弥生三月も最後の今日は、久しぶりにまた暖かい春の一日になりました。
定休日の今日、たっぷり朝寝と決め込んでいましたが、寝ていられませんでした。
そして、この一週間ずっとハイテンションで過ごしましたので、マッタリと何もせずに過ごそうと思っていたものの、やっぱり体を動かしたくなって、先ずは雪囲いを片付けました。
作る時はけっこう時間がかかったのに、壊す時はあっという間ですね。
一部を残して、ほぼ片付いてしまいました。
それから道路に面した側に溜まった落ち葉などのゴミを掃除して、店の前をきれいにしました。
気になりながら、いつも忙しくてなかなか手が出せないところに、こうして手が回ると何だかとても気分が良くなります。
そうすると今度は畑のことが気になって、夕方まだ時間が残ったので、ホームセンターへ一走りして肥料と種じゃがいもなどを買って来ました。
もう頭の中は、じゃがいもゴロゴロ、とうもろこしがザランザラン。
そう言えば、去年のじゃがいもと白菜と大根、まだ食べ切れません。
この暖かさで傷み始め、もう保存も限界ですが、他人に差し上げるにはちよっとはばかられる状態です。
でも、最終的には畑の肥料になりますから、もったいないという感覚はあまりないのです。
自分で作っていると、差し上げるにしても処分するにしても、惜しいという感覚にならないのが不思議でもあり、また当然でもあるという気がします。
本当に仕事をしているのは、自然の営みであることが体感出来るからでしょうね。
畑にいるのは楽しいです。と言うより喜びです。
今日は、ソワソワ、ウキウキ、楽しく落ち着かない一日を過ごしました。
月別アーカイブ: 2009年3月
月を眺める余裕
ここしばらく、そうです、いつの頃からか、月を眺めていませんでした。
忙しかったり、空が曇っていたり。
時々思い出すことはあったのですが、はて今?月はどの辺り、大きさは、と思っても見当が付きません。
以前山で暮らしていた頃は、いつも月のことを気にしていてよく眺めていましたし、お天気が悪くて見えなくても、今どの辺りにあってどのくらいの大きさか、ちゃんと分かっていました。
昨日の片付けの続きとバタービスケットの製造とその他いろいろ忙しく過ごして、今日は夕方になってふと月のことを思い出したのです。
でも、月齢も位置もさっぱり見当が付きません。
大切な「月」の存在からそんなにも遠ざかっていたのかと、ちょっとショックでした。
ちょうどPCの前に座っていたので、天文のサイトにアクセスしてカレンダーをチェックしたら、月齢3.5であることが分かりました。
そうか・・・今、西の空に三日月が見えるかも知れないと、急いで表に飛び出しました。
春とは言え外の空気は寒々としていて、空は雲が多いように見えましたが、西の空のかなり高い位置にくっきりと三日月がありました。
当たり前のことなんですけど、この確かさに感激しました。
私にとって月は知恵を授けてくれる祖母のような大切な存在なので、月を眺めることから遠ざかるのは人生の指針を見失うことにつながる気がして、とても不安で辛いことなのです。
これからはまた、月を眺めることを忘れないようにしようと、心に誓う私でした。
あぐりカフェ・完売御礼
本日は予定通り、会津若松市内にて「あぐりカフェ」イベントに出店いたしました。
早朝は雪が降っており天候が危ぶまれましたが、日中は日も差して来るお天気に恵まれ、先ずは上々の人出でした。
食工房にも大勢の方がご来店くださいました。
おかげさまで、午前中には大方の品物が売れてしまい、お昼を少し過ぎた時点でパンと焼き菓子は完売となりました。
この場を借りまして、ご来店くださいました皆々さまに厚く御礼申し上げます。
さて今回は、私にとっては初めての経験で、外からスタッフを登用しました。
ささやかな謝礼しか出せませんでしたが、皆さんとても一生懸命努めてくださって、スタッフがいることでこれほど助けられるとは、正直今まで知りませんでした。
