習刊 コーヒー通信」カテゴリーアーカイブ

フレンチロースト

今日は、深炒りコーヒー2種類、フルシティーローストとフレンチローストの焙煎をやりました。
深炒りコーヒーはカフェインが少ないと、よく言われますので、ちょっとネットで調べてみましたが、今一つ確実なところが分かりません。
私も、この点については勉強不足です。
それで以前、大学院まで行って理化学を専攻していたという知人から聞いたことを思い出すのですが、彼は、「カフェインは熱で簡単に分解するようなものではないので、深炒りコーヒーのカフェインが少ないというのは、焙煎によってカフェインが何らかの化学的変化を起こして、抽出されにくい状態になっているのではないかと思う。」と言っていました。
いずれにしても深炒りコーヒーは、苦みが強くていかにも胃に悪く、カフェインも強そうに思えるのですが、飲んでみると意外に後口はサッパリしていて、胃にもやさしいという感じがして驚きます。
カフェインが少ないというのも、本当かなと思えます。



食工房の深炒りコーヒー用には、ペルー産オーガニックのコチャパンパという銘柄を使用しています。
フェアトレードで輸入される正統派です。
出荷用の麻袋には、そのコーヒーの出所に関するいろいろなデータが印刷されていて面白いです。



生豆は、ウォッシュド特有の灰色がかった緑色をしています。
この銘柄は、選別がしっかりしていて、悪豆(欠点豆)は数えるほどしか出ません。
現地の人がそれだけ手間をかけているのだと思いますし、在庫の管理も良好な証拠です。



食工房では、コーヒー豆はすべて二度焼きで焙煎しています。
これまでの経験から、その方が芯残りの心配がなく、炒りムラも少なく、ロースト香も強くなることが分かっているからです。
一度目でどのくらいまで炒るかというところが、実はとても重要です。
これも経験的に自分のルールをつかんでいます。

フルシティーローストとフレンチローストの違いは、焙煎時間でいうと1~2分の差ですが、最高到達温度と持続時間はかなり違います。



フルシティーロースト


フレンチロースト


フルシティーローストは、食工房では各種ブレンドに必ず一定量加えて、オリジナルテイストを演出しています。
もちろん、単品でも販売しています。

フレンチローストは、カフェ・オ・レあるいはカフェ・ラ・テ用に専ら単品で販売しています。
ご存知かとは思いますが、フレンチローストは、カフェ・オ・レやカフェ・ラ・テのようにミルクをアレンジして甘みをつけて飲むと、特長が生かされてとてもおいしいです。
食工房では、オリジナルのカフェ・ラ・テのレシピを持っていますので、一つ皆さまにもご紹介いたします。

☆フレンチロースト豆を極細挽きして、エスプレッソ器具で濃厚なコーヒーを抽出します。

☆ミルクにシナモンのフレーク(カシアと呼ばれる、スティック状ではない厚みのある、幹や根の皮)をバラバラと放り込み、砂糖もたっぷり入れて煮立てます。

☆コーヒー3にミルク7の割合で、大き目のカップに注いで、最後にスコッチウィスキーを小さじ1杯垂らします。
※ミルクを注ぐ時は、茶漉し網を使ってください。

☆女性の心をとろかすような、極上の香りが漂います。ぜひおためしを・・・。

国産コーヒー!!



正真正銘、日本国内で育っているコーヒーの花です。
  


沖縄に住んでいる知人から届いた年賀状に貼り付けられていたこの写真を見て、驚くやら嬉しいやら、すぐに電話をかけました。
そして了解をいただいて公開した次第。
星形の5枚の花びらが、とても可愛いですね。
その知人は大のコーヒー好きで、以前はコーヒー焙煎の仕事をしていたこともあるほどのコーヒー通です。
今は沖縄で、連れ合いと共に農業をしています。
コーヒーは、6~7年前に植えたそうですが、昨年はやっと育ってきたのか沢山花が咲き、1月の今は赤い実が鈴なりだそうです。
もちろん収穫して、焙煎まですべて自分でやって飲むという話。

沖縄なら育つのですね。
どんなコーヒーなんでしょう・・・?
今度お願いして、ぜひ一度味わってみたいものです。
そして国産コーヒーが、現実的に一銘柄として地位を得られる道が開けるといいのにと思いますね。
今度、赤い実の写真も送っていただくようお願いしましたので、いずれお目にかけられると思います。

さて本日は、新年初売りに向けて、すべての銘柄を一通り焙煎しました。
皆さま、ぜひぜひご来店ください。

  おしらせ
☆「パンだより・29・新年号」のpdfファイルを、食工房のホームページにUPしました。 <こちら> からご覧になれます。
☆雪の日、ポイント2倍プレゼントも実施中です。
予報では、明日からまた雪模様らしいです。

コーヒー好きはクセになる・・・?


