食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

ご来店ありがとうございます。



ご来店ありがとうございます。


このところすっかり暖かくなったからでしょうか、昨日も今日も、お客さまが多勢見えています。
けっこう遠方から足を運んでくださった方もあり、本当にありがたく、心より感謝申し上げます。

この地で商売を始める時、「本当においしいものがあるとなれば、お客さまはどこからでも訪ねて来るよ。」と、何人もの方からアドバイスをいただいたものですが、実際に来ていただけるということが、どれほど貴重でありがたいことであるか、身に染みて分かったのは始まってから後のことでした。
開店5年目、インターネットデビュー2年目の今年、やっと少し手応えのようなものを感じています。

思い返してみると、当初の仕事はまだまだ素人っ気が抜け切らないレベルだったような気がします。
それがこの頃になってやたらと恥ずかしく思える、その分だけ成長したと言うことなのかと、噛みしめているところです。
二人の娘たちも、「楽しくお手伝い」から、責任を感じてする仕事というスタンスに変化して来ました。
それにしては、私はまだ1円の給料も払っていないので、何とかしなくてはとそれも今年の課題です。
そんないろいろな想いを実現するためには、先ずは体力、それから気持ちの良い心、つまり自分自身のコンディションを最善にしておく心がけだと思っています。
そして皆さまには、ますますのご愛顧を賜りますよう、改めてこの場を借りてよろしくお願い申し上げます。

  本日の食工房
おかげさまで、クッキー類が品薄になり始めましたので、急いで在庫拡充を図っています。
今日は、どろんこクッキー、山の子クッキーを焼きました。
それから、アールグレーティーケーキも焼きました。
明日は、スコーン2種類とアプリコットケーキです。
ゴールデンウィークを控え、また忙しくなりそうです。

ナッツクッキー



ナッツクッキー
カリカリ、コリコリ、噛むほどに、
香ばしい香りがお口の中に広がります。


今日はパン焼きの後、少し余裕がありましたので、ナッツクッキーを焼きました。
このところのバター不足で、バターを使うメニューは、優先順位をよく考えてから着手するようにしています。
ナッツクッキーもバターを使いますが、食工房では売れっ子で品切れさせたくありませんので、優先メニューの一つです。
このクッキーがおいしい秘密は、三種類のナッツのミックスレシピにあります。
※ミックスナッツの記事があります。<参照>
あと、微量ですがスパイスを使います。

仕込みは、まず生地をこねて丸い棒状に成型し、冷凍にかけます。
しっかり凍らせておいて、後日それを包丁で木口切りし、天板に並べて焼きます。
オーブンに入れてしばらくすると、バターとナッツの香りが合わさって漂います。
自画自賛になってしまいますが、本当にいい匂いです。
焼き終わった後、ちょっと焦げてしまったのを拾い出してコーヒーのお供にするのが、つくり手ならではのちょっとした楽しみです。
計量の包装の後にも半端が出ることがあり、そちらはもっと楽しみです。
コーヒーには、一番良く合うクッキーです。

オイソガ氏の昨日今日

商売をしている者にとって、忙しいことは、まことに結構なことと言わなければなりません。
私個人としては、本当は忙しいのは勘弁してもらいたい気持ちが半分ありますが、それでは生活出来ませんのでバランスが取れれば良しと思っています。
今週の私は忙しさの渦中で、その名も「オイソガ氏」にふさわしい昨日今日でした。
昨日は、みっちりとパン焼きで日が暮れ、今日は午前中にマフィンとスコーンを焼いて包装荷造りして、午後から会津若松市方面に配達に回りました。
今日は雨模様で、水に濡れた春の風景は、どこもかしこも車を止めてしばし見とれていたいくらいでしたが、そうもしていられず、おまけにカメラを持ち出すのを忘れてしまいましたので、大変くやしい思いをしました。
それでも配達の往き帰りに、こんな風景を眺めながら車を走らせられるのですから、十分贅沢ってものかも知れません。
おかげさまで、配達の方は回を重ねる毎に軒数が少しずつ増えて、本当にありがたいことなのですが、今日はいろいろ欠品が出てしまい、あちこちで申し訳なく頭を下げ通しでした。

