月別アーカイブ: 2008年2月

鳥も獣も虫も、「人」と呼ぶ感性

以前、「デルスー・ウザーラ」という物語を読んだことがあります。
ほぼ事実に沿って書かれたこの物語は、沿海州の一帯を調査したロシアの軍人によって記されたものです。
この中で、調査に同行しガイド役を務めた、現地の先住民ゴリド人(正式には、ナナイ氏族)の男の名、それがデルスー・ウザーラです。
この物語の中でデルスーは、行く先々で出会う鳥や獣、虫たちはもちろんのこと、太陽や月や星、雲までもを「人」と呼びます。
私は、直感的にその自然観にとても親しみを覚え、その通りに違いないと思ったものです。
その物語を読んだ時の感激は、以前文章に書いて発表していますので、今ここでは申し上げませんが、今日、「ナショナルジオグラフィック・2008年3月号」に、「動物の知力」というタイトルで大変興味深い記事があるのを見つけ、読んでみて驚くと同時に膝を打ちました。
最近の研究で、動物たちがこれまで考えられていたのとは大違いの、大変優れた知的能力を持っているらしいことが分かったというのです。
その記事の一部始終をご紹介することは到底出来ませんが、そこには例えば、自分から自発的に人間の言葉を覚えてコミュニケーションしようとするヨウム(オウムの一種)の話などがレポートされています。
これを読みながら、私は科学がやがて発見し証明するのは、例えば先に申し上げた、デルスー・ウザーラの自然観は間違っていなかった、というようなことなんじゃないかと思っています

その時人間は、鳥や獣や虫たちを、そして人間自身を、どのように捉え付き合って行くことになるのか、ちょっと楽しみです。
正直に言えば、私はむしろその時を待っているのですから。

雪の在庫処分?



一日で元の木阿弥というわけですが、
これで嫌になるということはないのが、
自分でも不思議です。



一昨日はこうでした。


3月を目前に、今頃になってかえって雪が多く寒い日が続いています。
冬将軍が、残った雪の在庫処分をしてるんだね!と娘たちと笑っています。
一昨日、きれいに片付けておいたのがいいタイミングでした。
昨日と今朝方の降雪で、屋根から落ちた雪がご覧のとおりです。
今日は一日パン焼きで忙しく、すぐには手が出せませんでした。
ちょうど台所の前が塞がってしまったので、明かりを点けないと中は真っ暗でした。
でも今日は、仕事が手際よくはかどって配達も早めに終わり、明るいうちに帰って来られましたので、夕方のちょっとの間に雪かたしをやりました。
で、張り切ってのぞんだのは良かったのですが、30分もしないうちに暗くなって来て足元が見えにくくなり、おまけに雪を片付けたところがちょうど換気扇の噴き出し口で、中から美味しそうなにおいがして来るものですから、空腹に耐えかねて止めざるを得ませんでした。
残りは明日の午後までお預けです。
どうやら裏に作りかけたモランは、自分で勝手に一回り以上大きくなったようです。
そして私は、これで5度目の冬ですが、まだまだ雪が嫌にはなりそうもありません。

コーヒーと音楽/フォークロアセンターの思い出

コーヒーと音楽の関わり、これもまた語り出せばキリのない話しになります。
音楽に耳を傾ける時、そこに一杯のコーヒーがある・・・、お似合いの風景だと思います。
今はどうか知りませんが、私の若い頃は、ジャズ喫茶、ロック喫茶、ブルース喫茶、フォーク喫茶等々、それぞれのジャンルの音楽を専門に聴かせる喫茶店が沢山ありました。
このブログでもすでにお話ししましたが、私のレギュラーコーヒー入門は、ジャズ喫茶通いから始まっています。<参照>
その後東京に出て来た私は、ロック喫茶、ブルース喫茶を見つけて、あちこち出没していました。
昔から、音楽とコーヒーと自分のスペースを、頭の中で結びつけて想像を膨らませ続けていた私が、店を持つことに大きく一歩を踏み出すきっかけになったのは、東京の両国に今もある、「フォークロアセンター」という店に、スタッフとして関わったことです。
1974年9月から1975年3月まで、短い間ではありましたが、非常に中身の濃い、私にとっては人生の一大転換点でした。
それまで、客としてコーヒーを飲んだことしかなかった私は、客にコーヒーを淹れて出す側に回り、コーヒーと好きな音楽三昧の毎日を過ごしました。

