月別アーカイブ: 2011年9月

線量計・レビュー


RAE社はアメリカの会社ですが、この製品は中国の会社がライセンス生産しているものでした。


今回の原発事故が発生して、先ず欲しいと思ったのが線量計です。
厳密に言うと、サーベイメーターと言うことになりますが、その辺りを正確に表示して販売している業者は少ないですね。

私も、放射線測定と言えばガイガーカウンターしか知りませんでしたし、その後勉強して、シンチレーション検出器だの半導体検出器というものもあることを知りました。

最近、国民生活センターが、市販されている簡易型線量計についてテストをし、全機種について、測定値の正確性や信頼性に問題があると結論付けました。
気になりましたので、サイトを閲覧して詳細を把握したところ、私が入手して使っている機種(Dose RAE2 prm1200)も含まれていました。
しかし、正直申し上げて私としては、生活センターの結論には若干の異論があります。


そのことについて詳しく申し上げるには、いささか時間を要するので、ここは私などよりも専門的な研究をしている方の論文をご紹介することで代えさせていただこうと思います。

<こちら> です。

併せて <こちら> をご覧いただければ、なお詳しくご理解いただけると思います。

またこんな例も興味を引かれると思います。 <こちら>


さてこの方の語り口は、どちらかと言うと私が入手した機種を評価しているものですので、我田引水と言われると心外ですが、少なくとも私の使用実感と合っています。


そこで、私の使用実感を申し上げておきます。


先ず、同一地点において行政機関が発表している公式データとほぼ一致していること。
このことから、正確性には大きな問題は無いと思っています。


その場所の測定値を得るためには、最低5分間は静置しなくてはならない。
要するに反応が遅いので、沢山の箇所を測定するには時間がかかり過ぎる。


小さくて頼りない外観ですが、機能的には大変充実していると思います。


出来ることなら、もう少しボディーサイズが大きくなっても良いので、センサーを大きくして応答性を上げて欲しいところです。


私が入手した当時、65,000円もした(一時、10万超えということもあった)のですが、今は5万円以下どころか3万円台で手に入ります。
そんなに難しい機器ではありませんから、日本のメーカーが大量生産して1万円以下で発売することも、本来可能なのではないかと思います。
いずれにしても、安価で入手可能な機種と言うなら、先ずこれが一押しと申し上げておきます。

酵母は裏切らない

今日も、早朝からパン生地をこねていました。
昨日から準備しておいた我が酵母君は、夜の間に糖分を喰いつくして発酵が止まりかけるくらいの飢餓状態。
そこに、糖分を与えると30分ほどの間に、全く劇的な様子で息を吹き返します。
思い起こせば22年前、阿武隈の山中の沢水から取り出し培養し続けている我が酵母は、
14年間の山暮らしの間、その沢水で生かし続けました。
会津に来てからは飯豊の湧水で養っていますが、阿武隈山中の沢水由来のDNAが未だに残っているはずです。
それを思うと、とても不思議な感動的な気持ちになります。


さて、会津に来てもう8周年、我が酵母によって焼かれたパンの数がどれほどになったか分かりませんが、この頃はもうすっかり気心が知れたと言うか発酵の様子を見ただけで、パン生地をこねる前から今日のパンの出来が分かります。


私が、面倒くさがって手を抜いたりしない限り、我が酵母君は絶対に私を裏切ることはありません。
出来ないと思っていたあんぱんも、先ずはかぼちゃあんぱんでうまく行きそうです。
パン屋稼業、やればやるほど奥が深くなって行くような気がしています。




    国会中継

昨日は配達に出た折、ラジオをつけたら国会中継をやっていました。
昔は政治に関心を払うことのなかった私ですが、そうした態度が今の政治の不毛につながったと考え、最近はずい分関心を払うようになりました。
それにしても国会議員たちのやり取りを見ていると、私などから見てもいかにも質問能力のない議員が多いのにガッカリさせられます。
昨日は参議院の本会議でしたが、たまたまラジオをつけた直後から、民主党の谷岡郁子議員が質問に立ちました。
否、はっきり申し上げて他の議員には悪いけど、久々に胸がスッとするような明解で筋の通った質問をしていました。
家に帰ってから、連れ合いや娘たちにも知って欲しいと思ったら、今は中継録画されたものをインターネットでいつでも見られるのですね。
まだご存じない方にはぜひご覧いただきたい内容の質問でした。
特に、後半の原発事故に関連する項目に注目してください。


