投稿者「mikio aoki」のアーカイブ

ちょっと一息


寝ながら眺める雨だれ


今日は定休日。

いつもなら、雑用に追われて結局休みだか何だか分からないことが多いのですが、今日は珍しくどうしてもしなくてはならないことが、一つもありませんでした。
そうなるとこの一日をどう使おうかと、かえって落ち着きません。

早くから目が覚めてしまったので、まだ皆寝ているうちに起き出してコーヒーを淹れました。
ゆっくりと落ち着いて、朝の一時を過ごすなんてことは、ここ久しく覚えがありません。

外は曇り空ながら雨は降っていませんでしたので、畑で草取りをすることにしました。
近所の方が、次々とお勤めに出かけて行くのを遠目に眺めつつ、焦ることもなく草取りをしているのはとても気分が良かった・・・。
こうして、いつまででも急かれることなく終わるまでやっていられるなら、どんなにいいことだろう・・・と思いながら、とにかく午前中だけでもその気分で行こうと決めました。
まず3時間ほどやって小休止、パソコンを開いてメールチェックその他、その後また2時間くらいやって暑くなってきましたので作業を終了。


お昼を食べて、今度はパンだよりの編集。
食後のデスクワークですぐに眠くなり、迷わず昼寝をしました。

いつの間にか雨が降り出していて、窓を開けると軒から雨だれが落ちてくるのが逆さまに見えて面白かったです。
こんな気分を味わったのも久しぶり。
そう言えば、今頃お月さまはどのあたりにいるんだっけ・・・、ああ月の満ち欠けもしばらく見ていないのだなぁ・・・。


心の中にも、たまにはシトシト雨を降らせないと、井戸が枯れてしまいます。

熊、猿、カモシカ

今、地方の山間地に行くと、野生の動物たちとの付き合いに苦慮している現場を、其処彼処に見ることが出来ます。

私の暮らしている、喜多方市(市というのがいかにも似合いませんが・・・)山都町相川地区でも、それほど山深いわけではないのに、熊もカモシカも至近距離に出没しています。

猿は、まだ少し距離があるようですが、多分時間の問題でしょう。

農業をしている方にとっては、作物に被害が及んだり身に危険が及んだり、油断の出来ない状況に直面しています。
私も、犬の散歩などで周りを歩き回る時は、それなりに緊張しています。

ところで私などは、小さい時からもうずっと、野生の動物たちは無条件に人を恐れていると教えられそう信じて来ましたが、実はそれはとんでもない誤解なのですね。
決して無条件になどではない、然るべく手を尽くし努力を積み重ねて来た結果として、自然界における人の優位性が獲得されたのだということを、もっとよく理解しなくてはなりません。
そのことについては、過去記事でも触れていますのでご参照ください。<こちら>

それで今日またこんなことを書いているのは、この二三日の間に続けて家の前の道路を、カモシカが横切るのを目撃したからです。
調べて見たら、カモシカは後ろの山から往復二車線の国道を渡り、杉林の中を通ってもう一度巾4mの道路を横切って、川の方に下りて行った様子です。

結構大胆と言うか、人を恐れる必要がないことを学習しつつあるのではないかという気がします。
純粋な草食動物のカモシカを、そんなに恐れることはないと思われるかも知れませんが、何かのはずみでまともに突進して来られたら、無事で済まないどころかこちらの命が危ないのです。
第一、農作物への被害は深刻です。

熊はもちろん言うに及ばず、危険です。
熊で厄介なのは、もはや人を恐れなくなりつつあることです。
熊鈴を下げて行けば大丈夫と言われたのは昔の話しで、今は必ずしも効き目があるとは限りません。
人を恐れなくなった個体は、むしろ熊鈴の音を聞いて人が近づいたことを察知し、襲ってくることがあるそうです。

猿は、知能の高い動物ですから、一度作物に目を付けられたらもうお終いです。
その対策に、費用のかかる電気索状を張り巡らせるくらいしか方法がない状況です。
そして猿もなかなか凶暴な一面があり、一人で山に入って行って襲われた例があるのですね。

さてそのように被害があるからと言って、ただちに彼らを悪者と決めつけるのもどうかと思いますが、かと言って保護するという姿勢の中にも、何か無理解があるような気がしてなりません。

