投稿者「mikio aoki」のアーカイブ

カトリン・パウルさんの個展へ

今日は、先日このブログでもご案内申し上げたカトリン・パウルさんの個展を見に、連れ合いと共に西会津町へ出かけて来ました。 <参照>

今日は、例のカトリンさんの東京のお友達もいらっしゃるとかで、滞在中一緒に食べるためのパンをご注文いただいていたのでそれを携えて、先ずは二つある会場の一つ西会津町の道の駅「よりっせ」に向かいました。
「よりっせ」とは、会津の方言で「寄ってらっしゃい」の意。
山間の町にお似合いの木造の外観で統一された建物の中に入ると、地域の物産が所狭しと並べられていました。
その奥に個展の会場が・・・。
打ち合わせどおり、カトリンさんが待っていてくれました。

こちらの会場では、町のお年寄りのポートレートが展示されていました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、西会津町は「健康で百歳まで長生き」を宣言して、先ずは食べ物からと有機野菜のプロジェクトを展開していたりするユニークな町です。

ポートレートは、いずれもお婆ちゃんばかりでしたけど、最年少の方でも98歳、他は皆百歳以上の方ばかりという顔ぶれです。
どなたのお顔も、子どものように可愛く写っていたのは不思議でもあり、当然でもあるような気がしました。
聴いてみたら、皆さんお元気な方ばかりだそうです。
カトリンさんがこのポートレートで最も留意したことは、百年間を見つめて来た「目」だそうです。
カメラを見つめるその眼差しの中に、きっと何かが見えるはずと、最大限アップにしたそうです。



しばらくそこで過ごした後、今度は二つ目の会場の西会津町国際芸術村へ回りました。 <こちら>

この会場に展示されている作品は、カトリンさんのアートのもう一つの世界、見えないものを形にして見せることや、光と影と言ったとても内面的なものがテーマになっています。
正直私には、ここの作品群はとても楽しかったです。

難解だと言う人もいるかも知れませんけど、理解しようとするより先ずは無邪気に感じて楽しむというスタンスで接すると、すんなり彼女の世界に入って行けるような気がします。

廊下の天井に吊り下げられた100枚余りのボールペン画(その日の気持ち)の下をいろいろな角度で見上げながら歩いたり這ったり走ったりするのが楽しくて、すっかり興奮してしまいました。
連れ合いも、久しぶりに自分の中のアートを刺激され触発されて、静かに興奮していたみたい・・・。




カトリンさんと一緒に写真に撮られる
というので興奮気味の我が連れ合い。
カトリンさんのブログNishiaizu Venture は <こちら>



今月いっぱいで会津を去るというカトリンさん、名残惜しいので今は先のことは考えたくないと仰っていました。
私たちも良いご縁をいただいたと、名残惜しい気持ちでいっぱいです。
でも、新たな環境での彼女の活躍を念願し、会津の地より声援を送りたいと思っています。


 


  春、めっけ!




毎年、何度カメラを向けても新鮮な発見と驚きがあります。
つくづく可愛らしい花だと思います。 福寿草




こちらは、ウバユリの新芽。大きく育つと、迫力が勝って決して可愛いとは言えませんが、
新芽のこの時期はどんな植物だろうかと楽しみに思わせる可愛さです。


今年は雪が少なくて、雪解けも早くて、福寿草は二週間以上も早く咲き始めました。
あまり早く咲いたものは、その後に霜に当たってクシャクシャに萎れてしまったりして、ちよっと可愛そうです。
今朝は早くから日が差して暖かく、咲いたばかりの福寿草が金色に輝いていました。
そうしたらすぐ近くの地面に、ウバユリの新芽を見つけました。
けっこう早くから芽吹くことは知っていましたが、それにしても早いです。
また霜にやられなければいいがと、心配になります。
本当に、早すぎる春はその後の天候不順を予告していることもありますから、自然界の様子をことさら注意深く観察して、畑の作業の目安を付けなくてはと思っています。

パタポンのラベルが新しくなりました。



小麦粉に、炒り玄米粉と黒焼きライ麦粉を混ぜて、うすくうすく延して丸く型抜きして、香ばしく焼き上げたパタポン。

名前の由来は、型抜きした丸い生地をパタッとひっくり返して、ポンと天板の上に並べるところから思いついただけですが、その時ちょうど絵本で有名な「マリーちゃんとひつじのパタポン」のお話が頭にあったものですから、何の脈絡もなく絵本の絵を真似して描いたものをラベルに使っていたのです。