結論から言えば、やはりクセになると申し上げなくてはならないでしょう。
それが、成分の一つのカフェインのせいだけかどうかは分かりませんが、カフェインについて言えば、これは劇毒物に該当するものですし、中毒や依存症のリスクはあります。
もっとも、コーヒーのカフェイン含有率はお茶に比べても低い程度のものですから、コーヒー好きがクセになると言っても、アルコール中毒のような悲惨な結末を迎えることは、多分あり得ません!
まあ、何事によらず言えることですが、クセになると言っても中身が問題です。
きついストレスを紛らわすために、濃いコーヒーを一日に何十杯も飲むなどというのは、決して感心できる話しではありませんね。
コーヒーは嗜好品なのですから、嗜むこと全てが楽しみの内に終始しなければ、意味が無くなってしまいます。
どうぞ皆さんも、コーヒー好きをご自分の良い嗜みだと、自慢出来るようなコーヒー好きになっていただきたいと思います。

  再び、ネパールコーヒー
コーヒーの本場の中南米、コーヒーの出所と言われる東アフリカ及びアラビア半島、これら名の通ったコーヒーどころのコーヒーとは、ちょっと違った個性を持っているのがネパールコーヒーです。
栽培の歴史は比較的新しく、途中で廃れかけたこともあり、知名度はほとんどありません。
しかし、素晴らしい紅茶を産する地の気候風土が育むコーヒーは、なかなか個性的で一度飲んだら忘れられない風味です。
一言で言えば、軽やかで繊細です。
鋭い、しかし後味に残らない苦み、フルーティーでいつまでも口に含んでいたい心地良い酸味、どこかお茶の雰囲気を感じるのは、多分私ばかりではないと思います。
食工房では現在、アンナプルナ(豊穣の女神の意)という銘柄を取り扱い中です。
ぜひお試しください!
※認証はありませんが、無農薬有機栽培されているものです。

高野茶屋より、雑貨品販売のご案内



食工房の店内には、カフェコーナーと雑貨品の販売コーナーがあります。
※以前にも、このことに触れた記事があリますので、興味のある方は<こちら><こちら>を参照してください。

今回は、雑貨品のコーナーに新しい作品が届きましたので、ご紹介いたします。
いつも思うことですが、これらを作っている方がプロかアマチュアかと言われると、返事に困ってしまいます。
そんなことはどうでもいいことだと、これらのモノに触れると、そう思えるからです。
木の枝スプーンを作ってくださる山脇隆さんは、私が知る限りでも、もう20年以上も木の枝に関わり続けています。
それで一つ一つの作品は、先ず実際に木の枝を見た時にイメージ出来るのだそうです。
何かとてもライヴな感じのするクラフトであり、アートであると思います。
出来上がったものを見て、逆にそれがどんな木のどんな枝をどういう風に使ったのかを想像するのは、なかなか楽しいものです。
でも本人から種明かしをしてもらうと、きっと「エーッ!」と驚くような使い方をしていることが少なくないだろうなと、ちょっと訊いたお話しからでも想像されるのです。
今回は、柄の短い可愛らしい感じのものが多いです。
中に、コーヒー豆を10g計れるスプーンがありますが、
食工房のコーヒー豆を買ったのを機にコーヒーミルを入手されたそうで、それならと、このメジャースプーンのアイディアが湧いたそうです。










    カレンダー2作

一つは、版画家古知屋恵子さんの作品。
絵には、一年を通して一つのテーマがあります。
そして一枚一枚に物語を感じる、楽しくて愉快でホッとする素敵なカレンダーです。
1冊 1,000円




