月別アーカイブ: 2008年7月

ありがたいことです。


今日も忙しく仕事させていただきました。
本当にありがたいことです・・・、と何で今またそんなことを申し上げるかと言うと。

4年前、この地でパン屋を始めて最初の夏、予想通りパンの売れ行きが悪くなり、スコーンやマフィンも暑さのせいで出来が悪くなり、定休日明けの木曜日でさえ、予約のご注文など一つも無く、「今日は仕込みをうんと減らすしかないな・・・。」などとため息まじりに独り言をつぶやいていたものです。
それでも、毎週決まって注文をくれる友人、知人の引き立てのおかげもあって何とか続けて来られました。

今日は突然、朝一番にそんなことを思い出していたのです。
それが今日は、この暑さにもかかわらず、忙しくて息切れしそうなくらいの量の仕込みでした。
小麦粉とライ麦全粒粉を合わせて約24㎏で、13種類のパンを焼きました。
そして、明日のスコーンとマフィンの仕込みも、増量、倍量になりました。

そのくらいやって、やっとご飯が食べられるというのが、この商売の現状ではありますが、4年前のことを思うと何にしてもありがたいことです。
それもこれも皆、多くの方のご支援の賜物と、改めてこの場に感謝を申し上げる次第です。

「パンだより」編集中

「食工房のパンだより」印刷版・8月号の編集作業が、追い込みに入っております。
本日のブログ「習刊コーヒー通信」は、お休みいたします。
なお今週は、明日木曜日がカネリプッラ(シナモンロール)、土曜日がクリングラの回りになっております。
明日も、山都産小麦を使用した試作品を焼いてご試食に供しますので、ご興味のある方はぜひご来店ください。

過ごしやすい一日でした。



赤い屋根が食工房、後ろが住居にしている母屋、
そして裏手の杉林が昼なお暗いヒグラシの森。



青いタルが置いてある畦から耕運機よりこちら側の
範囲が我が家の菜園です。三畝約90坪の面積。


定休日の今日、一日中おおむね曇り空で気温も低く湿気の少ない風が吹いて、ちょっと秋の気配を先取りしているようなお天気でした。
早朝、夜明け前は少し寒いくらいで、タオルケットと毛布1枚では足りませんでした。
そのせいだったかどうか分かりませんが、いつものヒグラシの声は、ぴったりと途絶えて耳にすることが出来ませんでした。
その代わり日中ずっと、裏の杉林でヒグラシの鳴き声が聞こえていました。

そんな具合で今日は涼しかったので、大方一日中、畑の手入れと庭の草刈りなど外仕事をして過ごしました。
パン屋の仕事だけだと、どうしても運動不足になって体力が落ちてしまいますので、休日はただ休んでいるよりも、逆に体を使って過ごす方が気持ちが良く、後々調子も良いのです。

それで先週、一週間に一回では草取りが間に合わないので、出来る時に少しずつでもと決意したものの、ついに手を出せず丸一週間が過ぎて見ると、期待のサツマイモは、もう凄まじいほどの草の海の中に埋もれており、棚にはとり遅れて馬鹿でかくなったキュウリが、重そうにぶら下がっていました。
そういうわけで今日は、娘二人も借り出してとにかく草取りでした。
サツマイモなんか、まるで発掘作業のように、作物を傷めないよう注意しながら雑草だけを抜かなくてはならず、娘たちは「芋掘りしてるよ!」と笑いながらやっていました。

涼しかったおかげでずい分はかどりましたが、でもまだまだ。
また一週間先にはどんなことになっているものやら・・・。
8月に入れば直に、秋に向けて種蒔きをしなくてはなりません。
でもでもそのおかげで、このところ野菜は自家菜園の物と知り合いからいただいた物で間に合っています。

