本日の食工房

 木曜日は忙しい!
定休日明けの今日は、一週間で一番忙しい日です。
朝から一通りパンを仕込んで、昼頃までかかって焼き上げます。
早朝の合い間にコーヒーを一杯飲んで目を覚まし、トーストをひとかじりしたら、後は昼過ぎまで飲まず食わずで作業します。
そんなに多くのパンを焼くわけではないのですが、何しろ手間がかかるのと醗酵中目が離せないなどで、油断が出来ないのです。
それが終わったら、やっと「朝飯」という名の昼飯を食べて、休む間もなく後片付けです。
焼き型や天板を洗ったり拭いたり、機械の掃除をしたり、そこまでやって私は配達に出かけます。
実は、次の日の準備という大事な仕事があるのですが、もう大分前から、食工房を手伝ってくれている我が娘に任せきりになっています。
明日は、スコーンとマフィンを焼く予定。


 パン生地も音楽を聴いている!?
私は、仕事をしている間中、ずっと音楽を鳴らしています。
何もないと、時々集中力が途切れて他の事を考えたりしてミスをしてしまうからです。
朝一番にかける音楽は、まあ私の独り善がりかも知れませんが、酵母も気持ちいいんじゃないかなと思えるような、北欧やスペイン、アイルランドのルーツミュージックです。
そして、成型が始まる頃からテンションを上げるために、テンポの速いものに変えて行きます。
仕事が一番はかどってお気に入りなのは、バスクのアコーディオン弾き、ケパ・フンケラのビルバオ・オラ・セロ1と2。
パン焼きの日は、いつもケパに手伝ってもらっています。
音楽のおかげかどうか知りませんが、今日も上々の焼き上がりでした。

コメント公開

コメントを非公開にしていましたが、あまり意味のないことをしていたと気づきましたので、今度から公開に設定しておきます。
ご意見、ご感想など歓迎します。

One more cup of Coffee /コーヒーもう一杯


 
 ”One more cup of Coffee”
これは、ボブ・ディランが1976年に発表したアルバム 、”DESIRE” 邦題「欲望」の3曲目のタイトル。
詩の内容はいかにもディランらしい哲学的なものですが、ゆっくりと押し出すようにリズムを刻むギターに、絡みつくような旋律を奏でるジプシーバイオリン、抑揚を押さえて淡々と歌うディランのボーカルにどこか東洋的センスを感じます。
 堕ちてゆく世界に、覚悟を決めて・・・  「さあ、行く前にコーヒーをもう一杯」

世界中に嗜好品の数多くありと言えど、コーヒーほど幅広く愛されているものはないでしょう。
数え切れないほど多くの物語の中で、コーヒーは主役になり、脇役になり、小道具になり、時には遠い背景になって、様々に役を演じています。
コーヒー好きが高じて自家焙煎を始め、商売にまでしてしまった私ですが、私のコーヒーの後ろにも沢山の物語、思い出があります。
そして休みの日の朝、ゆっくりともう一杯のコーヒーを楽しむ、たまらなく幸せを感じる瞬間です。
コーヒーの話、また折々に語らせていただきます。
どうぞお楽しみに。

MerryLand

Merryland(メリーランド)略してメリランは、会津の情報満載のフリーペーパーです。
それが何故ここに登場するのかというと、メリラン編集部がこの4月から我が山都町に移転したからです。
編集長の、通称チャーリーさんのお住まいも一緒です。
タウン紙の編集部としては異色の山の中の編集部。
でもこれが、これからの時代の最先端の方向かも、と思えるのは私だけではありません。
チャーリーさんもすごく納得していて、気分良く仕事が出来そうだと張り切っています。
会津の片隅の山間の古民家に、情報発信の拠点というパブリックなスポットが存在するなんて、素敵なことだと思いませんか。
メリランは、webでもご覧になれます。
是非お訪ねください。
webメリラン
http://www.merryland.aizu.or.jp/

そして編集長のブログには、わが食工房も度々登場していますので、食工房をキーワードに検索してみてください。
CHAブログ
http://chaizu.jugem.jp/


今日、明日と食工房は、定休日です。

本日の食工房 2007.4.2

 文旦ピールづくり
今日は、クッキーを2種類焼きながら、同時進行でお菓子の材料に使う「文旦ピール」を造っています。
文旦は柑橘類の一つで、私の生まれ故郷の土佐の特産品です。
製菓材料には、オレンジピールやレモンピールがよく使われますが、文旦は香りの良さではこの二つよりずっと上だと思っています。
それに、既製品のピールは高速のカッターで、先に刻んでから煮ていると思われ、刻まれた切り口や糖分の浸透の具合など、仕上がりに満足の行くものが見つかりません。


