日別アーカイブ: 2007年8月29日

コーヒー焙煎



今日は、名実ともにコーヒー通信にふさわしい一日になっています。
たまたまお客様のご注文が重なって、まとまった量の焙煎をすることになりました。
朝から一日、休日返上でコーヒー屋です。

思い返すと、コーヒー焙煎を始めてからかれこれ18年余りになります。
一番初めは、七輪に炭火を起こしステンレス製のザルに生豆を入れ、軍手をはめた手の片方でザルを揺らしながら、もう一方の手に木のしゃもじを持ってかき混ぜていました。(一度に200g分焙煎出来ていました。)
七輪に、アサガオと呼ばれるワクを乗せてかさ上げした中に、てんこ盛りに燃え盛る炭火の猛烈な熱気と、立ち上るものすごい煙と舞い上がるホコリにむせ返りながらも、炒り立てのうまいコーヒーを飲みたい一心で、この苦行に耐えていました。
実は私は、最初からこれを商売にする気でいましたので、こうして焙煎したコーヒー豆を袋に詰めて、毎週日曜日にやっている「百姓の市」へ売りに行きました。
炭火の手網焙煎、しかもオーガニックという希少価値が幸いして、200g1000円という値段をつけていましたが、買ってくださる方があり、固定客も出来ました。
しかし、この方法ではいくらがんばっても出来る量はたかが知れています。
それに長いことやっていると、吸い込んだ煙で頭が痛くなって来るし、健康を害すると聞き及んでちょっと悩んでいました。
その後、今使っているポン菓子機を改造した焙煎機に代わり火力もガスになって、作業はずっと楽になりました。
こちらは、一度に1㎏余の生豆を入れて850グラムくらいの仕上がり、200g4袋分出来ますから、格段の能率向上です。

今日は、これを11回分やりました。
もうすっかり手慣れた仕事になっていますが、それでもパチパチと豆がはぜる音がし出すと、にわかに緊張感が走ります。
そこから数分間で、焙煎度が次々と変化して行くからです。
ミディアムとフルシティーも、時間差にすると3分くらいの違いです。
そしてまた、銘柄毎にその様子が微妙に違っているので、油断しているわけには行きません。
私の焙煎機は、本式のコーヒー焙煎機のように、焙煎中の豆を取り出してチェックすることが出来ませんので、焙煎度の判断は完全に自分の経験と勘だけが頼りです。
一応タイマーも使っていますが、最終的に釜を止める判断をする時は、タイマーは見ていません。
耳(はぜ音)と目(煙の色と量)と鼻(煙の匂い)の感覚をフルに使っています。
こんな具合で、コーヒー焙煎はマニュアル化出来ない要素が沢山あって、デリケートでアートな感じがして、やっていてなかなか面白いです。

今日は、まだこれから各お客様のご注文に合せて、ブレンドの作業をやります。
こちらも、やっていてなかなか面白いです。
この次は、ブレンドのお話でも・・・。