もう何年も前から、このブログの過去記事で見ると、2008年4月の記事に「すでに昨年からのバター不足」という記述がありますので、以来7年間ずっとバターは需要を満たしていない状況が続いています。
それでも今まで、比較的順調に入手出来た時もあり、年末のシュトレンの製造にも大きな支障を来たさずに済んでいます。
ところが今年の4月頃から、急に入手が難しくなりました。
そもそも酪農家が減少の一途をたどり、今や生産基盤は崩壊寸前だと、ずい分前から言われて来たのに、一向に対策は進んでいないのですね。
そこで輸入に頼りたいところですが、お隣の中国で需要が急成長しているため、日本に回ってくる量にも影響が出ているのです。
それでも今まで食工房では、何とかどうにか間に合っていたのです。
しかし今度ばかりは厳しいことになりそうです。
取り引きしている食材屋さんでも、数量限定で出荷という状況が続いています。
この調子では、シュトレンの製造にも影響が出そうです。
例年の半分も製造出来るかどうか分かりません。
何か代わるメニューを開発しなくてはならないかも・・・。
しかし、クリスマスのお菓子にバターを使わないで・・・と言うのも、なかなか難しいですね。
それにしても、ある意味これは食糧不足の一端ですね。
バターは、米や麦のような基幹食糧ではありませんが、この状況はすでに食糧危機が始まっていることを示唆していると思います。
そしてこれは、私たちの命を養う食糧生産の現場である農業を、本当の意味で大切にして来なかったということを意味しているということですね。
私が、ライ麦や小麦の作付けに深く関わるようになったのも、そのあたりへの関心があってのことです。
今度は、酪農もでしょうか・・・。
否、いくらなんでもそうそう次から次へと手は出せません。
もし、地元産の牛乳でバターを製造して使うなんてことが実現出来るようなら、日本の農業も心配ないということなのですが・・・。