投稿者「mikio aoki」のアーカイブ

風街亭


真鍮の取っ手が、人の手がかかったところだけ光っていたり、
ドアの塗装が擦れていたり、年季を感じるいい雰囲気です。



先ず目につくのがこのレジスター。

計算機能は使っていませんが、ちゃんと現金が入っていて現役使用中。


会津若松市内にあるこのお店、「風街亭」という名前を聞いただけで、お店の雰囲気やマスターの風貌までも想像してしまうのは、きっと私だけではないと思います。

風・街、と言えば、あの「はっぴいえんど」を思い出します。
このブログでも、前に一度ネタにしたことのある、「風街ろまん」というアルバムが、私たちの世代の間ではあまりにも良く知られているからです。<参照>

このお店、実は私は、会津に引っ越して来て間もなくの頃お訪ねして以来、そんなに頻繁ではありませんが、時々お邪魔して親しくお付き合いさせていただいています。
何しろマスターは、私と同じくブルースハープを演奏する方で、大のブルースファン。
お店では、ほとんど一日中ブルースが流れています。
昼間は、おいしいランチメニューもあり、界隈のお勤め人さんたちの食事処にもなっています。
夜は居酒屋風、そして週末はライヴ。
地域の音楽好きの仲間内では、知らない人がいないくらい有名です。



そんなに広いスペースではありませんが、けっこう多彩なライブイベントをやっています。





出演した人たちが足跡を残しています。
有名なミュージシャンの名前も・・・。




そんな風街亭ですが、このブログでご紹介するきっかけを、ずっと逃していました。
それがこの度、ここを会場に借りてライヴイベントをやることになり、ちょうど良いきっかけになったというわけです。


■風街亭 かぜまちてい
■住所 会津若松市中央1丁目1-40
■TEL 0242-24-9874
■営業 10:00-23:00 / ランチタイム 11:30-14:00
■休業 不定休
■駐車場 なし (近隣に有料駐車場は幾つかあります。)


で、誰のライヴかって・・・?
そうです!
土佐の高知のブルースマン、あの cafe Missy Sippy の Fuji こと藤島晃一のライヴが実現します。
※先ずは
<こちら>をご覧ください。

只今、日程のみ決定。7月20日(月)※祝日です。 詳細未定

追々、詳細決定次第ご案内いたします。
試聴も出来るように準備中です。
乞うご期待。


  風街亭の場所のご案内


赤目の心配はなくなりましたが・・・

このブログを書き始めて少し経った頃のことです。
その頃使っていたPCのCRTディスプレイのせいで、目がやられて真っ赤に充血したことが何度もあって、ブログのネタにもなっているのですね。  <参照>

あれからまだしばらくはCRTでしたが、半年くらい前からノートPCをメインに使うようになり、液晶ディスプレーになりました。
CRTの時は、目の保護のために明るさとコントラストを限界まで落として使っていましたので、液晶画面の目に対する負荷の軽さに先ず感激しました。

そして、つい最近導入したデスクトップPCの大画面液晶ディスプレーで大きく表示される文字や記号が、老眼の進んだ目にあまりにも楽に見えることに、もう一度大感激しました。
もちろんそれなりの代償は支払うわけですが、目を病んでしまったら取り返しがつきませんから、そこは納得の上の出費です。

さてそこまでは良かったのですが・・・。
こうしてPC作業が快適になると、PCの前に座っている時間が、つい長くなってしまいます。
これはこれで、また別なリスクを抱えることになってしまいます。
言うまでもなく、運動不足から来る倦怠感と肩凝りなどの症状です。

最近は、経理もPCでやっていますので、PC作業は増える一方です。
事務方を雇うほどのことではないし、個人企業経営者としては、仕事を把握するためにも、PCは自分で管理出来なくては意味がありません。

知り合いの中には、ホームページの管理を他人に任せきりにしていたために、あとでトラブルを抱えることになったという話しを、二三例聞き及んでいます。
そんなことも理由になりますが、PC作業がまた増えます。
私としては、決して嫌な作業ではなく、むしろ次々と興味をそそられる楽しい作業ですが、健康管理上からははっきりマイナスと結論が出ています。

二年前は赤目がブレーキをかけてくれましたが、今度は自己コントロールしなくてはならないようです。


ところで、PC中毒ってあるんでしょうか?
あると思います・・・、私。

一杯のコーヒーから

「一杯のコーヒーから・・・」という歌の文句がありました。
ずっずっと昔、ディック・ミネという歌手が歌っていたと記憶しています。
ただし、私が知っているのは、後にも先にも「一杯のコーヒーから・・・」という部分だけです。
それだけをメロディーとともに、いやにハッキリと覚えているのは何故なのか、私自身にも分かりません。
それはともかく、一杯のコーヒーが与えてくれるもの、それは本当に沢山、またいろいろあると思います。


