世界の平和を願わない者はいない。
そう言うと、多少の異論があるかも知れませんが、今ここでそんな議論をしようというのではありません。
どうしても、私たちは平和を願わないわけには行かない、私はそう思います。
例えば、お金と引き替えに物が買えること、交通機関を利用して好きなところに行けること、朝、家を出て行った家族に夕方再会出来ること、こんな当たり前のことも、世の中が平和であり人々の善意が信じられるという前提がなかったら成立しません。
戦時下に置かれた国では、そんな当たり前のことでさえ何の保証もないし、それどころか今日、たった今の命さえ保証の限りではありません。
だから平和は大切、そう思いませんか。
平和を守るためにいろいろな方法があるのだと思いますが、私は日々の暮らしがそのまま一人一人の、それぞれの平和運動となるような過ごし方を考えること、先ずはそこからだと思っています。
英国スコットランドの、フィンドホーンコミュニティーの創立者の一人、アイリーン・キャディーがこう述べています。
「世界が平和であるためには、一人一人の心の中が平和でなくてはならない。」
WALK9 のこと
今ちょうど新潟から福島への道を、平和を願って巡礼の旅をしている方々が歩いています。
明日の夜には、我が山都町で一泊されます。
ご存じなかった方、以下にご紹介するサイトをご覧ください。
私も、明日皆さんにお目にかかろうと思っています。
WALK9 のホームページ http://walk9.jp/index.html
投稿者「mikio aoki」のアーカイブ
狩猟民の心得
昨日は、新潟からお客様がいらっしゃいました。
ご夫婦で見えたのですが、奥様の方は「からころ屋」という自然食品店を経営していらして、昔私たちも自然食品の販売を生業にしていたことがありましたので、いろいろと共通の話題に花が咲きました。
お店のことは、ホームページもブログもお持ちだそうなので、そちらをお訪ねいただくとして、一方ダンナさんのお話にとても興味を惹かれましたので、そのお話を紹介したいと思います。
そのダンナさんのお父さんの話です。
残念なことにすでに亡くなられこの世の人ではありませんが、そのお父さんは若い頃からずっとクマ撃ちを生業にしていたのだそうです。
生まれついての狩猟民的感覚を持っていたというお父さんは、木伐り、炭焼き、籠編み、等々、山の仕事は何でも自在にこなしたそうです。
そしてクマ撃ちに行く時、いつも奥さんがこしらえて持たせたにぎり飯を、必ず一つだけ残して持って帰って来たそうです。
一度山に入れば何があるか分からない、いざと言う時たった一個でも残しておいたにぎり飯で命が助かることがあるかも知れないということなのでしょうが、それなら山を下りて里が見えるところまで来たら食べればいいのに、いつも家に辿り着いて囲炉裏の前に座ると、その一個をホイッと奥さんの前に置くのだそうです。
そして奥さんはいつも、「せっかく持たせてやったのに、何故ここまで持って帰って来るんだ。」と決まり文句を言ったそうです。
でもだからと言って、次から一個減らすというわけでもなく、五十年間ずっと最後までそうだったという話です。
モノの豊かな時代にいる私たちが、とっくの昔に失ってしまった狩猟民の心得を持った人が、この同じ日本につい最近まで生きていたことに驚かされ、そしてとてもいい話を聞かせてもらったことに感激する私でした。
photo by Mikio Aoki
画面と紙面
ブログを書き始めて一ヶ月半余りになりますが、見るだけの立場から見てもらう立場にもいるようになり、webに対する感覚も少し変わりつつあります。
私は、もうずっと以前から個人的な印刷物を発行していますが、インターネットの時代の幕が開き、ホームページやブログを使って誰でも簡単に、しかも整った体裁の情報を発信出来るようになった今でも、一方で紙に印刷されたものの価値が減ずることはないと思っています。
画面と紙面のどこが違って、どこが同じか・・・、これはwebデザインを考える時にすごく重要なことなんだろうと思います。
今まで単純に、紙に印刷された情報には集中して向き合える、画面に表示されている情報は落ち着いて見られないと思っていましたが、そうでもないんじゃないかと認識が変わりつつあります。
