食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

山の子、ロンサム



焼き上がり直前の山の子クッキー
8取り天板7枚分です。



今日の午後の仕事はこれだけ。


いつも、なかなか取りかかることが出来ないでいる、山の子クッキーとロンサムパイン、ご注文いただく度に品切れ欠品、ご来店いただく度にがっかりさせてしまって、申し訳ないことこの上ありません。
とうとう、固定ファンの方から、いつでもいいので出来た時にご連絡くださいというご注文です。
そう言われると、まさか半年もお待たせするわけには行きませんので、今日はこの二つを一度にやっつけました。
昨日のうちからそのつもりで、支度をしておいたのです。
今朝は先ずスコーンを、5個入り15袋分焼いてその後、山の子クッキーとロンサムパインを焼きました。
どうしてこういう事情になるかについては、以前の記事をご参照くださいね。
 <参照1>  <参照2>

ところで、6月からの価格改定で、この2品目は大幅値上げになる予定です。
ちよっと手が出難い価格になってしまいますので、包装単位を半分にして、単価を下げようかと考えています。
結局値上げに変わりはないのですが・・・。




残りが出ると微妙ににうれしい気分!


さて何しろそのように効率が悪く、コストのかかる製品ですから、計量包装もシビアにロスを出さないように注意を払わなくてはなりません。
そのせいで、計量残りにありつくチャンスは滅多にありません。
今日は、山の子クッキーはピッタリ12袋で余りなし、ロンサムパインは少し残りが出て11袋しか出来ませんでした。
終わった後で試食した計量残りのロンサムパイン、自分で言うのも何ですが、やっぱり旨いですね。

それで今回製造分、実は予約分がほとんどで、お店に並ぶのは数個のみです。
全く申し訳ありません。

いよいよ値上げのお願いをしなくてはなりません。

冒頭から、皆さまにはうれしくないお知らせで恐縮です。
先ず、このところの皆さまからのご協力により、包装材料、梱包材料に関しては飛躍的な節約が実現いたしました。
この場を借りまして、一言感謝を申し上げたいと思います。
しかしながら、それ以外の材料費、水道光熱費等はじわじわと値上りが続き、経営を圧迫し続けています。
この際正直に申し上げますが、国産小麦の粉に関しては、食工房で仕入れているものに限れば一円も値上りはしていません。
しかし、それ以外の材料は全て、段違いと言えるほど値上りしています。
中には、この2、3年で2倍近くになったものもあります。
いかに小麦粉が主原料のパン屋と言えど、これだけ周囲をがっちり値上げで固められては、さすがにもうギブアップです。
実は、今月の20日から値上げをお願いするつもりでしたが、パンだよりの発行が遅れて機を逸してしまいまいましたので、6月1日からに変更して、先ずはこのブログ上からお知らせする次第です。
新しい価格の詳細は、近日中にメニュー表を更新いたしますので、そちらをご覧ください。

  本日は・・・
月一恒例の、会津若松市方面への配達に回りました。
ところが、注文数の数え間違いや金額の計算ミスなど、申し上げるのも恥ずかしいような初歩的なミスが重なってしまい、行った先で「青木さん、疲れてるんじゃないですか?」と言われてしまいました。
いやー、本人はそれほどと思っていませんでしたが、ああして結果が出てしまうと、やっぱり疲れてるのかなァと、ガックリ来てしまいました。
でも、でも、でも、そうも言っていられないのです。
戻って来てからエンジンをかけ直し、追加のコーヒー焙煎をやりましたし、明日のパン焼きの支度もつい先ほど終わったところです。
ではまた明日。

パタポン



穀物のシンプルなおいしさが身上の パタポン です。
どういうわけか、私の母はこれを
「そばせんべい」と思い込んでい
ますが、何しろ高齢なので、訂正
してもなかなか覚えてくれません。
 


