自ビール

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こどもの日の話題にはふさわしくありませんが・・・。
天然酵母を自家培養していると、必然的に興味を誘われるのが酒造りです。

パン用の酵母も酒造用の酵母も、元は同じものです。
アルコール発酵しながら炭酸ガスを発生する性質を持っています。

パン種を培養していると、微量のアルコールが精製されて来る感じがよく分かります。
「ひょっとして、これで酒が造れる?」と素朴な好奇心がわき起こるのを止めることは出来ませんよね。

で、私もいろいろやって見ました。
これまでに上手く行ったのは、カシス(黒すぐり)のワインとビールです。
カシスのワインの方は最近ちょっとお休みしていますが、ビールはなくなると次のを仕込むという間隔で続けています。

本当はモルトづくりからやってみたいところですが、まだそこまで時間的余裕がないので、市販のビールキットを使用しています。
付属のイーストは使用せず、我が阿武隈・飯豊酵母の登場です。

天然酵母仕込だと、微妙に酸味が出たりするのですが、これが旨いと思えるのは私だけではないようです。
もっとも、ボトリングしてから半年も置いておくと、すっかり酸味が消えて、やわらかく且つ濃厚な風味に変わっていたのには驚きましたね。

写真のビールは、ブラックロック製モルト・マイナースタウトをオールモルトで仕込んだもの。
昨年8月に仕込んで、10月に「奥会津アイリッシュコンサート」が催された折、アイルランドから来日したミュージシャン、ショーン・ライアンにご馳走したところ、パスチャライズ(火入れ殺菌)する前の時代のギネスの味がするとの評価。
ミュージシャンが、こんな専門的な評価に及ぶとは思いませんでした。
まあ、褒められたということでしょうか。

他に、チェコピルスナー、レッドエールも試しています。

ところで、私はアルコール過敏体質なので、せっかく造っても少ししか飲めません。
大方はおみやげに差し上げています。
夏までにはまた仕込んで置いて、皆さんに楽しんでいただこうかなと思っています。


本日の食工房

今日もあちこちからお客様が見えました。
そして今シーズン初めて、アイスコーヒーのオーダーがありました。
これから初夏へと季節はどんどん進んで行きます。
来週末あたりから、この辺でも田植えのシーズンになります。

ふたたびフィンランド

この前からずっとフィンランドの世界一が気になっていましたので、ネットの力を借りていろいろ調べています。
また知り合いが、新聞の切り抜きを回してくださったりで、少しずつ資料がたまって来ています。
そんな中から二つほど話題を・・・。
「政治家の汚職が世界一少ない国」と多分大いに関係があると思うのですが、フィンランドは世界的に見ても税金の高い国として知られています。
当然のこととして、国民はその税金がどのように使われるのか、政治家や公務員に不正行為はないか、大変高い監査意識を持っているわけです。
逆に議員報酬などは
低く、国会議員でも生活のために別に仕事を持っているのが普通で、地方議会の議員と掛け持ちしている人もいるそうです。
国民の高い監査意識と利権を生みにくい社会制度が合わさって、政治家の汚職を防いでいると言えそうです。
日本の私たちの感覚だと、税金が高いことは即悪いことだと認識していますが、フィンランドの人の意識はちょっと違っているみたいです。
もう一つ「図書館の利用率が世界一」は、とても明確な理由のようです。
人口520万人のフィンランドでは、本の出版部数もずっと少なくなります。
本の値段は必然的に高くなりますから、よほど気に入って手元に置きたい本以外は、図書館で借りるという選択になっているわけです。
そして、子どもの学力のこと、教育のことが何と言っても大きな関心事ですが、これはまた次の機会に・・・。
さて堅い話ばかりでは申し訳ありませんから、楽しいフィンランドのことが分かるサイトを二つご紹介しておきます。

フィンランド政府観光局
マイスオミ

 本日の食工房
今日は、さすがゴールデンウィークと言えるお客様が多勢見えました。
東京から、新潟から、今回初めて食工房を知った方、地元出身で東京から帰省中の方、ご常連の方のお友達など、次々と訪ねて来てくださいました。
写真は、東京からツーリング中の方のバイク。
食工房がいつもお世話になっている、北塩原の「あらさと」というお蕎麦屋さんに立ち寄っ時、うちをご紹介いただいたとか・・・。(あらさとさん、いつもありがとうございます。)
若いご夫婦でしょうか、お二人で一台ずつ400cc単気筒のバイクに跨って颯爽と旅立って行かれました。
かっこよかったです!
私も昔、独り者の頃はライダーだったんですが・・・。

