このところの降雪で、にわかに雪対策に駆り出されるようになり、食工房の仕事も小刻みに中断しています。
思いがけない時に、屋根の上に残っていた雪が落ちて、出入り口や道路を塞いだり、除雪車が脇にせり上げていった雪も片づけないと、出入りの邪魔になったり駐車スペースが無くなったりします。
そんなこんなで、今日は朝から3回ほど雪かたしをやりました。
ところで雪国では、一定以上雪が降ると除雪車が出動して、道路の雪を片付けて交通の確保をしてくれます。
夜中のうちから出動して、朝の出勤通学時間までには、生活道路はすべて開通させます。
特別雪がひどい時は、日中にも帰り道の確保のために出動します。
運転席が、民家の2階の窓くらい高い位置にあり、タイヤの直径が大人の背丈くらいもある巨大な除雪車が、この山都町内だけでも10台以上は走り回っています。
もう半ば当たり前のようになった除雪車の出動ですが、こんなに隅から隅まで除雪が行われるようになったのは、聞くところによると昭和50年代に入ってからだそうです。
私が知っている限りでは、それはユンボやローダーと呼ばれる高性能の建設重機が出現した頃と一致します。
この頃を境に、雪国の冬の風景は一変したと言われます。
考えてみると、こんな山里で風変わりなパン屋を開店し、遠来のお客さまもお迎えし、宅配便を使って地方発送もこなすというのは、今だから出来ることなのですね。
一方でエコロジカルな生活を目指して来た自分としては、この大きな矛盾に、ちょっと今すぐには答えが出せません。
それより、このところの経費削減で、除雪の体制も以前に比べて後退しています。
もし、必要な交通の確保に支障が出るほどになったら、食工房もここで商売を続けていくことが出来なくなりますね。
差し迫った心配というわけではありませんが、今日は雪かたしに汗を流しながら、ふとそんなことを考えていました。
今日こそは、屋根から雪崩落ちた雪の山を写真に撮ろうと思っていましたが、気がついた時にはもう片づけてしまった後でした。
道路を塞いでいるのを目の当たりにしたら、どうしたって悠長にカメラを構えているわけにはいきません。