食工房の週末

明日は定休日というわけで、食工房では今日月曜日が、大方の皆さんの金曜日か土曜日のような感覚です。
自営業は会社務めと違って、仕事と日常にきっちりと線を引くことは出来ないのですが、それでも定休日の前日はずい分リラックスしています。
明日はまた畑をやろうかと思っていますが、「パンだより8月号」の編集もさし迫っていますので、どんな一日になるか、お天気次第で決まりそうです。
庭の草刈りも途中になっていますし・・・、そうやってあれこれ考えると気が騒がしくなって、同じことをしていてもただ嫌気がさして来るだけですから、そこは淡々と一つ一つ出来るところまで、と腹を決めています。
今夜は、またインターネットで、ルーツミュージックの世界を訪ね歩いてみようかと思っています。
考えてみれば、いい時代になったものです。
先日もご紹介した、カルロス・ヌニェスのビデオクリップ2本ご紹介しておきます。
2曲とも最近手に入れたアルバムに収録されていて、お気に入りです。
リコーダーで挑戦中。


http://jp.youtube.com/watch?v=mWFoBehDlVU
http://jp.youtube.com/watch?v=k_wt4XlP3pU

ヒグラシ



我が家の裏の杉林は、水木しげるの世界
そのもののような、異次元空間です。


蝉の話です。
日の暮れ時に鳴くので「ヒグラシ」と呼ぶようになったのでしょうか。
でも日中、雷雲に覆われて急にあたりが暗くなった時などにも、声を聴きますね。

それより何より、夏の明け方辺りが白み始めた頃、一斉に鳴き始めるヒグラシの声は、はるかにドラマチックに聴こえます。
ある時間になると、と言うより明るさに反応しているのだと思いますが、その瞬間が来ると先ず第一声はどこか遠くから、まるでこの世ではない場所から聴こえて来るかのように、本当にかすかにではあっても、はっきりとそれまでの静寂を破って耳に飛び込んで来るのです。
そしてそれが少しずつ近づいて来るように、次第に辺り中に広まって、ほんの数分のうちにヒグラシの鳴き声に埋め尽くされるのです。
まるで大海原のうねりのように、強く弱く、くり返しくり返し、切れ目なくほとんど環境音のように、それは一時間近くも続きます。
そしてその時が来ると、また突然数分のうちに、遠くへと去って行くように鳴き声は聴こえなくなってしまいます。
その間にすっかり夜が明けて、後にはニイニイゼミの声が太陽と暑さを呼んでいるのです。

寝床の中で目を覚ましながら聴くこのヒグラシの声は、私には、彼岸を越えてやって来た死者たちの霊が呼びかけているように聴こえます。
それは、嘆きのように、警告のように、あるいは戒めのようにも聴こえます。
一日の始まりに、死者たちからそんなメッセージを受け取った気がするというのは、何かとても複雑な気持ちになります。
どうしたって気にしないわけには行きません。
毎日毎日、この世に在るすべてのものごとの意味を、よく考えてから事を成せ、と言っているのでしょうか。
パンを焼くことも、一杯のコーヒーを飲むことも・・・。
一日を始める前に、祈らずにはいられない私です。

そう言えば、「蝉」という字は「禅」と同じつくりですね。「ツクツクホウシ」のホウシは「法師」ですし、何か仏教に縁が深いのでしょうか。

試作品Ⅱ



飯豊山食パンと同じように、山の部分の皮にひび割れが入ります。




国産小麦100%、脂肪分無添加で焼いたパンの
切り口は少し粗い感じですが、風味は最高です。


今回は、先日いただいた山都産小麦を使って、山型食パンを焼きました。
実はいただいた小麦原穀を、あの後すぐに全粒粉に自家製粉しておきました。
小麦粉は、通常製粉後2週間くらいシーズニングしてから使います。
それは、挽き立ての粉は自己消化酵素が生きていて、水を加えて生地をこねた時、その働きによりせっかく形成されたグルテンが分解されて、生地の腰がなくなってしまうからです。
今日はまだ、製粉5日目でちょっと早かったのですが、試作の機会は週一回なので、敢えて今日試作に臨みました。
すでに食工房の定番品になっている「飯豊山食パン」と同じスタイルのものを、山都産の小麦全粒粉を配合するという仕様です。
飯豊山食パンは、ライ麦全粒粉5%配合ですが、試作品は山都産小麦全粒粉10%配合です。
生地をこねている時も、醗酵中も、また焼き上がりも、外見上今までの飯豊山食パンと比べて大きな差異はありませんでした。
試作品の方が、全粒粉の割合が多くても膨らみは同じだったと言うことは、ライ麦と違ってグルテン質を含む小麦の全粒粉だったからだと思っています。
試作品の方が、少し触った感じが柔らかいと思われました。
明日、一日経った状態でどうか、そのあたりではっきり差が出るかも知れません。
さらにもう一回試作を重ねて結果が良ければ、飯豊山食パンの仕様を、試作品の方に切り替えたいと考えています。
山都産小麦配合で、さらに一つ飯豊山食パンの名に裏付けが加わることになります。
この小麦全粒粉を使って、あと二種類くらい、新しいパンを試作する予定です。
どうぞご期待ください。