もう一つは、刺し子作家で書道家でもある萩原久子さんと、お連れ合いの萩原卓さん合作による、絵手紙カレンダーです。
私も、これまでに自分宛の絵手紙を何通もいただいていますが、ご夫妻の書や絵のセンスの後ろにある、生活スタイルがとても好きです。
今回、珍しい経本折りの体裁になっているのも、このカレンダーにはとても似合っていると思います。
1冊800円




これらの作品は、ご来店いただければいつでも直接手にとってご覧いただけますし、購入も出来ます。
また、通販のご要望にもお応えしています。

改めてカフェを論じれば・・・。


もう30年も前のことになってしまいましたが、私が20代半ばの頃、友人たちと共同で店を一軒持ったことがありました。
今風に言えばカフェというスタイルになりますが、場所は千葉市の稲毛の京成稲毛駅のすぐ近くで、「蓬?屋」という名の店でした。
開店の時は、内装工事をすべて自分たちでやり、テーブルやいす、クッションなども手作りしました。
コーヒーと食事(当時は珍しい、玄米定食もありました。)、夜にはアルコール類も加え、アメリカウェストコースト系のロックやブルースなどを一日中流し、アクセサリーや生活雑貨なども置いて、昼間は子連れの女性や高校生などが、夜は家族連れや大学生から年輩の方まで、芸術家、医学生、商売人、勤め人、果てはヤクザさん(?)まで・・・、実にいろいろな人がやって来ました。
今思うと、とてもユニークで面白い店でしたが、何しろ店をやっている私たちが未熟で、しかもアクの強い人間ばかりでしたから、入りたくても入れない人が少なからずいたに違いありません。



私と連れ合いは一年足らずで店から離れ、その後数年で閉店となりました。
そして、いろいろな仕事を転々として来た私ですが、連れ合いといつも、いつかチャンスがあったらまた店をやりたいねと話し合っていました。
コーヒーの自家焙煎をやるようになって、益々その気持は高まりましたが、なかなかチャンスはありませんでした。
こちらに来て、やっと念願がかなった形になり、改めて思っていることがあります。
それは、カフェには情報の交差点としての、また発信源としての役割があるのだなということです。

通信手段のないその昔、情報は人から人へ直接伝えられました。
情報は、人が集まる場所で交換され伝達され、広まって行きました。
街や広場、市場、そして居酒屋もカフェも、一番大きな役割は情報の交差点ということにあったろうと思います。
その後通信手段が確立し、多様化し、今では携帯電話の普及によって、情報は時と場所を選ばず瞬時に、届けたい相手に直接届きます。
そんな時代には、カフェの持っていた情報交差点としての機能も価値が無くなったかに思えるのですが、私は実はそうではないという気がしています。
私たちの日常は、もうほとんど電話やメールで用が足りるわけですが、逆にだからこそ、直接会って話しをすることの意義が大きくなったのではないでしょうか。
何か事を起こそうという時など、やはり直接顔を見て話し合う必要を感じますからね。
私は、今でもカフェはコミュニケーションの場として、情報の交換そして発信の場として、重要な役割を果せると思っています。


  お知らせ

「食工房カフェクラブの集い」12月例会

12月24日(月) 午後2時より、終了随時 参加費 1000円

ささやかに、クリスマスお茶会をやります。
コーヒー飲み放題、お茶菓子いろいろ。
お時間のある方、ぜひご参加ください。

カップを選ぶ楽しみ

コーヒーの楽しみを語る時、カップにこだわる楽しみを見逃すわけには行きません。
時と場合によれば、それは紙コップであろうと缶詰の空き缶であろうと、ことさらに記憶に残る一杯のコーヒーがあることは確かです。
でも、私たちのこの日常でなら、コーヒーカップに多少のこだわりを楽しむことも、許されるのではないかと思います。
何も一客何万円もする名品である必要は、さらさらありません。
要は、人それぞれのセンスと好みの問題ですね。

一方、喫茶店のようにコーヒーを飲ませるのが商売となると、器にも特別気を使わないわけには行きません。
お店の個性を感じ取ってもらうための、大切な顔役でもありますから、カップ選びの基準もオーナーの好みだけというわけに行かないこともありますね。
私が知っているあるお店では、棚に一点一点違うこだわりのカップが飾られていて、客はその中から一つ選んでカウンターに持って行き、好みの銘柄をオーダーするという仕掛けになっていました。
いずれにしても、目で見て楽しむものでありながら、カップによってコーヒーの味が変わるような気がすることがあるものです。
そして、そこがまた一つの楽しみでもあるわけです。