人として重要かつ絶対に失いたくない資質というものがあると思っています。
自然界に対し、野生に対し、人が本来持っていなくてはならない感性と行動力。
そのことに関し、先住民が伝える掟や儀式の世界と最先端の科学が、あと一歩で多分融合出来るところまで歩み寄っているのを感じ、もどかしさに駆られる私です。

この時代は、人類にとってあらゆる意味において、ターニングポイントに違いありません。


食工房から今週のクッキーとマフィンのおしらせ

クッキーは、わらいごまとバタービスケットを焼きました。
その他、どろんこクッキー、コーヒークッキー、森のパン屋のビスケット、くるみびすけっと、パタポンの在庫があります。

マフィンは、シマリス君の朝ごはんとスィートハートです。

ビール仕込み・その後


空になった仕込みタンクと王冠打栓したボトル
赤いハンドルの打栓器もご覧に入れています。


昨日は予定のイベント「千の響き」のお手伝いで、遅くまで外に出ていましたのでご報告しませんでしたが、実はパン焼きが終わった後、自ビールのボトリングをしていました。
ちょうど丸一週間経って、このところの高めの気温も手伝ってか、発酵はとても順調で、最初の一夜経過の朝にはもう勢いよく発泡していました。
そして一昨日、沈殿したオリを除くためにサイフォン管を使ってオリ引き作業をし、昨日のボトリングに備えました。


ところで、発酵の良し悪しはどこで分かるかというと、すべて香り、匂い、そして臭いが判断材料です。
家の酵母は、よくりんごの匂いがすると言われるのですが、今回仕込んだチェコ・ピルスナーの特徴が、アロマホップのりんごの香りと言われていますから、酵母とホップの相性は最高でした。
ボトリングをしている間ずっと、甘いりんごに似たいかにもビールの香りが漂っていました。


ボトリングは、9割方発酵完了した溶液を、極僅かのブライミングシュガーと共にビンに詰め、王冠打栓して密封します。


びんの中では引き続き発行が進み、発生した炭酸ガスがこもって圧力が上がります。
これで栓を抜いた時に勢いよく泡が立ついう仕掛けです。
その間約一ヶ月かかって、おいしく飲めるようになります。


さてさてこのビール・・・、8月に入ったら食工房でパンをお買い上げの方にプレゼントいたします。
詳しくは、間もなく発行予定の「パンだより」紙面にてご案内いたします。
どうぞお楽しみに。

それにしても時間が足りない

昨日の話しの続きでもあり、ここ何年間の私の実感でもあること、それは時間が足りないということです。
この頃思います、忙しいのは何も私に限った事じゃあない、皆何だか忙しくて余裕がない・・・。
そこで思い出します。
ミヒャエル・エンデの「モモ」のお話しです。
時間をどこかの誰かに買い占められているというのは、実は今の世の中にある本当の話しかも知れません。


もう寿命を縮めても、寝る時間を削って売り渡すより他に残っているものはないのかも知れません。
現代人の平均睡眠時間は、どんどん少なくなっているそうですから。


ああ、今日も起き過ぎ(4時30分~23時00分・昼寝なし)ですね・・・。
さて、寝るとしますか・・・。

学ぶこと、知ること、そして共有すること

先日、「能力より意欲」というタイトルで、過疎地域の活性化に対する私見を述べましたが、では意欲が湧くきっかけはどのようにしてつかんだら良いのでしょう。

そのヒントはタイトルにも掲げましたが、学ぶこと、知ること、そして共有することだと思っています。
そしてそこにまず必要なのは、情報です。

情報と言っても、テレビや新聞雑誌が伝えるものとは限りません。
むしろそんなものよりも、当事者が発信している生の貴重な情報に触れることが、一番大切なことです。

しかし、地方のそれも辺境に来ると、そんな情報に触れる機会は滅多にありはしません。
そして貴重な情報を共有する機会や場も、やはり身近なところにはないのですね。
学校を出て一旦社会人になったら、もうバラバラにそれぞれの生業に追われて、顔を合わす機会さえ少なくなってしまいます。
地域の活性化を語り合おうにも、これではどうにもなりません。


