今日は木曜日、忙しいパン焼きの日でした。
朝、一しきり作業を終わらせてからシャッターを開けると、空は明るいのですがまだ日が差していなくて、夜中に降った雪で化粧した樹木がとても美しく見えました。
何がなくても、私には、こうした風景が一番のごほうびです。
どうせ店を開くなら、何でもっと街の中にしなかったんだと言われたことは、一度や二度ではありませんが、毎日眺める風景が、例えば、立ち並ぶビルと信号機と車の列だとしたら、私は半年も持たないで具合が悪くなるに違いありません。
お客さまが少なくても、売り上げが厳しくても、私にとって、やっぱり他のものに代えられないのは、自然の風景の中に居るということです。
そしてまた、こういう環境だからこそ、おいしいパンが造れるのだと思っています。
おしらせ
ここしばらく製造をお休みしておりましたマフィンを再開いたします。
明日(2月1日)は、久しぶりにシマリス君の朝ごはん、ココリス、スィートハートなど、全品顔を揃えて皆さまのご来店をお待ちしています。
月別アーカイブ: 2008年1月
コーヒーミル
イギリス製スポングミル
私が、最初に手に入れた所帯道具と言えるもの。<参照>
英、スポング製ミルは、現在製造されていません。
代わって、国産のものが製造販売されているようです。
昔から変わらぬスタイルと赤い色、Fujiのコーヒーミル
何と言っても頼りになります。
何十年と使い込まれている中古品ですが、
全く問題ありません。
粒度を正確に決められる大きなダイヤルノブ
コーヒー豆を挽いて使うことは、皆さんよくご存知のことと思います。
すでに挽いたものも売られているわけですが、召し上がるその度に挽き立てを使った方が、格段に香りが良いことは言うまでもありません。
そのコーヒー豆を挽くための道具が、即ちコーヒーミルですが、大まかに言って二つのタイプがあります。
一つはオーソドックスな挽き臼式のもの、もう一つは高速のカッターミキサーです。
近頃は、安価でコンパクトで手軽に使える、カッターミキサータイプを使う方が増えていますが、これは正直あまりおすすめ出来ません。
どうしてかと言うと、高速で回転するカッターがコーヒー豆全体をかき回すので熱を持ってしまう、均一な粒度(挽きの粗さ加減)に挽くことが難しい、この二つの理由があるからです。
一番優れているのは、手回し式のコーヒーミルです。
時間がかかりますが、これに勝る方法は他にありません。
最高の香りを失いたくないとお考えなら、手回し式に限ります。
もし量が少し多くて大変なら、高価にはなりますが、挽き臼式でも電動のものがあります。
そして、家庭に置くにはちょっと大げさですが、業務用のコーヒーミルなら、あらゆる面で余裕があり、粒度も正確に決められますし、手回し式に比べても遜色ありません。
ところで、コーヒー豆を粉に挽く時覚えておいていただきたいのは、抽出方法によって粒度が違うこと、そして一つの抽出方法について、粒度の違いによって味が変わることです。
またドリップ式の場合は、一度に抽出する量によっても、粒度を変える必要が出て来ます。
とは言え、業務用のコーヒーミル以外では、正確な粒度の調節は出来ませんので、実際に使いこなすうちに最適な粒度をつかむしかありませんが、まあそれも楽しみのうちと思って試行錯誤していただければ、思わぬ発見もあるはずです。
ペーパードリップを想定して申し上げると、粒度はいわゆる中挽き(数値的データはありません)ですが、より細かく挽くと、味は濃厚かつ酸味が前に出て来ます。
逆に粗挽きすると、味は淡白になり酸味はずっと後退します。
ちょっと贅沢ですが、少し粗めに挽いたコーヒーを規定より多めに使うと、大変うまいコーヒーになります。
私がコーヒーを商売にするようになって、何人もの方からリクエストされるオーダーに、苦みも酸味も共に軟らかく(単純に少ないということではありません。)、そうかと言って香りは高く、口に入れた時甘みを感じるコーヒー、というのがあります。
全く、難易度100超のこのコーヒーも、必ずしも不可能というわけではありません。
あらゆる条件を揃えて行く中に、当然コーヒーミルにも注文が付きます。
手回し式のミルなら、グンと合格点に近づきます。
お金をかけずに最高の結果を得られるのが、手回し式のミルです。
