食工房のパンだより」カテゴリーアーカイブ

シュトレン製造開始

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いよいよ、クリスマスに向かってシュトレンをつくり始めました。
シュトレンは、クリスマスを待つ間に少しずつ楽しみに食べるものという説もありますが、元々は、冬に新鮮な果物を食べられない寒い国で、保存食として考えられたものらしいですね。
だから、レーズンなどのドライフルーツが、とても沢山入っています。
バターもずい分沢山練り込みますし、表面はバターと砂糖で固めてありますから、切り口をつくらない限り春が来るまで長持ちするわけですね。
その間に、ドライフルーツのわずかな水分がまわりに馴染んで、全体がしっとりして来ます。
そして、シュトレンの風味を特長づける、「シュトレンスパイス」と呼ばれるミックススパイスの香りが、ドライフルーツの風味と合わさって、極上の風味を生み出します。
シュトレンは、時間をかけて少しずつ食べる間に、風味の変化を楽しめる素敵な焼き菓子なのです。
さて食工房のシュトレンづくりは、全工程四日かかります。
一日目は、材料の下ごしらえ、計量、酵母の調整です。
二日目に、生地を練って成型、焼き上げ、バターとグラニュー糖で表面処理までやります。
三日目は、表面を粉砂糖で化粧し、一日寝かせます。
四日目に、一個ずつ袋に入れ、木のコンテナにしまって熟成を待ちます。
一週間もすれば、食べ始められます。
食工房オリジナルレシピのシュトレンは
1個 約800gの大型サイズ
家庭用簡易包装品 1,800円
クリスマスギフト用オリジナルデザインパッケージ 2,200円

シュトレン

ギフトパッケージの表面デザイン

皆さまのご注文をお待ちしています。
詳しいことは、「食工房のパンだより・2007年11月・晩秋号」をご覧ください。
ページへのリンクは<こちら>

おしらせ

「ハンドワーク 森の風」 会津で暮す仲間達の手作り作品展

2007年11月20日(火)~25日(日)まで
会津若松市内、ギャラリー「和」(なごみ)にて
会津若松市 南町 2-54
営業時間 11:00~18:00

出展者
あべ のぶえ
ほし としえ
かわかみ つよこ
あおき まや
あおき まりこ
あおき まちこ

場所のご案内~地図(Googleマップ)へのリンクは<こちら>

食工房

我が家の娘たちの作品 「クリスマスオーナメント」

おいしい季節

11月ですね。
秋から冬へ、日はいよいよ短くなり、何となく心細くなるような感じがしますが、一方、食べるものはおいしいですね。
寒さが増すにつれておいしくなるもの・・・、いっぱいありますね。
大根、白菜、ホウレン草、ゴボー、ネギなどの野菜はもちろん、魚も肉も寒い時期の方が油が乗って身も厚くおいしいのです。
漬け物も、秋に仕込んで冬の間に食べるものが、種類も多いしおいしいですね。
そんな中で、私は、おいしい素材をいっぱい集めて煮込んだ汁物が大好きです。
先日の鴨汁は最高でしたが、塩鮭や豚バラ肉と野菜ときのこの煮込み汁もおいしいです。
和風にみそ味やしょうゆ味でもいいし、洋風にハーブやスパイスを効かせて塩味でいただくのも、なかなのものです。
さらにミルクを入れたり、トマトを入れたり・・・、役者(具)は同じでも、全然ちがったステージが楽しめます。
我が家の例で一つ紹介したいのが、ゴボーの入ったシチューです。
豚バラブロックのブツ切り、玉ねぎ、人参、きのこ、ジャガイモ、セロリ、カブ(大根でもOK)、そしてゴボーのブツ切りを入れ、トマト味(トマトペーストやピューレを使います。)で煮込みます。
スパイスワークは、にんにく(これだけ最初に使います。)とあらびきの黒胡椒と月桂樹の葉を数枚入れるだけです。
盛り付け時に、フレッシュハーブがあれば好みに合せて散らします。
さて、ゴボーの味が意外なほど洋風の味付けにもなじんでしまうことに、きっと驚かれると思います。
ぜひ、お試しください。
そして、これと一緒に召し上がっていただきたいのは、言うまでもなく「堅焼き黒パン」です。
スープに浸しながら、ゆっくりと噛みしめてお召し上がりください。



