駅カフェにて
コーヒータイムと言うと、くつろぎのひと時を思い浮かべますね。
休息は時に、何かを成し遂げることよりもずっと大切なことがあります。
皆さんは、休息の「質」を考えたことがありますか。
お休みの時、何もせずにボンヤリと過ごすこともあれば、何か好きなことに熱中して、みっちりと充実した時間を過ごすこともあるでしょう。
それぞれ人により、場合により、いろいろだと思います。
それにしても、現代社会の忙しさ、慌しさは、尋常ではありませんね。
私も、最近は何だかとても忙しくて、充実していると言えば聞こえは良いのですが、一日が終わる頃になると、何か悲しい気持ちになって来るのです。
サッと払いのければ、どこかに消えてしまいそうな程度のかすかなその悲しみに、少し浸って見ることがあります。
そうすると、マキとランプで山暮らしをしていた頃の感覚が蘇えって来るのです。
そして昨日の夜、突然、前に読んだことのあるミヒャエル・エンデの「モモ」のお話しを思い出しました。
それで分かりました。
私のその悲しみは、皆が時間銀行の誘惑に乗せられて行くのを悲しく思っているモモの気持ちと、どこか似ているなと・・・。
娘たちも言います。
「不便な時は時間がいっぱいあったのに、便利になったら何だか忙しいねえ。」と。
「人間は欲張り過ぎだ。いろいろやり過ぎだ。」と、今度は息子が言います。
そうすると、私が一番悪い人間だなァ・・・。
何でもかんでも、やりたがり屋で欲しがり屋で・・・。
何でもやり過ぎないことが、エコロジーの極意だったりして・・・。
そして休息とは、本当に何もしないで過ごすことを言うのでしょうね。
でも私は、せめて一杯のコーヒーだけは欲しい・・・。
獏の空の下から・・・
「習刊 コーヒー通信」カテゴリーアーカイブ
Cafe けむりの木
今週のコーヒー通信は、食工房の自家焙煎コーヒー豆を使っていただいているお店の一つを紹介します。
と言っても、全部で3軒しかありませんが、貴重な3軒のうちの一つ。
残る2軒はすでに紹介済みですね。(記事へのリンク)
さて「けむりの木」は、冬の時期に訪れると良く分かりますが、マキストーブを焚いていて、煙突から煙がたなびいています。
お店の名前は、実はそれとは全く関係なくて、「けむりの木」と呼ばれる植物を、オーナーがとても好きだということに由来しているそうです。
先ずとにかく行って見て、羨ましいようないい場所にあります。
建物もお店の中も、良くマッチした雰囲気で仕上げられていて、食工房の廃物利用・手作りの素人っぽい雰囲気とは違う、質の高さを感じます。
まあ、それぞれの良さではありますが、「けむりの木」はなかなかいい感じです。
そして、オーナー(女性)のメニューに対する研究熱心さも、話しを聞いていて面白いです。
うちの豆を使い、専用器具を使わないで、全くアバウトなやり方で入れてくれた水出しコーヒーの風味には、ちょっとショックを受けました。
食工房でも水出しコーヒー、研究してみようかなと思ったほどです。
焼き菓子も、食工房とは違った工夫が凝らされていて、新鮮でした。
自家菜園もやっているので、料理に使う野菜やハーブは、これからの時期はほとんど畑から取れたものです。
こんな個性のある小さなお店が、沢山あちこちに点在するようになれば、必ずその地域は活気が出て来るはずと私は思います。
★けむりの木の場所とお店情報は、こちらのリンクでご覧ください。
お知らせ
「食工房のパンだより」2007年7月盛夏号のpdfファイルを、食工房のホームページ・ダウンロードのページにアップしました。
アウトドアでコーヒー
登山、ハイキング、ピクニック、キャンプ、屋外に遠出をする時も、いつもついて回るのが飲むことと食べることです。
そこにもまた、一杯のコーヒーがあればいいなと思うのは、私でけではないでしょう。
時と場合によれば、インスタントコーヒーでさえ特別ありがたいと思えることもあるものです。
古い記憶でいつ頃のことだったか覚えていませんが、テレビドラマの中で、山にハイキングに出かける前に魔法瓶にコーヒーを入れて仕度するというシーンがあったのです。
もちろんそれは、レギュラーコーヒーらしいのですが、この「魔法瓶に詰めれたコーヒー」だけが妙に記憶の片隅にに残っています。
いずれにせよ、外で飲むコーヒーの味は格別です。
そこには、絵になる風景と後々語られるであろうストーリーがあるからです。
アウトドアの主役、パーコレーター
私が勝手にそう思い込んでいるだけかも知れませんが、アウトドアでコーヒーという時に一番ぴったりなのは、パーコレーターではないでしょうか?