もう昔と違って、コーヒーは私たちの日常にすっかり定着し、物珍しさはなくなりました。
一般家庭でも、当たり前にレギュラーコーヒーが飲まれる時代。
でも、だからこそ、コーヒーの楽しみは、むしろこれからが本番だと思っています。
人類がコーヒーを発見して1000年余り、焙煎することによって卓越した嗜好性を発揮することを見出して700年余り。
多分、今後も人類の歴史が続く限り、コーヒーが飲まれなくなることはないでしょうし、嗜好品の王者としての地位も揺らぐことはないでしょう。
一杯のコーヒーから私たちが得るものは、あまりにも多いと思いますから。


 


イベントのご案内です。


 



 


まだ少し先ですが、ご参加要予約ですので、早めにご案内させていただきます。

今のところ、2名さまのお申込みです。
あと6名さま分、余裕があります。
参加ご希望の方は、ご連絡ください。
前日まで受け付けています。

花は、野に置け

昨日、私の心を震わせたホウの花、今日は午前中少し閉じて日差しを受けながら、じっとエネルギーを溜めているように見えました。
あとでまた来ようと決めて、用足しに出かけました。

3、4時間後にもう一度行って見ると、花の姿は消えて無くなっていました。
すぐ近くの目線より下に位置していた、大きな蕾も枝ごと無くなっていました。
ひょっとして風で落ちたかもしれないと思って下の方を見ましたが、見つかりませんでした。
疑うのは嫌だけど、人の仕業としか思えない状況・・・。
こんな霊力の強い花に手をかけてよく平気で・・・と、現場にいる間中ザワザワと心が騒ぎました。


そこで思い出したのですが、以前山暮らしをしている時にも、ツツジや山ユリなどが、根こそぎ掘り取られて無くなっている光景を、何度となく目にしたことがあります。
自分の庭に持って行って愛でるのを全て悪とは言いませんが、欲しい気持ちだけで後先考えずに採るのは、環境破壊以外の何物でもありません。

「花は、野に置け。」

私は、この言葉がとても好きです。
せいぜい写真を撮るくらいにしておこう。
それも、よくよく周りに注意を払って・・・。


年に一度、その場所にしかない何かが、確かにあると思っています。

仕事の合間


甘い匂いが漂って、まるでおとぎ話に出て来そうな光景に、頭がポーッとなってしまいました。


一昨日、ウワミズザクラの写真を撮ってからというもの、窓から見える外の様子が気になって仕方がありません。
今日も雨が降らず、暖かく明るい晴天でした。
ホウの花はどうなっただろうかと、見に行きたい気持ちを夕方までこらえて、クッキー焼きを終わらせてすぐ自転車に飛び乗って現場に急ぎました。

昨日の夕方は、まだ蕾のままで今日の開花はないだろうと思えましたが、道行く途中、覚えのあるあの甘い香りが自転車に乗って走っている私の鼻をかすめました。
見回すと、山のあちこちにホウの木があって白い花が点々と見えていることに気づきました。
こんな離れたところまで匂いが漂ってくるとは、何というすごいエネルギーなんだ!と気持ちが高ぶって来るのが分かりました。
そのまま自転車を飛ばして、たどり着いて見るとアッと驚く光景がありました。

明日には満開という状態で一輪。
他はまだ蕾。
どうやら今年は幸先がいいようです。


 



庭のイチョウの新緑もやわらかくていい感じです。


 



先日のイタヤカエデの幹に近づいて見たら、先客がいました。
オオススメバチが3匹、どうやら樹液が出そうなところを探している様子です。(そのうちの一匹、体長4、5cmほど)
ひょっとすると、近くの地面の下に巣があるのかも知れないと思い、怖々退散いたしました。

沼ノ平、麦畑通信・2


こちら、ライ麦です。さすが、よく育っています。



小麦は、今一つ。雨が降るのを待っています。


今日は、夕方ちょっと時間の隙間を使って、沼ノ平の農家さん宅まで出かけて来ました。
小麦の原穀がなくなったので、またいただきに上がるのが主な用でしたが、ついでなので麦畑に回って見ました。
このところすっかり日が長くなったおかげで、夕日が差している麦畑は、なかなか良い眺めでした。
ただ、ここしばらく雨が降っていないので、成長は今一つです。
それでもライ麦は、さすがに痩せ地でも育つ作物だけあって、すでに50cmほどの丈になっています。
小麦の方はかなり出遅れた感じで、雨が降るのを待っているというところ。