  一昨日の早とちり
それでまたオイソガ氏は、一昨日は早とちりで、「習刊コーヒー通信」にとんでもない記事を書いて、お恥ずかしい限りでした。
コメントでもおわびを入れておきましたが、改めて訂正させていただきます。
喫茶店の喫は、喫煙とは関係がないというのが正しいです。
喫は、口にする、飲むの意で、常用では訓読みがないらしいですね。
それにしても、喫茶店はタバコを吸う場所という印象があまりにも強かったのは事実です。
何しろ、子どもが一人で行ってはいけない場所でしたから・・・。

菓子づくりは、夢を売る商売





食工房のお菓子たち



数ある食べ物の中でお菓子は、体の養いにどうしても必要なものではありませんね。
でも、なければ何かさみしいと言うか、味気ないと言うか、大きな楽しみが一つ欠けてしまうような気がします。
私は、お菓子は、例えば絵や音楽や詩歌のように、心に利くもの、人の心に夢を与えるものだと思っています。
だから、菓子づくりは、夢を売る商売です。
そして菓子づくりに必要なのは、材料や道具や技術の他に、もう一つ忘れてはならないエッセンス、つくることそのものを楽しむ遊び心です。
それらがうまくバランスして、気持ち良く仕事が出来た時、お菓子は食べる方の心に夢を運び、喜びの感情を湧かせます。

そうです!

荒んだ心では菓子づくりは出来ないし、する気にもなりません。
そういう意味では、菓子づくりは、毎日毎日、自分の心の中を問われる仕事だと思っています。
夢を売るためには、先ず自分の心の中にその種をいっぱい蒔いて、育てておかなくてはなりませんね。
そのことの方が、お菓子をつくること自体よりも、むしろ大切なことかも知れないと、この商売をするようになって気づかせてもらいました。


  


  お店の前にも、やっと花が咲き始めました。
店の前の道路沿いの一角に、連れ合いが花壇を丹精しています。
これから次々と、いろいろな花が咲いて楽しみなのですが、このニ、三日の間に、ラッパ水仙がほぼ満開になりました。
店の前から少し先の土手まで、道路沿いに水仙の花の黄色と葉の緑に埋まっています。

天然酵母パン





食工房のパンは、基本的に一種類の酵母、
自家培養の阿武隈・飯豊酵母を使用しています。


もうすでに多くの方がご存知のはずですが、改めて申し上げます。
食工房のパンは、100%天然酵母だけを使用して焼いています。
そしてその酵母は、完全自家培養です。
今から20年ほど前、阿武隈山中で山暮らしを始めた時に、山の沢水から起こしたパン種を、以来14年間、その沢水と小麦粉と少量の砂糖を養分に、繰り返し掛け継ぎしながら培養して来ました。
その後会津に移ってからは、飯豊の水で養い続けている、正真正銘の天然酵母です。




培養完了して、使用可能な状態の酵母種


通算すれば、もう1000回近くも掛け継ぎを繰り返し、永久無限に増殖し続ける我が酵母に、私は「阿武隈・飯豊酵母」と命名しています。
最近は、この酵母の純粋性を保つことと、安定した活力を維持するために、作業場にはイーストはもちろん、その他の酵母を含む食品類を持ち込まないようにしています。
そしてパンづくりの一番の材料である小麦粉は、これも100%国内産の小麦の粉です。
岩手県産の「南部」という品種と、もう一つ「ゆきちから」という品種を、用途に応じてミックスあるいは単品で使用しています。
もう一つ、一部のパンに使用するライ麦全粒粉は、カナダ産オーガニック(無農薬有機栽培)原穀を自家製粉しています。
食工房では、それぞれのパンの特質に合わせ、生地の最適な温度と醗酵時間を管理しています。
また、国産小麦の穀物としてのおいしさや天然酵母の醸し出す風味を最大限生かすために、食事用のパンには、粉と酵母と水を基本材料に少量の砂糖と塩以外の余計な材料を使いません。(油脂分も排除しています。)
一方、菓子パンやサワードゥビスケットなどには、油脂分として菜種サラダ油とバターのみを使用しています。
乳化剤を含むマーガリンやショートニングなどは使用していません。
食工房の天然酵母パンは、食べることと料理することが好きな方に、特に心底パンが好き!という方に喜んでいただけるようなパンを目指しています。
皆さまの、率直なご感想やご意見を糧に、これからますますおいしいパンが焼けるようになりたいと思っています。