堅焼き黒パン・特大サイズ

売れ残ったパンはどうする・・・。



当然のことながら、いつでもピッタリ売り切れというわけには行きません。
いつも多めに焼くようにしていますから、売れ残りが出るのが常です。
たいていは、自分たちで食べてなくなってしまいますが、たまに予想外に多く残ると一週間で食べきれないことがあります。
パン好きの私たちですから、そんな時は一日二食パンになったりします。
でも、ちゃんと副食も取るよう心がけています。
最近、あらためて黒パンのおいしさを見直しているところで、私などは、ちょっとお腹が空いた時は、黒パンをうすく切ってそのままかじっています。
たとえば朝は、黒パンとチーズ1かけ、それに旨いコーヒーと手づくりヨーグルトにりんご1かけくらいあれば、十分満足です。
夕食だったら、パンとスープと惣菜が2~3品、食後にハーブティーとフルーツがあれば大満足。
もちろん、お米のご飯も大好きですが、パンでもご飯でも、どちらでも同じように満足出来ます。
ちなみに、うちはずっと玄米食です。




  スープストック
今日は、先日の鴨のガラを使ってスープを取りました。
玉ねぎ、セロリ、にんにく、ベイリーフ、黒胡椒の粒などと一緒に1時間半ほど煮込んで、熱いうちに漉してスープストックとして保存します。
使う時は、2倍くらいにうすめて使えます。
味付けの仕方で、いろいろなスープが出来ます。
ただし今日の鴨スープは、やっぱり少しクセのある臭いがしています。(肉の方は、臭いは気になりませんでしたが・・・)
カレーのような、スパイスを沢山使う料理ならいいかも知れません。
でも、最後の一滴までいただきます。

  更新情報
「食工房のパンだより・27 晩秋号」のpdfファイルを、食工房のホームページにupしました。 ファイルへのリンクは<こちら>

パンだより、編集中

本日は、「食工房のパンだより」印刷バージョン編集中につき、特に記事を書きません。
創刊号では、「パンダよりパンだより」とシャレていましたが、途中から恥ずかしくなって止めました。
五味太郎の「ことわざ辞典」には、「パンダよりパンだ!」というのがありました。
「花よりだんご」の現代版だそうです。

ゆるやかな一日

今日は、午前中にスコーン1種類と、午後にクッキー1種類の2品だけの仕事で、少しゆるやかな一日になりました。
昨日、今日の準備をしていて、無くなったまま未入荷の材料があることに気がつき、中止になったものが一つありましたので、そのせいもありました。
本当は、アプリコットケーキもやりたかったのですが、そこへ、未入荷だった材料が他のものと一緒に届き、そちらの始末をしなくてはならなくなって、それも延期となりました。
食工房では、レーズンなどのドライフルーツは、オーガニックのものをケース単位で仕入れ、自分で小袋に詰め直して脱酸素剤を入れ、シールして保存しています。
こうしておけば、半年くらいおいても品質は全く劣化しません。
今日は、サルタナレーズンとカレンツのケース、アールグレー紅茶の1㎏袋を仕入れましたので、それらの小分け作業で残りの時間を費やしました。
製品を造るのに比べたら、はるかにテンションのゆるい仕事ではありますが、まあ、こんなところにも手間ひまかけてコストダウンの努力をしているわけです。

今日はまた、雨模様ということもあって、午後はお客さまも少なく、ご常連の方がお一人、お茶を飲みにいらしてくださいましたので、私たちの3時のコーヒータイムをご一緒させていただき、しばしおしゃべりに花を咲かせました。
たまにはこういう時もないと体力が持ちませんが、かと言ってずっとヒマだとそれも困るし、一日一日がライブステージみたいなものだと思ってやるしかありませんね。

さて明日はまたパン焼きです。
最近は、カネリプッラ(シナモンロール)が、とてもかわいくきれいに焼けるようになり、よく売れるようになりました。
正直なものですね。
これからもがんばりま~す!

