食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

めでたく更新

 


古い許可証にも、背景色が印刷されていたはずなのですが、
6年の間に日に焼けて退色して消えてしまいました。
 


この度、菓子製造業の営業許可が期間満了となり、先日手続きを終えていました。
そして昨日、新しい許可証が手元に届きました。
とにもかくにも、最初の6年間を途中廃業することなく通過出来て、いろいろな意味で感慨も一入というところです。


それで思い出すのは、6年前の12月です。
開業準備が整い、検査を受けて合格となり、許可証が届いたのがちょうど12月25日クリスマス当日でした。
私にとっても家族にとっても、最高のクリスマスプレゼントだったと、当時の通信に記しています。
そして新しい年が明けて1月8日、食工房が開業したのでした。


これからまた二度目の更新まで、着実な継続を第一の課題にして頑張りたいと思っています。


老舗と言うにはまだまだ遠く、かと言って新規開業の華やかさや物珍しさもなく、自分たちの意欲と言う面でもきっかけを掴み難い時期ではありますね。
だからこそ、がんばり時だと言われる所以です。


幸いにも私は、次々と新しい興味を発見して飽きない人なので、実行する体力さえまかなえるなら、そう困ったことにはならないと思っています。


健康と体力維持、これからはなおいっそうこの一点にフォーカスして、精進して行きたいと思っています。


どうぞ皆さま、これからもお付き合いのほど、よろしくお願い申し上げます。

お日さまパン・木の枝スプーン・Blue Laceの洋服


直径約25cmのお日さまパン。
「ホイロの中がよく温まるよ。」と娘。
 


今日は、余り生地でお日さまパンをつくりました。
開店間もない頃、上の娘が思いついて、余り生地を使ってよくつくっていました。
その頃は、余り生地のバタールというメニューもなく、余り生地はリスパンやうさぎパン、そしてお日さまパンなどになっていました。
思えばその頃は、メニューも少なくご来店くださる方もわずか、売り上げが足りずいつも支払いに追われて気を揉んでいましたが、その代わり仕事ぶりは至ってのんびりとしたものでした。


それで思い出したのですが、当時の駐在さんの奥さんがうちのお得意さまで、可愛い男の子を連れてパンを買いに来ていました。
その子が、売り物にしないで店頭にディスプレーしてある、このお日さまパンをいつもジーッと見つめていましたので、ある時一つ余分に焼いてプレゼントしたことがありました。


今日はそんなことを思い出しながら、娘に頼んでお日さまパンを焼いてもらったというわけでした。
もう何を造っても手がこなれた私たちですが、お日さまパンにもちゃんと細かいノウハウがあって、私は忘れていましたが実際に造っていた娘はちゃんと覚えていて、やはりモノづくりは手が覚える仕事だと思い知った次第。


 


さて今日はまた、先日入荷した「工房かし」の木の枝スプーンと「Blue Lace」の洋服のご案内です。
この場に一点ずつご紹介する余裕はありませんので、集合写真それも一部のものでご勘弁いただきます。
その代わり、これからホームページ上「雑貨の部屋」に、詳しくご紹介するための準備をいたしますので、そちらをお楽しみにしていてください。



山脇隆さんの「工房かし」の木の枝スプーン。
今回入荷したものの一部です。



Blue Lace 黒田真理さんの作品の数々
今回の入荷は、手前の木のハンガーに
かかっているスカートなど5点です。


パンでも木の枝クラフトでも裁縫でも、つくり手の想いはいつも同じ。
それは、手に取っていただければ、すぐにお分かりになると思います。
皆さまのご来店、お問い合わせをお待ちしています。

改めて、ご愛顧に感謝

今日は、月一回の恒例となった会津若松市内への戸別配達に回りました。
午前中、すごい勢いでマフィンとスコーンを焼いて、遅くならないうちにと、午後一番に飛び出しました。


月に一回だけご利用の方もいらっしゃるのですが、その月一回を忘れずに必ずご注文を入れてくださるありがたさを、今日は改めて噛みしめました。


何しろ不便な場所に開業していますので、ご来店くださるのにもちょっとした決断が必要じゃないかと思うのですね。
数か月に一度、半年に一度、あるいは年に一度というお得意さまもいらっしゃいます。
それでも、必ず来てくださるありがたさ!