さて皆さん、大抵のweb情報画面には、主題情報の他に実に沢山の情報が混在していますね。
メニューバー、ツールバー、タスクバーの他、コンテンツ、リンク、広告などなど、まさに情報の満艦飾です。
極々実用的な情報ならそれでも構わないとも思いますが、じっくり内容を読み取ってもらいたい情報、何かをイメージしてもらいたい情報を伝えようとする時は、不要なあるいは邪魔になる情報は極力置かないようにした方が、絶対に効果的なはずです。
印刷物は、最初から考えられたレイアウトで完結していて、不意に広告がポップアップするようなことは起こりませんから、集中しやすくて当然なわけです。
それでもちょっと考えてみてください。
もし一度に沢山の、それも色とりどりの興味を引かれるパンフレットを受け取った時など、やっぱり落ち着いて向かい合うという態度にはなり難いんじゃないでしょうか。
webの画面は、言ってみればずっと連続してその状態にあるようなものですね。
逆に考えれば、じっくり見てもらうための画面も作れるということになるはずです。
私はまだまだネット初心者ですが、それでも自分のブログを始める時に、読みやすい文字の大きさが選べることと不要な情報が少ないことを条件に、けっこういろいろ悩んだものです。
今までいろいろ見た中には、とても良く出来ているなと思うサイトもいくつかありましたが、自分で作るとなると、とてもじゃありませんがノウハウが足りません。
お金を払って専門家にデザインしてもらうほどのことでもないし、これからせいぜい楽しみながら少しずつ勉強して行こうかなと思っています。
All Illusts by Machiko Aoki
シナモンロールとノルディックルーツミュージック
映画「かもめ食堂」が静かなブームになり、少し前の話ですが50万人の人が映画を見たとか。
今はもっと人数が増えたことでしょう。
フィンランドという国のことも、いろいろな方面で注目を集めているようですね。
フィンランドびいきの私たち(私と二人の娘)としては、やっぱりうれしいことです。
今日は、食工房でもシナモンロールを焼きました。
細かいところは違っているかも知れませんが、形は映画で見たとおりに真似ています。
これが焼ける時のにおいは、もうたまりません。
砂糖が焦げるカラメルのにおいとシナモン、カルダモンの香りが混ざり合って、もうすっかりヘルシンキの「かもめ食堂」の店内にいる気分です。
とは言え私、行ったことはないのですけれど・・・。
そんなわけで今日の休憩時間には、焼き立てシナモンロールとコーヒーでさらに気分を味わいました。
さて、ここでまた皆さまをノルディックルーツミュージックの世界へお誘い申し上げましょう!
今回のおすすめは、国立の民俗音楽集団 TALLARI です。
今から21年前に結成されたこのバンドは、4人の常駐メンバーに女性の歌い手が1~2名加わって活動しています。さらにゲストが加わることもあるようです。
国立と言うからには、ちゃんとそのための予算も計上されていて、CDを作る時にも予算を取って製作するそうです。
さぞかしお堅い音楽集団で、演奏もお堅い内容かと思いきや全然違うんですね、これが。
国が、こういう音楽やミュージシャンを支援しているフィンランドという国と、国民の方々を私は掛け値なしに尊敬してしまいます。
うーん、ここで音をお聴かせ出来ないのが残念でなりませんが、お店に来られる方にはいつでもお聴かせ出来ますので、ご来店の折にお声をかけてください。
CDが出ていますのでとりあえず2枚ご紹介申し上げます。
ただし、一般のCDショップでは手に入らないと思います。
Kymmenen pennin ryyppy 「10ペンニのお酒」
Komiammasti 「コミアンマスティ」
ネットでいろいろ検索していますが、CDを買えるサイト、試聴出来るサイトをまだ見つけられません。
ちなみに私の手元にあるCDは、知人から寄贈いただいたものですが、今、日本では手に入らないのではないかと言う話しでした。
ノルディックルーツミュージックの関連サイトは、4/1の記事をご覧ください。
プンパニッケル