ヨーグルトをつくりました。

昔はよくやったものでしたが、本当に久しぶりにヨーグルトをつくりました。
それというのも、行きつけの生協で、生乳100%のヨーグルトを売らなくなったからです。
自分でつくると言っても、市販されているヨーグルト菌を使ってつくるのですから、簡単と言えば簡単です。
ただし、このヨーグルト菌がそこそこ値段の高いものですから、手づくりの方が安いというわけには行きませんが、原材料の牛乳は地元の低温殺菌牛乳「会津のべこの乳」を使いましたので、品質は言うことなしです。
保温も、パン用の保温庫(ホイロ)を使えば40℃保持も問題ありませんから、こんなに条件が揃っているのに何でやらずにいたのか・・・、余裕がなかったんでしょうね。

ちょっと話が脇道にそれますが、酵母菌と乳酸菌(ヨーグルト菌もその一つ)は、切っても切れない共生関係にある微生物で、食工房のパン種の中にも天然由来の乳酸菌が入っています。
醗酵の仕事というのはいろいろ関連があって、やり出すと面白くて止められなくなりそうです。
パンづくりは酒づくりに結びつきますし、ヨーグルトづくりはチーズづくりへとつながっています。
そうそう、このヨーグルト菌も継ぎ種して行くことが出来るのです。
ただし、管理はかなり難しそうです。

さて、昨日午後から仕込んで、夜遅くに出来上がったヨーグルトを、冷蔵庫に移して一晩熟成させ、今朝一番に味見しましたが、なかなか上等です。
今度から、ヨーグルトも自家製するしかなくなりました。
ということは、アプリコットケーキに使用するヨーグルトも自家製ということになります。
「会津のべこの乳」を使った、生乳100%のヨーグルト入りのアプリコットケーキのお味を、どうぞお楽しみに!

商売雑感

商売していると、否応なく競争に巻き込まれます。
今は、情報と交通の手段が完ぺきになったおかげで、地方の片田舎にいても、全国を相手にしなくてはなりません。
人々は、気に入りそうなものを探して、どこにでも出かけて行きますし、どこからでも取り寄せます。
商売している側からすると、いつも自己主張し続けていないと、すぐに埋もれてしまって忘れられてしまいますから、昔よりはそういう意味で気苦労が増えていると思います。
上手くチャンスをつかんで大勝ちするところがある一方で、全然波に乗れずに敗退するところもあり、そのテンポがとても速いですね。
売り上げの格差も拡がっていると思います。
私は、そんな競争に巻き込まれるのが嫌で耐えられないので、いつも人のやらない方向へと逃げて来ました。
今でもずっと、人のつくれないモノをつくる、人が見捨てるような部分に価値を創造するなど、何とかして競わないで行ける道を探し続けてやっています。
それでも、次々と似たような手を考える人はいるもので、油断していると知らないうちにまた競争に巻き込まれてしまい、次の手を考えなくてはならなくなります。
まあ、そうやって鍛え上げられ、練り上げられて残って行く製品や販売のアイディアが、一つでも二つでもあれば、それを看板に生き残ることは出来ると思っています。
あとは、皆さんとのお付き合いをどうやって楽しくするか、そこに懸かっています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



http://shokuko.com

相変わらず忙しい木曜日

おかげさまで木曜日は、早朝から夜まで仕事に追われています。
波はありますが平均すると、焼くパンの数は以前より少し増えています。
その分作業時間に隙間が無くなって来ています。
自慢にはなりませんが、効率が悪いので娘たちに手伝ってもらいながら、やっと間に合っている状況です。
それでも、来るお客さまが口々に「いい匂いがする。」と仰るのを聞くと、やっぱりこの仕事をしていて良かったと思います。
天然酵母の匂い、バターの香り、シナモンやカルダモンなどスパイスの香り、そして焼き上がりの少し焦げる匂い、パン屋はいろいろなそれもステキな匂いに満ちています。
女の子たちがパン屋になりたがるわけが分かる気がします。

さて、忙しい合間を縫って配達にも回って来ました。
例によって、市内の農民連直売所にもお邪魔しましたが、今、野菜が沢山出ています。
それも皆お買い得です。
主力生産品のお米は、その場で玄米から精米サービスしてくれますし、小豆や花豆なんかもあります。
地元の大豆で造った納豆もおすすめ品です。
味噌や醤油も、農民連の生産者が大豆など原材料を供給して製造したものを販売しています。
食工房のパン目当てと限らず、足を運んでいただければ、何かと収穫があることと思います。
☆農民連直売所の場所のご案内は、<こちら>をクリックしてご覧ください。


そして配達から戻って、明日の支度を済ませて食事をして、やっとこのブログを書くところまで辿り着きました。(只今、午後9時です。)
あとは、会計をして、お風呂に入れば今日も一日終わりです。
先日のアイリッシュコンサートの録音を聴きながら・・・。

パン値上げ!

