつろぎスペースで、長々とお喋りして行かれる方もいらっしゃいます。
どうぞお気軽にご来店ください。


ただし食工房は夏休み中のため、パンの販売が出来ませんが、コーヒーの無料サービスだけはやります。
お楽しみに




  


百姓市野菜セット・始めました

百姓市の野菜と卵、そして食工房のパンと焼き菓子の中から一品加えて、「百姓市の野菜セット」を企画しました。
クール便で、ご自宅までお届けいたします。
詳しくは、板橋店長までお問い合わせを。  090-1461-1085


※食工房の企画による、「野菜とパンのお楽しみパッケージ」とは別企画です。

心を痛めずにはいられない・・・

昨日の話題に関連します。

今回の原子力災害を前に、人は本当に千差万別、様々な反応をしています。
そしてそのことが、次から次へと人と人の間に無用な亀裂を生み出しています。


今日は、二つのブログ記事をご紹介いたします。


「農家に婿入りした男のブログZ」
http://ameblo.jp/noukanomuko/entry-10926646707.html


「作付けをしないことは、『農家の良心』ではない」
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-d02d.html


もうすでにご存じの方もいらっしゃるかも知れません。
否、それなら話は速いです。


まだの方は、どちらも長文ですが、ぜひご一読いただきたい。


このブログのお二方の立場の違いとそこから来る主張の違い、そこにコメントを投稿する方々の、またそれぞれ主張の違い、そのやり取りに触れて、心を痛めずにはいられない私です。


昨日私が申し上げた通りのことが起こっていると思うからです。


そして昨日の私の記事に、一つ付け加えさせていただきます。
よく「分からない」のは、実は放射能だけではないのですね。
いわゆる「現地の事情」もです。
人と人の間に無用の亀裂を生んでいる原因としては、むしろこちらの方が大きいかも知れません。

どなたにも申し上げたいのは、福島について語るのであれば、ぜひとも福島に来て胸一杯空気を吸い込んで、私たちと同じ線量を浴び、そして生の声に触れてからにして欲しいということです。


私たちにとって、ここはもはや戦場ですから。






 残留放射能検査報告

先月、沼ノ平地区で収穫されてライ麦と小麦について、残留放射能の検査を依頼しました。
検査機関は、神奈川県横浜市にある「同位体研究所」というところです。
精度の高い検査をすることで定評があると聞いていましたので、高い検査料を厭わず迷わずそこに決定しました。
結果は、二検体ともに不検出(ND)でした。
詳細は、検査報告書のコピー画像をご覧ください。


 


画像クリックで拡大します。


ついでに請求書もご覧ください。



先ずは一安心です。

この検査でさらに予測出来ることは、沼ノ平地区の米もほぼ間違いなく不検出(ND)になるだろうということです。
農家にとっても、消費者の方々にとっても、大きな朗報です。


 ★コメント受付再開します。

「分からない」ということを、人はこれほどまでに恐れる

フクシマ事故以来、人と人の心が分断されて行く現場を、度々目の当たりにし、また耳にします。
福島県と他県、避難する人と残る人、真実を知ろうと懸命な人と無頓着な人、様々な人間関係において、全部が全部とは言いませんが、時に厳しくあるいは時に微妙な溝が出来てしまうのを、これまでにもう何度も見聞しています。


同じこの地球に生きる人類として、全員で力を合わせて立ち向かわなければならない敵を前に、このように仲間割れしているというのは、一体何が原因なのでしょうか。


私は、それは放射能というものが、目に見えず、耳に聞こえず、触ることも出来ず、何の実感も伴わない、全く得体の知れないものだからだろうと思っています。


人は誰も、それを容易に理解することが出来ないのです。
そして分からないということは、何にも増して人を不安に陥れ、恐怖させます。


科学的にさえ、未だ十分に確認されたわけではない領域があり、そういう意味では放射能の恐怖はまさに無限大です。


人はそれに対し、分かった振りをしたり、無頓着を決め込んだり、様々な反応を起こします。
皆、その恐怖から逃れたいのです。


一方、学者さんのように、毎日その分野で研究に勤しんでおられる方々は、お見かけする限り、ちっとも怖がっている様子がありません。
理解が及ぶということが、これほどまでに人の気持ちを楽にさせるのかと、改めて思い知らされます。


だから素人の私でも、少しでも勉強して、何とか理解を追いつかせようと必死です。
これからは、量子力学や放射線医学の概論程度は、社会常識になる必要があるかも知れません。
否、原子力発電をやるなら、市民の理解がその程度まで及んでからにすべきでした。


なってしまったことは仕方ありませんが、この現実をこのまま放置していると、いつか暴動や内戦が起こるかも知れないというのは、大げさに過ぎるでしょうか・・・。
「分からない」ということを、人はこれほどまでに恐れるのだと、私は思っています。




 速報です。

たった今、検査を依頼していた「同位体研究所」からFAXが送られて来ました。
件のライ麦と小麦は、いずれも放射能不検出でした。
詳細は、明日改めてご報告に及びます。

川内村へ


外観はずい分傷みましたが、中は本当にきれいでした。
8間×4間・一部二階建て・建坪40坪
正真正銘のハンドメイドハウスです。


8年前まで私たちが山暮らしをしていた川内村へ、今日久しぶりに出かけて来ました。
厳しい原子力災害をもろに被り、全村避難の渦中にある川内村です。


私にとっては、8年前に決断して後にして来た場所ですが、そこにはまだ自分で建てた家がそのまま残っているのです。


今日は、その家のことでけじめを付けに行って来ました。


現在その山の中は、地主さんのご夫婦が二人だけで生活しているのですが、途中の林道は震災の影響でしょうかずい分傷んでいて、毎日の出入りはさぞかし大変だろうと思えました。