阿武隈・飯豊酵母



食工房で使用している酵母は、完全自家培養天然酵母です。
「阿武隈・飯豊酵母」の名の由来は、今から17年前に阿武隈山中の沢水から酵母種を起こしたことに始まります。
それから14年間毎週一回、たまに休んだ時を考慮しても700回余り継ぎ種培養して来ました。
「継ぎ種」というのは、「かけ継ぎ」とも「老麺法」とも言いますが、元の種を全部使い切らずに残し、新たに材料を加えて再び増殖活性化しながら、繰り返し使い続けて行く方法です。
西洋でも「サワードゥー」の名でよく知られた方法です。
阿武隈山中では、ずっと同じ沢の水を直接使い続けましたので、季節季節に様々な状態の酵母菌や乳酸菌が混ざり合って、複雑な風味を生み出していました。
雑菌の混入も免れなかったと思いますが、培養の段階で乳酸菌が生成する酸と酵母菌が生成するアルコールによってほぼ完璧に死滅させられるので、まずそんな心配をしたことはありません。
会津で正式にパン屋を始めてからは、水道水を使うようになりましたが、年に1回は飯豊の麓まで出かけて山の水を汲んで来て入れます。
こちらでも3年間に毎週2回ずつ、すでに150回以上継ぎ種しています。
これが「阿武隈・飯豊酵母」の由来です。
ところで、酵母は大変デリケートな生物で、別な強い種が入ると今までの種が淘汰されてしまうこともあり得ますので、イーストも含め他の酵母は一切使わないよう、作業場に持ち込まないよう気をつけています。
これまでの17年間に、2回ほど危うく絶えさせる寸前の危機に遭遇しましたが、奇跡的に回復し現在に至っています。
また、別に半年間冷凍した種を再培養して耐冷テストもやりましたが、問題なく再生するタフさを見せてくれました。
おかげさまでもうずっと以前から、自分のパンの風味は変わることなく、いつ食べてもすぐにそれと分かる個性を保ち続けています。


      飯豊山食パン 1斤
 
 本日の食工房
今日は連休後半初日、この時期毎年、千葉県から訪ねて来てくださるご家族が、やはり今年もいらしてくださいました。
他にも一年ぶりという方が、去年買っておいしかったからと、いらっしゃるなりすぐにお目当ての品を手に取られ、これは本当にうれしかったですね。
皆様のこうした情熱に支えられて元気を出しています。
来年またご来店いただいた時も、変わらず店を開けていられるようがんばります。

コーヒー好きは、おこげ好き!?

コーヒー通信、今週は食べ物の好みに関する話題です。
人の食べ物の好き嫌いについて研究した資料によると、コーヒーが好きな人が共通して好む味は、焦げたものの味だそうです。
例えば、こんがりと良く焼けたトースト、ご飯のお焦げ、焼き芋、いり胡麻、ドーナツ、そして極めつけは燻製品、言われてみるとどれもこれもウンウンとうなずけるものばかりです。
そうです、そもそもコーヒーの風味はコーヒー豆を焦がすことによって出て来るのですから無理もありません。
コーヒー好きの貴方、煎茶とほうじ茶のどちらが好き、と聞かれたら何とお答えになりますか。
私は迷わず、ほうじ茶ですね。
この資料によると、コーヒーよりも煎茶や紅茶などを好む人の食べ物の好みは、コーヒー好きの人とは対照的であるらしいです。
さて貴方は、コーヒー党ですか煎茶党ですか、それとも両刀使いですか・・・。


 食工房オリジナルブレンド
食工房では、只今4種類のオリジナルブレンドを用意しています。
それぞれミディアムローストベースですが、全てのブレンドに一定割合の深炒り(フルシティーロースト)豆を入れています。
一見ひどい炒りムラに見えて、何だこの豆は!と言われてしまいそうなのですが、一度味わっていただければたいていの方が納得してくださいます。
この少量の深炒り豆の効き目は大したものです。
適度に酸味を和らげ、香りを高め、苦みとコクを加え、後味のキレを良くしてくれます。
お店で召し上がる方のためには、お好みに合わせて深炒り豆を別に粗挽きし、その場でブレンドするという気づかいもしています。
さて、そのブレンドレシピは・・・、企業秘密です。