ところでフォークロアセンターは、アメリカのフォークミュージックに関わりが深いのですが、それに止まらず、今で言うところのルーツミュージックへの手がかりを得られる貴重な場所でもありました。
客の中には、珍しい音源や楽器などを持参で来店する人もあり、音楽的刺激には事欠きませんでした。
店内にも、アイヌの「ムックリ」や「トンコリ」、また当時はまだほとんど知っている人もなかった「ダルシマー」なんかも置いてありました。

加えてライヴハウスでもあったフォークロアセンターで、私は、沢山のミュージシャンたちと出会うことも出来ました。
今は有名人となりメジャーな世界で活躍していて、当時はまだ無名だった、久保田麻琴、井上憲一、佐久間順平、ウィーピングハープ・セノオなどと、親しく話しをする機会があったことも楽しい思い出です。
私も、当時はブルースバンドでハープ(ブルースハーモニカ)を吹いていて、フォークロアでも演奏したことがあるのです。

さてさて、そこで忘れてはならないのが、フォークロアセンターで出していたコーヒーのお話しです。
当時、この手の店としては珍しく、ウィンナーコーヒーを出していたのですね。
そしてコーヒーメニューは唯一それだけでした。
あとは、バヤリースオレンジドリンク、コーラ、そしてビールでした。
ところが、このウィンナーコーヒーに使う生クリームには、オーナーの特別なこだわりがあって、中沢乳業の純生クリームでなくては承知しませんでした。わざわざこれを買い求めに、東京駅の大丸デパートの地下食料品売り場まで、しょっちゅう出かけていました。
そしてコーヒー豆は、当時すぐ近くに店があった、愛川コーヒー店という小さい焙煎店から仕入れていました。(その後、このお店は隅田川の向うの日本橋の方に移転してしまいました。)
すぐに私も、店用の他に自分用の豆をそこで買うようになり、こうして私がコーヒーの世界へと深入りして行く第一歩、その足跡は、東京両国の地に印されたのでした。

ちなみに、フォークロアセンターは現在も健在で、オーナーの国崎さんもお元気らしいです。
2002年からホームページも開設され、文筆の達者な国崎さんの沢山のレポートの中には、私も良く知っている懐かしい方々のお名前を、何人か見ることが出来ました。
日本の音楽シーンの底辺で貴重な役割を果して来た、フォークロアセンターに興味をもたれた方、どうぞ<こちら>からお訪ねください。

もしいつか出来ることなら、こうした方々に私のコーヒーをご馳走しながら、昔を語り合ってみたいものだと思っています。

雪遊び



いつの間にか軒にとどきそうなほどたまってしまいました。
屋根の上の雪が落ちると、塞がってしまいそうに見えます。



3時間ほどかかってすっかり低くなりましたが、まだ
この下に大方人の背丈分残っています。


今日は定休日で、ちょっと用足しがあったのを午前中で終わらせ、午後から「雪かたし」ならぬ「雪遊び」で元気良く暴れました。
家の裏に屋根から落ちた雪がたまって、とうとう軒の高さに迫り、あと少しで屋根とつながってしまいそうだったので、この雪を片付けがてら、巨大な雪人形を作ろうということになり、娘たちと連れ合いも参加して、思いがけずも雪遊びとなりました。
いつもよりハイペースでガンガン雪を掘り、スノーダンプで小走りに往復して、雪の山を作りました。
しっかり固めて行くので、沢山運んだはずの雪も意外にこじんまりしてしまって、なかなか巨大という雰囲気にはなってくれません。
それでも3時間余り奮闘して、雪の山は人の背丈分は低くなりました。
そして家の裏には、直径4メートルほどの雪の山が出来かけています。
明日もう一日かけて、高さも4メートルくらいにして、
ムーミンのお話しに出て来る、モランが現れるはずです。
そんなわけで、今日はちょっと夢中になりすぎて、さすがにくたびれてしまっています。
でも、お風呂に入ったあとは、いつもに増してグッスリと眠れそうです。




まだまだこれから上に向かって積み上げて行きます。
すでに人の背丈くらいあります。
明日には、モランが現れるか・・・!