でも、「いくら何でもパクリだよね・・・」「絵描きとしては、やっぱりイヤだなァ・・・」と、連れ合いはずっと悩んでいたのです。
そしてやっとアイディアが湧いて、可愛いラベルの絵を描きました。

食工房は何と言っても、我が連れ合いの描くイラストのおかげで、皆さんに覚えていただいている部分が少なからずありますから、今度のラベルもとてもよく出来たなァとうれしい私です。



中身はもちろん、ラベル共々「パタポン」をよろしくお願いいたします。
なお、パタポンについては<こちら>もご覧ください。


それにしても・・・。
クッキーの製造が、全く追いつきません。

今、一週間の内に、二品目か三品目造るのがやっとです。
そして、出来た側から売切れてしまうので、棚はいつもガラガラです。
正直、効率の悪い仕事なので、クッキー造りを優先するわけには行かないのです。
申し訳ありませんが、当分、出来た分だけでご勘弁いただきたいと思っています。

食糧価格が値下げ傾向だとか・・・



沼ノ平産小麦全粒粉配合で、
このところ人気上昇中の「飯豊山食パン」


この4月から、輸入小麦の払い下げ価格が14%余りも値下げになると、少し前の新聞記事で知りました。
それを受けて製パン大手のヤマザキパンは、製品価格の値下げを検討せざるを得ないだろうとコメントしています。

つい一年前、穀物市場の高騰で小麦価格がガンガン上がって、パンの値段も上がったのがまだ記憶に新しいというのに、一体何があったのでしょう?
昨年の高騰の原因が、多分に投機的要因によるものであることは明らかですが、今度の値下がりは逆に投機筋が手を引いたということなのでしょうか。
人の命に関わる食糧や燃料は、投機の対象にしてはならないという申し合わせがどうして出来ないのか、この不条理を私は到底容認出来ません。

それはさておき、今、食料品の価格はどんどん下がっています。
景気が悪くなって、あらゆる市場でモノが売れない傾向が定着してしまった感があり、消費者は毎日の食料品でさえ買い控えているからです。
と言うより、今まで無駄にしていた部分を見直しているだけなのではないでしょうか。
むしろ正常な消費行動になって来たということなのかも知れません。

商売する側からすれば、次々買ってもらわないことにはお金が回りませんから、これからはとても難しい時代に入って行くのだろうと私は思っています。
実際のところ、製造者も販売者も体力勝負の持久戦に入ったと言われています。


ところでこんな状況下でも、食工房の原材料仕入れ価格を見る限り、この一年間値下がりしたものは一つもありません。
そして今回の輸入小麦の価格引下げも、国産小麦の価格には全く影響がないと思えます。
そうなると、世の中に広く売られているパンに比べて、食工房のパンの高価格が際立つことになるかも知れません。

しかしこれは私の予感ですが、これからはモノの値段は、「質」によって何段階にも格差が生じ、例えば一斤100円の食パンと1000円の食パンが、さほど不思議なことでもなく当たり前に売られるようになるのではないかと思っています。
質の高いものは価格も高いのは当然ですが、それでは買える人も限られることになり、それは私にとっては胸が痛むことです。
どのあたりでバランスを取るのか・・・、持続再生産可能なラインと言うなら、まだまだもっと高くしなければ引き合わないというのが現実です。

本当は、これだけ収入の格差を是認するのなら、モノの値段は裕福な人には高く貧乏な人には安くあるべきだと、これは私の個人的な見解ですが、それにしても今の世の中は不条理に満ちていると、憤慨に堪えない私です。

第2回 アグリカフェ のご案内

      


それぞれの画像をクリックすると拡大表示します。


イベントの告知が多くなっております。
春がやって来た証拠かと、やはり気持ちが高揚して来ます。

さて、昨年11月に始めて開催され、大好評をいただきました「アグリカフェ」の第2回目が開催されます。
今回も多数の出店と盛り沢山な企画が予定されています。
今回は会場を野口英世青春広場に移しての開催となります。
食工房も、また出店いたします。
詳しいことは、画面上のチラシをクリックしていただくと、拡大表示にてご覧いただけます。