 食工房のパンだより 新緑(5月)号 配布中
プリントバージョンの「パンだより」が出来ました。
ご来店者には直接手渡しで、遠方の方にはメール便で、さらに今度からはご希望があれば、PDFファイルにしたものをeメールに添付してお送りすることも出来ます。
お申し込みはコメントで。(メールアドレスは公開されません。)

空色Cafe



本日の食工房は、連休の期間中ではありますがいつもの定休日どおり、お休みをいただきました。
お休みを利用して、いつもコーヒー豆を使っていただいている「空色Cafe」へ、ちょうどコーヒー豆のご注文もいただいていましたので、配達がてら我が家の娘二人を伴って出かけて来ました。
「空色Cafe」という名前を初めて耳にした時、正直「やられた!」と思いましたね。
なんてセンスの良いネーミングだ!と感心したものです。
美坂高原という山の上のレジャーランドの一角の牧場のはずれにあるお店に、まさにぴったりの名前です。
そして、センスが良いのは名前だけではありません。
お店の中の雰囲気、メニュー、いろいろな企画、どれをとっても、そこに訪れた人の気持ちを幸せにしてくれる何かが流れています。
私のおすすめは、飲み物とケーキのセットメニュー。
今日は、私は定番のチーズケーキとカモミールミルクティーをいただきました。
いつもどおり、素材の良さが伝わって来るチーズケーキは文句なし。
新鮮だったのは、カモミールミルクティーでした。
紅茶も併用するのかと思ったら、カモミールだけのハーブティーベースなんですね。
砂糖の甘味を加えることで、カモミールの香りが一層引き立っていました。
あいにく?今日は雨で、外は風も強くて寒々していましたが、ランプの明かりが灯る店内の雰囲気をかえって暖かくしていました。
ちなみに、空色Cafeのwebサイトがありますので、お出かけになる前にこちらをご覧になってください。

一ノ戸川



食工房のある山都町、相川地区は、飯豊連峰の一つ三国岳の直下、白布沢の大滝より流れ出る一ノ戸川添いにあります。
4月7日の記事にも書きましたが、河原は私の散歩コースの中でも特に好きな場所です。
河原に行くとあちこちに、写真のようなマスクを作ります。
これは私の遊びでもあり、真剣な祈りでもあるのです。
昔から、川には龍神が宿ると言われていますが、私もそのとおりだと感じています。
前に白布の大滝に詣でた時、そこはまさに龍の頭だという感じがしたことは、その後もずっと新鮮な記憶として残っています。
河原を歩く私は、命の水を恵んでくれる一ノ戸川の龍神の背中の上で遊んでいる子どもです。
川の流れに洗われて童心に帰った自分の心の喜びをここに残しておいて、それをだれかが目に留めて思わず微笑んでくれたら、それで私の願いが叶ったことになります。

カフェクラブの集い ケーキ3種類

今日は、カフェクラブのイベントを予定していましたが、参加のご連絡がありませんでしたので、流会ということにしてケーキを3種類焼くことにして作業を始めました。
一つ目を終えて二つ目にかかろうという時、使っていたミルミキサーから異音がして突然の故障!
おまけに重要な材料が一つないことに気づき、急遽作業を中断して買い出しに走りました。
ホームセンターで特価品のミルミキサーを1台1,980円で購入。
いくら何でもこんな値段でいいの?メーカーが気の毒に思えるほどでしたが、この急場をしのぐにはありがたい計らいでした。
それから、生乳100%のヨーグルトを見つけに生協に走り、売り切れ寸前の2個を買い占めて大急ぎで帰って来ました。
おかげさまで夕方までには無事作業終了。

店は、本日もまた思いがけないお客様のお出でをたまわりました。
昨日の東京の方が、ホテルで一泊の後、帰る前にもう一度立ち寄ってくださいました。
それから、遠く仙台からご家族連れの方が見えました。
それも本当に偶然に前を通りかかって、パン屋だと気づき立ち寄ったとのこと、パン好きのご家族で、喜んでいただけて、やっぱりこの仕事をしていて良かったと思うことしきりでした。
その後、Merry Landの編集長さんと同居人のヤッさんがカフェクラブめざしてご来店くださったので、流会のはずでしたが私も休憩して一緒にコーヒーをいただきました。
明日はまたどなたがお見えになるでしょうか。
食工房は明日も変わらず営業しております。