食工房のパンの話ではありません。
ご安心ください。

昨年あたりから、小麦の世界相場が高騰して来ていて、90%を輸入に頼っている日本では、いよいよ最終製品であるパンが値上げになるというニュースが伝わっています。
食工房は国産小麦100%なので、とりあえず関係ないかと思いましたが、気になりますので調べて見ました。
そうしたら、小麦の価格には意外なからくりがあったのですね。
日本には戦後、食糧管理法という制度がずっと維持されていて、米の方は自由化されましたが、麦の方はまだ政府の統制下にあります。
小麦の場合も、輸入も国産も全量政府が買い上げ、固定された統制価格で業者に売り渡します。
この時、国産小麦は逆ザヤと言って、高く買い上げて安く売ることで、消費者と生産者双方の利益に適うように計らっているわけです。
高く買い上げる際、農家には名目上は助成金という形で補填しているのですが、この財源は、価格の安い輸入小麦を買い上げ価格の2倍近い、国産小麦並みの価格で売ることによって出る利益で賄っているのですね。
ところが、小麦の世界相場が上がって来て、固定されていたこれまでの売り渡し価格では、差額で助成金を賄えない状況になったため、自由変動制に切り換えて実質値上げすることにしたわけです。
これによって小麦の最終価格も上がり、パンの価格にまで反映することになったというのが、今回の「パン値上げ!」のニュースの真相のようです。

以前、米も逆ザヤで統制販売されていた頃、米穀業者の知人から、「米の逆ザヤより、麦の方はもっとすごいんだよ。」と聞いたことがあり、食管維持の大変さを垣間見ていました。
結局現状では、国内の小麦生産者は輸入小麦の恩恵に与ることで、どうにか生産を続けていられる状況なのですね。
この制度が、小麦の自給率向上に貢献して来たというならまだいいのですが、小麦の自給率は概ね下がる一方で、現在10%程度だそうですから、一体何のための制度なのか、農政が批判を浴びても仕方ありませんね。
でももし、今すぐこの制度が無くなったら、国産小麦は価格が一挙に2倍以上になって、食パン1斤700円くらいになって、逆に輸入小麦のパンは1斤100円以下でしょうね。
その代わり、直に日本の小麦は絶えてなくなってしまうかも知れません。

 お知らせ
明日(10月13日)は、ブログを休みます。

パンを食べながらパンを焼く

恒例どおり、忙しい木曜日です。
早朝から始めのうちは、ほとんど飲まず食わずで作業していました。
腹が減ると頭は冴えて来るのですが、この余裕のない溜めの効かない体は、2、3時間もするとフラフラしてくるのです。
そこで、「パンだより」にも書きましたが、黒パンをかじりながら作業しました。
薄く切った1枚を、少しずつ10分間くらいもかけて腹にいれて行くうちに、グングン気合が入ってきます。
2~3枚かじると1時間余はシャキッとしています。
こうやって、ちゃんとした食事が出来る昼過ぎまで持たせます。
考えてみると、自分のパンで元気を出しながら、パン焼きが出来るというのはありがたいことです。
おかげさまで、このところ酵母も一段と調子がいいようです。
食工房のパンをおいしいと言ってくださるお客さまも、少しずつ増えて来たような気がします。
でも、食工房のパンの一番のファンは、他ならぬ私自身だと思っているのです。
体が持たなくなるか、釜が壊れるか、どちらが先か知りませんが、いつかパン屋をやめることになった時、一番残念なのはこの自分のパンをかじれなくなることに違いないと、今日は作業しながら、ふとそんなことを考えていました。

 お知らせ
10月13日(土)は、「奥会津アイリッシュコンサート」に参加のため、食工房は1日臨時休業いたします。
ご了解ください。