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お盆過ぎれば


川に下りて行く道の途中の田んぼ、穂が出揃って少し垂れて来ています。


ここ東北では、お盆を過ぎれば暑さも去り、一段と秋の気配が漂うようになります。
今年は梅雨の様子が全く異常で、お盆が明けてからカラっと晴れたものの、季節はもはや秋です。
夕方日が暮れて行く速さと、空気がひんやりして来る感じがそれを物語っています。

畑では、草の勢いが少し弱まり、実を付ける方にエネルギーが回り始めているのが分かります。
田んぼの稲も、穂が垂れて来ました。
今日は、秋野菜を植えるために、収穫の終わったジャガイモとトウモロコシの跡地を片づけました。
ジャガイモの跡地は、きれいに耕すところまでやって、トウモロコシは残った茎を挽き抜いて片づけるのにまだまだかかりそう。

日中はさすがに暑いので、夕方から2時間くらい作業しています。
ちょうど明日には終わりそうです。
そしてそのついでに、カボチャの収穫も少しずつ。
熟れたのから順に、もう15個くらいは取りました。


毎日こうやって汗をかくのが、何にも増して健康法になっていることは、体の実感でよく分かります。
畑は、私にとっては、一石二鳥どころではない恵みです。


さて、明日もう一日休ませてもらって、明後日からはガーンとテンションを上げなくてはなりません。

藤島晃一 ライヴ @ 風街亭


関連記事  <1>  <2>  <3>  <4>


いよいよ近づいて来ました。
あと一週間と一日。
7月20日(月・祝日)海の日 19:30 開演です。


改めて、Fujii こと藤島晃一をご紹介します。


日本国 高知県 長岡郡 本山町 在住。
もちろん生まれも育ちも同上。<google map>

四国島のど真ん中、私の出身地である土佐郡 土佐町 と隣り合った町で、一日中南部系の泥臭いブルースミュージックを聴かせる店 cafe Missy Sippy をやっています。
年齢は、この私よりちよっと後輩くらい。


もうずっと郷里を離れて暮らしている私が、久しぶりに帰郷した折、私をどこか面白い所へ誘おうと同級生たちの会話の中に、「ブルースをやっている男の店は・・・」の一言が耳に飛び込んで来ました。
「へぇー、こんな田舎でブルースねぇ・・・。」と思ったものの、この時はあっさり却下。
私も、本気にしてなかったので、詳しいことも場所も教えてもらえませんでした。


数年後再び帰郷の折、全く別な人から一枚のCDを手渡され、実家で試聴して目を剥いてしまった私です。
それが、イギリスで録音、発売された彼のファーストアルバム Anyway What Time Did You Get Up This Morning でした。
これはもう絶対に会いに行かなくてはと、cafe Missy Sippy を訪ねました。
そこで初めて、彼が世界を放浪して来たバスカー(路上芸人)であり、絵描きであり、フォトグラファーであり、そしてエッセイストであることを知ることに。


以来、いつか必ず奴のライヴをこの福島でやろうと、想って来ました。


とまあ、あんまり持ち上げると恥ずかしがるので、このくらいにしておきます。
本人は、自分は極楽トンボだと言っております。
とにかくいい奴です。


ぜひぜひ、会いに来てやってください。
そして、路上仕込みのパフォーマンスを堪能してください。


当日は開演に先立ち、18:30頃より DVDの上映をやります。
本場のミシシッピーでパフォーマンスする、藤島晃一の映像と音をお楽しみいただきます。
お早めにご来場ください。


チケットまだ売れ残っています。
どうぞよろしくです!

おいしいパンの定義

世界一おいしいのは、スペインのパン。
こんな情報を耳にして、ずっと気になっていました。
そう言えば、「パン」の語源はスペイン語だそうですし、パン屋としてスペインのパンのことを知らないでは済まされません。

今時、ネットで調べればいくらでも詳しい情報が手に入るだろうけれど、いろいろ分かると今度は自分でも研究しないではいられなくなるだろうし・・・。
少し時間的に余裕がある時にしようと、これまでずっと先延ばししていたのです。

でも、もうどうしても気になってしょうがないので、今日ネットで検索してみました。
そうしたら <こちら> のブログに辿り着き、とても納得しました。
エントリーのタイトルも「本当においしいパンの定義」とあります。
ブログの中に、他の記事へのリンクが沢山あって、それぞれとても参考になりました。

余談になりますが、我が家の娘たちは、音楽がらみで今「スペイン」なのです。

さて、そのブログの中にも出て来ましたが、スペインで最も一般的に食べられているパンの話しがとても面白かったのです。
小麦粉だけで造られた全くプレーンな、棒状のそのパンの名前が「ピストラ(スペイン語で銃の意)」。
どうしてまたそんな物騒な名前が付いているのかと思ったら、「空腹を殺す・つまり、やっつける。」という、なかなかひねりの効いたユーモアだったのですね。
そしてそれがなかなかおいしいという話しです。

食工房でも造ってみたいと思い、もう少し詳しく調べるうちに、どうやら食工房の「余り生地のバタール」が、それに近いパンだということが分かりました。
なんだ、そうなんだ!