しばらく見ないうちに、山々の木々がすっかり大きくなって、景色も変わってしまったかのようです。


でも、その自分で建てた家だけは、林の中に埋もれそうになりつつも、そこだけが時間が止まっている様に見えました。
中に入ると、8年前暮らしていた頃と同じ匂いがして、驚くと同時に胸が詰まりました。


そしてうれしかったのは、あの震災の震度6の揺れにも、ガラス戸一枚割れることなく、ドアの開閉も何の引っ掛かりもなくスムーズだったことです。
同行した息子や娘たちが言いました。
「この家は、原発より丈夫に出来ているんだ!」と。


しかし放射能だけが、例外もなくこの家を浸していました。
私も、家族の誰かも、もうここで暮らすことはないでしょう。


しばらくの間、立ち去り難い思いにただ黙している他ありませんでした。


でも、今日行って来て良かった。


これからはよい思い出だけを携えて、しっかりと前を向いて歩いて行こうと思います。


ありがとう、皆さん!



在りし日の家の中の一コマ

私たちが失ったもの・・・


今は警戒区域となった山々

画像クリックで拡大・デスクトップ背景に使えます。


この度の原発事故に巡り合って私たちが失ったもの、その大きさ、途方のなさに、どこまでも広がる荒野を見るようで、もうこの先ずっと一生の間、何に対しても心の底から喜ぶことは出来ないかも知れないとの思いがあります。


ある学者の分析によって明らかになった、広島原爆20個分に余る放射能がまき散らされたという事実。
多くの人が思考停止に陥ってしまうのは、ある意味仕方が無いことかも知れません。
しかしそれでは、失うものがますます増えるだけです。


中でも許せない、私たちにとって一番大きな喪失は、この原子力災害に対し、この国の責任ある人たちが、全く向き合おうとしないことです。
放射能は、先ず真っ先に人の心を壊したのだと思っています。


私たち福島県民の多くが、この文明社会の利便性、つまりありとあらゆる電力の恩恵を、厳しい被曝の現実を以て贖っているということを、何としても思い知らせたい・・・。


また子々孫々に対し、これほどの途方もない負の遺産を残すことになったことに、今を生きている大人たちは、これから先ずっと死ぬまで、後悔の念を絶やしてはならないと思います。


今回の事故で分かった通り、あのように稚拙な技術と愚かな人間性を以て原発を動かし続けることは、もう止めにしなければ・・・。


やはり、これは戦争です。




食工房は、明日から18日まで、夏季休業をいただきます。

仕切り直しです。

皆さまも、どうぞお元気で。

ご来店ありがとうございました。


板橋店長の顔が、今日は一段と頼もしく思えました。



昭和村のカスミソウ販売特設コーナー
この花があるだけで、店の雰囲気が
とても華やに感じられました。


本日は、百姓市、食工房、共に多数ご来店いただきまして、まことにありがとうございました。
この場を借りて、一言御礼申し上げます。


特に百姓市は、地元在住と新住民の若い方々が意気投合して頑張っている甲斐あってか、この頃集まって来るエネルギーの濃さを感じます。
これで何か起こらない方が不思議、そんな雰囲気があります。


いつまでも元気をなくしてはいられない。


そのエネルギーの基になっていることの一つに、この度の原子力災害に対する自分たちのスタンスを、はっきりと見定めていることがあると思います。


自分たちの生産物は、可能な限り(何しろ高額な費用がかかるので)自主的に検査に出す、このことだけでも面々の覚悟を感じていただけるのではないでしょうか。


努力はまだまだ始まったばかりです。
これから益々勉強し理解を深め、いろいろな方策を打ち出して行く所存です。


比較的汚染の程度の軽い会津ではありますが、なお今後も、それぞれの圃場の可否について詳細厳密に評価しながら、植える作物の選定や必要な対策を実践して行きます。


どうぞ皆さま、引き続き「百姓市」を応援してください。

よろしくお願いいたします。




雨が降ると・・・

今日、百姓市もあと30分ほどで店じまいという頃になって、突然猛烈な雨に見舞われました。
店先に線量計を置いて観察していた私は、この時急激に線量が上がって行くのを目撃しました。
それまで、0.08μSv/hだったのが、最高0.16μSv/hまで上がりました。
二倍にもなったわけです。
大変驚きましたが、雨が止むと間もなくまた急激に下がって行きました。
一過性とは言え、この変化は何だったのか。
大気中に放射性ダストが、未だに一定量浮遊していると言えます。


雨に濡れた時は、出来るだけ早く着替えて、シャワーを浴びて全身を洗い流すのが良いと思いました。

明日も、「百姓市」よろしくお願いいたします。


明日の「百姓市」は、同時開催イベントがあります。
地元早稲田谷地区の灌漑水路・上堰を辿って自然散策をご案内いたします。
案内役は、森の案内人の資格をお持ちの浅見彰宏さんです。
実は先月にも開催して、ご好評いただいています。
季節が移って、先月とはまた違う様子を観察出来ると思います。



画像クリックで拡大します。


 


また「百姓市」会場では、食工房による夏野菜たっぷり・カレーの炊き出しもあります。
こちらは、材料費実費500円をご負担ください。
コーヒーは、いつも通り無料サービスです。


夏野菜が盛りになって来ました。
市には、沢山の野菜が揃います。
他に、平飼い自然卵、有機大豆の納豆など加工品もあります。


その他、天然酵母パンと焼き菓子も販売。


そして今回特に、昭和村の農家の方(菅家博昭さん)がカスミソウを販売します。


いろいろ、あれこれ盛り沢山の、明日の「百姓市」へ、ぜひぜひお出かけください。
一同、心よりお待ち申し上げております。