間もなく震災発生から一年になるのですね。
そう思って、去年の今ごろを思い出していました。
このブログの記事を読み返してみると、3月1日に光ケーブルが開通して通信環境が良くなり、いかに嬉しかったかそれを喜んでいる様子がまざまざと伝わって来ます。
そのおかげもあって、意欲も十分に仕事に取り組んでいたのですね。
そこへ11日の地震でした。
じきに電話も込み合って連絡が取り難くなることが予想されたため、ブログで無事の第一報をご報告いたしました。
この時はありがたいことに、インターネットは機能していたのですね。
しかし、その夜のうちに不通となり、以後二日余りの間ネットも電話も使えませんでした。
光ケーブルだけがダメだったようで、アナログ回線の方は通じていたようです。
食工房の方も、当時はいろいろなプロジェクトが進行中でした。
たまねぎパンの試作がうまく行って、製品化が決まったのもちょうど去年の今ごろでした。
また、フェアトレードチョコレートを使ったメニューでカカオの生産地を支援するプロジェクトでは、売り上げの一部を寄付しましたが、追加分の売り上げがあってそこからも寄付をと思っていた時に震災でした。
結局それどころではなくなってしまいました。
月末に会津若松市内で予定されていた「あぐり・カフェ」イベントも中止になりましたが、こちらは一年遅れで同じテーマで開催が決まっています。
いろいろなことが少しずつ、あるものは元のように、あるものは形を変えて、復帰再生しています。
何もかもが元通りになるわけもありませんし、また元通りなる必要もありません。
特に、原発に代表されるような、利権としがらみでがんじがらめの構造は、きっぱりと解体してしまった方がいいのです。
その間も、ずっと仕事を続けて来た食工房ですが、あの日を境に何かが変わったと思っています。
同じようなパンやお菓子が焼けていても、込める気持ちは以前とは少し違っています。
今まで以上に、パンやお菓子になってくれる原材料たちに、感謝の気持ちを厚くしています。
確かにこの一年間は、大きな山を越えて行くような道のりであったと思います。
どこを通ってどのように越えて行ったか、そしてどこに向かって下って行ったか、人の生き方も行く通りにも分かれたように思います。
辿り着いて見たら、失ったものがある一方で、新たに出会ったもの得たものもあるのですね。
あんなに沢山の方が亡くなられたのに、こうして私は生きている、その事の意味を考えずにはいられません。
不真面目な気持ちでなんか生きてはいられません。
今、出て来る言葉は、「がんばります。」の一言のみです。