米粉のパン


今までにもう何回も、何人もの方から、「米粉のパンをつくったらいいのに・・・。」と言われています。
会津は米どころだし、お米の消費の低迷が言われている折、米でパンをつくればいい取り組みになることは、それはそれで悪いことではないと思っています。
私もそう思って、実はいろいろ研究してはみたのです。
それでまず、米でパンをつくるためには、米を小麦粉のような微粉に挽く必要がありますが、新潟の企業が特殊な製粉方法を開発していて、すでにパン用の米粉を発売しています。
関連する資料を読んで分かったのですが、米粒は簡単には微粉にならないので、特殊な酵素と共に水に漬けて処理し、その後乾燥させて製粉するということでした。
そして、米にはグルテンと呼ばれるタンパク質成分がありませんので、小麦から抽出したグルテン粉を15%くらい添加します。
このグルテンがないと、いくらこねてもパン生地にはなりません。
そういうわけで、米でパンをつくるためには、ずい分手間のかかることをやらなくてはならないのですね。
当然、価格も高くなってしまいます。
またグルテンは、小麦だけにしかない成分ですから、結局、米100%と言いつつ小麦由来のグルテンのお世話になるのだったら、やはりパンは小麦でつくった方が自然だし、おいしいだろうと思います。
国内産小麦だったら、はっきりとその違いが分かると思います。
お米は、やはりご飯が一番でしょう。
そして餅や団子や煎餅、おはぎとか、いくらでもおいしいものがあります。
小麦粉と混ぜて蒸し菓子にしてもおいしいですね。
こんなことを言っては申し訳ありませんが、米粉のパンはあまり定着しないのじゃないかと、私はそう思っています。
    ※パン用米粉の関連資料へのリンク <こちら>


ご協力に感謝!


製品価格値上げを少しでも抑えるために、諸経費削減にご協力をお願いしているところですが、皆さまには、マイバッグ持参、古新聞紙や段ボール箱の提供など、次々とご協力をいただいています。
先日は、シャッターを開けたら、店の前に段ボール箱が置いてあり、「使ってください」と書き置きが入っていました。
またつい先日は、いつも通販をご利用いただいているお客さまが、ためておいた段ボール箱をたたんで間に古新聞紙を挟み込み、きれいに荷造りして送り返してくださいました。
こうした皆さまのご協力のおかげで、包装荷造りに関しては、確実に出費が減って来ています。
この場を借りて、一言お礼申し上げます。
今後、皆さまからのご協力に対し、ご来店の方にはポイントカードの点数を差し上げたり、通販ご利用の方にはクーポン券を差し上げるなど、ささやかながら何かお返しをしたいと考えています。
引き続き皆さまのご協力をよろしくお願い申し上げます。
また何かご提案いただけることがありましたら、何なりとお知らせください。
私たちの方でも、湯沸かし器の温度を少し低めにしたり、オーブンの予熱を入れるタイミングをよく計算したりして、光熱費の削減に挑んでいます。
それで、あと一ヶ月くらい様子を見て、価格の改定巾を決めさせていただくことになると考えています。
最終的には、幾分の値上げは避けられない見通しですが、その時はまた改めてご理解をお願いすることになると思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

深刻なバター不足

昨年からすでに、バターが不足していると言われていて、このブログでも取り上げました。 <参照>
しかしその後、12月のシュトレンづくりに支障が出るような入荷の不足はありませんでした。
楽観のうちに新年を迎えたとたん、いきなり注文したバターの納品が滞る事態となり、何ごとかと慌てました。
以後、現在になっても、バターの品不足は解消される見通しはないようです。
価格も上昇し、その上手に入りにくいので、いよいよ食工房でもバターを使うメニューの一部を、休止せざるを得なくなりました。
※バタービスケットを、しばらくの間休止します。
今後、さらに影響が広がるかも知れません。