ちなみに3種類のケーキは、
エルフの焼き菓子・アールグレー ティーケーキ・アプリコットケーキでした。
いずれ詳しくご紹介申し上げます。

価値あるモノ

今日は、写真を沢山お見せします。
ダウンロードに時間がかかる方、申し訳ありません。
これでもご紹介するのは一部です。





 







        


      
                           

      

モノの価値はどこにあるかと問われたら、私は、そのモノの物理的価値よりも、それに込められた造り手の情熱だと答えます。
実際そのとおりなんですから。
造り手が、打算を忘れて純粋に造ることに情熱を傾ければ傾けるほど、物理的価値も増すからです。
写真でどの程度お伝え出来たか分かりませんが、これらのモノたちは、どれをとってもそれぞれの個性で、人の心を惹きつける力を持っています。
似たようなものでもっとずっと値段の安いものを幾つ買うのを我慢しても、これ一個が欲しいと思わせるくらいその力は強いです。
そしていつまでも満足感が薄らぐことはありません。
それは、それを造る人が骨身を削って注ぎ込んだ何かがあるからに違いありません。

 本日の食工房
ゴールデンウィークの初日は、何と、東京から再会するのが7、8年ぶりになる知人が息子さんと二人で、前ぶれなしに駅から6㎞の道を歩いて訪ねて来てくださいました。
嬉しかったですねェ。
掛け値なしに、こういう仕事をしていて良かったと思います。
明日はカフェクラブの集いですが、まだ誰からもご連絡をいただきません。
でも、明日になって見なけりゃ分かりません。
今日みたいに、またどなたが見えるかも知れませんから、楽しみに待っていることといたしましょう。

パン屋、のちコーヒー屋、そしてブロッガー

本日は全くいろいろなことをやりました。
と言ってもいつものことなんですが、どうしても一つのことに絞り切れない性格が、わざわいか幸いか知りませんが、して、ついつい色々なことに手を出してしまう私です。
おかげさまで、ある時は楽しく、またある時は自分を呪いながら、全く忙しい人生です。
今日は、午前中はスコーンとジンジャークッキーを焼き、昼の合い間に明日のパン焼きに備えて酵母を起こし、午後からはコーヒー豆の焙煎をやりました。
ちょっとした時間の隙間にPCの前に座り、来月の「パンだより」の編集も。
コーヒー焙煎が終わったところで一息入れ、明日のパン焼き用に粉を計量して本日の作業が終了となりました。
そして今またPCの前に座ってブログ書きをしているというわけです。
本当は、今日のネタは頭の中では出来上がっていたのですが、古い写真が見つからなかったし、長くもなりそうだったので止めました。
さて明日からゴールデンウィーク、普段なかなか来られない方が、思いがけなくひょっこりと顔を見せてくださったりしますので、私は店を開けて楽しみにお待ち申し上げております。

古いオーブン



写真のオーブン、只今食工房で現役です。
佐々木製作所1981年4月製とありますから、もう25年も経っています。
資金もろくに用意出来ずに始めたパン屋なので、設備は全部中古です。
ところが運の良いことにパン屋を廃業した方がいて、いらなくなった機械設備をまるごと譲っていただきました。
このオーブンもその中の一つです。
古いものですが、至って調子よく使っています。
ただ、製造メーカーはもうとっくに廃業してしまっていますので、メンテナンスサポートしてくれるところはどこにもありません。
それがちょっと不安といえば不安、いや、かなり不安かも・・・。
とにかく毎日、故障しないことを祈ってから電源を入れています。
写真では分かりにくいかも知れませんが、このオーブン、温度調節は自動ではありません。
手動式の切り替えスイッチを操作して、ヒーターの出力を加減して温度を調節します。
大きなスイッチハンドルが、いかにもレトロな感じで私は気に入っています。
庫内の温度は温度計が付いていて大体は分かりますが、あまり正確ではないようなので、必ず実際に手を突っ込んで勘をはたらかせて測ります。
このオーブンで、庫内温度とヒーター温度を使い分けながら、何でも思い通りに焼けるようになるまでに2年はかかりました。
でもおかげさまで、ものすごくいい勉強を沢山させてもらいました。
物が焼けるためにどんな熱が必要かということを学びましたので、今ならどんなオーブンに触っても大丈夫です。
もっとも買い換える気も、資金も、どっちもありませんが・・・。
昔のモノは丈夫、の手本のようなこのオーブンが壊れたら、その時は私がパン屋を止める時だと思っています。