先日は、もうとっくに忘れてしまっていた方が、5年ぶりに(つまり開店間もない頃に一度いらしたことがおありとか・・・)また訪ねてくださったり、そんなことがある度に、長く続けることの大切さ、それもいつまでも変わらぬ姿勢で初心と誠実さを失わずに、店を開けていることの大切さを思い知るのです。


まさに「商いは」、「飽きない」。


いやでも若い頃、商売なんて一番嫌悪していたはずなのに、こんな風に納得しているとは、人生まだまだ分からんぞ!と思う私です。


最後にもう一度、ご愛顧に感謝!

小麦粉値上げの通知

今日、小麦粉の納品書と一緒に同封されていた小さな紙切れを見て、軽い驚きと共に「とうとう来たか!」と唸りました。
小麦粉の値上げです。

国内産小麦原穀の受渡価格が、30%上がったことはすでにご報告済みですが<参照>、ここに来て中間加工品である小麦粉の値上げが現実となりました。
上げ幅は、11.5%。
粉の使用割合が少ない焼き菓子類は、まだしも影響は小さいのですが、原材料のほとんどが小麦粉のパン類は、まともに影響が出ることになります。
何時からと、判断は難しいところですが、これでパンの値上げは必至となりました。


あまりうれしい予測ではありませんが、国際穀物市場は今後ますます高騰して来るのは必至でですから、それに連動して国内産小麦の値上がりも避けられないと思っています。
来年の小麦の収穫期にどんなニュースが流れるのか、もう全く予断を許さない状況となりました。


この先、小さなパン屋の行く末はどうなることやら・・・。
「飯豊小麦プロジェクト」の意義と現実味は、グッと増して来るような気がしています。

いつの間にやら・・・

このところ忙しくて、ちょっとくたびれ気味だったりもして、外の気配を気にしている余裕がなかったのです。


今日ふと思い出して、色々なことに気がつきました。


いつの間にやらすっかり寒さの季節になって、もう虫の声は聴こえません。
夕方の空気は、冬のにおい。
星座も移って、アンドロメダ星雲は首が痛くなるほど真上です。


そうそう、飯豊山の山頂付近も白くなっていました。


私は、明日はまたパン焼きです。


オーブンの余熱が心地よい季節になりました。

冷え込みを実感

今日は恒例となりつつある長い一日の木曜日。
早朝からパン焼きに精を出していました。

パン生地の醗酵に追いかけられることもなく順調に作業が進んで、次々と焼き上がり始めた頃になって時計を見て驚きました。
意外に時間が進んでいて、今日より数も多かった先週に比べても、焼き上がりの時間が遅れていました。
うーむ、何故なんだ?
そこでハタと思い当りました。
やはり気温が低かった、それしかありません。
全体に少しずつ、醗酵が遅かったのですね。
朝一に室温をチェックした時20℃を切っていましたので、オーブンを予熱したのですが、それでも足りなかったようです。


酵母は、自身が温度計のように正確に気温に反応します。
すっかり涼しくなって、もう熱さに耐える必要もなく楽になったと油断しているうちに、酵母は早くも「寒いよ、何とかしてくれ!」という状態になっていたという次第。


さて今日は、地元山都第二小学校の子どもたち3人が、「街角探検」と称して、食工房に訪ねて来ました。
それで二度目の今回は、少しお手伝いがしたいと事前に申し入れをいただいていました。