9月16日参議院本会議・谷岡郁子議員の質問・silverlightをインストールしている方は以下のアドレスでダイレクトに見られます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/silverlight/index.php?ssp=6331&mode=LIBRARY&pars=0.9525497932092306


参議院国会中継のホームページ・カレンダーの9月16日をクリックし、本会議の登壇議員アイコンをクリック・名前をクリックすると閲覧ページに入れます。
http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

百姓市にお出かけください

ずっと毎週、毎週、続けております。

今年は、皆さますでにご存じの通り原子力災害のおかげで、福島の農業を取り巻く環境は何から何までもう滅茶苦茶です。
生産基盤である土が汚されたのですから、そもそも作物を作れない所だってあったわけです。

これに対して国も県も、全く大雑把で緩い暫定基準を作って、それ以外のことはしませんでした。
要するに、問題なし!No probleme! というわけです。
どんどん作ってください!

こうして投げ出された農業者たちは、その後次々と消費者の方々の批判に曝されることになりました。

この危険を早くから察知していた私や仲間の農業者たちは、自主検査以外にないと判断し、大枚を叩いて沢山の検査をしました。
中には出荷先で検査してもらえる団体もあり、そこに出荷している野菜についてはその結果を利用させてもらうこともありました。
不安な結果が出たものについては、別な機関による再検査なども実行しています。

こうして検査マニアになるくらい、いろいろ勉強もしました。
NDの意味についても、引き続き勉強中です。

そしてごく最近、この地区のある場所の土壌と作物について、精密な検査をしていただく機会に恵まれ、NDという言葉を用いずに安心出来る結果を見ました。


詳しいことは、資料が届いてからご報告いたしますが、速報的な情報についてのお話しは百姓市にて・・・。


沢山の野菜と加工品、パン焼き菓子など取り揃えて、皆さまのお出でをお待ちしております。
かぼちゃアンパンの試作品も、皆さまに試食していただけます。
どうぞお楽しみに。


百姓市の場所のご案内 


消息

会津に移住して来る直前まで、親しくしていた方がいました。

あの福島第一原子力発電所がある大熊町の、それも原発からせいぜい3kmくらいの所に住んでいた方です。
風の便りに、避難して無事と聞いたような記憶がありましたが、こちらもこの半年間慌ただしく過ごしていたのでそのまま確認もしないまま、今でも音信はありません。


最近になって、ひょっとしてネットで消息が辿れるのではないかと思い付き、ミュージシャンでもあるその方の芸名と言うか、ニックネームを入れて検索していたところ、全くビックリするような動画が出て来ました。


多分息子さんが撮ったものだと思いますが、震災当日の瞬間から数分間の出来事が克明に記録されています。


その中にチラッとですが、車を運転して行かれるその方と奥様が写っていたのです。


いやー、驚いたの何の!


さらにそれから、3か月経った頃にどこかのライブハウスで独演している彼の歌と演奏の動画も見つけました。


やっぱり無事だったんですね。良かった良かった!


当初、会津で落ち着いたら、きっと彼のライブをやりたいと思っていたので、皆さまにもご紹介しておきます。


 



3.11の凄まじさと緊張感が伝わって来ます。
思わず、早く逃げろ!と叫んでいました。
 



みーVO.さん、いつかきっとボクらの前でも聴かせてください。

日々の暮らしに追われてます。

世の中のこと、何より先ず原子力災害のこと、政治のこと、経済のこと、その他いろいろ、言いたいことはいっぱいありますが、ちゃんと自分の言葉にするだけの時間がありません。


先日、福島市の若い友人一家が、沖縄に避難移住して行きました。


転出届を出しに行った折、職員に「あの~やっぱり放射線が心配で沖縄に行かれるんですか?」と聞かれて、思わずキレて怒鳴ったとか・・・。
それを知って、思わずこぶしを叩きつけ、涙がにじんだ私です。