それで早速で恐縮ですが、食工房よりご案内とおわびです。


まず一点、予定していましたオリジナルスパイスのカリー&ライスは、保健所の許可の関係で今回は出すことが出来ません。
残念ですが、また別な機会を待ちたいと思っています。


準備の手が空いた分、パンや焼き菓子に集中していろいろ揃えますので、どうぞよろしくお願いいたします。
コーヒーはもちろん出しますし、「会津のべこの乳」を使ったコーヒーメニューも考えています。
またスパイシーマサラチャイも出す予定です。
どうぞお楽しみにお出でください。


今日は、先日すでにご案内いたしました「沼ノ平の福寿草まつり」にお出かけになる前後に、食工房にお立ち寄りいただいた方が何組かいらっしゃいました。

こうして地域のイベントの恩恵を受けられるというのは、考えてみると大変ありがたいことです。
いつかチャンスが廻って来ることがあったら、我が集落でも何か出来たらいいのにと思います。

この地で5年頑張ってやっと、これからが始まりだという実感です。
どうぞ今後とも食工房をよろしくお願いいたします。

INORI 櫻井こずえ作品集 1


バイオリンの吉野さんのポートレート以外は、私の撮影です。



自分でもよく撮れたと思う一枚




ジャケット全体のデザインは、夫の櫻井成夫氏


 


今日は、久しぶりに音楽の話題です。

「箏」という楽器を、皆さまどの程度ご存知でしょうか。
日本の伝統楽器であることは知っていても、耳にするのはせいぜいお正月の時期のデパートの店内くらいのものじゃないでしょうか。
それに習おうと思ったら、ものすごくお金もかかるんじゃないか・・・、そんなイメージが先行して、私たちの日常にはほとんど馴染みのない楽器になってしまっているのは、ちょっと残念なことです。

私が箏と言われて思い浮かぶのは、昔音楽の時間に聴かせられた宮城道雄の「春の海」とか「六段」くらいで、あとは何も知りませんでしたし正直興味も湧きませんでした。

それが8年ほど前に、櫻井こずえさんという方にお会いしてから、すっかり認識が変わることになりました。
箏の演奏家であり作曲家でもあり、そして自分の教室を持って後進の指導もしている櫻井さんです。

それでお話を進める前に、この方の師匠にあたる方のことを、何としてもご紹介せねばなりません。
田中孝一郎氏。

この方の演奏を、櫻井さんのお計らいで間近に聞く機会がありましたが、驚きと感動と共に箏という楽器への認識を新たにしたことは、今でも新鮮に覚えています。
田中氏のプロフィールその他は、<こちら>のサイトをご覧いただきたいと思いますが、まずページトップに詩が一編あります。
この詩がとても感動的です。
彼の感じ方は、音楽する者にとって一番大切な感覚だと私は思います。


さてそんな田中孝一郎先生に師事した櫻井さんは、作曲という世界で才能を発揮することになりました。
その彼女の箏と関わった18年間の集大成として、2002年に櫻井こずえ作品集「INORI」をリリースしています。

このアルバムのことも含めて彼女のことをもっと知りたい方は、<こちら>をご覧ください。
アルバムの全曲を試聴することも出来ます。
バイオリンとのデュエットなど、箏の可能性を広げる素晴らしい楽曲の数々に、きっとどなたも耳を洗われると思います。

実は、このアルバムの製作には、私も関わりを持つ幸運に与りました。
ジャケットに使う写真を撮らせていただいたのです。
ですから、このアルバムは私にとっても、とても大切な作品です。

多くの方のお耳に届けたい、そんな思いで食工房でもCDを販売しています。
お聴きになりたい方、ご来店の折にちょっとお声をかけてください。

この暖かさで・・・

今日は本当に暖かい一日で、季節が一ヶ月以上も先に進んでしまったようでした。
周りの山々も青くかすんで水墨画のように見えていました。

この暖かさで・・・、

畑はいつから手を入れようか、雪囲いも外さなくてはなどと、気持ちが浮き足立って来るのが分かります。
田吾作モードのスイッチが入った私は、配達のついでにホームセンターに寄って、肥料などの資材を下見して来ました。
種ジャガイモも売り出し中でした。
今年は、またメイクィーンにしようか男爵にしようか、はたまた両方にしようかなどと計画中です。