おっと、説明が後になってしまいましたが、パーコレーターはコーヒーを入れる道具の一つです。
金属製のポットの中に、コーヒー粉が入るバスケットがあり、沸き上がったお湯が上からシャワーのように降り注いで、コーヒーを抽出する仕掛けになっています。
パーコレーターは、ポットの中でお湯が循環するようになっているので、粗挽きの粉を使って好みの濃さになるまで火にかけて抽出します。
布製のフィルターを使わないので、やはりコーヒー液は少し濁っています。
でも、風味は軽い苦みであっさりしていて、意外に飲みやすいという感じです。
それに沸かしている間中、コーヒーの香りが立ちのぼって気分は最高です。
簡単なセッティングで、コーヒーの香りをうんと楽しみたいという時には、パーコレーターが一番です。
そしてやっぱり、これは野立てでやるのが何と言っても気分が出る、と思うのですがいかがでしょう。
ちなみに、パーコレーターはアウトドア用品の店に行けば必ず置いてあります。
アイスコーヒー・コールコーヒー・冷コー!?
6月も下旬になりますが、梅雨はどこへ行ってしまったかと言うようなお天気が続いています。
明日あたりからは少し崩れるようですが、もうすでに真夏を思わせる暑さが、何度か訪れています。
さて、今週のコーヒーの話題です。
暑くなるととたんに需要がなくなるのがホットコーヒー、代わってアイスコーヒーがいかにも急に巾を利かせて来ます。
冷たくて、氷が浮かんでいるから「アイスコーヒー」と呼ぶのでしょうが、ホットの対語はクールですから「クールコーヒー」と呼ぶのが本来だと、頑として譲らない方がいるかどうか、また今はどうか知りませんが、大阪あたりではクールがなまって「コールコーヒー」と呼んでいたとか・・・。
さらに一部で、冷たいコーヒーを略して「冷コー」と言えば、ちゃんと通じたと言うのは本当の話です。
でも、アイスコーヒーって本当においしいのでしょうか・・・?
試しに、アイスコーヒーに使う豆をホットで飲んだらどんな味がするか、そりゃもう苦くて焦げ臭いばかりで、おいしいなんてもんじゃありません。
冷たくすると、苦みも香りもそれほど感じなくなるし、氷が溶けて薄まるということもありますから、逆にそのくらい強烈にしておかなくてはならないというのが一つ、それから冷たいと味覚は鈍感になりますから、風味の良し悪しは二の次で良いというのがもう一つ、そんな理由でアイスコーヒーには、あまり上等な豆は使われません。
とびきり美味しいアイスコーヒーを飲もう!