食工房、カフェコーナーの定番カップです。
小さめなので、いつもお代わりを差し上げています。
白磁は私の好みでもあり、プライベートでも自分用の白磁のカップを使っています。



食工房のもう一つの定番カップ。
山暮らしをしている時に知り合った陶芸家の女性からいただいたものです。
取っ手がループではなく、耳のように板状になっているところが可愛いと評判です。



こちらは、我が家の来客用です。
青系の色は、案外コーヒーに合いますね。
スッキリとした切立のフォルムがカッコイイと思いませんか。




これは、リサイクルのお店で見つけた一点限りの品。
連れ合いのお気に入りの一つ。



最後は、会津の地元の「草春窯」の作。
オーナーさんから、おみやげにいただいたものです。
取っ手が小さくて出来損ないだと仰いましたが、私には上等、全く不満はありません。
何にしても美しい!形も色も、そして機能性も・・・。
こういうのを、食工房の定番カップに出来たらいいですね。
頑張らなくては・・・!

そして、素敵なカップがあって次に必要なのは、おいしいコーヒー豆ということになりますね。
というところで落ちが着きました。
食工房のコーヒー豆をどうぞよろしく。

コーヒー嫌い


コーヒー商売をしていると、「私、コーヒーダメなんです。」とおっしゃる方に時々出会います。
何かの理由でコーヒーを飲まない、体質的にあるいは嗜好的にコーヒーを受け付けないなど、コーヒーをおすすめするわけに行かない方がいらっしゃるわけです。
ところでそんな中に、「コーヒーの香りだけは好きなんだけど・・・。」という方もいらっしゃるのです。
私の親しい知り合いの一人は、以前は「コーヒーは、苦くて不味くて、砂糖とクリープをどっさり入れないと口に出来ない。」と言う人でした。
でも香りだけは好きで、私がコーヒーを入れていると、「匂いだけ嗅がせて。」と近づいて来たものです。
そんなら一口とすすめてみますが、首を横にふるばかり。
それがある時、良い香りが漂い、まわりの人があんまりおいしそうに飲んでいるものですから、ちょっとだけごちそうになってみようかなと、初めて手を出してくれました。
コップの底から、わずか5mmか1cmくらい注いで試してもらいました。
もちろん、砂糖も何も入れないブラックコーヒーです。
以来この人は、少しずつ私のコーヒーを飲むようになり、コップに1/4が半分に、やがて1杯になり、ついには「もう1杯もらえる・・・?」とお代わりを所望するほどのコーヒー好きになりました。
でもずーっと、私のコーヒー以外は飲めないと、嬉しいことを言ってくれますので、時々おみやげにコーヒー豆を渡すと、「いいの?」と言いつつ嬉しそうに受け取ってくれたものです。
それで私は思うわけです。
こんな風に、本来はコーヒー好きの素質があるのに、何かのきっかけで不味いコーヒーを飲んでしまって、それ以来コーヒー嫌いになっている方が、きっといるのじゃないかと。
だとしたら、コーヒー商売している者は、油断しないでいつもおいしいコーヒーを飲んでいただけるよう努力していなくてはならないということですね。
もし不味いコーヒーを飲ませてしまったら、コーヒー業界全体の損失だというくらいに考えてやって行かなくてはいけないのじゃないか、そんなことを思いながら、今日も焙煎作業をしていました。

  雪です!
今日は、午後になって雨が雪に変わり、この冬初めての本格的な降雪となりました。
その少し前の時間に、免許取り立ての娘に、タイヤ交換の練習を兼ねて、冬用タイヤへの付け替えをやってもらいました。
何しろ細身で、手先は軍手がブカブカの可愛い手なので、タイヤレンチやナットを回すのにもえらく苦労していましたが、雨の中で頑張って、私が手本に交換した1本を除く残り3本を交換してもらいました。
その直後から雪になり、絶妙なタイミングでした。