それはさて置き。

この暖かさで、今日のパン焼き作業に早速影響が出ました。
何しろ、温度に敏感な酵母の活性。
冬の間、手を尽くして保温に努めていても、作業台や機械設備そのものの温度まで維持するのはよほど大変です。
それが気温がちよっと上がるだけで、何の苦労もなく温度を維持出来ます。

今日は、つい一週間前とは醗酵の様子が全然違いました。
おかげで、醗酵の速さに煽られて大変でした。
油断していると過醗酵になって、パンの出来が悪くなってしまいます。
モタモタしているつもりは全くないのに、いくら急いでも間に合わない感じがして、あの夏の暑さの下の苦労を思い出してしまいました。
とは言え、この時期季節は行きつ戻りつしますから、この次はまたどんなだか分かったものではありません。
この時期、寒さや暑さが安定している季節とは違った苦労があります。
それもクリアして、いつも美味しいパンを焼けるように、見えないところで努力しています。



「沼ノ平の小麦麺」のラベルが出来ました。


連れ合いに、イラストと描き文字で可愛らしいラベルを造ってもらいました。
製品化までもう一歩、4月に入って直ぐに二回目の製造を発注予定しています。
皆さまのご支援つまりご購入を、どうぞよろしくお願いいたします。

カトリン・パウルさんの個展




いただいたご案内のカードです。
食工房にも、まだ何枚かあります。


 


昨年、国際交流フェスティバルで知り合って、以来食工房のパンのファンになってくださったのが、西会津国際芸術村で活躍中のカトリン・パウルさんです。
何しろ、プンパニッケルや黒パンの本場ドイツからいらした方なので、こういう方に気に入っていただけたことは、私にとってはこの上ない誇りです。


ある時、カトリンさんの東京のお友達が西会津町に訪ねて来る機会があり、その際「東京から、あなたのお気に入りの美味しいパンを買って行きましょうか?」との申し出に、「こちらでいいパン屋さんを見つけたから買ってこなくていいよ。」と断ったとか。
そして、そのお友達をわざわざ食工房まで連れて来てくださったのです。


さてさて、前置きに長々と自慢話を聞かせてしまいましたが、そのカトリンさん、予定では今年3月いっぱいの滞在ということで、お帰りになる前に記念の個展が開催される運びになっています。


彼女は元々は写真家で、作品も沢山あります。
西会津町では、町長さんのご要望で町内のお年寄りの方たちのポートレートを撮られたそうです。


実は、昨年の秋に一度お邪魔しているのですが、その時は公募作品の展覧会が開催中で、カトリンさんの写真はまだ拝見していないのです。
今度の個展がとても楽しみです。


そしてカトリンさんにはもう一つ得意技があって、インスタレーションというジャンルなのですが、観客が作品を鑑賞するために作品自体の中に入らなくてはならないという、面白い仕掛けです。
例えば、一部屋あるいは家一軒丸ごとを作品にしてしまいます。
こちらの方はすでに秋に拝見していますが、中に足を踏み入れた瞬間に軽い驚きと共に作者の意図した世界に引き込まれる感覚が、とても楽しみです。


皆さんもよろしかったら、来週から一週間、機会を見つけて西会津までお出かけになってみてはいかがでしょう?


本日のコーヒー通信、ちよっと目先を変えてアートな話題に振ってみました。
今週はコーヒーのご注文、沢山いただいています。
この場を借りてちょっとお礼を一言。
ありがとうございます!


 


   追加更新


連れ合いが、「ドコノモリ」に新しいブログを追加しました。
<こちら>からどうぞ。

福寿草まつり

  


画像をクリックすると、拡大表示します。


昨年もご紹介しました「福寿草まつり」。
食工房で小麦を栽培していただいている沼ノ平地区で、毎年この時期に開催され続けて今回で13回目を数えます。
延べ約5haの面積に、100万株の福寿草が咲くという、すごいスケールです。

予定では3月21日から始まるはずでしたが、暖冬の影響でもう次々と咲き始め、少なからぬ人が訪れるようになったため、急遽時期を早めてすでに先週末から受け入れ態勢をとっているそうです。
ただし開会式は、予定通り21日に執り行うとか。