英語の話

この前、英語に毒されているのじゃないかと言う話しをしましたが、その続きです。
今、英語が母国語の国と言われて、私が思い出すのは、イギリス、アメリカ、オーストラリアですが、それ以外の国でも英語が通じる国は沢山ありますね。
それでその中で、一番きれいな英語を話す人たち、つまり英語が母国語の国の人たちと同じような発音で喋れると言う意味ですが、それは北欧の人たちだそうです。
ノルウェー、スウェーデン、フィンランドなどの国ですね。


私が少し知っているのは、フィンランドの話題ですが、この国では英語の普及率は現在ほぼ100%に近いと言われます。
どんな地方の片田舎でも、ちょっとしたお店に行った時など、英語で話しかければ即座に英語で返事が返って来るとか・・・。
またヘルシンキの通りで、酔っ払いに絡まれた女性が、フィンランド語は分からないというふりで無視しようとしたら、すぐに英語に切り換えて話しかけて来て驚いたとか、それほどまでに英語が浸透しているのですね。


それはそれとして、英語が何故それほど世界中で巾を利かせているのか?
それは、産業革命が起こったのは、他ならぬ英語の国イギリスだったから、だと私は思っています。
イギリスは、この新しい機械物質文明を先取りしたからこそ、世界中に覇権の手を伸ばすことが出来たのでした。
そういう意味では、ドイツやフランスも強い国でしたが、その後、半導体技術とコンピューターがアメリカで発明され開発が進んだことが、英語の地位を決定的にしたのだと思います。
何と言っても、今世界は、コンピューターと機械の力で動いているのですから。
新しい科学技術に関する情報は、まず英語でもたらされるのですね。
翻訳を待たず、少しでも早く情報に触れるためには、発信された国の言語に通じるのが早道ですから、どうしたって皆英語に近づいて来るわけです。
私たちの使っているパソコンだって、CPUはアメリカのインテル社が世界の90%を独占しているし、OSのWINDOWSもMACも両方ともアメリカですね。
パソコンのことに通じようと思ったら、英語が堪能な方がどれだけ有利か知れないことは、この私にさえ良く分かります。


で、ちょっと話が逸れますけど、OSの分野で今Linuxというのが一つの流れになりつつありるのをご存知の方、いらっしゃると思います。
Linuxを開発したのは、スウェーデン出身のリーナス・トゥーヴァルスという人で、彼がフィンランドのヘルシンキ大学在学中に、初めてこのLinuxの元になるカーネルコードという情報を開発し、世界に向けて公開したのでした。
ちなみに、Linux(リヌクス)と発音してくださいね。
スウェーデン語の読み方です。


それで話を戻しますが、それだけ英語が普及していて、北欧の国々の言語が英語に毒されていないか、ちょっと気になりますね。
フィンランドでは、母国語のフィンランド語と英語はもちろんですが、スウェーデン語もほとんど通じるそうです。
それは、過去に600年もの間、隣国のスウェーデン王国に支配されていた歴史があるからだそうです。
その他、北方に行けば先住民のサーミ族がいてサーミ語を話します。
彼らもまた、フィンランド語、英語、そしてサーミ語とマルチリンガルなのですね。
どうも私たち日本人の英語に対するのとは、感覚が違っていそうです。
一頃北欧の歌手たちは、世界に認めてもらうためにわざわざ英語で歌う時代がありましたが、今ではほぼ完璧に母国語で歌っています。


そうやって日本を振り返ると、日本人の英語に対するスタンスには、どこかコンプレックスが宿っているような、だから逆に毒されてしまうような、そんな気がするのは私だけでしょうか・・・?

意外や意外!

