熊出没の話

会津では、雪が融けて春になって以来、熊出没の話はいつ聞こえて来ても不思議はないのですね。
先月は、ここからは遠いですが、会津高田町で熊による人身被害があって、全国ニュースにもなりました。

一方こちら山都町周辺では、初めのうち熊が出たという話を聞きませんでした。
山に食べるものがあるから出て来ないのだろうと話していましたが、最近にわかに熊出没の話が聞こえてくるようになりました。
それも毎年のように出没する場所です。

一つは、養鶏をしている方の餌置場を狙って出て来るという話。
ワナを仕掛けても、そちらには見向きもせずに真っ直ぐ餌置場にやって来るらしいです。
こうなると、鶏の世話も命がけですね。
この他にも3件、目撃談を聞きました。

で、我が相川藤沢地区ではと言うと、今のところ熊の目撃情報はありません。
つい先日、立木に爪痕があったと聞きましたが、クマの姿を見た人はいないので、真偽のほどは今一つ分かりません。

私は、過去に熊出没の履歴がある場所を、犬を連れて毎日歩いて回っていますが、今のところ熊出没の痕跡は発見していません。
餌になりそうな桑の実がいっぱい成っていても、食べられた様子もありません。
でも、ある日突然やって来るかも知れないし、油断はしていません。
それより、毎日のようにおいしいパンの焼けるにおいを漂わせているので、食工房目指して出て来るようになったら、そっちの方が困ります。
火を焚くとか、大きな音を立てるとか、あとはちょっと武器になるようなものも用意しておくとか、何かしらの備えは怠らないよういつも心がけています。

それでまた獣の害と言うか、人間とのまずい関係は、熊だけではないのですね。
ここらでは、熊の他に猿とカモシカが脅威となりつつあります。
カモシカは人を襲うことはまずありませんが、猿は狂暴だという話もありますので、油断はなりません。

それより何より、熊も猿もカモシカも、畑の作物にとって大きな脅威なのですね。
山奥の畑では、収穫をあきらめて耕作放棄する場面も実際あります。

こうして人の手が入らなくなった場所は、次には獣たちのテリトリーになります。
そして、私たちがただ恐れて手をこまねいていると、やがて獣たちは、警戒することなく人里に出没するようになります。
もうすでにそうなりつつあると言うのが、例えばこの山都町のような中山間地の現状ではないかと、私は思います。

一方で、人間活動が野生生物に脅威を与えているとの指摘があり、尤もであることもまた確かですが、それにしても今の私たちの、この成すすべもなく放置している状況は、実は最悪です。
そうです!一番悪いのは、私たち人間が、自然から離れて暮らすようになり、あらゆる場面で自然との関わりが希薄になってしまったことです。
いつか申し上げた覚えがありますが、人は今、人としての資質の重要ないくつかを、すでに失ってしまったかも知れない・・・。

ここらか先は、過去記事をご参照ください。

<野生の反乱 2010.10.25>

<ヒトがヒトでなくなる日 2009.07.27>

<熊、猿、カモシカ 2010.06.28>

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