冷たくても香りのするコーヒー、ガムシロップで甘くしなくても心地よく飲めるコーヒー、こんなアイスコーヒーが理想ではないでしょうか。
これがちゃんと可能なんですね・・・。
まず第一のポイント、香りを立てるためには、濃いめに入れたホットコーヒーを、氷で急冷することです。
豆は、どちらかと言うと炒りの深いものの方が向いていますが、好みに合いさえすれば浅い炒りのものでもOKです。
細めに挽いた豆を使って、ペーパーかネルのフィルターで抽出します。
豆の量は多めに、湯の温度は高めにし、濃いめのコーヒーにします。
グラスに氷をたっぷり入れておき、熱いコーヒーを注ぎます。
氷が溶けながらコーヒーを急冷し、飲みやすい濃さに薄まります。
飲み際にグラスの中で急冷することで、香りを逃さないわけです。
また、濁りを防いで透明感を損ないません。
市販のアイスコーヒーと比べて色が薄いかも知れませんが、風味は軽やかで心地よく、ガムシロップで甘くしなくても美味しく飲めるはずです。
ぜひ一度お試しください。
アイスコーヒー用には、フルシティーロースト
通常、アイスコーヒー用には特別炒りの深い豆を使用します。
しかも、苦みの強いロブスタ種の豆をブレンドしています。
そこをちょっと発想を変えて、軽やかな風味のアイスコーヒーにするには、フルシティーローストくらいの焙煎度が適当です。
アイスコーヒーでも、ホットほどではありませんが、抽出の仕方による風味の変化を楽しめますから、一回一回その場で抽出してみてください。
豆の銘柄、焙煎度、挽き具合など、いろいろこだわって見るのも面白いと思います。
コーヒールンバとルーツオブコーヒー
コーヒーを題材にした音楽の中では筆頭の名曲。 さて、世界中で最も多く栽培されている嗜好品はコーヒーです。 All Illusts by Machiko Aoki
古い曲ではありますが、たくさんのカバーバージョンがあるので、けっこう若い人の間でも知られているのではないかと思います。
歌の中に出て来る「モカ・マタリ」は、世界中のコーヒーの中でも特別知名度の高い、コーヒーの代名詞的存在です。
モカにはいくつかの種類があって、アフリカのエチオピアとアラビア半島のイエメンが主な産地ですが、マタリはイエメンで産出されます。
一頃、イエメンは政情不安定で、外国人には大変危険な地帯だと認知されていた時代があり、モカ・マタリは手に入り難い伝説のコーヒーと言われたこともあるのです。
そして生産の主力は、世界一の産地ブラジルを含む中南米で、世界の需要の大方をまかなっています。
ところが、コーヒー発祥の地は実はこの地域ではなく、アフリカ大陸東部のエチオピアのあたりだと言われています。
コーヒーには大別して三つの品種があるのですが、世界中で好まれ一番多く生産されているのがアラビカ種で、その原種がティピカという品種です。
エチオピアでは、今でも手堅くティピカが栽培されていて、手に入れることも可能です。
品種改良の進んだものに比べて、風味に勝るとの評価もあるらしいので、いつか仕入れてみたいと思っています。
ちなみに、ティピカは世界中に運ばれて栽培が試され、その中の一つが、「ブルーマウンテン」だそうです。
何だか益々興味が募って来ました。
コーヒーから見える世界
コーヒーの仕事をするようになってから、ずっと思っていることがあります。
それは、コーヒーを通して見えて来る、世界の国々の不公平と格差の問題です。
「コーヒーを飲む人の国はお金持ち、コーヒーを作る人の国は貧乏。」、この図式がもう200年間もずっと変わらず続いています。
コーヒー、紅茶、スパイスは、ヨーロッパの国々にとって錬金術の材料でした。
そのおかげで、生産地各国は次々と植民地にされて行きました。
その後大方の国々が独立を果しましたが、経済的支配の構図は今でも変わっていません。
世界一のコーヒー生産地ブラジルでは、昔はコーヒーはお金にするために専ら海外に輸出するものでした。
自分たちは、選別下となった豆の中から少しはましなものを拾い出して、それにいろいろ混ぜ物をして量を増やして飲んでいたそうです。
〇〇コーヒーと様々に名付けられたコーヒーの中身は、大豆、麦などを焦がしたものが大半混ざっていたのだそうです。
そして、その他ありとあらゆる植物の種子が試されたようですが、中でもオクラの種が絶品だったと、どこかで聞いた覚えがあります。