とにかく作物は、お天気次第。
本当にこの後どうなるか、最後に収穫された麦粒を見るまでは、「まだまだわからん!」の台詞どおりです。
とにかくも、無事の収穫を祈るしかありません。

来年は、もっとずっと作付けを増やしていただくことになりそうです。
そして出来ることなら、この店の前の畑も小麦で覆いたい。
そうなったらどんなにいいだろうかと思う私です。

地産地消、自給自足、昔は当たり前だったことが、これからの新しい時代にマッチする生き方として、また注目されて来るに違いありません。
ここで出来たお米や麦で、おいしいご飯やパンが食べられて、それで健康に生きていけるとしたら、それこそがユートピア(理想郷)というものに違いありませんね。
どんなふうに展開して行くか分かりませんけど、パン屋としてやれるだけやって見ようと思っています。


  麦畑通信・1 <参照>
  麦畑見学会のご報告 <参照>


風のいたずら




イタヤカエデの実ザヤです。
まだ中の実が熟していませんが、今日の強い風に煽られて落ちてしまったようです。
こんな形の実ザヤが、新緑の葉の数に負けないほど沢山ぶら下がっています。
秋になると、この羽根の付いた実がクルクル回りながら、パラシュートのようにゆっくりと地上に降りて来ます

ウワミズザクラ


本当に美しいと思います。



こちらは、とても可愛く見えます。


 


この季節、山の中は次々と木の花が咲いています。
そして新緑が濃くなるに連れ、白い花が目立ちます。
私の好きなホウの花も、早い所ではもう咲き始めています。
今年、ちょっと狙いを付けている所があって、そちらはまだ蕾です。
今年は、久々にまたホウの花の写真が撮れるでしょうか・・・。


それで、今日は仕事が早めに終わったので、犬の散歩に付き合って近くを歩き回っていると、ウワミズザクラが咲いているのを見つけました。
でもかなりの大木で、花はずーっと高い所にあって、写真を撮るには遠すぎます。
そうしたら上の娘が、別な所でずっと低い位置に咲いていて、写真を撮るのにちょうどいい場所があると教えてくれました。
早速途中から分かれて、その場所に行って見ました。

聞いたとおり、絶好の場所です。
道路沿いの藪にちょっと入っただけで、ご覧に入れたような写真が撮れました。
ちなみに、これは2枚ともノートリミングです。

それで実は、ウワミズザクラには類似した種類がいくつかあって、本当にこれがウワミズザクラかどうか、図鑑で調べてみました。
こういう時、図鑑の写真って結構微妙なんですよね。
もうちょっと、ここのところをよく見せて!と思うところが写っていなかったりします。

そんな時、我が家の取って置きの虎の巻は、「原色牧野植物大図鑑」です。
写真よりも、説明入りのスケッチの方が、はるかに正確で頼りになります。
その結果、これはウワミズザクラかシウリザクラのどちらかだと思われるが、ほぼウワミズザクラに違いないという結論に達しました。

遠くから眺めると、枝に無数のタンポンか毛ブラシのようなものが付いているように見えますが、近寄って見ると小さい花が房状に集まったものであることが分かります。
そして、どんなに小さくても、ちゃんと桜や梅などと同じくバラ科の花の特徴を備えているのが見て取れて、ここでも自然の営みのサプライズに感激する私でした。


そうそうちょっと余談ですが、散歩しながらまた娘に教わりました。
イタヤカエデのイタヤの名の由来は、大きな葉がびっしりと重なっていて水も通さない、つまりこの木の下に入れば雨に濡れないで済む、まるで板の屋根のようだ言うところから「板屋根」・イタヤと呼ばれるようになったとか・・・。
今日は、先日にも増して緑が濃くなっていました

連休も終わり・・・

ゴールデンウィークも終わって、また静かな毎日になりました。
ご来店くださるお客さまの顔ぶれも、ほとんどいつものご常連の方だけになり、お相手は連れ合いに任せて、私は作業場で黙々と仕事をこなしています。
ありがたいことに、ご注文がほど良いペースで次々と入るので、パニックにならずに落ち着いて仕事が出来ます。
今日のスコーンも上出来でしたし、明日のパン焼きに備えて酵母の調子も上々です。
明日は、パン焼きの後コーヒー焙煎も予定していて、仕事の密度を少し上げなくてはなりませんが、まあ大丈夫そうです。
こうして、皆さまに喜んでいただける仕事が出来るようになったことが、実は最近の私にとって一番うれしいことなのです。
明日も良い仕事が出来るようにと念じつつ、今日は早寝することといたします。
明日は、4時起きです。