そんなわけで、実はすでに昨日から下準備をしています。
アク抜きのために、熱水浴1時間、水晒し2時間を2回、そこまでやって一晩ザルに上げて水分を切っておきました。
今日は、まずたっぷりの水と一緒に加熱、煮立ったら砂糖を小刻みに時間を追って入れて行きます。
仕上がりまでに約7時間余り、きれいに半透明になった文旦ピールが出来上がります。
ピールとシロップは分けて別々に保存しておき、それぞれの用途に使います。
まず一番は、文旦ピール入りのマフィンに、それからクリスマスシーズンにシュトレンの中にも使われます。
使うその時になってから、良く研いだ包丁で刻みますので、香りがいいというわけです。


おかげさまで今日は、朝から作業場に文旦の香りがいっぱいに広がって気分良く仕事をしています。

どうしてフィンランド?

ノルディック ミュージック
私の気持ちをフィンランドへと誘った元の原因がこれです。
子どもの時から音楽好きで、若い時ミュージシャンを志したこともあった私ですが、音楽遍歴の果てに辿り着いたのが、いわゆるルーツミュージックと呼ばれるジャンルです。
音楽の話を始めると本当にキリがなくなってしまうので、寄り道しないで話を進めると、その中の一つにノルディックミュージック、つまり北欧の音楽があったわけです。
もちろん、フィンランドだけではありません。
ノルウェーもスウェーデンもその他の国々も、それぞれ同様に私は好きです。
今、特にフィンランドに興味が行っているのは、たまたまフィンランドの情報に触れることが多かったからです。
とは言え、私のフィンランドへの興味は尽きません。
今の日本にとって、大いに参考になるんじゃないかと思うことが沢山あります。
そんな話を、今、別な原稿にまとめているところなので、いつかまたお目にかけるとして、私がどんな音楽をいいと言っているのか、見聞出来るwebサイトがありますので、いくつか紹介しておきます。


http://www.tvfolk.net/
北欧のルーツミュージシャンたちのビデオクリップを見られる、スウェーデンのサイト。
 (要 Quick time player)
http://homepage3.nifty.com/nordic-notes/
北欧の音楽の紹介、CDの発売、来日ミュージシャンのコンサートの企画などをやっている日本のサイト。
http://www.noside.com/index.html
アメリカの、ノルディックミュージック専門のCDショップサイト。
http://www.drone.se/
スウェーデンの、CDショップサイト。


Kaneli Pulla シナモンロール
これが話題のカネリプッラです。
渦巻きが二つになっているのが面白いですね。
この形だと、渦巻きの部分が天板に触らないので、焦げつかずきれいに焼き上がります。



正面から見るとお面のようにも見えます。
「仮面ライダー」だと言った人もいます。


 

本日の食工房

 この記事は、2013年4月16日に更新いたしました。

 食工房はこんなところです。<再編集>



現在の看板です。



店から相川郵便局方向を望む


所在地は、現在(2013年4月)も変わりありません。
バス路線は、廃止となっております。


グーグルマップでは、国道459号線の食工房への道筋のストリートビューが表示されますので、ぜひご活用ください。
山都駅前方面からお出でになった場合、まず相川郵便局を目指します。
そこまで来たら、国道から右折して集落の中に進入してください。
郵便局、駐在所を左に見ながら進みますと、100m足らずで食工房に到着いたします。

駐車場は、店の向かいの小屋の前、または店の脇の敷地内です。
 ※向かいの小屋前に留める方は、畑に入る農道を塞がないようにご注意ください。


 



ストリートビューをご覧になるためには、より大きな地図で食工房を表示の部分をクリックして、大きなグーグルマップを表示してください。








 以下、過去記事です。 


今日もパン屋
今日も朝からパン焼きでした。
シナモンロールも、もちろん焼きました。
そして、ホームページに載せるためにパンの写真を撮りました。
造りながら自分で撮影するのは無理なので、写真に経験のある近くに住む友人夫妻に撮ってもらいました。
三脚立てて、照明を当てて反射板を使ったりして、気分はスタジオでした。
うちのパンがどんな風に写っているのか、明日までに編集して来てくれることになっているので、今から楽しみです。
シナモンロールの写真も、早速お見せ出来ると思います。

 食工房はこんなところです。




赤い屋根の蔵づくりの建物が店、後ろは住まい、家賃4万円で借りています。
この写真では分かりませんが、店の真ん前がバス停になっています。
でも一日に6往復。
バスに乗ってパンを買いに来るお客様は、まず滅多にいらっしゃいません。
「何でこんな田舎でお店を始められたんですか?」いつも皆さんに訊ねられてしまいます。
そう訊ねられても明確に答えられないんですが、この場所が気に入っています。