妨害されたフェアトレード
私がコーヒー焙煎を始めた時に、一番最初に仕入れた豆はペルー産のもので、日本の支援団体の協力で無農薬有機栽培に取り組み、フェアトレードで日本に輸入されていました。
原住民の人たちに、農業技術と商取り引きのノウハウを教えることによって、現地の振興に貢献出来そうな兆しが見えてきた頃、あろうことか現地に派遣されていた指導者リーダーが、武装集団に命を狙われるという事件が起こりました。
結局このプロジェクトは挫折せざるを得ませんでした。
その後、私が覚えている限り、ここの豆は何年か後になって、ある大手商社の通販サイトで格安のオーガニックコーヒーとして販売されています。
さらにその後はどうなったか知りませんが、その武装集団は、大方現地のブローカーたちがけしかけたものに違いないし、さらにその後ろで糸を引いていた力があったのでしょうね。
コーヒーの生産地の国々は、今でも往々にして政情不安で、戦争の危機に瀕している場合が少なくないのです。このペルーの豆の他にも、内戦で出荷不能となったまま、その後途絶えてしまった銘柄もあるのです。
どうぞ皆さん、一杯のコーヒーを召し上がる時、ちょっとこれらのことを思い出してください。
コーヒーの飲み方一つで、世界が変わることもあり得る、私はそんな思いでコーヒー焙煎をやっています。
イベントのご案内
6月9日(土)と10日(日)の両日、会津三島町の「工人まつり」に出店します。
当日は、日頃お世話になっている空色カフェさんの応援ということで、出張カフェを開店いたします。
空色カフェさんでも使っていただいている、食工房の自家焙煎コーヒーとシナモンロール、スコーンを召し上がっていただけます。
空色カフェさんも素敵なメニューを沢山準備しているそうなので、皆さまどうぞお楽しみにお出でください。
なお、工人祭りへのお問い合わせはこちらへ。 http://www.town.mishima.fukushima.jp/kougeikan/
空色カフェさんのホームページもご覧ください。
http://www.okuaizu.jp/sorairo/
どんみりとした暗褐色の液体となって・・・
以前、連れ合いの知人から届いた一通の手紙の中に紹介されていた、野上弥生子の小説「森」の中に出て来るという、コーヒーのイメージ・・・。
この「どんみり」という言葉を初めて聞いた時、思わず広辞苑を持ち出して調べてしまった私でした。
多分、造語だろうと思っていましたが、ちゃんと載っていました。
曰く、「どんより」と同意、黒い物が固まりあって澱んでいる様子、とあります。
私は、この作品を直接読んだことはありませんが、その手紙の中に紹介されている、道具立てやコーヒーを入れている時の情景描写から察するに、この小説の中に登場するコーヒー、ほぼエスプレッソに間違いありません。
ここでもまた物語の中でコーヒーが、絵になる風景を演出しているというわけです。
エスプレッソで入れるどんみりコーヒー
エスプレッソは、イタリア語で「急ぐ」の意、その言葉どおりエスプレッソコーヒーは速いのが身上です。
電気式のエスプレッソマシンで入れるのが一般的ですが、直火ポット式の道具も趣があっていいものです。
豆は、イタリアンローストと呼ばれる超深炒りのもので、見た目はほとんど真っ黒で油分が滲み出して表面がテカテカしています。
これをまた特別細かく粉に挽いて使います。
エスプレッソコーヒーは、沸騰した湯と蒸気の圧力で抽出しますので、非常に短時間で抽出されます。
しかも、フィルターはドリップ式のような布製ではなく、漉し網のような金属製のフィルターですから、コーヒー液の中にはコーヒーの微粉末が混ざっていて、それこそ「どんみり」としています。
そのまま飲むと、ドロッとしていてたまらなく苦いという感じですが、意外に後味に残らないサッパリとした風味にはちょっと驚かされます。
「カフェ・カプチーノ」は、砂糖を入れて甘くし泡立てたミルクにエスプレッソコーヒーを混ぜ、シナモンパウダーを振りかけたものです。
また、「カフェ・ラテ」は直訳するとコーヒー牛乳の意で、エスプレッソコーヒーとミルクを混ぜた飲み物の総称です。
こんな風に、いわゆる「コーヒー」と呼ばれる飲み物も、世界中には実に沢山の種類があって、それを語りだせば全くキリの無い話になってしまいます。