ちょうど醗酵が遅れていたカネリプッラをオーブンに入れるタイミングにピッタリだったので、砂糖をトッピングするところをやってもらいました。
オーブンに入れる時も、オーブンから焼き上がったカネリプッラが出て来る時も、扉を開けると一瞬子どもたちの歓声が上がりました。
やっぱりオーブンは魔法の箱なんだと、私も、今さらながらにうれしい気持ちが込み上げて来ました。

そして、お土産に手渡した熱々のカネリプッラの入っている紙袋をうれしそうに抱えて、先生と一緒に帰って行く子どもたちを見送りながら、こちらも連れ合いと娘たちと共に4人でずっと手を振っていました。

「あぐり・カフェ」ご来場御礼


この方々と一緒に、楽しくお仕事しました。
前にいる二人の足元にご注目。


本日、第4回目の開催となる「あぐり・カフェ」でした。
今回はこれまでと違って土曜日の開催、お客さまの流れが少し違ったかなという感じでした。
午前中の出足は比較的ゆっくり、ラッシュのような人だかりにはならず、お客様への応対もちょっとだけ余裕があったような気がします。


今回イベントの準備が、木曜日と金曜日の二日間で各方面への出荷と重なる仕事となったため、少々疲れ気味の体を引きずっていましたが、いざ現場に着いて見るとシャキッとテンションが上がっている自分に驚きました。
そして、次々とご来店くださった顔見知りの方々と再会するうちに、すっかり元気になっていました。
こんな風に人のエネルギーをいただけるとは、なんとありがたい仕事なのかと、最後まで楽しく終えることが出来ました。
皆さま、本当にありがとうございました。


また今回は、我が喜多方市山都町の地元の農場で研修中の方二人に、お手伝いをお願いしました。
彼女たちの作った野菜やメロンも並べて、チラシやポップカードもにぎやかに、お祭りのようなディスプレーになっていましたし、「夕焼けらんぷ」のマネージャーさんも脇に立って、ラジカセで音源を流していましたので、楽しんでいただけたのではないかと思っています。


それでもお昼すぎ頃には、ありがたいことに大方の品物が売り切れて、ちよっとさみしい店頭となってしまいました。
いつも終わりの方は、何となくさみしい風景になってしまうのですが、仕方ありません。
と言うわけで、今回も沢山の方にお世話になりました。
この場を借りて、今一度お礼申し上げます。

明日は「あぐり・カフェ」で・・・。

第4回目の開催になります。
1回目からずっと参加させていただいております。

地元の意欲的な生産者、二次製品加工業者と消費者を結ぶこと、そしてそこに食に対する学びの要素も取り入れて、総合的な地産地消の運動に発展させて行こうという趣旨で開催されています。
会津若松市の市長さんの評価も高いと漏れ伺っております。
私たち提供者サイドとしては、とにかく良いものを造って出すことを何より一番の課題と受け留めて、頑張っているところです。


明日、食工房は、地元産小麦とライ麦を使ったパン、会津のべこの乳で生地を仕込んで焼き上げたスコーンとカネリプッラ、定番のマフィン4種類、ケーキとブラウニーなどの販売、そして自家焙煎コーヒーとべこの乳でつくるスパイシーマサラチャイ、堅焼き黒パンのピザトースト、飯豊山食パンのトースト(メイプルシロップ&バター)をその場で召し上がっていただきます。
試食品もあれこれ用意いたします。


あともう一つ、同じ山都町のチャルジョウ(小川)農場の研修生が、同じブースで食工房のお手伝いをしながら、自分たちの作った野菜を並べて販売いたします。
こちらもどうぞお楽しみに、お出かけください。


さらにおまけが一つ。
11月7日に、会津若松市内・末廣酒造「嘉永蔵」にて開催予定の、「夕焼けランプ」のライヴのご案内とチケットの販売を、マネージャーさんが直々にいらして行います。
「夕焼けランプ」オフィシャルサイトは、 <こちら> から。