プンパニッケルは、ドイツの伝統的なパンの一つです。
ライ麦の全粒粉に酵母とヨーグルトを加えて発酵させた、ザワータイク(ライサワー種)と呼ばれるパン種を使って生地をこねます。
このパンは、酸味があるのが身上で、ドイツの方はどうか知りませんが、日本人の私たちの間では極端に好みが分かれるパンです。
だからこのパンをつくっているパン屋さんは、そう沢山はいないのです。
増してや人口の少ない田舎では、買ってくださる方はなおさら少数派になりますから、当店でこのパンをつくっているのは、他ならぬ私と家族の者が食べるからです。
とは言え、たとえ少数でも熱心なファンは必ずいらっしゃいますので、その方々のためにも手堅く続けて行くつもりです。
プンパニッケルのおいしい召し上がり方
薄く切ってそのままか、軽く焙ってお召し上がりください。
バターやクリームチーズ、あるいはカマンベールチーズが大変良く合います。
スモークサーモン、ベーコンなど燻製品もOK。
また、レバーペーストやブルーチーズなどクセの強い材料とも相性がよろしいです。
それから、シソ味噌がとてもいいマッチングでおすすめです。
(当店のお客様の発案で、試食会でも好評でした。)
飲み物は、スープがあれば最高ですが、ハーブティーやミルクをアレンジした飲み物、プレーンヨーグルトとフルーツソースなんかも合います。
そして、アルコールなら赤ワインをお試しください。
もう一つ余談ですが、プンパニッケルは食物繊維を大量に含む、スーパーダイエットメニューです。
どんなに忙しくても・・・
Mikio フォトアルバム 獏の空の下から・・・ より 「裏山の空」
Mikio フォトアルバム 獏の空の下から・・・ より 「モミジの実生」
どんなに忙しくても、忘れたくないことがあります。
空を仰ぎ、風の音に耳を澄まし、匂いを嗅ぐこと。
樹木を眺め、草花を愛で、地を這う虫の行方を気にすること。
どうか、「そんなことは、暇な人間のやることさ!」と言わないでください。
それを忘れたら、多分、人は自分が何のために生きているのか、どうしてこの世界に生まれて来たのか、それが分からなくなる。
私は、そう思っています。
本日の食工房
暖かくなって酵母の調子は絶好調です。
おかげで仕事のペースを煽られています。
パン生地もちょっと暴れ気味です。
こだわりのネルドリップ
ペーパーフィルターが普及する前、コーヒーはネル(布)ドリップで抽出するのが最もポピュラーでした。
最近は、ペーパー式に押されてすっかり影が薄くなったネルドリップですが、コーヒーの最高の味は、実はネルドリップで出せると言われています。
サイフォンの方が何となくワンランク上という感じがしますが、実際にはペーパー式も含めてドリップの方がはるかにデリケートで奥が深いのです。
それだけに、ネルドリップではさらに使いこなしが難しく熟練を要します。
ネルドリップの場合もペーパー式同様、まずは抽出量に見合った大きさのフィルターを用意します。
新品のフィルターは糊を効かせてあるので、鍋に湯を沸かしその中にフィルターを入れて、十分間くらい煮立てて糊気を抜いてから使い始めます。
この時にコーヒー粕を一緒に入れて煮ると効果的です。
以後フィルターは繰り返し使用しますので、使用の度に丁寧に湯洗いした後冷たい水に浸して保管します。
※乾燥させると、それきり使えなくなってしまいます。
また、ネルドリップはペーパーよりも落ちるのが遅くなりますので、豆の挽きは幾分粗めにします。
抽出の手順はペーパー式とほとんど変わりませんが、同じ3分以内に落としてもネルドリップの方が、コーヒー粉と湯の接触時間が長いので、味も香りも濃厚な感じになります。
またこのネルドリップ特有の蒸らし効果を活かして、少し細かく挽いた粉に思い切って温度を下げた湯をゆっくり落として、他の方法では真似の出来ないマイルドでしかもコクのあるコーヒーを入れることが出来ます。
その逆に、粗挽きした粉に沸騰直後の熱い湯で短時間抽出すると、香りと苦みが心地良いアッサリした風味のコーヒーを入れることも出来ます。
本日の食工房
今日は定休日なのですが、朝からコーヒー焙煎をやりました。
只今それが終わって、PCに向かい合っているところ。
それから忘れてはいけない!
