夜来の雨に眠りを破られ、ふと熊たちのことを想いました。
自分の体一つ、それ以外に何も持たずに生きているケモノたちにとって、この雨は恵みかそれとも災いか・・・。
どちらでもあり、どちらでもないというのが本当のところなのでしょう。
間もなく冬眠に入る熊たちは、十分に食いだめ出来ただろうか、十一月の寒空の下でどうやってこの雨をしのいでいるのだろうか、そしてどんな感じがしているだろうかと、想いを巡らしているうちに歌を思い出しました。
「まんが日本昔話」というTV番組を、どなたもよくご存知だと思います。
あれのエンディングテーマに流れていた、あの歌です。
よく覚えています。
くまの子見ていたかくれんぼ
おしりを出した子一等賞
夕焼けこやけでまた明日、また明日
いいな いいな 人間っていいな
おいしいおやつに ほかほかごはん
こどもの帰りを 待ってるだろな
ボクもかえろ おうちへかえろ
デンデンデングリガエッテ バイバイバイ
もぐらが見ていた 運動会
びりっ子元気だ 一等賞
夕やけこやけでまた明日 また明日
いいないいな 人間っていいな
みんなでなかよく ポチャポチャおふろ
あったかいふとんで眠るんだろな
ボクもかえろ おうちへかえろ
デンデンデングリガエッテ バイバイバイ
こんな歌でした。
私は、冬の寒い夜布団に入る時、夜中に思いがけず用足しに起き出してまた布団に戻る時、ほとんど条件反射的にこの歌を思い出します。
そしてもう一つよく思い出すのは、宮沢賢治の「なめとこ山の熊」のお話の中で、小十郎がしとめた熊に向かって「おい、こんど生まれて来る時ぁ、熊なんぞに生まれるんでねえぞ。」と語りかけるシーンです。
昨夜は雨音を聞きながら、そんなことを思い出しながら、あたたかい寝床やおいしい食べ物にありついていい思いをしている人間たちが、実は一番弱くて罪深いということを教えられたような気持になりました。
冷え込み今一つ・・・。
シュトレンをつくっていて、昨年、一昨年のことを思い出してみると、今年は冷え込みが今一つという感じがします。
前の日につけたバターと砂糖の固まり具合が、何となく緩いし、シュトレンに触っても冷たいという感じがしません。
あまり暖かいと、熊たちも冬眠に入れないのだとか・・・。
本当は人間だって、暖かくて楽だとばかり言っていられないはずですね。
でも、暖冬で始まった冬の方が、雪が多かったような記憶がありますので、油断しないようしっかり冬支度をしなくてはと思っているところです。