夕方、前の道路を大型の除雪ローダーが、待機場所に向かって走って行きました。
いよいよ会津も雪のシーズンです。
いっぱい雪が降ったら、でっかい雪ダルマを作ろうかなと思っています。

香りが命


今日は、パンの作業台で、コーヒーのブレンド作業です。


ただコーヒーの味がするものを飲みたいというだけなら、インスタントコーヒーだっていいのです。
最近は、インスタントコーヒーもよく出来ていて、決して悪くない・・・、という人もいます。
レギュラーコーヒーを楽しむということは、一見面倒くさい手順の数々の一つ一つに、楽しみを見つけられるということです。
そして、それらの中にある一番大きな要素、それは「香り」です。
インスタントコーヒーでは絶対に味わうことの出来ない香りを、繰り返し何度も楽しむことが出来る、それがコーヒーの楽しみの核心ではないかと思います。
お湯を沸かし準備を始めて、先ずコーヒー豆を出して来た時の香り、そこには、今日はどの豆を使おうかなと選ぶ楽しみがあります。
ミルにかけて挽く時、広がる香りは、自分だけでなくまわり中の人の気分を良くしてくれます。
そして抽出が始まると、いよいよ気分は盛り上がります。
カップに注いでテーブルに出されるまで次々と、その場にいる人をこれほど高揚させてくれる嗜好品は、他にないと思います。
さて、カップのコーヒーを口にする時、そのコーヒーの命とも言える香り(アロマ)が、口の中に広がります。
コーヒーの楽しみの中で、最高の瞬間がここにあります。
そして後味にも、それぞれの豆の個性を感じ取ることが出来ます。
何より、うまいコーヒーは、人の気持を和ませてくれます。
それが一番大きな効用でしょうね。
ところで、コーヒーの香りはとてもデリケートで、損なわれやすいものです。
炒り立てから1~2日間は刻々と変化し、3~4日目で安定します。
飲み頃は、保存温度により左右されますが、室温だと1週間から1ヶ月くらいまで巾があります。
当然気温が低い方が長持ちします。
ですから、保存は冷凍に限ります。
豆のまま冷凍しておいて、使う時は出してすぐに挽きます。
水分はなく凍結しているわけではないので、全く差し支えありません。
残りは、すぐにまた冷凍庫に戻します。
これだと、2、3ヶ月は大丈夫です。
コーヒーは、とにかく焙煎時の鮮度を保つことが肝心です。
しかし、ただ袋に密封しておけば良いというわけには行きません。
焙煎豆は、多量の炭酸ガスを内包していて、それが時間とともに放出されて、そのままでは袋が膨張してついには破裂してしまいます。
ガス抜きバルブ付きの袋に入れたり、吸収剤を入れたり、包装前に強制的にガス抜きしたり、いろいろなことをして、賞味期限は2年先なんてことになっているわけですが、本来はそういうものではないということを申し上げたいのです。
この炭酸ガスが、抽出時に泡となって立ち上がり、コーヒーの渋みや味を悪くする成分を下に落とさない仕かけなのです。<参照>
うまいコーヒーは、街の焙煎屋で少しずつ買うものと覚えていただければ、たいへんありがたいと存じます。

ゆっくりお茶を飲む暇がない?