私も、もうすぐ六十にもなるからおとなしくしてますけど、本当は怒鳴りたいこといっぱいあります。
はっきり言って、我慢してます。


でもまた一方では、日々の暮らしに追われて、そんな思いもかき散らされて、釈然としない気分だけが淀んで行きます。


このままでは済みません。

はたらく百二姓ネット

今日は、昨日もお話ししたばかりの百二姓ネットの仲間で、小屋の解体作業をやりました。
と言うのは、地元の元製材所構内にあった小屋を譲っていただけることになり、自分たちで解体撤去作業をしたのです。
もちろん、材料は全て回収して再組立てします。
実はこの小屋を、百姓市の売り場スペースにする考えなのです。
こんな風に、時間に融通の利く人が何人かいて、何かの時には力を合わせられるというのは、昔の田舎にはどこにでもあった風景ですが、今日はそれが再現していると感じました。
面々それぞれに得意分野をを活かして一つの大きな仕事が成し遂げられ、それが全員の達成感として共有される、これこそがコミュニティー発生の原点だと思います。



 二棟のうちの一棟をいただくことに。
先ずは屋根のトタン剥がしから
朝8時作業開始、屋根上左側が私



 山男のAさん、高い所はお得意のようです。



 フォークリフトを使えたのですごく助かりました。
重い梁も楽々と下せるし、足場にもなります。



全ての部材を外して保管場所に運び、最後に掃除をしてお昼過ぎに作業完了。
本日の参加者8名でした。写ってない方は。撮影者。

ちなみに、この後私は疲れてヘロヘロ、
2時間ほど昼寝をして、やっと回復しました。



これからまたさらに、再組立てという大仕事が待っています。
一冬かけて一部の材料を刻み直し、来春には棟上げです。
とても楽しみです。
だから私も、老体に鞭打って頑張ります。





  福島・未来塾すばるのホームページ


友人の大内さん(福島市で果樹園をやっている方です。)のホームページが開設されました。<こちら>
すでにブログも書かれていて、ご紹介申し上げました。<こちら>
多くの方にご覧いただきたいと思っています。

今日は手短に・・・

毎週月曜日、地元出身あるいは他所から移住して来た、主に若い方々と共に集まりを持っています。
以前一度ご紹介したこともある、「百二姓ネット」という集まりです。<参照>
今は、ほとんど「百姓市」に注力していますが、本当にいろいろなことに関わりたい人たちの集まりです。
今日も先ほどまで、議論白熱していました。


そんなわけで、あとは今週のクッキーとマフィンのお知らせです。


今週は、わらいごまとどろんこクッキーを焼きました。

マフィンは、シマリス君の朝ごはんとそば粉マフィンを焼きます。


それでは、本日これまで。

百姓市・ご来店ありがとうございました。


毎度、ありがとうございます!


本日は、毎週日曜日の恒例となりました「百姓市」に出店していました。
夏の盛りは過ぎましたが、野菜の方は品揃えもにぎやかになっています。

東北の夏は短く、秋はさらに足早に過ぎて行きます。
百姓市も、来月後半くらいまでになると思います。


ところで今朝は、いつもご愛顧いただいているご常連から、「今日はやっていますか?」とお問い合わせのお電話をいただきました。
そうでした!毎週後半には、「今週も百姓市を開催します。よろしく。」とブログでお知らせしていたのに、ここ二週ばかりそれを怠っていたのですね。
遠方から来てくださる方にしてみれば、万一にも空振りになったら悔しいに違いありませんから、これからはサボらずに毎回告知申し上げます。


さて今日の百姓市には、初参加の方が一名。
喜多方市内の木工家に弟子入り中の若い女性が、作品を持って来てくれました。


いいですね!