ならば、情報を運ぶ役目を担う人がいれば良いのではないかと思います。
そして、身近なところに場があって気軽に足を運べるなら、共有することも出来て行くと思うのです。


今この国は、大きな転換点にあります。
これから人口は大きく減少に向かいます。
ということは、産業や経済の力に頼っても、恩恵は無いかも知れないということです。
それよりも、この間申し上げたように、「土」という枯れることない資源を生かして暮らす術を取り戻す方が、よほど現実的だと思います。


極端な例えかも知れませんが、仮に日本の経済が破たんして皆が一文無しになったとしても、「土」さえあれば、ほとんど何も困ることはありません。
そういう意味で、土地を企業の手に渡してしまったら、もうお終いです。

一方高齢化でも、健康なら一向差し支えありません。

それに、すでに少なからぬ若い人たちが、過疎地に目を向けて訪ねて来ている現状を、生かさない手はありません。
必要なことは、地元の方々がもっとその現実から学ぶ機会を得られるようにすること、それを地域で共有することです。
過疎地とは、ある意味時代の先進地であると認識し、自負を持って暮らしたいと思う私です。


優れた企画と共有の場は、何としても必要です。

心地良い晴れの一日


水田の緑と小麦の黄色、そして山の青、明るい空の色
ヒーリングカラーに包まれて、疲れもどこかへ飛んでしまいました。


今日は、今頃にしては湿気の少ない、心地良い晴れの一日となりました。
そろそろ麦も色づいて、あの麦秋と呼ばれる風景を見せてくれます。
パンの配達で出かけた折、通り道の脇の小麦畑が午後の陽ざしを受けて、黄金色に輝いていました。
風が強くて、麦の穂の写真は撮れそうもなかったので、遠景で雰囲気の片りんでも感じ取っていただければと、一枚載せて見ました。


さて本日の食工房は、パン焼きで忙しく過ごしました。
予定外に、土曜日に焼くはずの「みのりのパン」も焼きましたので、この場にお知らせしておきます。
ひょっとご覧になって、おお!と思われる方がいらっしゃるでしょうか?
ご来店、ご注文、お待ちしております。


ところで、これから暑くなるにつれパンの売れ行きが・・・。
そこで恒例の「夏こそパンだ!キャンペーン」を、今年も実施いたします。
まだ少し先の話になりますが、パンをお買い上げ分に付き、ポイント2倍プレゼントになります。
詳しくは、只今編集中のパンだより紙面にてお知らせいたします。
パンごはんレシピも紹介して行きますので、どうぞお楽しみに。


そして8月には、ちょっと大きなイベントの計画も目論んでいます。
さあ・・・、何でしょう・・・・・?お楽しみに!

カフェクラブの集い

今、思い出していますが、また自前のイベントの告知をしていませんでした。
先月のうちに出した「パンだより」にはしっかり触れているのですが・・・。
そこで、今一度お知らせいたします。


  


「カフェクラブの集い」 6月27日(日)午後1時より
今回のテーマは、「コーヒー焙煎体験」 です。
参加を希望される方は、事前にお申し込みください。
前日まで受け付けています。



「千の響き・vol.3」 <こちら>
6月26日(土)19時より
アコースティックギター奏者2人の競演をお楽しみいただきます。
会費・大人1名1500円 飲み物とスィーツ1品付きです。
ご予約、当日共にOKです。

ちょっぴりうれしい誤算

今日は夏至でしたね。
午後7時半頃までも明るいので、夕食の後にしばらく、畑で汗を流しました。


さて毎年のように申し上げておりますが、これから暑い季節に入ると、パンの売れ行きが落ちます。
このところの急な暑さの到来で、早くもその兆しかと気をもむ瞬間がありました。

暑い季節は、硬くて重たいパンはメッキリ売れなくなるというのがこれまでの常でしたから、今週は仕込み量を控えて臨みました。
ところが、一週間が終わって見ると意外なことに、食パンやロールパンやシナモンロールが売れ残ったのに、堅焼き黒パンとプンパニッケル、そしてみのりのパンと麦畑通信・136は、それぞれ焼き立て早々に売り切れてしまいました。


