土佐の庶民性のいろいろある中で、「ものは言いよう。」をこれほど上手に使いこなす県民は、他にいないんじゃないかと思っています。
土佐の人間はとにかく話し好き。
そして理屈をこねるのが、これまた好きと来ています。
まともな理屈ももちろんこねますが、屁理屈ならもう天下一品、どこにも負けない日本一です。
土佐人の頭は、例えて言うなら「二ひねり三回転半」みたいな回り方をするのです。
そのまま素直には行かない。
ひねりが効いているなと思ったらそれだけではない。
三回転半みたいに、半端にはみ出すことも以て良しとするところがあって、収まらないことなんか気にしないのです。
出るクイは打たず、出るに任せて面白がって応援する。
次に何が起こるかなァー!?と。
ちょっと大げさかも知れませんけど、そんなに外れてないことも確か・・・。
そんな土佐の人間です。
「ぱっと馬路村」
さて前置きが長くなりましたが、柚子の皮入り七味唐辛子「ぱっと馬路村」の蓋にかけられている封印帯を見て、思わずニヤッとしてしまう私です。
「うまいこと言うやいか!(うまいこと言うじゃない!)」
「馬路村の空気もいっしょに詰めました。」
これって、言い換えれば「メイドイン馬路村」ってことでしょ。
どこか村外で委託加工してるのじゃなく、村の中でちやんと瓶詰めまで全ての工程をやってますよってことの証明にもなるわけですね。
こういうアイディアって先にやった者勝ち、二番煎じは白けるだけですからね。
でも、こんなコピーも、一昔前に果たして通用しただろうかと考えると、それは甚だ怪しいもんです。
馬鹿にされるだけで終わっていたかも、と思います。
そう言えば、ごっくん馬路村に赤字で表示されている「馬路村公認飲料」のコピーも、最初は村長に無断だったそうです。
結局、村始まって以来の爆発的ヒット商品になって、事後承諾どころか大手がらということになったのですが、こんなことをするのは土佐人だけですね。
いつも時代の空気を読んで、このくらいやっても大丈夫という線ギリギリを、危なっかしくも駆け抜けるのが土佐人かなと思う私です。
龍馬は、それで命を落としましたけど・・・。