そして、バターの不足に関連してチーズにも影響が出ています。
こちらは、品不足というより急速な価格の上昇と言った方が当っています。
我が家でよく使う、ピザ用シュレッドチーズの場合、一年余り前に1㎏が780円で買えたものが、現在は800g包装になって1170円です。
実質2倍の価格になってしまったわけです。
こうなっては、ピザトーストもそう気軽には食べられません。
食工房で材料に使っている、グレイテッド・エダムチーズも、この前の仕入れ分からガーンと価格がアップしました。
こうした品不足や価格の高騰は、すでにニュースや論説でも言われているように、農政や食糧政策の失敗によるものです。
バターに関しては、供給の回復にはニ三年はかかると言われていますし、チーズは多分この先ずっと、価格が下がることはないでしょう。
今後、食糧の価格が全体的に上昇すると予想されていますが、バターやチーズの状況はそれを先取りしているのかも知れません。
そしてこれは、世界中のいろいろな状況や問題がからんでいて、私たちの未来に大きな影を落としているように見えます。
本気で、畑を耕すことを考えた方がいいかも知れません・・・。

酵母は裏切らない!

昨日までの風邪が、まだ少し後を引いている体で一日が始まった、恒例の忙しい木曜日。
普段より30分余りスタートを遅らせて、作業を開始しました。
集中力にいささかの不安を抱えながらも、何とか仕込みを終えて、一杯のコーヒーでやっとエンジンがかかりました。
娘たちに、いつも以上に助けてもらいながら、成型、焼き、と順調に進み、大体普段どおりの時間に焼き上がるという良い手際でした。
今日も酵母は絶好調で、成型も焼きもタイミングを外さなかったので、上々の焼き上がりでした。
こういう時、つくづく自分の職人気質的性格を思い知ります。
つくったモノの出来が良かったというだけで、元気がわいて来るのです。
もちろんその逆もあるわけですが、そちらの方はいつだってご免こうむりたい!と思っています。
モノづくり商売をやっていてありがたいと思うことは、いつでも正直であることの大切さを教えられることです。
モノは、人間のようにお世辞を言って慰めてくれる、なんてことはあり得ませんから。
対応が間違っていれば、単純に悪い結果が出るだけと、至ってはっきりしています。
酵母を相手に、かけ引きなんてする必要もありませんから、それが私には向いています。
逆に一番やりたくない、ストレスのもとになるのは、分かっていながら手を抜くことです。
そうです。
絶対に私を裏切らない酵母を、私が裏切ったら、二度とおいしいパンは焼けなくなるに違いありませんから。
どうやらこれで、風邪も抜けそうです。

びおとーぷはうす



びおとーぷはうす
1階が茶房びおとーぷ 2階がギャラリー・工房BIO



食工房のパンと焼き菓子もならんでいます。



店長の白沢さんです。



センスの良さを感じさせる、
手づくりの看板が素敵です。


こちらの1階の「茶房びおとーぷ」で、この3月から食工房のパンと焼き菓子を販売していただいています。
また、茶房のメニューの一つに、食工房の自家焙煎コーヒー豆を使っていただいています。
ご希望があれば、コーヒー豆も販売しています。
食工房のコーヒーを飲めるお店が、また一軒増えました。
どうぞよろしくお願いいたします。
お食事も可能で、マクロビオティック仕様のランチメニューもあります。(750円)
食工房のパンと焼き菓子は、週末に届くよう出荷しています。
予約注文も受け付けてくださるので、詳しいことは直接お問合せください。
     ℡ 025-225-9317


ちなみに2階のギャラリーでは、いろいろな作家の企画展などが開かれています。


本当は、直接お訪ねして取材して来たかったのですが、いつのことになるか分かりませんし、早く皆さんにご紹介したかったので、お店の写真を提供していただきました。
ご本人たち(ご夫婦とお子さま)には、これまで何度か食工房にご来店いただき、お目にかかっています。
そしてその度、いろいろお話をうかがっています。
お店は新潟市の中心地にあり、近くには新潟大医学部のキャンパスや中央区役所などがある一等地です。
しかもキリスト教新潟教会のとなりという、大変覚えやすい場所です。
この方面の皆さま、ぜひお訪ねいただきたいと思います。
「びおとーぷはうす」の場所のご案内は <こちら>