こちらは、息子がここ一週間くらいかけて作った「かまくら」。
中央付近は、大人がゆうゆうと立っていられます。
10人は入れる広さ。

Google Earth

グーグルアースをご存知の方は多いでしょう。
インターネットならではの優れたコンテンツだと思います。
私は、数年前から利用していますが、年々細密な画像でカバーされる地域が少しずつ広がっていて、興味深く見ています。
私が良く訪ねる地域は、ほとんど世界の辺境と呼ばれる場所ばかりです。
一番よく訪ねるのは、シベリア地域です。
どこかに、チュクチ族のキャンプ地があるのが見えるのじゃないかと思ったりして、けっこう熱心に探し回っています。
そうやって世界の辺境と呼ばれ、ほとんど住む人も居なさそうな地域を隈なくスキャンしていて驚くのは、たいていどんな場所にも必ずと言って良いくらい、人間活動の証拠が見つかることです。
例えば道路、鉄道、飛行場、そして建物、あるいは天然ガスのパイプライン、送電線などです。
何十キロ、何百キロと周りは森林原野のみというような場所に、ポツンと小さな飛行場と数十件の家、畑らしい土地が見つかったりします。
一体どんな暮らしをしているのか、想像を膨らませ、そこから検索の旅に出るのも楽しみです。


それからもう一つ、私の興味をさらっている国フィンランドもよく訪ねます。
皆さんにもおすすめしたいのは、首都のヘルシンキの都市としての規模や住宅地の様子を、東京のそれと見比べることです。
もちろん、日本の方が圧倒的に人口が多いのですから、様子が違うのは当然としても、何か決定的に都市づくりのコンセプトの違いみたいなものを感じます。
率直に言って、あちらはいいですね。
あんな街なら、都会も悪くないなと思ってしまいます。
そんな街づくりが、この日本のどこででも可能とは思いませんが、人口の少ない地方の小都市でなら可能かも知れません。


その他、まだまだ訪ねていないところがほとんどで、地球は広いということをリアルに実感しています。
そして、その地球上のほとんどどこにでも暮していて、今や自然環境に重大な影響を及ぼしている、人間の凄さに唖然としている私です。

冬の嵐


昨夜から今朝にかけて、全国的に荒れ模様のお天気だったようですね。
ここ雪国会津は吹雪で、一晩中風が唸っていました。
朝になってもしばらくは猛烈な雪で、こんな中、野生の鳥や獣たちはどこで寒さをしのいでいるのだろうかと思いました。
きっと命を落とす者も少なくなかろうと、暖かい部屋でコーヒーを飲んでいる自分との落差に、しばし無言で想いに浸りました。
そのあと集会所に用があって、歩いて5分ほどの距離を往復して来ましたが、薄手のゴム長靴ではさすがに冷たくて、体は気持ち良かったのに足先はいつの間にかしびれていました。
油断しちゃいけないんですよね。
凍傷って、気づかないうちになってしまうらしいですね。
まあ、今朝のは大したこともなく、大丈夫でしたが・・・。
今日は朝からこんな様子でしたから、予定していた「カフェクラブ」のイベントは中止と決定して、造り仕事に専念しました。
こんな日に、一人でもお客さまが見えればめっけものと思っていましたが、それでも何人か見えました。
いやはやこの寒さの中を、本当にありがたく恐縮の至りです。
まだここ数日は、冬型の気候で寒い日が続きそうです。
寒い時には、食工房ではマフィンとスコーンの出来が良くなります。
そのわけは?<こちら>をご覧ください。
どうやら明日も、似たような一日になりそうです

made by 山脇さん



一杯10gずつ計れるコーヒーメジャー
今回、3本作っていただきました。


先日、待望の木のコーヒーメジャースプーンが届きました。
いつもながら、山脇さんの作品から伝わって来るエネルギーに、心が温まります。
山脇さんは「工房かし」のオーナーで、私とはもうかれこれ20年来のおつきあいになります。
よく作品は人柄をあらわすと言われますが、山脇さんの作ったものをずっと見続けて来ていつも感じていたこと、それは、本当に真面目に、謙虚に、素材となる木に向かい合っているということです。
手にとって触れてみると分かりますが、実に細かいところまで一つも手を抜くことなく、気持ちを込め手を尽くして作られたものからあふれ出て来るエネルギーは、いつまでも尽きることがありません。
いつだったか電話でお話している時、「ぼくには、これしか出来ないから・・・」というような言葉をうかがった覚えがあるのですが、その時、あれこれ目移りばかりして来た私は、ああそんな生き方がうらやましいと思ったものです。
そんな山脇さん、初めて会った頃はパン屋になるための勉強もしていたのです。
20年後に、私の方がパン屋になっているとは、その時は全く想像もしていませんでした。
私事になりますが、食工房の看板メニューの「堅焼き黒パン」、実は山脇さんの大変なお気に入りで、度々ご注文をいただいています。
私が「堅焼き黒パン」を自信を持って焼き続けている理由の一つは、山脇さんのような方にご支持をいただいていることです。
そしてジャンルは違っても、お互いにモノづくりという誤魔化しの利かない仕事をしているからでしょうか、黙っていても通じ合う何かがあると感じます。
山脇さんの作品、この他にも沢山展示しています。
このブログの中でも紹介しています。   <参照1>    <参照2>
どうぞご覧になりにいらしてください。