食工房のメニューの中では、ちょっと変り種のパタポン、小麦粉と炒り玄米の粉を使って焼いたせんべい風の焼き菓子です。
香ばしさを強調するために、炒り玄米の他に少量ですがライ麦を黒焼きしたものの粉末も入っています。
どちらも自家製したものです。
食べていただくと分かりますが、味付けを全くしていません。
穀物のほのかな甘みと香ばしさ、それにバニラの香りが少しすると思います。
そのままパリパリとかじってもおいしいですが、何でもお好きなものをトッピングしていただいても結構です。
これといって特徴がない味のようでいて、いつの間にかクセになってしまう、妙な魅力を持っています。
今までにもう、何人もの方がパタポンにはまっています。
このパタポン、実は最初は10枚入りだったのですが、ある時、生地を薄くし過ぎたのが逆に幸いして食感が良かったので、それ以来12枚入りということにしていました。
そしてまた、さらに薄くし過ぎることがあって、まあいいじゃないかやってみようと焼いてみたら、さらに食感が良くなっていましたので、それ以来15枚入りということになりました。
その度に、使う天板の枚数が増えて、今、一度に9枚ずつ入れられるオーブンの上下2段分18枚でも足りず、22枚分にもなっています。
今日の一回の作業で、29袋分435枚の生地を型抜きして並べました。
焼くのはほんの15分あまりなのですが、後始末の方がいかにも大変です。
効率が悪いことこの上ないのですが、また元のように厚くして枚数を減らす気にはとてもなれません。
やっぱりおいしいのが一番ですもんね




こんな感じでやたらに面積を食います。
文句を言いつつも、やっぱり焼き上がりの気分は楽しくて、満足です。

いよいよバターが・・・。

先日、話題に取り上げたばかりのバター不足、本当に深刻な状況です。
今日は、とうとうバターのストックが底をつき、予定していた仕事が出来ませんでした。
それで、いつもは配達で届けていただいている材料屋さんに直接出向いて、何とかならないかとお願いしてみました。
業界の事情はなかなか厳しいようで、やっと10個出していただきましたが、これから先まだまだ不足が解消する見通しはないとのことでした。
何しろ、原料乳そのものが足りないのですから、これから子牛を育てても、親になって乳を出すまでに何年かかるんだという話しです。
世界の状況を読めない、日本の農政の拙さが露呈したと言われても、仕方がありませんね。
明日のパン焼きで、クリングラを焼けないかも知れないと心配していましたが、とりあえず
今週分は何とかなりました。
とにかく食工房ではバターしか使いませんので、マーガリンやショートニングならあると言われても、どうにもなりません。
スコーン、ブラウニー、カネリプッラ、どろんこクッキーなどなど、どれもバターがないと造れないのです。
今年のシュトレンのシーズンのことが、いよいよ心配になって来ました。


   おしらせ
「パンだより」がなかなか出来ずにいます。
とりあえずこの場を借りて、今月の会津若松市方面への配達のスケジュールを告知させていただきます。
5月16日(第三金曜日)午後2時以降になります。
会津若松市方面へ、戸別配達いたします。
ご用のある方は、5月14日午後4時までに、ご注文ください。

木曜日の実感

忙しいです。 緊張します。 疲れます。
でも、焼き上がったパンが棚に並び、荷造りされた品物を送り出したあと、片付けや明日の支度、配達が残っているとは言え、とにかく一段落してホッと胸をなでおろす瞬間です。
つかの間のコーヒータイムに、スタッフ用の半端サイズのカネリプッラをかじっていると、自分たちのつくったものを口にして喜んでくださる方々のお顔が浮かびます。
案外、こんな実感を味わえるからこそ、この仕事を続けていられるのかなと思ったりします。
人生の目的、なんて難しいことを持ち出すまでもなく・・・。
ありがとうございます。