先にご紹介したブログの中に書かれていた「本当においしいパンの定義」は、結局、私がいつも思っていることと同じでした。
食べることの好きなスペイン人、食べるもの何でもおいしいと言われるスペイン、食工房のパンが近い線を行っていたと分かって、とてもうれしい・・・。

今度から、「余り生地のバタール」を別名「ピストラ」と呼んでやってください。

観察、観察、また観察


 風で倒れたじゃがいも。折れたわけではないので大丈夫そうです。



風に吹き流されるトウモロコシの葉。
かえって良い風かも?
 



 これがテントウムシダマシの卵。
一か所としては
少ない方ですが20粒。


 


昨夜は大風が吹いたようで、朝畑に行って見ると、じゃがいもが風で倒されて滅茶苦茶になっていました。(少なくとも最初、そのように見えた。)
いやいや、これは大変だ!土寄せして起こさなくてはならないかと思いました。
それで実際にちょっとやって見ましたが、そんな簡単には行きませんでした。
あんまりいじらない方がいいか?というより放っておいても大丈夫じゃないかなと思い直しました。
今までの経験からしても、風が止めば、しばらくするうちに自然に起き上がって来るのじゃないかと。
こういう大風も害になるばかりではないはず、きっと何か知らないところで役に立っていることがあると、ここは自分の都合のいいように考えましたが、観察だけは忘れてはいけないと、ちょうどまだ風が吹いていましたので、作業しながら様子を見ていました。

強い風に弄ばれるように、あるいはいたぶられるように、茎がグラグラ揺れ葉が裏返るのを見ていると、植物たちにとってはすごいストレスだろうなと思えました。
トウモロコシを見ると、まだ高さがそれほどではないので、倒されるところまでは行かずに耐えていました。
それを見て、これできっとトウモロコシたちは、いっそうしっかりと根を張って茎を太く強くして、この次また風が吹いた時に備えるだろうと思いました。
そしてその結果、しっかりと養分を吸い上げて良く育つのではないか?そんな仮説を思い付きました。

何事にもきっとわけがあるもの、どこでどのように手を出せば良いか分かるのが人間の知恵なんでしょうね。
裏返ったじゃがいもの葉に、テントウムシダマシの卵が付いているのが、良く見えて発見し易かったのもご利益でした。

このところ、雨と風と日の光が交互にやって来るので、作物たちはこの一週間で見違えるように育っています。
もちろん雑草たちは、その何倍かすごい勢いです。
人間の私は、それに負けないように草取りしています。

もうあと一週間かそこらすれば、きぬさやあたりから収穫が始まるでしょう。
採れ出すと、今度は収穫に追われるようになります。
楽しみです。

食糧危機は、現実の問題

飯豊の空の下から・・・

昨日届いた「ナショナルジオグラフィック」2009年6月号の表紙です。
「特別リポート・止まらない、世界の食糧危機」という見出しに目を奪われました。
皆さんの食生活に直結するパン屋という仕事をしている以上、どうしたって重大な関心を払わないわけには行きません。
そう思って記事を読み進めるうちに、これはやがてやって来る問題などではなく、もうすでに現実となっている問題であることに理解が及びました。
皆さんも、機会があればこの「ナショナルジオグラフィック」2009年6月号を、ご覧いただきたいと思います。
世界の人口と食糧に関する問題は、実はもうずっと以前から指摘されていたことで、何を今さらと仰る方もいらっしゃるかも知れません。
しかし、今回のこのリポートは、それがこの時代の私たちの現実になってしまったことを教えています。

それらを読んで私は、地球温暖化など環境的要因、食料の取り引きにおける独占や格差など経済的要因、戦争など政治的要因が複雑に関わりあって、食糧が公平に行き渡らないことが、一番大きな問題なのではないかと思いました。

リポートに拠ると、この10年間、世界の食糧消費はほとんどの年で生産量を上回っており、備蓄を取り崩して間に合わせて来たという経緯だそうです。
つまり、すでに量的に足りていない事態なのですね。
とは言え、この日本の私たちの現状を見る限り、食べるものが間に合っていないという実感はありません。