味と香り

味と香りは別物ではないと、いつも思います。
おいしいものは、先ず鼻に来ると言われますね。
その通りだと思います。
ところが最近、どうもこの香りがいかにも偽物っぽい食べ物が多くなったような気がします。
私は、以前からずっと自然志向で暮らして来ましたから、人工的な香料の放つ香りを心地よいと感じたことは、ほとんど記憶にありません。
食べ物ではなおさらで、香料で香りつけしたものと、自然の素材の持つ香りの違いは、言われなくたってはっきり分かります。
例えば、手づくりした文旦ピールのあの香りを覚えると、人工的な柑橘系の香料なんか、不快に感じるほど嫌になってしまいます。

ま、それはそれとして、人はこの香りに意外に騙されやすい側面があるのですね。
冷たい水に、少量の食塩を溶かしたとします。
ほとんど何の匂いもしません。
ところがこれにバニラオイルを一滴落としてかき混ぜます。
するとどうでしょう。
何か甘い味のする飲み物に思えて来るから不思議です。
でも口に入れた途端、まずくて吐き出すに違いありません。


それを、小麦粉と炒り玄米粉と植物油などを混ぜ合わせて生地をつくり、薄く延ばして焼くと、皆さんよくご存知の「パタポン」です。
ノーシュガーでも、微妙に甘みを感じます。
それはもちろん、小麦粉や炒り玄米粉がわずかに甘みを持っているからですが、バニラオイルの香りがとても重要な役目を果たしていることを、お分かりいただけると思います。
あともう一つ、少量の塩分が逆に甘みを引き立てる性質があることも、ご存じだったでしょうか。


こんな風に食工房ではいつも、自然の素材が持つ香りを積極的に利用して、味わいにパフォーマンスを持たせる工夫をしています。
スパイスワークは、食工房の決め技というわけですが、こればかりは全てをご披露するわけには行きません。


それからこれが一番肝心なことですが、こうした小細工も主たる原材料の品質が背景にならないことには、何の役にも立たないということを、最後に申し上げたいと思います。

イタヤの大株

習刊 コーヒー通信 に替えて  


連休最後の今日、今一つお仕事モードになり切れないまま午後になって、明日の支度やコーヒー焙煎をやっています。

午前中、犬の散歩に行った折、いつものコースの途中にあるイタヤの大株の前を通りかかると、地面に黄色いものが降り積もるように沢山落ちていました。
途端、ハッと気がつきました。
それは、イタヤカエデの花だったのです。



この新緑を見逃してしは、一年の悔いになってしまいます。



葉の切れ込みが浅く、丸っこい形がとてもかわいい。
ウリハダカエデの葉と似ていますが、ずっと小ぶりです。


そうです。イタヤというのは、イタヤカエデの略称です。
見上げると、薄日を背景に透けるように明るいイタヤの新緑が空を覆っていました。
そう言えば山暮らしをしていた頃、このイタヤの開花期に梯子に上って花の写真を撮ったことを思い出しました。
散歩から帰って早速、今度はカメラを持って出直しました。
と言っても、歩いて2分もかかりません。


光線は十分ありシャッターも速いと思いましたので、手持ちで行きました。
ただ、オートフォーカスオンリーのコンデジでは、層になっている枝葉のどこにピントが来るか全く予想がつきませんし、自動露出オンリーでは、絞り込みという手も使えません。
とにかく下手な鉄砲も何とやらの例えにあやかって、シャッターを切り続けました。
それからこれはいつもの手なのですが、狙いをつけたところを中心に置いて、意図的にややワイドに撮影しておきます。
あとで大きな画面を見ながらトリミングして、欲しい所を切り取ります。
こうすれば、なるべくレンズの収差の大きい周辺部を避けて、中心部の精度の高いところを選ぶことも出来るし、ファインダーを覗けないコンデジには、重宝なテクニックだと思っています。


 



 


ちょっとカメラの話しに力が入り過ぎましたが・・・、イタヤカエデは根元から何本も幹が立って大きな株になる傾向があり、ここでも一本陰に隠れていますが全部で5本、それぞれ直径が30cmを超えるくらいの大株になっています。
こんな大きな株の前に立っていると、幹と幹の隙間に見えている向こうの風景は、別世界のように思えて来ます。
隙間から、今にも何かが出て来そうな雰囲気です。


たとえわずかでも、こんなふうに木と向かい合っている時間、私は言いようもなく幸せです。


 



すぐ近くの足元には、ムラサキケマンが咲いていました。
これも猛毒。ただしお薬になるそうです。