これからの食工房の展開を考える時、どうしても避けて通れない課題として、スタッフを雇用することが求められる時期に差しかかっていることを、今回の経験で改めて勉強させてもらったと思っています。
果たして、正当にお給料を支払ってスタッフを登用出来る事業に成長出来るかどうか、自分の力量も含めていろいろなことが問われていると自覚する私です。
また今回は、初めてご来店くださった方でも、すでに食工房をご存知の方が何人かいらして、食工房の知名度が決して小さくないことを知らされました。
こうなると、しっかりと責任感を自覚してなおのこと良い仕事を心がけなくてはと、緊張感が高まる私でした。
そんなこんなで大変中身の濃い一日を過ごして、家に戻った途端しばらく放心状態になりましたが、すぐにまた気を取り直して洗い物と後片付けに精を出すことが出来たのは、きっとスタッフの方々といいエネルギーの交換が出来ていたからだろうと納得しました。
ところで、このイベントをご来場くださったお客様方はどんな印象でご覧になったのか、後日、「あぐりカフェ」を取り上げたブログ記事などを検索してみようかと思っています。
また関係者を集めて反省会などがあれば、ぜひ参加して今後の参考にもしたいと、意欲満々の私です。
さてさて、またしても写真を撮ることが出来ませんでした。
せめて、スタッフの方々と記念写真の一枚くらい撮っておきたかったなぁと、ちょっと悔やまれます。
この次はきっと・・・。
マイブログ、2年間の足跡
2年前の明日、2007年3月27日は、このブログを始めた日です。
昨年は何が忙しかったのか、28日になってから1年過ぎたんだと気がつくお粗末でしたが、今年はたった今思い出して膝を打ったところです。
たったの2年ですが、ほぼ毎日書いていますので、書くことに対する距離が縮まって、言葉に対する感性も変わって来たかも知れません。
このブログを書き始めるまでは、紙に印刷した通信を発行していましたが、それ以外にも自分のノートや紙切れにいろいろと書き綴った言葉が沢山ありました。
そして今思うことは、ブログに書けることというのは案外制約があるということです。
社会的な制約ももちろんありますが、自分で書いてはいけないとブレーキをかけている部分も少なくありません。
以前、ノートや紙切れに書き留めておいたそうした覚え書きのような文章は、そのままではとても他人に読ませるようなものではありませんが、それらを読み返し読み返ししているうちに、しだいに洗練された言葉で語りなおせるようになって行くものなのです。
時間をかけて想いと言葉を熟成させて行く、そういうことはブログでは出来ないみたいです。
一ヶ月に一本くらいの記事ならどうだか知りませんけど・・・。
毎日書くことで、沢山の読者とリアルタイムでつながっている感覚を持てることはもちろん素晴らしい財産ですが、一方で私生活を必要以上に露出して劇場化することは、私は避けたいと思っていますので、時々ネタに詰ってしまうこともあります。
もっともっと自分を磨いて、私自身が「黒光り」するようになったら、何を語っても良いと思える心境になるでしょうか。
カウンターの数より、この画面の向こうで読んでくれた人の心は動いただろうか?この世界はほんの微かでも揺れただろうか?いつもそれが気にかかる私です。
今の私の心境かも・・・
明日から
イベントの仕度のために、明日から臨戦体制です。
ブログの更新、出来るかどうか分かりません。
29日は、大勢の皆さまのご来場をお待ちいたしております。
あったか~市・3/28・カフェ Gratitude にて
今週もイベントのご案内です。
食工房の自家焙煎コーヒー豆を使ってくださっている、仙台のカフェ・Gratitude/グラティチュード 。
長い冬休みが終わり営業再開の前ぶれとして、多数の出店による手作り市「あったか~市」が開催されます。
日時 2009年3月28日(土)10:00~15:00 雨天の場合は翌日29日(日)となります。
場所 カフェ Gratitude 店舗前にて・仙台市 青葉区 梅田町 1-56
なお、当日は駐車場がありませんのでご留意ください。