明日のパンづくりに備えて、酵母のメンテナンスと計量、もう一つ、ライ麦の自家製粉も。
お知らせ
ホームページの準備も少しずつ進めています。
とりあえずURLが決まりました。
食工房のホームページ http://shokuko.com出来かけのページが見られます。
お問い合わせ用メールフォームが使えます。
ブラウニー
以前から、うちのかみさんが「ブラウニーを造ったらいい!」と何度も繰り返すものですから、そんならと思い先ずはネット検索でいろいろ調べました。
そうしたら、ブラウニーという名のお菓子はいっぱいあって、チョコレートまたはココアを使うということ以外はほとんど何でもありなんですね。
だったら、「食工房のブラウニー」を勝手にでっち上げればいいということになるわけですが、その前に、食工房にはお菓子好きのご常連でアメリカ出身の方がいらっしやいますので、ブラウニー好きのアメリカ人のお話しを伺いました。
それによると、ブラウニーには大まかに二種類あって、一つはカカオマスの割合が多い、硬さのある正統派ブラウニーとあと一つはファッジという別名で呼ばれる、ココアパウダーやバター、粉などの割合が多い、軟らかいケーキタイプのもの、どちらもそれぞれファンがいるとか・・・。
で、食工房ならどちらか?やっぱり正統派で行きたいわけですよ。
なおかつオリジナリティーも出したいし、そこで頭をひねり試作を重ねた結果、食工房自慢の文旦ピールを入れたものが完成しました。
当然、スパイスワークも一工夫しています。
いつも、良い香りは上等なお菓子の生命だと考えていますから、これはレシピを練る時の一番の楽しみなんです。
さて、モノは完成しましたので、今度はかみさんにパッケージラベルのデザインを考えていただきましょう。
すでに「パンだより」にも告知しましたので、早々とご注文もいただいています。
定休日明けのあさってには、正式発売にこぎつけられそうです。
奥会津アイリッシュコンサート
picture by Machiko Aoki
昨年10月1日、会津金山町の妖精美術館で催された奥会津アイリッシュコンサート、昨年の大成功で盛り上がったスタッフの情熱と出演者のご協力により、今年もまた開催出来ることになりました。
地方の、そのまた辺境と呼ばれるような場所だからこそ、文化的価値の高いイベントを開催する意義はいっそう大きい、という趣旨に賛同したボランティアスタッフのみの企画運営による昨年のコンサートには、主催者の予想を上回る方のご来場をいただきました。
一日の来場者としては、妖精美術館始まって以来ということでした。
今年は、出演者のメインゲストとして、昨年と同じアイルランドで一番のティンホイッスルの名手、ショーン・ライアンが来日します。
それから、ショーンの来日時にはいつも一緒に演奏している守安功&雅子ご夫妻。
そして今回は、会津の地元からフェアリーランド(片山紀彦&れい子)の出演もお願いしています。
なお会場では、食工房の出張カフェも開店します。
パンや焼き菓子の販売もあります。
開催日時は、10月13日(土)開演時間など詳細は未定。
料金、チケットの販売などについても未定です。
なお、今年も主催者母体である「会津愛蘭土音楽会」のメンバーを募集しています。
コンサートの企画運営にボランティアで参加していただける方ならどなたでも会員になることが出来ます。
ただし、会員になっても特に恩典があるわけではありません。
チケットも無料にはなりません。
あくまで、趣旨にご賛同いただける方の参加を募ります。
(打ち上げパーティーには優先的にご参加いただけます。)
これから毎月一回、コンサートの実行委員会を開いて行きますので、ご参加いただける方はご連絡ください。
「奥会津アイリッシュコンサート」のホームページがあります。
昨年のコンサートの模様を記録した画像も見ることが出来ます。
連絡先もそちらで分かりますので、是非ご覧ください。
なお、食工房でもお問い合わせにお答えしています。
ご連絡先は、こちらから。
本日の食工房
連休が終わり、明日、あさっては定休日なので売るものもなくなり、開店休業状態でした。
せっかくご来店いただいた方には、申し訳ありませんでした。
今週からまた普段どおりの、長閑なパン屋に戻ります。
皆様のご来店をお待ち申し上げております。
集う力、世界の平和
今日は、4/3のブログに登場したMerryLandの編集長のCHAさんの引っ越し祝いに出席してきました。
私の知り合い、CHAさんの知り合い、両方の知り合い、顔なじみの方、そして初めてお顔を拝見する方、いろいろな方が一同に会して楽しく会食し、生演奏の音楽に耳を傾けました。
会話が弾むほどに、お互いのことに興味を誘われ理解が深まり、それまで知らなかった新たな個性を発見し、私は、何と言ったら良いのでしょう、その場が愛情に満ちて来るのを心地良く感じながら過ごしていました。
若い頃、集まりさえすればすぐに何かが出来そうな気がして、ワァーッと集まっては何も出来ずに失望し、やがてしらけてしまって集団の力など信じるものかと思うようになっていました。
でも、この歳になって少しは人生経験が足りて来たからかどうか・・・、やっぱり何を成し遂げるにも人の力だと改めて認識しているところです。
そして、人が集うところには力も集まるのですね。
集団の力は時に気まぐれでコントロールしにくいものであり、時に恐ろしい魔物のような存在にもなってしまいますが、今日の集いは人が集う時に大切にされるべき何かを、皆さんが共有しているのが私には分かりました。
そして世界の平和は、案外こんなところから始まるのかも知れないと思いました。