開催中は、毎週末沢山のイベントが計画されていて、地元の方々の意気込みを感じます。
実は今年からこの福寿草祭りは、町や商工会主体ではなく地元主体で自主的に開催されるイベントに模様替えになりました。
その第一回目ということで、地元の方々は集会所を事務局にして、企画や対外広報活動に余念がありません。
こんな風に、下から盛り上がる力に支えられれば、イベントは成功すること間違いありませんね。

そして福寿草が終わった後は、沼ノ平に古くからある桜の開花に合わせて、この桜に名前を付けることになっていて、広く名前を募集中です。
実際に咲いている桜を眺めてから名前を考えていただこうという趣向のようで、応募用紙は開花期間中現地の集会所においてあるそうです。
詳しいことは<こちら>をご覧ください。

なお、この桜が咲く頃を見計らって、食工房では「麦畑見学会」を行う予定です。
先日お電話で伺ったところによると、雪が融けて地面が顔を出し、薄っすらと緑が差してきているそうです。
とてもとても楽しみです。




昨年秋の麦畑の様子です。



ちなみに、「沼ノ平の小麦麺」は反応が上々で、早くも今回分は終了となりそうです。
すぐにも二回目を手配したいと思っています。
皆さまからのレビューはまだ聴こえてきませんが、私がすでに何度か食べてみた感想は、「申し分なく美味しい!」です。
特に、小麦の風味がそのまま味わえるのは混ぜ物なしの純正品ならではと、我が意を得た気分です。


山都町では、この他に今週末3月21日・22日の両日、恒例の「寒晒し蕎麦まつり」が開催されます。
併せて、21日には「全麺協 素人そば打ち段位認定山都大会(初段・二段)」が、22日には「第6回全日本素人そば生粉打ち名人大会」が、それぞれ開催されます。
蕎麦通の方、見逃せませんよ!



  おしらせ

今週は、木曜日・クリングラ、土曜日・カネリプッラです。

エコか、エゴか?

人類は、どうも次々と問題を抱え込む生き物のようです。
石油、石炭の枯渇が現実味を帯びた問題として騒がれ、一方原子力は未来永劫に核廃棄物の問題を残し、その板挟みの間に風力や太陽光、バイオマスなどの自然エネルギーの開発が、それこそなりふり構わず進んでいます。
そして今、最も現実的に開発が進んでいるのが風力発電。
ところがこの風力発電に使われる風車が、低周波公害を発生しているらしいことが明らかになって、社会問題になりつつあるそうですね。


それはそれとして、以前私が電気の引けない場所で山暮らしをしていた時、自家発電の手段として風力発電を考えたことがあり、風の様子を調べるためにただクルクル回るだけの風車を作って立ててみたことがあります。
羽の直径が3メートルくらいの、小さいながらもそこそこの大きさの風車でした。
モグラ避けの風車をご存知の方いらっしゃるでしょうか?
あれに比べればずっと大きくて、回り方もゆっくりでした。
高さ4メートルくらいの支柱に取り付けた風車が、グルグル回りだすと何だか頼もしくてワクワクしたものです。
ところがすぐに意外なことに気がつきました。
それは、鳥たちが半径約50メートル以内には絶対に近寄らなくなったことです。
特に頭の良いカラスは、ものすごく訝っている様子で、風車が回っていなくても用心しているのが見ていて分かりました。
なるほど、確かに鳥たちにしてみれば、高いところで動くものがあれば疑うのは当然か、と思った次第。
逆に、畑の作物を野鳥から守るのには、絶好の仕掛けだと言えます。
それから間もない頃、海外の風力発電施設で、風車が渡り鳥たちのコースに影響を与えているという情報に触れた時、「それは当然のことだろう。」とすぐに納得が行きました。




高知県 長岡郡 大豊町 「ゆとりすとパーク」にある
風力発電用風車。2基のうちの一つ。
風景としては好きなのですが・・・。
 


さて話を戻しますが、その低周波公害というのは相当深刻なもののようです。
しかし私は思います。
人間は人間だけの都合で、このようなことを問題にしたりしなかったりしますが、今までにもどれほど多くの野生生物たちが、人間活動のせいで影響を受け苦痛を強いられ絶滅して行ったたことでしょう。
最近は何をする時も、環境影響評価というものが行われますが、本当なら野生生物の代表を招請して意見を聴くべきですね。
本来、野生生物に影響があるなら、遠からず人間にも影響がないはずはないのであって、それを無視するのは他に不純な目的があるからでしょう。
先ずは、人間活動の浪費の構造に対する反省から始めるのでなくては、エコもただのエゴに過ぎないと私は思います。