今日のお昼前、すっかり冷めてしまった朝のコーヒーが残っていて、捨てるにはちょっともったいないと思ったのですね。
連れ合いが、その冷たいコーヒーに、冷蔵庫から出して来た冷たい牛乳を混ぜて飲んでいました。
そんな時間が経って不味くなったに違いないコーヒーに、牛乳なんか混ぜてごまかしたって・・・、と馬鹿にしながら去ろうとすると、「けっこうおいしいよ。」と仰るので、ちょっと騙された気になって私もやってみました。
おお!意外や意外・・・。
けっこうイケるじゃないですか!
ノーシュガーで、気持ち良く喉を通りました。
こんなにお手軽でも、やっぱり素材の良さですかね。
牛乳は、そのまま飲んでもおいしい低温殺菌牛乳です。
コーヒーは、もちろんマイロースト、マイブレンド。
何が違ったかと言うと、やはり香りです。
缶コーヒーでは、こうは行きません。
皆さんも一度お試しを・・・。
あ、もうすでにご存知?

    おしらせ
今週は、明日木曜日がクリングラ、土曜日がカネリプッラです。
コーヒー豆・ジョアキンの価格を値上げさせていただきます。 550円/100g 
「おいしいブレンド」も 480円/100gになります。
欠点豆によるロスが、また一段と多くなっていて40パーセント近くになっています。
ご了承ください。

真夏の健康法・Ⅱ

今日も暑い一日でした。
こちらでは、気温は30℃前後だったのですが、湿度が高い感じで息苦しい暑さでしたね。
少し疲れが溜まっていたのか、今朝はいつまでもボーっとしている感じで、意気が上がりませんでした。

先週の例に倣えば、こういう時こそ思い切って体を動かした方がいいと思うのですが、今一つ気が乗らなくてグズグズしてしまいました。
読みかけの本を読んだりして過ごしていましたが、これでは良くないと分かって、体をほぐす体操をしたら少し気分が乗ってきましたので、午後の一番暑い時間帯をやり過ごしてから、草刈りをすることにして刃研ぎをやり、その後30分ばかり草刈りしたところで雷が鳴り出して中断。
その後、雷雨は空振りでまた晴れて来ましたので、今度は気分を変えて畑でジャガイモの試し掘りをやりました。
いい出来で、3株掘って5kgほど。
この調子で行けば、150㎏は確実というところで上機嫌となり、残りは別な日に掘ることにして、草取りをやりました。
とにかく、放っておけば雑草だけが育って、作物は消えて無くなる運命を免れませんから、少しでも早いうちに手を打たなくてはなりません。
もう手遅れになっているものもあるのですが、そこは諦めずに淡々と、修行僧のつもりになってやるというのが、またいいのですね。
薄暗くなって終了しましたが、手をかけた分だけ確実に畑がきれいになって行くのが、何と言うか他のものに代え難い充実感を与えてくれるのです。
これでいくらになるというものではないのが、かえっていいのですね。
心身ともに健康になれる秘訣かなと思っています。




今年は、粒揃いの良い大粒のイモばかり。
息子いわく、「オレの作戦が当ったんだ。」
そうです。

ご来店に感謝



この食工房の看板坊やを、パソコンのデスクトップの壁紙や
携帯の待ち受け画面にしている方がいると分かり、うれしい驚き。


皆さま、先刻ご承知のとおり、ガソリン価格が天井知らずとも思える勢いで上がり続けて、車で出かけるのもちょっと考えてしまうご時世です。
当食工房のように、街から遠く離れた場所で店をやっていると、お気軽にご来店くださいと申し上げるのは、気が引けてしまいます。
さすがに影響が出ているのかなと思う時もありますが、それでも毎日必ず何人かのご来店を賜っております。
ただただありがたく、感謝申し上げるのみです。
あとは、「わざわざ訪ねて来て良かった。」と思っていただけるようなパンづくりの仕事を続けることだと、肝に銘じております。
どうぞ今後とも、食工房をよろしくお願いいたします。

 クッキー類の品揃え、少し回復しました。
このところ受注生産状態の、「山の子クッキー」と「ロンサムパイン」を今日焼きました。
ご注文以外に少し余裕がありますので、店頭に並べました。
「わらいごま」もあります。
「パタポン」「どろんこクッキー」「ジンジャークッキー」「コーヒークッキー」あります。
「ブラウニー」も在庫ありです。

なお明日、明後日は、定休日です。
ご来店の方はご注意ください。
定休日に来ていただくと、本当にお気の毒なことになってしまいますので。