月を眺める感覚

先日は中秋の名月で、月明かりを愛でた方もいらしたことでしょう。
会津では曇り空で、お月見も今一つでした。

ところで私個人のことですが、夜空の月や星の明かりを眺め愛でる感覚はもちろん今もありますが、近頃はそれに加えてもう一つ別な感覚で月明かりを眺めることが多くなりました。

先日の満月の数日前のこと、夕方の空に大きくなって来た月がかかっていました。
私は裏の杉林の中で、例によって落ち葉を焚いていました。

その時反射的に頭に浮かんだのは、獣たちの動きが活発になるな・・・ということでした。
実際数日後満月の夜中の事、裏の林で獣の鳴き声が聞こえました。
キツネだったでしょうか?タヌキのようにも思えましたし、アナグマだったかも知れません。
あるいは、複数だったかも・・・。

満月の夜の明るさなら、猿だって動き回れるでしょう。
熊も猪ももちろん・・・。
フクロウやミミズクに限らず、鳥が飛び回ることもあります。
人間たちは寝静まって、外に出て来ることはありませんから、獣たちは夜は自分たちの天下だと分かっているのです。
こんな時は、外の危険を逃れて、ネズミたちが家の天井裏に逃げ込んで来ていつもになく騒がしいことも、珍しくありません。

昔、電灯などない時代には、月明かりを利用して夜になっても農作業が続くことは、稀ではありませんでした。
狩りに出ることもありました。

私たちが、以前山暮らしをしていた頃、月明かりの夜道を歩いて家に帰ったことがありましたが、懐中電灯の明かりは必要ありませんでしたし、明かりを消すとそこは昼間とは全く違う異次元の世界だったことは、今でも鮮明に覚えています。