9月11日、忘れもしません。
アメリカで起こった、同時多発テロのことです。
あの日を境に、世界は変わったと言われています。
その少し前、21世紀を迎えたばかりの頃、世界はこれから「心の時代」に入るのだと言われていたことを、覚えておいででしょうか。
20世紀は、何より産業と経済が優先された、いわゆる物質主義の時代でした。
前半の50年間に植民地支配が頂点に達し、後半の50年間にはそのほとんどの国々が独立しましたが、見方を変えれば、武力による支配から経済による支配へと形を変えただけで、先進国との間の不公平や格差は広がる一方でした。(今でも、それは一向に解消されていませんが・・・。)
そんな20世紀への反省を込めて、新しい世紀に期待する雰囲気が流れていたことは確かです。
しかし9.11を境に、世界は怒りと憎悪に満ち、ヒステリックになってしまいました。
報復を是認する空気が流れ、アフガン戦争が始まりました。
そして、その後のイラク戦争へ・・・。
よりによって21世紀が始まったばかりの時に、どうしてこんな惨劇が起こらなくてはならないのか、その不条理さに絶望感を禁じ得ませんでした。
「心の時代」なんて、所詮甘いはかない夢でしかなかったと言わんばかりに、その後の世界は熾烈な競争へと駆り立てられ、暴走を始めています。
私たちが、本当に「心の時代」に入るためには、もう一段階厳しい試練をくぐり抜けなくてはならないのでしょうか。
そんなことを思いながら、この忘れることの出来ない日の今日、連れ合いと二人で「日本の青空」という映画を見ました。
終戦直後の日本で、新しい憲法が作られた時のことをドラマ化したストーリーですが、それは決して政治家たちが言うような、「押し付け憲法」などではなかったことを訴えていました。
今、憲法改正の空気が濃くなりつつありますが、どんな憲法をどのように変えようとしているのか、それを知るために、日本国憲法の全文に目を通すくらいのことを、私たちは国民の一人として、当然しておかなくてはならないと思いました。
<日本国憲法全文を読めるサイト>