ま、追々回を重ねる毎に、一つずつ紹介して参りましょうか・・・。
All Illusts by Machiko Aoki
コーヒーを11年間飲まなかった話
コーヒーが好きで、コーヒーを商売のネタにしている私ですが、過去には11年もの間一滴もコーヒーを飲まないで過ごしたことが、実はあるのです。
昨日の話に関係してくるのですが、マクロビオティックを厳格に実行し始めていた当時の私は、コーヒーや煙草に嫌悪感を覚えるようになり、以来11年間コーヒーを口にしませんでした。
何かというと極端から極端へ走る性格の私は、コーヒーも紅茶もアルコール類も一切受け付けず、飲み物は専ら三年番茶で、たまに気が向くとタンポポコーヒーや小豆コーヒーと称する自然食系の健康飲料でした。
一時は、天然マコモの粉末をお湯に溶かして飲んでいたこともありました。(これは、全くおいしくなかったことだけを覚えています。)
ちょうどその頃から自然食品の商売を始めた私は、玄米食の効用を説き、健康は先ず食事からと宣伝して歩きました。
コーヒーは体に悪いので止めた方が良いとも申し上げました。
それが突然、再びコーヒーを飲み始めたのは、一体どういうわけか?と言われても、あまり明確な理由を思い出せません。
ただフッと「コーヒーが飲みたい・・・」と思った心の動きに、素直に従っただけというのが本当のところです。
東京に仕入れに出かけた時、昔行きつけのコーヒー豆屋の前を通りかかり、思わず衝動的に昔どおりのブレンドで豆を1㎏ほど買って帰りましたが、連れ合いは驚きのあまり目が点になっていました。
でも、二人で久しぶりにコーヒーを飲んだら、妙に納得がいって幸せで不思議な気分でした。
そして数年後には自家焙煎をやり始め、今ではコーヒーが商売のネタになり、よそのお店でも使っていただくほどになりました。
人生、何が起こるか分からない、と言うよりは、ただ私が気まぐれなだけかも・・・。
コーヒー断ちしたのが25才の時、11年ぶりにコーヒーを飲んだのが36才の時でした。
コーヒーまで紅茶!?
ネパールと言えば紅茶の国、というイメージが強いのは私ばかりではないと思います。
ところが、コーヒーも生産されているのですね。
生産量は多くはないようですが、外国向けに輸出もされています。
このネパールのコーヒーがちょっと変わっていて、私は最近注目しています。
コーヒーの主産地である中南米産のものと比べて、明らかに異なる個性を持ったネパールコーヒーの風味は、一口で言えば「お茶の雰囲気」を感じさせます。
同じくらいの焼き加減でも意外に水色が薄く、しかしそのわりには苦味があります。
その苦みが何と言ったら良いか、薬草のような、要するに紅茶的なんですね。
多分、ローストの苦みよりもカフェインの苦みを感じているからなのでしょう。
そして、酸味がとても心地良いのがもう一つの特長です。
フルーティーで、いつまでも口に含んでいたい感じです。
食工房では今、ネパールコーヒーの中からサガルマータ(エベレストのネパール語名)とアンナプルナ(豊穣の女神の意)のニ銘柄を取り扱っています。
※サガルマータは、仕入れ元で売り切れ終了となってしまいましたので、食工房でもまもなく売り切れ終了となります。
All Illusts by Machiko
物語の中のコーヒーもまた・・・
All Illusts by Machiko Aoki
文学の世界でも、コーヒーは様々な役割を演じます。
ノルウェーの児童文学作家、マリー・ハムズン作の「小さい牛追い」という物語の中で、ギュドブランドという名のコーヒー好きのおかみさんが登場します。
このおかみさん、コーヒーが切れると機嫌は悪い、仕事ははかどらない、それはもう大変なことになってしまいますが、一杯コーヒーが飲めるとなったとたん、いわく「日に照らされたバターのようにやわらかく、なめらかになり・・・」上機嫌で干し草を広げる仕事を片づけます。
またある時は、・・・ギュドブランドは機嫌が悪くなり、だまりこくってよく一人でどこかへ行くようになりました。
このごろは、小さいお茶碗に一日二杯きり飲めないのですから、そんなことで、どうしていい機嫌でいられるというんです?・・・。
いやはや何というコーヒー好きのおかみさん・・・!
