今朝目が覚めて起き上がると、背後で「パタッ」と畳の上に何かが落ちる音がしました。
「ムカデ!」と思って振り返ると、12~13cmくらいのヤツがいて、突然身を隠す場所のないところに落下したものですから、右往左往しています。
と、やにわに布団に向かって突進して来たので、あわてて布団をずらし、武器になるものを探しました。
気の利いたものは何も無く、空のCDケースが目に入りましたので、それを手にムカデを潰しにかかりました。
けっこう手こずりましたが、何とかやっつけてゴミ入れに放り込みました。
ムカデは、毒虫の中ではなかなか強力で、大人はともかく子どもでは命に関わることもあります。
彼らは、梅雨が始まる前に床下から這い出して天井裏へと移動し、卵をかえして一夏過ぎるとまた床下へと戻って行きます。
たいていは外壁と内壁の間を移動しているのですが、時々部屋の中に紛れ込んで来るヤツがいるわけです。
そして気づかないうちに、布団の間とか衣類の間にもぐり込んでいることがあるので、始末が悪いのです。
我が家でも、息子の一人がムカデに刺されたことがあります。
ここの集落の人にも聞きましたが、夜中に顔の上をムカデが這って行ったなんてことが、ちょいちょいあったそうです。
田舎は、空気も水もきれいだし、古民家住まいは田舎暮らしの醍醐味ですが、たまにはこんな危険もひそんでいるのですね。
それでムカデで思い出したのですが、生きたムカデを油に漬けておくと、火傷をはじめ何にでも効く傷薬になるそうです。
もうずい分前のことですが、茨城の友人宅でムカデが出て、友人は常々その傷薬を作ろうと思っていたので、「油!油!」と叫ぶや、生け捕りにかかりました。
居合わせた友人たちも合せて、大の男4人で大捕り物になりました。
奥さんは、小さい子ども達を隣の部屋に移すと、台所からジャムの空きビンに油を満たして駆け戻って来ました。
本当は胡麻油がいいのだそうですが、この時は無かったので菜種の一番絞り油でした。
棒切れで潰さない程度に押さえつけて、薪ストーブ用の火バサミで挟んだまでは良かったのですが、そう易々とビンの中に入ってくれるわけはなし、あちこち油を撒き散らしながら悪戦苦闘して、最後はワリバシで掴んでビンの中に押し込み、スカさずフタをして一件落着となりました。
3ヶ月くらい後で再訪の折、見せてもらったら、少し黒ずんだ色になっていて、中に油でふやけて少し大きくなったように見えるムカデが沈んでいて、ちょっと気持が悪かったです。
でも、友人は「すごく効くんだよ!」と言っていました。