 


 


   雑貨コーナーより、おしらせ

Blue Lace の春の服が入荷しました。
麻100%のワンピース。
麻、綿混紡のジャンパースカート。
麻100%のシングルガーゼ、チェック柄のストール等です。
今回より、入荷した服で、ご自分のサイズに合わせてのオーダーが出来るようになりました。
色も各種ありますので、詳しくはお問い合わせください。

土佐に酒あり、「桂月」


古いレンガ造りの煙突をそのまま
残した趣のある外観です。
時々マスコミの取材を受けるそうです。


土佐の高知と言えば、酒豪の地と覚えられてしまっているみたいで、飲めない私は何かと言うと肩身の狭いと言うか、ちぐはぐな感覚にいつも戸惑っています。
しかしながら確かに土佐は、有数の酒どころではあります。
私の生まれ故郷、高知県土佐郡土佐町にも造り酒屋が一軒あって、土佐酒造「桂月」という商標で売り出しています。
実は、私が帰郷の折に必ずお世話になる同級生の親戚がこの酒屋というわけで、今回ちよっとお願いして見学方々お話を伺って来ました。
私、酒は飲めなくても、酒造りには並々ならぬ興味を持っています。
何しろ、パン種を醗酵させるプロセスは、酒造りと全く同じと言って良いほど似ているからです。


ところで「桂月」の名の由来の一つは、明治の文人大町桂月にあります。
この人、今で言うなら椎名誠といったところでしょうか。
旅を日常とし、歌を詠み詩や日記をつづり、絵も描いています。
昔から、酒と芸術はどこかで結びついているようで、芸術家はよく飲み、酒屋は風流を嗜んで芸術家を大切にしたのですね。
考えてみると酒もまたコーヒーと肩を並べる嗜好品の雄であり、酒を造ることにも、酒を売ることにも、何か創造的かつ感覚的な要素が必要とされるのですね。
私などは、酒造り自体がアートだと思っています。
いつも、アイディアやユーモアに富んだ感覚が要求される仕事をしているからこそ、芸術に対して親近感や理解が生まれるのだと思います。



歴史を感じる古い酒蔵の入り口にかけられた
「桂月館」の表札



これが大町桂月さん。
なかなかの伊達男じゃないですか。
これがまた物凄い健脚で、高い山も
物ともせず闊歩したとか・・・。


お邪魔して早速案内していただいたのが、古い酒蔵を改装して大町桂月の資料を沢山展示してある「桂月館」です。
ここには、価値ある資料が沢山所蔵されています。
その昔、桂月存命の頃、直接交流があったことはもちろんですが、現在の社長も、桂月が足跡を標し後に碑が建てられた場所を訪ね歩いて写真に収め、後世に残せる資料づくりに力を尽くしています。
興味深くまた面白いお話しは、見学に行けばどなたでも聞くことが出来ます。
この方面にお出かけの機会がある方、ぜひ土佐酒造「桂月館」へお立ち寄りください。



こちら純米吟醸
楽しみです。



おしゃれな雰囲気の柚子酒
早速封切りして味わってみました。


さて帰り際、お土産にいただいたのがこちら。
私が自然食志向であることを承知で気を利かせてくださったのか、純米酒と最近売り出し中の新製品柚子酒です。
飲めないと言っても、一口も飲めないわけではありませんし、むしろおいしい酒の味は分かると思っていますから、ありがたくいただいて持って帰って来ました。
純米の方は、何か目出度いことやうれしいことがあった時に、その場に居合わせた方々と共に味わおうかなと思っている次第。
柚子酒の方は、興味が勝って早速封切りしました。
柚子の香りと日本酒・・・どんな相性なのかと思いましたが、決して悪くないですね。
柚子も酒も純粋な日本の産物ですが、この柚子酒は妙に洒落ていて味も香りも洋風、カクテルの材料にも好適です。
炭酸で割って飲むのもよろしいかと。



炭酸割りまたはビアカクテル(ピルスナーあたりがよろしいかも)でどうぞ。


ちなみに土佐酒造へご用の方、先ずはホームページ<こちら>をご覧ください。
ただし、事務方担当はIT堪能ではないので、ご注文やお問い合わせはお電話またはFAXの方がありがたいそうです。