敵をまちがえるな

先日、町内のカフェにて、前福島県知事の佐藤栄佐久氏のお話を聴く会が催されました。
私は、仕事が忙しい最中で聴きに行かれませんでしたが、参加した友人知人たちが異口同音に感銘を受けたと報告してくれました。
またブログ上に報告している知人もあり、概略ではありますが、私も内容に触れることが出来ました。<こちら>


その話のいろいろある中で、「敵を間違えるな。」ということを再三言われたそうで、「原子力行政は国策であり、全ての責任は国が負うべき。」と指摘されたそうです。


以前、武田邦彦氏のブログでも、そのことが取り上げられていたことを思い出します。<こちら>

こと原子力発電に関しては、事業者の電力会社は、万一の事故が起こった時でも、一定以上の責任を免れることになっているのですね。


今回の場合、原因は天災であるとされていますから尚更です。
だから東電は、悪びれる風もなくあんなに威張っているのでしょう。
事故後退職した前社長は、高額な退職金をちゃんともらいましたね。


それはそれとして、原子力の利用が国策で最終責任は国にあるということなら、国民の前にはっきりと姿を現し、釈明しなくてはならない人たちがいるはずですね。
しかし、その人たちも電力会社以上に、全く反省する様子もなく威張っているように見えます。


ここで国民の私たちが自覚しなくてはならないことは、そういう人たちを選んで権限を持たせたのは私たち自身だということです。
民主主義の社会では、とどのつまり最終責任は国民一人一人だということになりますから。


失敗でしたね!


国民として、政治を監査するという一番大切な仕事をさぼっていたツケですね。
問題の根は深いと言わざるを得ません。


内輪もめなどしている場合ではありません。

シュトレン・間もなく完売

今年はどうなるだろうか・・・。

福島のパン屋が製造した製品(シュトレン)がギフトに選ばれることは難しいのではないか。

その結果しだいで、今後の食工房の運命が決まるだろうとさえ思っていました。

結果から言えば、間もなく完売です。
数は、去年よりわずかに少なくなりましたが、ほとんど同じくらいです。
そして嬉しかったのは、皆さまが、深いご理解と納得の上でご注文くださったことです。


状況として、来年が今年よりずっと良くなるとは思っていませんが、何とかこの仕事を続けて行くことは出来るのではないかと、希望を持たせていただきました。

本当に、本当に、ありがとうございました。

ゆるぎないもの

ゆるぎないもの・・・、この度の原子力災害を前に、果たしてそんなものがあるだろうか・・・?という気持ちにさせられています。


母なる地球の営みに身をゆだねる。


どんな時でも帰るべきはそこ以外にないと信じて来ましたが、今はそれさえ揺らいでいます。
空も、山も、川も、海も、今までとはちがうのですから。


鳥や獣たちは何か異変を感じ取っているだろうか、魚や鯨たちは、虫たちや目には見えないもっと小さな生き物たちは・・・。
この9か月間、恐怖に駆られた人間たちの口から、自分たち以外の沢山の命を心配する声は、覚えている限りただの一度も聴かれませんでした。


今まで人間は、何のおかげで、誰のおかげで、好き放題に暮らして来られたか、いつの間にか忘れてしまったらしいですね。
今、自分たちの住む世界が壊れてしまったかも知れないのに・・・。


除染をすると言いますが、人間以外の生き物たちにとって、それは更なる環境破壊になるだけかも知れません。
やるのなら、そこまで考えてやってもらいたいものです。


それともいっそのこと、人間なんかいなくなった方がいいのでは・・・?


かけがえのないこの地球の上に、決定的な毒をまき散らしてほとんど取り返しがつかないことになったかも知れないのに、自分たちの都合で避難するのしないのと騒いでいる人間どもを見て、他の生き物たちは何と言うでしょうか。


避難ではなく、全員追放!と叫んでいるのかも知れません。
そうです。「直ちに出て行け!この地球から。」と。


揺るぎないはずのものを揺るがしてしまった人間の罪は、限りなく重い。


物言わぬこの地球の上の仲間たち(向こうはそう思ってくれないかも知れませんが)の声が、そう言っているような気がして仕方がない私です。


命に代えても、この罪滅ぼしはしなくてはなりません。

今年もまた・2011


キルトのクリスマスツリーと天使の楽隊が定位置に



今年は、ドコノモリの妖精も仲間に



これも好きな飾りの一つ



今年もこの位置に掛けさせていただきました。


今年は大震災があり、以来何もかもが今までと違う時間を過ごしています。
このブログも、読み返してみるとその違いがよく分かって、我ながら愕然としてしまいます。

でも今日はふと思い出して、いつもこの時期に店内を安らかな雰囲気で満たしてくれるクリスマス飾りのことを書こうと思います。
今ふり返って見たら、昨年も今日と同じ12月12日の記事だったのですね。