一方世界には、一日を100円以下で生活しなくてはならない最貧層と呼ばれる人々が十億人いて、この人たちは収入の50~70%を食費に充てなければならず、到底満足に食べられるという現状ではありません。
すでに絶対量が不足しているのに、腹いっぱい食べる人たちがいれば、一方には必ず飢える人が出るのは間違いないことですね。

そうやって考えると、この日本ではまだまだ食料品は安いと言えます。
しかしいつまでもそれが保証されるかどうか、それはこの国の食糧政策にかかっていると言えます。
当然、自給自足の方向に向かわなくてはなりませんが、果たしてどうでしょうか・・・?
農業政策は、本当にこの日本の国土事情にあったプランになっているでしょうか。
また国産小麦の記事<参照>の中でも申し上げましたが、逆ザヤ取り引きや政府補てんの在り方は適正でしょうか。
早い話、大根一本幾らだったら、農家は自営して行けるでしょうか。
そしてまた食糧には、とりあえず空きっ腹を満たすという量的保証以上に、私たちの健康的生存に寄与する安全性と滋養という「質」も保証されなくてはならないのです。

リポートの中では、遺伝子技術に代表される最先端の農業技術が、「緑の革命」の名の下に世界各地で成果を上げたことと、一方で農薬による汚染や地力の急激な消耗によって土壌が崩壊するなど、負の遺産を残していることも指摘されています。

結局、私たち人間は「そこから得られる資源の枠の中で暮らさなければならないことは、ふつうに考えればわかる。」(一部引用)はずですが、どこか大きな勘違いをしているのではないかと思います。
「メリットは必ず等価のデメリットと引き換えになっている。」という普遍的法則を、忘れないようにしたいものです。

麦

沼ノ平の小麦畑 2008年7月


食工房

飯豊山食パン 沼ノ平産小麦全粒粉10%入り

最後に一つだけ宣伝させていただきますが、食工房では、近所の農家にお願いして自前の小麦を確保し、パンを焼くという取り組みをしています。
今年は、ライ麦も作付けしていただきましたので、8月頃から一部のメニューが完全自給原料で製造されることになります。
皆さまの並々ならぬご関心をいただければありがたいと思っています。

ああ、時間が・・・

今日は、いつもの製造業務が終わってから先ほどまで、お客さまのご依頼でギフトパッケージのデザインをやっていました。
焼き菓子の詰め合わせと一緒に、オリジナルのギフトカードを入れ、シールやリボンを使って可愛らしい感じにまとめました。

連れ合いが描いたイラストを、スキャナーで取り込みテキストをはめ込んでカードのデザインを作るのが私の役目でした。
それで毎度苦労するのは、色と風合いの再現です。
ほとんどいつも、連れ合いはプリンターから出てくる印刷の出来栄えに満足が行かないようで、画像の調整にはとても時間を要します。
まあそのおかげで、今回も無事に完成いたしました。
たった今、パッケージも終わったようです。
そのようなわけで、ブログを書こうにもPCも時間も占領されていたのでした。


そこでちょっと宣伝させていただきます。
オリジナルギフトパッケージのデザインも、お引き受けいたしております。
簡単なものでしたら、特にデザイン料はいただいておりません。
それどころか、パッケージ代もいただかないこともしばしばです。
結婚記念、出産お祝い、あるいはお香典返しなど、ご相談に応じております。
どうぞ、お気軽にご利用ください。
連れ合いは、可愛らしい子どものイラストが得意です。



例えばこんな感じです。  以前の作品です。

コーヒー業界、過熱気味の様相

コーヒー豆の輸入量が増えていると、前にも申し上げたと思います。
と言うことは、コーヒー業界にとっては需要があるということですから、喜ばしいことではあります。
しかし、どんな商売でもそうですが、儲かりそうだという気配が漂うだけで、新規参入が増えます。
加えてコーヒーのニーズは、この前も申し上げていますが、昔とは様相が変わって来ているのですね。
個人消費が、目立って大きく伸びて来ているのです。

一方売る側も、小規模に個人で起業して自家焙煎を売り物にする業者が、それこそ雨後の竹の子のように増え続けています。
カフェも然り。

また仕入れという面で見ても、それこそ世界中からありとあらゆる豆が、ジャパンマーケットを目指して売り込みをかけて来ていますから、入手の可能性がグンと広がってとても刺激的な状況です。
このところ、コーヒー商売はとても熱い状況なのです。

それだけに、競争も激しくなりつつあり、いろいろな意味で鍛えられることになります。
当然のことながら、常に勉強していないとあっという間に淘汰されてしまいそうです。
そしてまた勉強すると言っても、何を勉強すればいいのか?
その方面の商売も、あの手この手で袖を引っ張ります。
こんな時にフラフラしていたのでは、悪い業者のカモにされてしまいます。