物語の中では、このおかみさんは後にコーヒー店を開くのです。
その時反対する夫に向かって言った言葉がふるっています。
「だけど、どんなに時世が苦しくったって、人間はコーヒーをのまずにゃいられませんからね!」
そしておかみさんのコーヒー店は大繁盛するのです。
またもやフィンランド!
この物語の作者ハムズンはノルウェーの人で、物語の舞台もノルウェーなんでしょうが、実は北欧諸国は世界の中でも有数のコーヒー消費地なのです。
そしてここでまたもやフィンランドが登場するわけです。
何と、国民一人当たりの年間コーヒー消費量が世界一!
うーむ、恐るべしフィンランド!?
一体どういう国なんでしょう・・・この国は。
まだまだ、まだまだ、フィンランドへの興味は、そして北欧諸国への興味は尽きません。
こだわりのネルドリップ
ペーパーフィルターが普及する前、コーヒーはネル(布)ドリップで抽出するのが最もポピュラーでした。
最近は、ペーパー式に押されてすっかり影が薄くなったネルドリップですが、コーヒーの最高の味は、実はネルドリップで出せると言われています。
サイフォンの方が何となくワンランク上という感じがしますが、実際にはペーパー式も含めてドリップの方がはるかにデリケートで奥が深いのです。
それだけに、ネルドリップではさらに使いこなしが難しく熟練を要します。
ネルドリップの場合もペーパー式同様、まずは抽出量に見合った大きさのフィルターを用意します。
新品のフィルターは糊を効かせてあるので、鍋に湯を沸かしその中にフィルターを入れて、十分間くらい煮立てて糊気を抜いてから使い始めます。
この時にコーヒー粕を一緒に入れて煮ると効果的です。
以後フィルターは繰り返し使用しますので、使用の度に丁寧に湯洗いした後冷たい水に浸して保管します。
※乾燥させると、それきり使えなくなってしまいます。
また、ネルドリップはペーパーよりも落ちるのが遅くなりますので、豆の挽きは幾分粗めにします。
抽出の手順はペーパー式とほとんど変わりませんが、同じ3分以内に落としてもネルドリップの方が、コーヒー粉と湯の接触時間が長いので、味も香りも濃厚な感じになります。
またこのネルドリップ特有の蒸らし効果を活かして、少し細かく挽いた粉に思い切って温度を下げた湯をゆっくり落として、他の方法では真似の出来ないマイルドでしかもコクのあるコーヒーを入れることが出来ます。
その逆に、粗挽きした粉に沸騰直後の熱い湯で短時間抽出すると、香りと苦みが心地良いアッサリした風味のコーヒーを入れることも出来ます。
本日の食工房
今日は定休日なのですが、朝からコーヒー焙煎をやりました。
只今それが終わって、PCに向かい合っているところ。
それから忘れてはいけない!
明日のパンづくりに備えて、酵母のメンテナンスと計量、もう一つ、ライ麦の自家製粉も。
お知らせ
ホームページの準備も少しずつ進めています。
とりあえずURLが決まりました。
食工房のホームページ http://shokuko.com出来かけのページが見られます。
お問い合わせ用メールフォームが使えます。