と言うことは、食工房独自の硬くて重たいパンがしっかりと認知されて、この暑さの下でもそれを目指して買いに来てくださるお客さまがいらっしゃるということなのですね。
数量的には小さな変化ですけど、これは確かにうれしいですね。
自分の造っているものに、益々愛情が湧いて来ます。
そしてまだまだ努力の余地もあります。
もっともっと満足の行く、胃袋とハートにグッと来るパンを焼けるようになるまで、楽しみながらがんばります。

で、そうでした、我が酵母君はたった二晩で、もうモルトをビールに変え始めていました。
それから昨日の父の日、以前仕込んだマイビールを1本出してもらって飲んだら、自画自賛で申し訳ありませんが、しみじみ旨かったです。
こんなうまいビールが出来るんだから、俺はなんて楽しいパン屋なんだろうと・・・。


  今週のクッキーとマフィン


クッキーは、バタービスケット、森のパン屋のビスケット、パタポンを焼きました。
コーヒークッキー、どろんこクッキー、くるみびすけっとの在庫があります。
店頭にはその他一通り数個ずつ並んでいます。


マフィンは、スィートハート、そば粉マフィンの二種類焼きます。


アプリコットケーキ、エルフの焼き菓子(ココアパウンド)もあります。
ケーキメニューもどうぞよろしく。

父の日に・・・2010

父が亡くなって今年で15年になります。
今日は父の日で、私も6人の子の父ですが、今日もまた今は亡き父の思い出を語らせていただきます。

父は、生前「玉蜀黍」と言う題名の詩歌集を残しました。
もちろん、無名の一市民の作品ですから、世に出たというわけではありませんが、私にとっては年を経るごとにとても大切な心のよりよりどころになっています。
以前申し上げたことがあると思いますが、この詩歌集の一編一編に私が写真を撮ってコラボレーションして見たいと、ずっと思って来ました。

そこで思い立って、今日から機会あるごとに、このブログ上に発表して行くことにいたしました。
玉蜀黍というカテゴリーを一つ増やして、そこにまとめて行きますのでどうぞよろしくお願いいたします。

蒸気機関車

私は街の公園におかれた

黒くつめたい蒸気機関車

あかあかと燃えていた缶の火は

一昔まえに落とされて仕舞ったのです

それでも私は

形のある限り

黒い煙とスチームを

青空高く噴き上げながら

坂をあえぎ、トンネルの暗闇を

仲間たちと一体となってくぐった

むかしの夢を

追い続けているのです

きのう運轉席に上った老人が

スロットルレバーを握りしめて

発車オーライと

つぶやいた一言に

駅頭にひびく汽笛の音を

思わず聞いた私です

このスロットルレバーを握りしめていたのかと、感慨無量の私でした。



子どもの頃、父に連れられて蒸気機関車を見に行った時の記憶が蘇りました。



高知市比島の子ども交通公園に展示されているC58335号機
私が20歳を過ぎてしばらくの間もまだ、土讃線で現役でした。

あかあかと缶に火を焚け気関車よ冬の公園のふるき我が友

子ら乗りて声彈けたり公園の蒸気機関車黒くたくまし

若き日に曠野はしりしSLを画面に見つつ涙垂れくる

ビール仕込みました

自ビール

今回は、チェコピルスナーを17.5リットル仕込みました。

今日は、パン焼き仕事の後、ビールを仕込みました。
どうしてパン屋でビールなのか?と思われる方は、先に<こちら>をご覧くださいね。
それで今回仕込んだビールは、出来上がりましたら、皆さまに少しずつ差し上げようというつもりで、小瓶を用意しています。
食工房のパンの個性を決定づけている我が酵母君は、実はこんな仕事も出来るということを、皆さまに感じ取っていただこうというわけです。
実際に差し上げられるのは、真夏の暑い最中の頃になると思いますので、ちょうど良いプレゼントになるのではと、私も楽しみにしています。

ところで明後日は、夏至ですね。
この頃は本当に日が長くて、今日も近所のおばあちゃんは、遅い時間まで畑仕事をしていました。

ここ二三日は時々に雨が降って、やっと畑の作物も育ち始めたようです。
その分雑草の勢いも増して、油断しているとひ弱な作物は、あっという間に呑み込まれてしまいます。

これからしばらく、暇さえあればに畑に出て草取りに汗を流します。

本当・・・、私にとって、無心に草取りをしている間は、至福の時間なのです。
その暇さえあれば・・・。