お問い合わせご連絡先 090-2957-7263
地図をご覧になりたい方は <こちら>
当日は、手作り手工芸雑貨をはじめ、食べ物、飲み物など多数出品されます。
食工房のパンと焼き菓子も、販売をお願いしています。
コーヒーは、食工房の自家焙煎コーヒー豆を使っています。
お近くの方、当日この方面にお出かけの方、どうぞお立ち寄りください。
・・・というわけで、今日の食工房は定休日どころではありません。
自分たちも今度の日曜日に「あぐりカフェ」に出店しますので、早朝からつい先ほどまでかかって、二つのイベントの分のコーヒー豆を焙煎しました。
明日のパン焼きと、明後日のマフィンとスコーンの仕度も併行して、もうあと少しで終了というところです。
今日はお天気が崩れて、また寒々としています。
昨日写真に撮った裏庭の福寿草は、今日は萎んでいました。
やっぱり、花はお日さまの子なのですね。
どうやら今週は、週末までお天気が悪いとの予報・・・。
何とか晴れて欲しいと願う私です。
てるてる坊主でも作りましょうか・・・。
カトリン・パウルさんの個展へ
今日は、先日このブログでもご案内申し上げたカトリン・パウルさんの個展を見に、連れ合いと共に西会津町へ出かけて来ました。 <参照>
今日は、例のカトリンさんの東京のお友達もいらっしゃるとかで、滞在中一緒に食べるためのパンをご注文いただいていたのでそれを携えて、先ずは二つある会場の一つ西会津町の道の駅「よりっせ」に向かいました。
「よりっせ」とは、会津の方言で「寄ってらっしゃい」の意。
山間の町にお似合いの木造の外観で統一された建物の中に入ると、地域の物産が所狭しと並べられていました。
その奥に個展の会場が・・・。
打ち合わせどおり、カトリンさんが待っていてくれました。
こちらの会場では、町のお年寄りのポートレートが展示されていました。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、西会津町は「健康で百歳まで長生き」を宣言して、先ずは食べ物からと有機野菜のプロジェクトを展開していたりするユニークな町です。
ポートレートは、いずれもお婆ちゃんばかりでしたけど、最年少の方でも98歳、他は皆百歳以上の方ばかりという顔ぶれです。
どなたのお顔も、子どものように可愛く写っていたのは不思議でもあり、当然でもあるような気がしました。
聴いてみたら、皆さんお元気な方ばかりだそうです。
カトリンさんがこのポートレートで最も留意したことは、百年間を見つめて来た「目」だそうです。
カメラを見つめるその眼差しの中に、きっと何かが見えるはずと、最大限アップにしたそうです。
しばらくそこで過ごした後、今度は二つ目の会場の西会津町国際芸術村へ回りました。 <こちら>
この会場に展示されている作品は、カトリンさんのアートのもう一つの世界、見えないものを形にして見せることや、光と影と言ったとても内面的なものがテーマになっています。
正直私には、ここの作品群はとても楽しかったです。
難解だと言う人もいるかも知れませんけど、理解しようとするより先ずは無邪気に感じて楽しむというスタンスで接すると、すんなり彼女の世界に入って行けるような気がします。
廊下の天井に吊り下げられた100枚余りのボールペン画(その日の気持ち)の下をいろいろな角度で見上げながら歩いたり這ったり走ったりするのが楽しくて、すっかり興奮してしまいました。
連れ合いも、久しぶりに自分の中のアートを刺激され触発されて、静かに興奮していたみたい・・・。
カトリンさんと一緒に写真に撮られる
というので興奮気味の我が連れ合い。
カトリンさんのブログNishiaizu Venture は <こちら>
今月いっぱいで会津を去るというカトリンさん、名残惜しいので今は先のことは考えたくないと仰っていました。
私たちも良いご縁をいただいたと、名残惜しい気持ちでいっぱいです。
でも、新たな環境での彼女の活躍を念願し、会津の地より声援を送りたいと思っています。
春、めっけ!