私がブログに載せたトントゥの写真を見て
木で作ってくださったトントゥです。
仲間がふえてなんだかうれしそうな顔で
見ているのは、フィンランドからやって来た
フェルトのトントゥです。

多忙の合間に


今日は、毎月一回の会津若松方面への配達日でした。
いつも午後いっぱいかけて回って来るのですが、今日は、発送扱いのご注文がちょうどいくつか重なって、昨日からずっと製品づくりで超多忙でした。
いつもならお昼には出発出来るところ、午後2時までかかってマフィンとスコーンを焼いて包装したところで時間切れとなり、てんこ盛りの汚れ物の後片付けは、申し訳なくも全部娘たちに任せて、飛び出しました。
幸い晴天で、道路には雪もなく快調に走り回って、最後に「駅カフェ」さんに納品に寄りました。
何度訪ねても、いつ訪ねても、絵になる風景の七日町駅とその中の駅カフェ。
今日、改めて気がついたのですが、正面入口は重量感のある木製の引き戸になっているのですね。
もちろん自動ドアではありません。
でもよく手入れされていて、実際に開け閉めしてみると、とてもスムーズに動きます。
今どき、ちょっと珍しいのでしょうか・・・?
開け閉めしながら、ちょっとうしろをふり返って、続いてくる人がいないか気にしたりして、人の気持ちが通い合うチャンスが生まれますね。
昨日、今日とあまりに多忙で、目が回りそうで、車を運転していても余裕がありませんでしたが、最後に駅カフェで写真を撮っているうちに、やっと落ち着きました。

いい香り、お届けしています。




カフェ・マヤ、コチャパンパ、アンナプルナ、ジョアキン
さて、どれがどれでしょう・・・?


昨日、知り合いのお宅て゛一枚の新聞の切抜きを見せられたのですが、そこに、コーヒーの香りにはリラックス効果があることが、科学的に分析証明されたということが、書かれてありました。
コーヒーを商売にしている者としては、追い風ともなるうれしいその記事の中でも触れていましたが、私の経験でも、コーヒーの香りはほとんどの人に好まれますね。
コーヒーは飲まないあるいは飲めないという方でも、香りだけは好きだと言う人がいたというお話し、私のブログの中でも取り上げています。 <参照>
結局その話の中では、コーヒーを飲めなかった方が、ブラックでお替りまで所望するようになったわけですが、先日も、やはりその例にもれない方がいらして、今までコーヒーはダメだったけれど飲んでみたくなったと、私のコーヒーを試してくださいました。
果たしてこれからその方が、度々コーヒーを召し上がるようになるかどうかはまだ分かりませんが、ここでも、コーヒーの香りの力はそんなにも大きいということを、改めて思います。

食工房では、この香りこそコーヒーの生命と考え、生豆の選定、焙煎、ブレンド、そして出荷販売の体制などに、日々工夫を心がけています。
焙煎は、だいたい毎週水曜日に行い、それまでの一週間分のご注文を、週末までにお届けするようにしています。

ご注文は100g以上から承っております。
店売りの他、遠方への発送もOKです。(送料の負担をお願いします。)
代金のお支払いは、品物到着後に郵便振替でご送金いただいています。

☆コーヒー豆の詳しい商品説明は、<こちら>からご覧ください。
☆お問合せとご注文は、
m_aoki@shokuko.com
     
  <ご案内>

「高野茶屋カフェクラブの集い」 開催予定
2月24日(日) 午後2時より、終了随時


今回は、深炒りコーヒーで体の温まる飲み方を試します。
ウィンナコーヒー、カフェ・オ・レ、カフェ・ラ・テ、アイリッシュコーヒーの四種類のコーヒーとパン、焼き菓子などを召し上がっていただきます。

参加費 お一人 1,000円 お申し込みは当日朝までに。

☆なお、雪がひどい場合には中止しますので、ご心配な時はお出かけ前にお問合せください。

  ドコノモリヘオタズネクダサイ
連れ合いが、ブログと言っていいかどうか分かりませんが、自分の部屋をつくりました。




入口は<こちら>