このところ毎日のようにそれも複数、クマ出没のニュースが報じられています。
そしてクマだけでなく、イノシシやシカ、はたまたキツネやハクビシンなどの小型獣から威嚇されたという情報もあります。
例えば、住宅街に日中クマが出没すれば、家の外に出ることも出来ず、外出から帰宅することも出来ず、屋外活動の中止、公園施設の閉鎖等々、つまり日常生活全般が成り立たなくなってしまいます。
こんなことも、もはや想像の範囲ではなくすでに現実となっている場面もみられます。
ある例では、自宅の敷地内でクマに出遭いケガをしています。
その家では、それが初めてではなく、一年前にも敷地内でクマを目撃していたといいます。
これはもう、起こるべくして起こった事故と見なくてはなりません。
多分そこに到達するまでに、幾多のシグナルがあったはずで、それらを無視したかあるいは気づかなかった結果が、事故を招いています。
こうした事態に適切な対応をしないまま時間が過ぎれば、その次は家屋に浸入を試みるようになることは間違いありません。
獣たちが、何故人を恐れなくなったのか?何故市街地に出て来るのか?何故威嚇したり襲いかかったりするのか?それらの理由に関し、大方の人々は真実を理解していません。
獣の習性をいわゆる「本能」の一言で片づける傾向がありますが、絶対に間違っています。
獣たちも、人間の私たちと同じかそれ以上に、現実に接しながら時々刻々新たな学習をしています。
自分の体と身体能力以外何の手段も持ち合わせない彼らが、自らの生命の安全に鈍感なわけは無く、その慎重さを臆病だと勘違いするようでは、真の獣たちの習性を理解することは出来ません。
また、クマにはクマの、イノシシにはイノシシの、それぞれ個性があり、さらに個体ごとに微妙に違う個性もあります。
実は今朝、しかけてあったくくり罠に、イノシシが1頭かかりました。
大きなメスで、子を産んで授乳中であるらしく、乳房から乳が溢れていました。
監視カメラで以前捉えた映像から、付近には3~4頭の同様なメスがいることが分かっていて、一度罠に接触して際どい所で逃げた個体もいるはずです。
それでも1頭かかったわけで、ここが危険な場所だという情報をどの程度共有で来ていたのかいなかったのか、今日捕獲された個体は、以前罠を踏んで逃げた個体かあるいは別の個体か等々、知りたい情報がいっぱいあり興味が尽きません。
またこうした出来事がある度に、私たちはいつも生命の安全確保の最前線にいることを思い知らされます。
生存とは、常に命を脅かす者たちとの戦いであり、その緊張感に耐えることだと自覚しています。
以下、長くなりますので、また折を見て続けます。