毎年、何度カメラを向けても新鮮な発見と驚きがあります。
つくづく可愛らしい花だと思います。 福寿草
こちらは、ウバユリの新芽。大きく育つと、迫力が勝って決して可愛いとは言えませんが、
新芽のこの時期はどんな植物だろうかと楽しみに思わせる可愛さです。
今年は雪が少なくて、雪解けも早くて、福寿草は二週間以上も早く咲き始めました。
あまり早く咲いたものは、その後に霜に当たってクシャクシャに萎れてしまったりして、ちよっと可愛そうです。
今朝は早くから日が差して暖かく、咲いたばかりの福寿草が金色に輝いていました。
そうしたらすぐ近くの地面に、ウバユリの新芽を見つけました。
けっこう早くから芽吹くことは知っていましたが、それにしても早いです。
また霜にやられなければいいがと、心配になります。
本当に、早すぎる春はその後の天候不順を予告していることもありますから、自然界の様子をことさら注意深く観察して、畑の作業の目安を付けなくてはと思っています。
パタポンのラベルが新しくなりました。
小麦粉に、炒り玄米粉と黒焼きライ麦粉を混ぜて、うすくうすく延して丸く型抜きして、香ばしく焼き上げたパタポン。
名前の由来は、型抜きした丸い生地をパタッとひっくり返して、ポンと天板の上に並べるところから思いついただけですが、その時ちょうど絵本で有名な「マリーちゃんとひつじのパタポン」のお話が頭にあったものですから、何の脈絡もなく絵本の絵を真似して描いたものをラベルに使っていたのです。
でも、「いくら何でもパクリだよね・・・」「絵描きとしては、やっぱりイヤだなァ・・・」と、連れ合いはずっと悩んでいたのです。
そしてやっとアイディアが湧いて、可愛いラベルの絵を描きました。
食工房は何と言っても、我が連れ合いの描くイラストのおかげで、皆さんに覚えていただいている部分が少なからずありますから、今度のラベルもとてもよく出来たなァとうれしい私です。
中身はもちろん、ラベル共々「パタポン」をよろしくお願いいたします。
なお、パタポンについては<こちら>もご覧ください。
それにしても・・・。
クッキーの製造が、全く追いつきません。
今、一週間の内に、二品目か三品目造るのがやっとです。
そして、出来た側から売切れてしまうので、棚はいつもガラガラです。
正直、効率の悪い仕事なので、クッキー造りを優先するわけには行かないのです。
申し訳ありませんが、当分、出来た分だけでご勘弁いただきたいと思っています。
食糧価格が値下げ傾向だとか・・・
沼ノ平産小麦全粒粉配合で、
このところ人気上昇中の「飯豊山食パン」
この4月から、輸入小麦の払い下げ価格が14%余りも値下げになると、少し前の新聞記事で知りました。
それを受けて製パン大手のヤマザキパンは、製品価格の値下げを検討せざるを得ないだろうとコメントしています。
つい一年前、穀物市場の高騰で小麦価格がガンガン上がって、パンの値段も上がったのがまだ記憶に新しいというのに、一体何があったのでしょう?
昨年の高騰の原因が、多分に投機的要因によるものであることは明らかですが、今度の値下がりは逆に投機筋が手を引いたということなのでしょうか。
人の命に関わる食糧や燃料は、投機の対象にしてはならないという申し合わせがどうして出来ないのか、この不条理を私は到底容認出来ません。
それはさておき、今、食料品の価格はどんどん下がっています。
景気が悪くなって、あらゆる市場でモノが売れない傾向が定着してしまった感があり、消費者は毎日の食料品でさえ買い控えているからです。
と言うより、今まで無駄にしていた部分を見直しているだけなのではないでしょうか。
むしろ正常な消費行動になって来たということなのかも知れません。
商売する側からすれば、次々買ってもらわないことにはお金が回りませんから、これからはとても難しい時代に入って行くのだろうと私は思っています。
実際のところ、製造者も販売者も体力勝負の持久戦に入ったと言われています。
ところでこんな状況下でも、食工房の原材料仕入れ価格を見る限り、この一年間値下がりしたものは一つもありません。
そして今回の輸入小麦の価格引下げも、国産小麦の価格には全く影響がないと思えます。
そうなると、世の中に広く売られているパンに比べて、食工房のパンの高価格が際立つことになるかも知れません。
しかしこれは私の予感ですが、これからはモノの値段は、「質」によって何段階にも格差が生じ、例えば一斤100円の食パンと1000円の食パンが、さほど不思議なことでもなく当たり前に売られるようになるのではないかと思っています。