初夏の陽気、ご来店感謝の一日



うーん、今一つ伝え切れない写真ですが、想像していただけるでしょうか。


今日も、昨日に続いて晴天、汗ばむほどの気温となりました。
冬には雪化粧が美しい向かいの山は、今日は新緑がまるで光を放っているかのように輝いて見えていました。
心も軽くなりそうなこの陽気に誘われて、あちこちお出かけの方も多かったのでしょうね。
近くの国道を走り抜けて行く、オートバイの爆音が響いていました。
食工房にも、三々五々お客さまが見えました。
遠くは、東京から一組、福島市から一組、その他お近くの方が幾人か。
昨日のイベント参加で製造をお休みしたため、棚の品物が少なくて見た目もさみしい店頭でしたが、今日一日でさらにさみしくなってしまいました。
今日は、昨日の片付けの後ケーキを二種類焼きましたが、明日は朝から、さらに気合いを入れて造り方に精を出さなくてはなりません。
そして、同じ仕事をもっと手際良くこなせるように、最近流行の言葉で言えば「スキルアップ」ですか、それを達成しないことには、食工房の経営も本格的な軌道には乗りません。
今はやっとご飯がいただけるので精一杯、人件費や減価償却まで考える余裕がありません。
だからこそなおいっそう、みなさまのご来店に深く感謝の念が湧いてきます。
一個が200円300円の品物を売って積み上げて行く売り上げですから、どんな小さなものごとにも、かえりみる心と感謝の気持ちを忘れないように、改めて肝に銘じる今日の私です。

  「パンだより」遅れています。
月初めまでに発行したい「パンだより」、今月はまだ出来ていません。
まだあと数日かかりそうです。
そろそろかなと、ホームページを覗いてくださった方もいらしたことと思います。
あと数日してから、もう一度アクセスしていただければと思います。

会津若松・栄町教会





重要文化財にもなっている美しい礼拝堂。




野口英世が洗礼を受けた教会でもある。
※画像をクリックすると、拡大して見られます。


今日はこちらで、「ピースウォーク」というイベントに、出店参加して来ました。
イベントの趣旨は、憲法記念日の今日5月3日、憲法9条の大切さと反戦平和を訴えるというもので、戦争体験講話を聴いたり、市内デモ行進をしたり、リレートークやミニライブなど、盛り沢山な内容の半日でした。

私は個人的には、特定の思想や宗教に共鳴する感覚はありませんが、こうしたイベントには共感するものがあります。
平和が大切であることにはどなたも異論はないと思いますが、少なくとも私は、平和は力の均衡などという危なっかしい方法で実現出来るものではないと確信しています。
その点、今日の集まりに参加された方々も、多分同じ感覚でいらしたであろうことは、容易に想像出来ました。
イベントの中で、参加者一人一人にマイクを向けられ一言メッセージを求められたのですが、私は、平和運動はどのような切り口からでも出来ること、だからパンを焼くことが私の平和運動であると申し上げました。

会場では、食工房としてミニカフェと焼き菓子とパンの販売をさせていただきましたが、皆さん外歩きでお腹も空いたのでしょう、おかげさまで持って行ったものは全て売り切れました。
そして、日頃お顔なじみの方あり、初めてお目にかかる方あり、沢山の方々と交流出来て、いっぱい元気をちょうだいしたことが何よりの収穫でした。
ちなみに今日は、長女も手伝いについて来てもらいましたが、デモ行進にも参加したりして、いろいろ感じるところがあったのじゃないかなと、そんなことを考えてしまう親バカ心でした。

そうそう、みんないい内容でしたけど、会津マスクワイヤーの皆さん方による、ゴスペルソングはちょっとしたショックを感じるくらい、なかなかの聴きものでしたね。
音楽もまた、平和に貢献出来るチャネルだということを、実感させてくれました。
かくして、いい一日の終わりを迎え、満足、満足の私です。