震災以来9ヶ月、それ以前の記憶がとても遠いもののように思えて仕方がありません。


さて、写真でご覧の通り、クリスマスツリーのキルトの壁掛けが、いつもと同じ場所に掛けられています。


会津に来て9回目のクリスマスは、大震災と放射能汚染の厳しい状況の中で迎えることになりましたが、とりあえずも去年と同じ風景がここにあることを先ずは喜びたいと思います。


願わくは、来年が少しでも良い状況に向かって行くことを・・・。
毎晩床に就く時、静かに念じることにしています。

アイス牧場デビュー


会津若松市方面から来ると、坂下町に差しかかるあたり、この看板が目に飛び込んで来ます。



店内の様子です。食工房コーナーを作っていただきました。


この度、食工房のパンを販売していただける場所が、会津管内にもう一ヶ所増えました。
会津の方なら、「アイス牧場」と言えば、もうどなたもお分かりでしょう。
「べこの乳」でお馴染みの、会津中央乳業の工場の一角にあるアイスクリームショップですね。

ここのソフトクリームのおいしさは、それこそ会津管内はおろか隣県にまで知れ渡っています。
そのお店の中で、食工房のパンを販売していただけることになりました。

いやはや、素晴らしいチャンスをいただきました。
今のところ品目限定ですが、ご要望がある時はご遠慮なくリクエストしてくださいね。
ちなみに、食工房には「べこの乳」を原材料に使ったメニューが沢山あります。

販売品目は、余り生地のバタール・ピストラ・麦畑通信136・チーズパン・プレーンスコーン5個入り、以上5品目です。

毎週土曜日の午後(時間は多少前後しますが、15時頃)に納品しています。
どうぞよろしくお願いいたします。


 

雪囲い、着々と、仕事は淡々と

毎年この季節、雪囲いを設置して冬への備えが完了するまでは、何と言っても落ち着きません。
今年はその点、昨年までよりは幾分楽です。
と言うのは、昨年少しやり方を変えて、手間が省けるようにしておいたからです。
雪国暮らしも、かれこれ9年目です。
手慣れて来たということも、もちろんあります。


まあ、本格的な雪までには、十分間に合うと思っています。


そして仕事の方は、これも手慣れてストレスなく進められるようになりました。
否、決して緊張感がなくなったと言うのではありません。
良い意味で、余計なエネルギーを使わずに仕事が出来るということです。


その分、肝心なところではビシッと気合が入りますから、製品の出来も良くなるというわけです。


忙しい中にも、ほんの少し余裕があるのは、そんなことが利いているのかなと思う今日この頃です。


明日からまた食工房の一週間が始まります。


今週は、いよいよ雪が降りそうです。
ただ今、雪の日ポイント2倍プレゼントも実施中です。


皆さまのご来店、お待ちしております。

今、何となく思っていること。

とりあえず今と申し上げましたが、もうずっと前からと言った方が当たっているかも知れません。
その思っていることと言うのは、まああまり喜ばしいことではありません。
暗い予想と言った方が当たっています。


前置きばかり書いていますが、もう少し付き合ってください。


暗い予想に真剣に想いを向けていたら、本当にそれが実現してしまうかも知れないよ!止めた方がいいよ!と言われるかも知れません。
しかし、空元気こそ何の足しにもならないよ!と私は思うのですね。


さてここらで本題に入りましょう。


その思っていることとは、これから先我が福島県がますます窮地に立たされるだろうということです。


今までも、沢山沢山憤りに堪えないことがあり、失望の向ける先の無い日々を過ごして来た私たちです。


今、年末に差しかかり、今年いっぱいと言う時間の区切りに、何となく形だけの区切りを付けて、原子力災害はもはや一段階終わった事にしようとする意図が、そこここに働いています。


しかし実際には、安全宣言を出した後に発覚した基準値超えの汚染米の問題。
今また、粉ミルクからセシウム検出で、回収騒ぎになっていること。
まだまだこれから、いろいろな事実が発覚して来るでしょう。


米の問題に関して言えば、予備検査ではかなり意図的に、汚染の出そうにないところからサンプルを採ったのだろうと思っています。
それを前提にして、全量検査をすることなく安全宣言と言う筋書きが、先にあったのでしょうね。
でもそんなことをして、あとでバレないわけがないと思うのですが、一体何故にそのような愚かとも思えることをするのでしょうか。


失礼な言い方かも知れませんが、本当にその程度の対応能力と言うか、思考判断能力しかないのか、と言いたくなります。


さて本当の本題はこれからです。


放射能汚染に関して、今まであまり口にされることのなかった項目があります。
それは、プルトニウムの放出の有無とアルファ線の危険に関することです。
※プルトニウムは、アルファ線だけを放射する。


原発の中で事故対応のために働いている方のツィッターを毎日拝見していますが、その方はもうずっと以前すでにプルトニウムのことに触れていて、それによると、プルトニウムが検出されたにも関わらず、現場ではアルファ線の管理は全くしていないということを報告しています。