  ご連絡先
969-4107 福島県 喜多方市 山都町 相川 字高野 甲413‐3
                        食工房
                     TEL 0241-38-3102     FAX 0241-38-3104





なぜかフィンランド 高野通信10号より

「世界一、政治家の汚職の少ない国。」それを知った時、いろいろ比較すれば何だってどこかが一番になるのは当たり前だけど、フィンランドってどんな国?かと思ったら・・・。
子どもの学力が世界一、一方で授業時間数は世界最低。
経済競争力が世界のトップクラスで2001年から4年間は首位。
自然環境保全指数が世界一で世界一水のきれいな国。
国民一人当たりの年間観劇回数(コンサートや映画などに出かける回数)、図書館の利用率、それぞれ世界一。
他にもまだまだあるみたいですが、要するに、なりたい世界一をほとんど独占しているってことなんですね。
それでは、国を挙げてスローガンを掲げて競争心を煽っているのかと思ったら、それがどうも全く逆のようなんですね。
そんなフィンランドの人々は、自分の国をSuomi(スオミ~沼地、沼の国)と呼んでいますが、おとなりのスウェーデンの人々は、Fin‐Land(フィンランド~美しい国)と呼んでいるのです。
そしてそこに暮らす人々は、Finsk(男)、Finska(女)、つまり皆さん美男、美女というわけです。
今わが国では、首相自ら「美しい国日本」などとブチ上げていますが、そんな言葉はよその国から言ってもらいたいものですね。
フィンランドという国を知れば知るほど、今の日本は逆の方向に突っ走っているような気がしてなりません。
本当の世界一は、実は、競争に勝ってなるものではないのかも知れません。

高野通信10号 配布中  食工房のパンだより・春4月号 出来ました。
ご希望の方には、どなたにでも無料で差し上げています。
直接ご来店いただくか、郵送ご希望の方は、ご氏名ご住所を入れてコメントしてください。
コメントは、原則非公開に設定しています。
公開しても良いコメントは、公開可と付け加えてください。

シナモンロール

「かもめ食堂」という映画をご覧になりましたか?
パン屋をやっていてこれまで菓子パンを造ったことのない食工房、何か一つくらい・・・、そうだ!シナモンロールなら好みに合っているし、と思っていたところ、ちょうど映画「かもめ食堂」のことを知り、早速レンタルビデオショップで借りて来て見ました。
そんなわけで、今食工房でご好評いただいている「カネリ・プッラ」は、「かもめ食堂」の中で出て来るシナモンロールを、ほぼそのとおりに真似て造ったものです。
「カネリ・プッラ」(Kaneli Pulla)のKaneliは、フィンランド語でシナモンの意、Pullaは丸くて可愛らしいもの意、たいていはロールパンのこと
を指しています。
あの映画の中で、食堂のカウンターの上のバスケットに盛り上げられたシナモンロールの前に小さな札が立ててあって、Pullaと書かれてあったのにお気づきの方がいらしたでしょうか。
ところがフィンランドでは、シナモンよりカルダモンが好んで使われているようです。
Pullaのレシピを検索してみたら、どれもカルダモンだけを使っているんですね。
でも、カルダモンは結構クセが強くて日本人の私たちの好みには合わないような気がしましたので、私はシナモンとカルダモンを混ぜて使っています。
そしたら、意外にもシナモンが苦手だという方にも受けが良かったりして、思わぬ効果に気を良くしています。



 

本日の食工房

昨日、今日と食工房は定休日なんですが、休み明けの明日のパン焼きに備えて、今日は昼頃から酵母の培養を始めています。
大きな容器ごと冷蔵庫で休ませていた酵母種を出して来て、温水と糖分と少量の塩分とそして小麦粉を加えて良くかき混ぜ、33℃で保温します。
途中必ず2時間に1度、よくかき混ぜて酸素を供給します。
明日の早朝まで約16時間、さすがに寝ている間は2時間毎というわけには行きませんので、少し温度を下げて時間を稼ぎます。
醗酵が最高潮に達して来ると、底からかき混ぜても全部「泡」という状態になります。
蓋を開けた瞬間、ジュワーッと音がします。
この酵母は、私が以前暮らしていた同じ福島県内の阿武隈山中で、沢の水を使って自然発酵でスタート以来14年間かの地で培養し続けた酵母です。
会津に引っ越してからは、飯豊の水で養っています。
もう17年余り付き合っていますが、酵母は正直で私を裏切ったことは一度もありません。
パンの出来が悪い時は、それは私の対応の方に問題があるということです。
さてさて、明日の朝はどんな具合でしょうか。
何度繰り返しても、しっかり気合を入れていないと必ずどこかで失敗してしまう自家培養酵母のパンづくりです。