ゆるやかに休日返上



ボクは、いつも休日返上ですよ。


おかげさまで、少しずつ仕事の密度が上がって来て、あまり暇にしていることがなくなりました。
一年前、二年前と振り返ってみると、仕事量が少なく、つまり売り上げがなくて、気まぐれに生じる暇な時間に、何をしようにも意欲が湧きませんでした。
そう、暇な時にやればいいことを、切羽詰ってからでないと出来ないのが、大方の人の常でしょう。
その点自営業は、本当に自己コントロールが難しいのですね。
ほどほどに売れて、ほどほどに忙しく、あちこちに無理が来ない程度に回して行くというのは、よほど苦労が足りてからでないと、辿り着けない境地なのかなと思います。
今日は、営業日の間にもう少しがんばっておけば良かったかなと思うくらいの仕事が残っていましたので、休日返上となりました。
と言っても、そこは自営業の良いところで、ゆるやかに、気が滅入らない程度に、好きな音楽を聴きながら、またこまめに休憩をとりながら仕事をしていました。
用足しと買い物は、やっと一人で運転して出かけられるようになった娘が、連れ合いを乗せて出かけてくれました。
何事もほどほどに、これがなかなか難しいと思う日々、今日はまあまあだったかなと思っている私です。




こちらは、今日のごほうび
歩いて5分の相川の名勝地


  
  おしらせ

5月3日(土) 会津若松市 栄町教会にて開催される、
「ピースウォーク・2008」イベントに出店参加いたします。
  午後1時より4時30分まで。
途中、2時~3時まで、市内行進があります。
ただし、出店者は留守番しています。
多くの方のご来訪をお待ちしております。
※場所のご案内は<こちら>

黒光り




黒光り・・・、多分、私が一番好きな風合なんじゃないかなと思っています。
例えば、使い込まれ、よく手入れされた道具の、黒光りする金属の肌を見ると、私の心は動きます。
黒光りから感じ取れるのは、人の手が触れたその時間の長さと、注ぎ込まれた愛情の深さですから。
「ああ、自分の道具もそんなだったらいいな。」と思って、私も一生懸命使っている道具と付き合うことにしています。
例えば天板。
油を引いたその上に、ロールパンやスコーンの生地を直に置いてオーブンに入れます。
焼けたものを取り出したら、熱いうちに乾いた布で油を拭き取ります。
その後もう一回、熱い湯をかけながらタワシで擦ります。
洗剤は使わないので、微妙に油分が残ります。
それが逆に、使わない間の錆止めになります。
そうやって2年、3年と使い込むうちに、いつの間にか黒光りするようになっていました。
皆さんのお家には、何か黒光りしているものがありますか・・・?

ポメリ・マスタード



古風な、ロウ引きで固めたコルクの蓋、
口を開けるのにちょっと手間がかかります。


パン食を楽しくする役者を、また一つ紹介いたします。
ポメリマスタードです。
マスタードと言っても、辛くはありません。
酢が効いていて、酸味とかなり強い塩味がします。
荒挽きなので、ザラザラとした食感です。
でもそれだけではありません。
何とも言えないうまみがあるのです。
もちろん化学調味料などの味ではありません。
辛子そのものが、微妙なうまみを持っているらしいのです。
ポメリ・マスタードは、それを上手く引き出した、最高のマスタードです。
これをパンに下塗りして、その上にいろいろな食材を乗せて召し上がってください。

食工房のおすすめ、ちょっと変り種は、堅焼き黒パンにこのマスタードを塗り、上に、ネギと醤油で和えた納豆を乗せます。
ええっ!と思われるかも知れませんが、結構イケます。
納豆がダメな方以外は、大丈夫!
ぜひお試しください。
その他、オイルサーディン入り野菜サラダなどもおいしいです。
魚の生臭みも、全然気にならなくなります。
このマスタード、他にもいろいろな使い方が可能です。
サラダドレッシングの隠し味には、最高の素材ですね。
ウィンナーソーセージにマスタードも、よく知られた使い方です。
ポメリ・マスタードは、有名デパートの食料品売り場に行けばたいてい見つかります。
業務用食材の店なら、もっと確実です。

ちなみに、ポメリ・マスタードを初めて私に教えてくれたのは、このブログにも時々コメントを寄せてくださるtakさんです。
もう30年くらいも前の話しです。

食工房で、このポメリ・マスタードを販売しています。
他で手に入らない方、食工房にありますのでご記憶ください。