今年は、6月から7月にかけて、梅雨らしいジメジメしたお天気が続きます。
ここ数年来干ばつ気味で、植え付けた後の作物に毎日の水やりが欠かせなかったことを思い出しますが、今年は逆に水が足り過ぎと言うか、日照不足と低温を心配しなければならない状況です。
もちろんそれが好都合な作物もあるわけですが、一方心配なのがライ麦です。
小麦の方は、うまい具合に晴れ間を捕らえて収穫が終わりましたが、ライ麦はまだ畑で稔が熟すのを待っているところです。
この時期に雨が多過ぎると、穂の重さに負けて茎が折れ曲がったり、実が穂についたまま発芽する「穂発芽」状態になったり、カビ菌に感染してカビが発生したりします。
中でも恐ろしいのは、麦角菌に感染することで、麦角が発生するととても厄介なことになります。
農薬を使って防ぐことは出来ますが、それはしたくありませんので、あとは天に祈るだけです。
こんな風に、その年その年の作柄を心配するようになると、今まで当たり前のように使っていた小麦粉の貴重さに目を開かせられる思いです。
以前なら、業者に発注すれば材料が届いて、そこからパン造りが始まるという仕組みに何の疑いも持ちませんでしたが、実はそれは大変な苦労の結果であることが分かりました。
お天気の移り変わりは自然の営みなのですから、人間の思うようにはならないことは、とうに分かり切っているはずです。
それでも私たちは、身勝手に一喜一憂するのですね。
そうではなくて、自然の営みにうまく合わせて行くことが、本当の智恵であり賢さだと思います。
ですから、地元で育った小麦やライ麦を見る時、いつも大げさでなく「奇跡だ!」と思います。
梅雨らしい空模様の下、ここしばらくライ麦の無事を毎日天に祈る私です。