食べ物だけでなく、工芸品も並ぶようになるのが、まさに百姓市の目指すところです。
来週は都合で来られないのですが、それ以後最終回まで毎週参加してくださるとのこと。
楽しみです。




  震災半年・9.11

21世紀初頭、2001年9月11日の同時多発テロ。
あれから10年経って、今年2011年3月11日の東日本大震災。
どちらも、それ以後世界が変わったと言われます。

これから先、日本がそして世界がどこに向かおうとしているのか、この後また何が起ころうとしているのか、じっと耳を澄まして母なる地球の導きを聴こうと思います。
「福島から、あるいは日本から逃げられとたしても、この地球から逃げることは出来ませんから。」

かぼちゃあんぱん


二度目の試作の時のもの
もっと餡の量を増やすことに。


かぼちゃあんぱんを試作しています。
アンパンの類は、今まで一度もつくったことがありませんので、一から手さぐりです。
それでもチーズパンの成功で、パン生地で何かを包むことは覚えましたので、そのこと自体は難しくなかったのですが、食工房のパンの種類の中には、あんぱんに向いた口当たりのものが無いということが分かり、それが先ず一番の課題でした。
幾通りかやって見ましたが、結果から申し上げると、カネリプッラ(シナモンロール)の生地が一番マッチしていることが、今日の試作で分かりました。
生地の量に対するあんの量も、いろいろ試しました。
もうあと少しで完成にこぎつけられそうです。
どうぞお楽しみに!


あんは、かぼちゃにバターと牛乳と砂糖を加えて練り上げ、シナモンとカルダモンで風味を付けます。
皮は、やはりバターと牛乳を加えてこね上げたパン生地を使います。


開業8年目にして、初めてあんぱんを手がけるパン屋です。

武田邦彦氏の発言をめぐる考察


稲穂の海を眺めていると、
この稔りのどこに罪があると言うのか、
そんな気持ちにさせられます。


最近ネット上で、武田邦彦・中央大学教授の発言が、物議を醸しています。
もうすでに多くの方がご存じの事と思います。


実は私、問題のテレビでの発言の詳細については、まだ見ていませんので承知していません。
そこで、湧き起こった物議の方を見ているわけですが、いろいろ思うところがありますので、書き記しておくことにしました。


3月の原発事故勃発以来、私はこの武田先生のブログはずっと参考にしています。


例えば、一般公衆の年間被ばく限度量が1ミリシーベルトであることが、どのようにして決められたどの程度の拘束力を持つものかなどについての詳しい解説は、筋が通っていて分かりやすいものでした。


また当初、保安院の危機対応のまずさを指摘したり、東電の無責任を糾弾したり、国が暫定的に福島県での被ばく限度量を年間20mSvに引き上げたことへの批判なども、読んでいていちいち頷けるものでした。


ただこの先生の悪いところは、言葉の選び方が恐ろしく乱暴だということです。
また誤記も多く、たいていは間違いだと分かるのですが、誤解が生まれる要因満載です。


例えば私は、この先生が口ぐせのように「福島の牛乳や野菜は、買わない方が良いでしょう。」と書かれているのを読みながら、ずっと釈然としないものを感じていました。


年間被ばく線量が1mSvを超えて汚染されている福島の大地で生産されたものは、すべて危険だと言われると、何か違うんじゃないですか?と思うわけです。
土壌の汚染は、そのまま100%作物の汚染になるわけではありません。


そこは植物たちの偉いところであり、また土というものの偉大さなのです。


実際に栽培して見て分かったこととして、作物への汚染の移行は予想よりもずっと少ないもののようだということが、数多くの検査から判明しつつあります。


やはりものごとは、一つ一つ個別に見て欲しいと思いますし、学者先生にはお分かりにならない、また一般消費者の方々にもご理解いただいていない、農業という仕事特有の事情があり、農業者はそれぞれに現場で出来る限りの努力をしているのです。


元はと言えば、何の策も講じないまま許容限度だけを引き上げるという対応でお茶を濁した、県や国の方針が悪かった!それ以外の何ものでもないはずなのですが、いつの間にか問題がすり替わってしまっています。


「東北の農家」などという恐ろしく広範で曖昧な対象と、消費者というこれまた国民全員とも言える人たち、お互いに顔の見えない集団同士で争いを構えてどうなると言うのでしょう。


これでは、個別に努力している生産者の苦労が水の泡になってしまいますし、賢明な判断をしようと情報収集に努力を傾けておられる消費者の方々も、疑心暗鬼の気持ちになってしまいます。


やはり、武田先生、ちょっと調子に乗り過ぎなんじゃないでしょうか?