ところでアルファ線は、放射線の中では最も遮蔽が容易で、薄い紙一枚程度で遮蔽出来ること。
空気中では2cm程度しか飛ばないで減衰してしまうことなどが知られています。
逆に、持っているエネルギーは、ガンマ線やベータ線の20倍とも言われます。
ですから、微量でも体の中に入ったら、大変な量の被曝をすることになります。


問題は、アルファ線は、ガンマ線のように空間線量という形で検出することが出来ないということです。
そのもの(線源)に2cm以内に接近して検出器を置かなければ、検出することが出来ないわけです。
逆に、空間でアルファ線が検出された時は、考えたくないことですが大変恐ろしい事態だと言わねばなりません。

フォールアウトが落ち着いている現在、主なアルファ線源であり重い元素でもあるプルトニウムは、あるとすれば地面あるいは地上にあるものの表面ということになります。
そこで土壌分析によって検出するわけですが、土壌分析は空間線量を測定するように簡単には行きません。
セシウムのように、航空モニタリングで大まかな分布を調べることも、プルトニウムでは不可能です。
結果、広い面積を隈なく調べ尽くすには、膨大な時間がかかってしまいます。


それでも私は思うのですね。
危険なプルトニウムが、どのくらい放出されたか、どの地域に多く降下したか、およその見当は、東電または保安院あたりがつかんでいるのだろうと。


もちろん、本当に微量だったのならいいのですけど、もし尋常でない量だったとしたら、この福島県の中の汚染マップが完全に描き替えられることになるでしょうね。


やがて時間が経てば、そんなことも明らかになるのではないか。


年が明けて一区切りなんて、とんでもない!


半減期2万4千年のプルさんと付き合うには、私たちの寿命はあまりにも短い。

今日は、そんなことを思ってちょっと憂鬱になった私です。

寒い中、ご来店感謝

12月に入って、さすがに穏やかな晴天という日はやって来ませんね。
毎日寒くて、今にも雪が降り出しそうな空模様です。

一年の中では、ちょっとだけ憂鬱になる季節(お天気)ですが、それもほんの一時です。
この後、お決まりのように雪が降ってあたりが明るくなると、かえって気分が晴れるのです。


さて、その寒い中を本日も、ポツポツとご来店のお客さまがいらっしゃいました。

久しぶりに訪ねて来てくれた友人と3時のお茶の時間をご一緒したり、忙しい中にもくつろぎの一時があり、一週間の疲れも消えてしまいました。


今日は、食工房の週末でした。


明日明後日は、定休日。


ああ、一週間の何と速いこと!


そう言えば、シュトレンのご注文、じわじわと増えていて、今日までに160個になりました。
皆さまのご愛顧に、心から感謝を申し上げます。

内職の気分


赤い袋の表面の天使の絵のシールは、
白地に絵柄を印刷したものを、まず緑色の
台紙に貼り付け、ピンキング鋏でカットして
波形の縁取りを付けます。
それを袋に糊付けして完成です。


シュトレンのギフトパッケージの包材を手づくりしています。
毎年毎年続けて来たことなのですが、今年は特別な感慨があります。

原発事故によるその後の影響により、食工房の製品もギフト用としてどこまで受け入れられるか、不安と言うより半ばあきらめと言うか、覚悟はしていたのです。
でもご注文の受け付け開始と共に、少なからぬ方からギフトパッケージのオーダーをいただきました。
おかげさまで、こうして包装用の材料を手づくりする楽しみを味わっています。
本当に「楽しみ」と言うにふさわしい、正に楽しい仕事です。



ヒイラギの絵は連れ合いの作
背景はweb上から仕入れたもの。
イラストやテキストのアレンジは、
スタッフの宮下さんの手によるもの。


今年はまた、念願の裏留め用のシールを自前でデザインし、カラーレーザープリンターで印刷しましたので大満足です。


それからギフトパッケージには、特に告知しませんでしたが、クリスマスカードを一枚差し上げています。
これもオリジナルです。


ただただ、みなさまに喜んでいただきたい、その気持ちを最優先に働かせてシュトレンづくりに励んでいます。


皆さまのご支援とご愛顧のおかげで、どうやら無事にこの一年を終えることが出来そうです。
ありがとうございます。

パンだより出来ました・公開

印刷バージョンの「食工房のパンだより」が出来ましたので、web上に公開しました。

<こちら>のリンクからご覧いただけます。


ほとんどインターネットで用が足りるようになったとは言え、印刷物もまだまだ重宝です。
印刷物には、webページでは実現出来ない何かがあるという気がするのですが、皆さまはいかがでしょうか。


このところ本当に忙しくて、何だか目が回りそうです。


そんな合間を縫って、ようやくパンだよりが出来上がりました。
さらにその合間を縫うように、スタッフの宮下さんに骨折っていただき、念願のシュトレン包装用の裏留めシールも出来ました。
この次、写真もご覧に入れたいと思います。


本日はこれにて。
明日は、パンを焼きます。