「炭火でエスプレッソ」


喫茶店の数が減っているそうです。
一説によると、皆忙しくなってゆっくりお茶飲みしている時間がなくなって来たからとか・・・。
確かにそういう一面があるかも知れません。
一方では、先週のブログにも書きましたが、ファーストコーヒーの雄「スターバックス」などは大流行で、次々と新しい店舗が出来ています。
コーヒーの輸入量は増えているそうですから、決してコーヒーを飲まなくなったわけではないのですね。
最近は何でも手に入る時代ですから、家庭でも、どんなコーヒーでも楽しむことが出来ます。
抽出器具もいろいろ選べますし、豆の種類は何百種類、豆を挽くミルも、手回し、電動各種、自家焙煎をやりたい方には、生豆も焙煎道具も販売されています。
お手軽派には、コーヒーメーカー(コーヒーマシン)がこれまたいろいろ。
コーヒーに関して、こだわる楽しみに事欠くなどあり得ません。
こんな風に、材料は揃っているのですが、家でコーヒーを入れる人は逆に減っていると言います。
手間のかからない楽しみが、他にいくらでもあるからでしょうか・・・?
こんな時だからこそ、皆さんにコーヒーを趣味の一つにしていただけるよう、業界はうんと努力しなくてはならないと思います。
コーヒーの抽出や自家焙煎にまで、どんどん興味を持って手を出していただけるよう、ご案内すべきだと考えています。
そんなことをしたら、ますます喫茶店に来る人が減ってしまうでしょうか?
焙煎の仕事も減ってしまうでしょうか?
多分そうはならないでしょうね。
この時代、ものごとは何でも多様化していて、嗜好品へのお客さまの要求も高くなっています。
お客さまの方々が、プロ並みにおいしいコーヒーを入れることや自家焙煎に興味を持ち、コーヒーへの関心が高まることは、逆にプロの仕事を見直していただける良いチャンスだと思います。
そのために意欲を持って、技術やセンスを磨き、アイディアをひねって努力したいですね。
そして、自分の仕事にプライドを持てるようでありたいと思っています。

  おしらせ

「カフェクラブの集い」 久々に開催!

11月25日(日) 午後2時より、終了随時

参加費 1,000円 定員6名

今回のテーマは、「抽出の仕方でこんなに違うコーヒーの味」です。
プロとして通用する、ペーパードリップの使いこなしを学びます。
参加者の皆さん一人一人にコーヒーを入れていただき、全員で批評し合います。
レクチャー担当は、私、青木が務めます。

業界誌が語る、コーヒー業界の現実


先日、生豆の取引き先から、業界向けに刊行されている冊子を回していただきました。
「珈琲と文化」というタイトルのその業界誌は、珈琲に関する興味深い記事が満載されていて、なかなか読み応えのあるものでした。
その中の一つに、コーヒー焙煎業者の売り上げが、近年減る一方で深刻な経営危機の状況にあるという記事に目を引かれました。
ところが、焙煎豆の販売が振るわなくなっているにも関わらず、コーヒー豆の輸入量は逆に増えているのだそうです。
その理由の一つに、自家焙煎する喫茶店が増えていること、もう一つに一般のコーヒー愛好者の方々の中にも、自家焙煎に挑戦する方が急速に増えていることがあるようです。
なるほど、私も素人からいきなり飛び込んだ口ですからね。
またこうした現象の背景には、喫茶店業界の激変、つまりコーヒーの飲まれ方の変化があるそうです。
例えば今、市中で飲まれるコーヒーの主流は、スターバックスに代表されるファーストコーヒーだそうで、既存の喫茶店は大変厳しい淘汰の波に洗われています。
自家焙煎を、生き残りの作戦の一つとして取り入れる店も出てくるわけですね。
それからもう一つ、最近若い年代を中心に消費者のレギュラーコーヒー離れが進んでいるそうで、つまり皆さん家庭ではコーヒーを入れなくなっているということなんですね。
これは焙煎業者にとって、とても恐ろしい現実です。
スーパーマーケットに行くと、いつも気にして見るのですが、コーヒーの商品棚の大半を占めているのは、インスタントコーヒーですね。
もうすっかり否定的状況が出揃った感がありますが、それでも私は、密かに思っています。
コーヒーは嗜好品です。
だから、何でもありなんです。
それぞれ独自の生き残りが可能だと。
そして、コーヒーだけを売っているのじゃないってことを忘れたくないですね。
付随して、目に見えない色々なものがくっ付いているんです。
センスとアイディアを大切に、どういうスタンスになっても、とにかくコーヒーと関わることを止めないでやって行こうと思っています。

  村上の紅茶



先週の紅茶の記事にコメントをくださったsumiさんが、つい先日、話題のお茶の北限の地村上の紅茶をおみやげにご来店くださいました。
しかも、同じ茶葉から加工した煎茶も一緒です。
とりあえず先に、興味をそそられた紅茶の方をいただきました。
色合いは、渋くて淡いオレンジ色って感じですが、風味に驚きましたね。
繊細でやわらかくて、甘みを感じる、やっぱり日本の紅茶ですね。
すごく良かったです。
お茶菓子も和風が合いそうな気がします。
今度、煎茶も同時に入れて、飲み比べしてみます。