明日はまた、フェアリーランドと唐橋郁さんのライヴも楽しみです。
皆さま、どうぞお誘い合わせてお出かけください。
心よりご来場ご来店をお待ちいたしております。

こんな日ですから。

今日はもう朝から、台風襲来のニュースで大騒ぎでした。
何でも、本州串刺し東北直撃コースの予想じゃありませんか!
パン生地をいっぱい仕込んでいるのに、もし停電にでもなったらどうしよう・・・と心配してはみたものの、予定どおりに作業開始しました。
こんな日ですから、来る人もいないだろうし「かえって落ち着いて仕事が出来るね。」などと言いながら一応店を開け、「もし、パンを買いに来る人がいたら、ポイントを二倍にしようね。」と連れ合いと申し合わせました。


それにしてもこの度の台風は、ご当地会津若松の真上を通過したというのに、拍子抜けするほど何ごともなく過ぎてしまいました。
お昼頃、静かに青空が覗いていたのは、あれが台風の目だったのかと、後になって思い当った次第。


まあそれでも、接近前と通り過ぎた後の二回、少し風が強かったのは確かです。


さてこんな日にご来店くださった方は、二組と二人。
他に宅配便の配達と集荷が、合わせて3件。
それから郵便配達と、他に私用で一人。


思い出して見る限り、嵐だからといって人が一人も来ない日はなかったような気がします。
逆に、お天気が良くても一人のご来店者もないことは、何回かありましたが。


またしても長い一日の木曜日は、無事に終わりそうです。


さて後先になりましたが、被害を受けられた方々に、心よりお見舞い申し上げます。
土佐の高知の生まれ育ち、実際に何度も被害に遭った私は、台風の被害の切なさはよく承知いたしております。

「パンだより」編集、終了

おかげさまで、割合順調に進み先ほど作業終了。
pdfファイルを作って、この後公開いたします。
そして、ネットをご覧にならない方向けに、発送も急がなくてはなりません。


ところで、「パンだより」の編集作業をしている時に、いつも思うこと。
今の時代、情報の発信と伝達は、本当に楽になったなァということです。
西洋で印刷技術が発明されて500年余り、今この時代、それに匹敵する新たな情報革命が起こっている最中かも知れません。


私の世代の者は、その一部始終を体験目撃しているわけで、大変貴重な立場だと言えます。


500年前の活版印刷がまだ現役だった状況から、最先端のカラーレーザープリンターまで。
原稿の編集方法も、直に活字を組む方法から画面上で文字も画像も思いのままにレイアウト可能なPCを使う方法まで、私が小さい子どもだった頃からつい最近まで、高々50年足らずの間の出来事です。


そして一番大きな革命と思えるのは、情報の発信が個人の手中に収まったということじゃないかと思います。
この時代、紙メディアを使うにしろwebを使うにしろ、個人レベルで簡単に情報発信出来るのですから。


ちなみに我が「パンだより」の編集は、Microsft Word を使って作業しています。
書式は、もう何年も前に作ったものをそのまま踏襲しています。
前の月の号を使って、文字や画像を入れ替えて今月号にするだけなので、原稿さえ出来ていればとてもスムーズです。
最初に私がテキスト部分を編集します。
イラストが入る部分が空欄になったものをプリントして、連れ合いに渡します。
そこに鉛筆で下描きしたイラストを、トレスコを使ってケント紙に清書します。
PCで描画することも可能ですが、連れ合いは手描きの方がいいと言いますし、私もそう思っています。


それをスキャナーで取り込んでデータ化したものを、もう一度word画面上でペーストして仕上げます。
昔のことを思い出すと、何だか夢みたいなことが実現しているのですね。


最後にもう一つ、私の一番のこだわりはフォント(字体)です。
印刷物にとって、これほど重要な要素はないと思っています。
その点でも、今は恵まれた時代だと思っている私です。


「食工房のパンだより・47 紅葉号」

<こちら> からご覧いただけます。