質の高いものは価格も高いのは当然ですが、それでは買える人も限られることになり、それは私にとっては胸が痛むことです。
どのあたりでバランスを取るのか・・・、持続再生産可能なラインと言うなら、まだまだもっと高くしなければ引き合わないというのが現実です。
本当は、これだけ収入の格差を是認するのなら、モノの値段は裕福な人には高く貧乏な人には安くあるべきだと、これは私の個人的な見解ですが、それにしても今の世の中は不条理に満ちていると、憤慨に堪えない私です。
第2回 アグリカフェ のご案内
それぞれの画像をクリックすると拡大表示します。
イベントの告知が多くなっております。
春がやって来た証拠かと、やはり気持ちが高揚して来ます。
さて、昨年11月に始めて開催され、大好評をいただきました「アグリカフェ」の第2回目が開催されます。
今回も多数の出店と盛り沢山な企画が予定されています。
今回は会場を野口英世青春広場に移しての開催となります。
食工房も、また出店いたします。
詳しいことは、画面上のチラシをクリックしていただくと、拡大表示にてご覧いただけます。
それで早速で恐縮ですが、食工房よりご案内とおわびです。
まず一点、予定していましたオリジナルスパイスのカリー&ライスは、保健所の許可の関係で今回は出すことが出来ません。
残念ですが、また別な機会を待ちたいと思っています。
準備の手が空いた分、パンや焼き菓子に集中していろいろ揃えますので、どうぞよろしくお願いいたします。
コーヒーはもちろん出しますし、「会津のべこの乳」を使ったコーヒーメニューも考えています。
またスパイシーマサラチャイも出す予定です。
どうぞお楽しみにお出でください。
今日は、先日すでにご案内いたしました「沼ノ平の福寿草まつり」にお出かけになる前後に、食工房にお立ち寄りいただいた方が何組かいらっしゃいました。
こうして地域のイベントの恩恵を受けられるというのは、考えてみると大変ありがたいことです。
いつかチャンスが廻って来ることがあったら、我が集落でも何か出来たらいいのにと思います。
この地で5年頑張ってやっと、これからが始まりだという実感です。
どうぞ今後とも食工房をよろしくお願いいたします。
INORI 櫻井こずえ作品集 1
バイオリンの吉野さんのポートレート以外は、私の撮影です。
自分でもよく撮れたと思う一枚
今日は、久しぶりに音楽の話題です。
「箏」という楽器を、皆さまどの程度ご存知でしょうか。
日本の伝統楽器であることは知っていても、耳にするのはせいぜいお正月の時期のデパートの店内くらいのものじゃないでしょうか。
それに習おうと思ったら、ものすごくお金もかかるんじゃないか・・・、そんなイメージが先行して、私たちの日常にはほとんど馴染みのない楽器になってしまっているのは、ちょっと残念なことです。
私が箏と言われて思い浮かぶのは、昔音楽の時間に聴かせられた宮城道雄の「春の海」とか「六段」くらいで、あとは何も知りませんでしたし正直興味も湧きませんでした。
それが8年ほど前に、櫻井こずえさんという方にお会いしてから、すっかり認識が変わることになりました。
箏の演奏家であり作曲家でもあり、そして自分の教室を持って後進の指導もしている櫻井さんです。
それでお話を進める前に、この方の師匠にあたる方のことを、何としてもご紹介せねばなりません。
田中孝一郎氏。
この方の演奏を、櫻井さんのお計らいで間近に聞く機会がありましたが、驚きと感動と共に箏という楽器への認識を新たにしたことは、今でも新鮮に覚えています。
田中氏のプロフィールその他は、<こちら>のサイトをご覧いただきたいと思いますが、まずページトップに詩が一編あります。
この詩がとても感動的です。
彼の感じ方は、音楽する者にとって一番大切な感覚だと私は思います。
さてそんな田中孝一郎先生に師事した櫻井さんは、作曲という世界で才能を発揮することになりました。
その彼女の箏と関わった18年間の集大成として、2002年に櫻井こずえ作品集「INORI」をリリースしています。
このアルバムのことも含めて彼女のことをもっと知りたい方は、<こちら>をご覧ください。
アルバムの全曲を試聴することも出来ます。
バイオリンとのデュエットなど、箏の可能性を広げる素晴らしい楽曲の数々に、きっとどなたも耳を洗われると思います。
実は、このアルバムの製作には、私も関わりを持つ幸運に与りました。
ジャケットに使う写真を撮らせていただいたのです。
ですから、このアルバムは私にとっても、とても大切な作品です。
多くの方のお耳に届けたい、そんな思いで食工房でもCDを販売しています。
お聴きになりたい方、ご来店の折にちょっとお声をかけてください。