独自性、独創性にすがるだけでは当然生き残れないと思いますが、裏でしっかり勉強しながら、そもそも自分自身がおいしいコーヒーを飲みたいがために始めた商売だという初心を忘れないで、これからも細く長く続けて行きたいと思っています。



今日入荷した豆、保管する前に天日に当てて乾燥しています。
先日のネパールの豆の一件が頭にありますので、こういう手当ても臨機応変にすることになります。
農産物との付き合いを仕事にして来たキャリアは、触るものが変わってもちゃんと役に立つからありがたい。


 


   本日のサプライズ!


裏の山から聴こえて来る、ツツドリの声です。


 


ツツドリ  カッコウの仲間で、初夏の頃鳴き声を聴くことが出来ます。

山都産100%


そこそこ膨らんでいますが、生地が耐え切れず所々破れてしまっています。 



まあでも、やっとここまで出来たという実感です。
食べてみて、独特の風味です。
甘皮の部分が多い影響かと・・・。


★試食品を差し上げています。数に限りがあります。(先着10名様)


とにかくまあ、やってみました。
製麺を頼んだ時に、製粉のままで少し取り分けてもらった粉を使って、山型食パンを焼きました。
正真正銘の山都産の小麦100%のパンです。


それでこの際、小麦粉の製粉のことについて、ちよっとご説明申しあげて置きたいと思います。
まず小麦の粒は、表皮が強靭で中身の胚乳部分は崩れやすい性質を持っています。
皆さんがよくご存じの白い小麦粉は、この胚乳の部分のみを挽いたものです。


ただし小麦は、先に申し上げたような性質のため、米のように粒のままで精白することは出来ません。
白い小麦粉を得るためには、とても手の込んだ機械設備が必要になります。
製粉機というような小さなものではなく、工場に設置するようなプラントです。
とてもじやありませんが、農家やパン屋が自前で設備することなど不可能です。


今回加工をお願いした製麺所の製粉機は、ずい分旧式のもので、逆にこれなら自分たちでも設備することが出来そうな規模のものでした。
その分、表皮と胚乳をきれいに分離することは困難で、どうしても粉は繊維質が多く混ざった状態になり、グルテン質の割合が下がってしまいます。


パン生地をこねた時によく分かりますが、いわゆるコシのない生地になってしまいます。
麺の場合は、逆にコシが強すぎるとノド越しが悪くなりますし、風味の点でも繊維質が適度に混ざるのは、かえっていい具合なのです。


で、もしこの粉でいい調子にパンが焼けるなら、原材料・地元の小麦100%のパンが実現出来るわけです。
そう思って、試作に臨んだという次第。


結果から申し上げると、やはりまず製粉に課題があることが分かりました。
あと一つ、難しいのは小麦の品種です。
今回、アオバという品種の小麦を使っていますが、他にもっとパン向きの品種があるのではないかという気もしています。
ただし、一年に一度しか収穫のチャンスがない小麦を、幾種類も同時に収穫して製粉して試すのは、実際のところ不可能です。
今までに出ている情報を集めて判断するしかありません。


それで改めて分かったことは、食工房のパンの風味を決定付けているのは、今までずっと使い続けている粉に依るところが大きいということです。


米以上に品種による味の違いが大きいことを、知らされる結果となりました。


当面食パンは、今まで通り岩手産の粉をベースに、山都産の小麦とライ麦(今年度産から使用)を全粒粉でミックスする配合で焼きます。
プンパニッケルのみ、この夏から、地元産の小麦とライ麦だけで焼けるようになります。

少しホッとしています。

このところちょっと気負い過ぎていたかなと思います。
今日、自分のブログを掘り返していて、こんな記事<参照>を見つけて、少しホッとしています。

忘れちゃいけないことって、あるんですよね。

この場所での今の生活は、それを思い出すきっかけを失わないでいられるという点で、ギリギリのボーダーラインにいるような感じがします。
これ以上都会に近寄った生活になると、多分戻れないところに流されて行くしかないかも知れません。
そうは言いつつ一方で、都会がなかったら成り立たない利便性を享受してもいるのですけど・・・。

でもこれは、どこかに辿り着くまでの道のり、あるいはバランスが取れて行く過程だと思っています。
では私が、未来に何をイメージしているか、今はまだちょっと上手く語れるほどまとまっていませんが、何かしら希望のようなものを感じられて、その意味でも少しホッとしている、今日の私です。



実は一年前の今頃、フィルムで撮った、相川の名勝地と私が勝手に思っている桜です。