皆さん!今一度、手回し式のコーヒーミルを見直してみませんか・・・。
二人でお茶
駅カフェ店内の一角
細かいところまで一貫したコンセプトで、
とてもいい雰囲気を出しています。
この頃は何だかいつも忙しくて、連れ合いと二人で外へお茶を飲みに行くなんてことは、年に何回あるだろうかというくらいになっています。
今日は「駅カフェ」さんに納品があり、食工房は定休日だったので、ついでに二人でお茶を飲んで来ようということで出かけました。
いつもながらレトロな店内の雰囲気は、私も連れ合いも共に好みです。
今日は、駅カフェ自慢の名水水出しコーヒーとシフォンケーキのセットを楽しみました。
ここのコーヒーは、焙煎はフルシティーくらいの深炒りで、それを水出ししているので、酸味のほとんどない、苦みもその割りに軽やかなコーヒーです。
ペルー産の豆だそうですが、食工房のペルー産とはまた違った個性が引き出されています。
シフォンケーキは、コーヒーマーブルのものでした。
ふわふわさっくりで、食工房のケーキとは対照的な個性で、多くのお客さまに好まれるだろうなと思いました。
こんな風に違った個性のケーキをいくつも楽しめるのは、お店にとってもお客様にとってもいいですね。
たまたま他にお客さまがいなかったので、あちこち厚かましく写真を撮らせてもらいました。
何枚か撮っているうちに、マニュアル露出が利かないコンパクトデジカメも、カメラの自動露出を上手くだまして、少しは好みの露出に近づけることが出来ることが分かりました。
一眼レフでマニュアルで撮るようには行きませんが、まあそう悪くもないかというくらいには写ります。
私は、駅カフェの窓ガラスがとても好きです。
何でもない外の風景が、とてもファンタスティックに見えます。
店内の陳列品も、このガラス窓とうしろの
風景があると、一段と素敵に見えますね。
それで、コーヒーとケーキの写真も撮ろうと思っていたのですが、ついうっかりと先に手を付けてしまい、見た目が悪くなってしまったのであきらめました。
やっぱり職業意識が先に働いてしまうんですね。
・・・残念!
除雪 HIGH(ハイ)
家の前はご覧のとおり
圧雪に覆われ、地面は1メートル以上下です。
中から見るとこんな状態
このままでは外には出られません。
雪を掘って階段を作ります。
屋根から雪が落ちる度に
作り直します。
今日は午前中、食工房の仕事をして、午後からは大方雪かたしで終わりました。
それほど雪と格闘しなくてはならないわけは、写真を見てください。
雪国の方には珍しくもない風景ですが、今日は私の郷里の友人知人のために、画像大サービスで行きます。
「除雪ハイ」なんてものがあるかどうか知りませんが、今日の私はそんな状態でした。
いい加減くたびれているのに、雪の山があるうちは止められないんですね。
これでは華奢な我が身を傷めてしまうと、半ば危機感を感じながらやっていました。
まあでもご安心ください。
たくましい息子が半分受け持ってくれましたので、何とか無事に終わりました。
それにしても屋根の上は、やっぱり最高でした。
私は、煙と同じ○○ですね。
でもこれをやっておかないと、本当に屋根がつぶされてしまいます。
二棟の建物の屋根がつながった構造で、間がV字の谷間になっているため、そこに積もった雪は溜まる一方で、取り除かない限り春までなくならないのです。
さあいよいよ屋根に上ります。
足場は、すでに積もった雪で人の背丈より上です。
それでも、ニ連ハシゴをいっぱい伸ばしてやっと届く高さ。
上から見るとこんな感じです。
屋根の上の目線は、電柱の上のトランスがある位置です。
道路の向かいの物置小屋の雪が落ちそうです。
後で夕方暗くなった頃、落ちて道路を塞ぎました。
日の当る側は、見事に雪が落ちてしまっています。
作業終了。
この状態では、上に立っていることは出来ません。
足元には、足場にするために圧雪を残しています。
一番最後は、ハシゴに乗り移ってそれを落とします。
いやはや今日という今日は、徹底的に疲れました。
明日が定休日で良かったです。
ゆっくり休ませていただきます。
でも一方では、また雪が降るのを妙に楽しみにしている私です。
除雪ハイは、本当かも知れません。
息子が携帯で撮ってくれた写真
まるで遠足の日の小学生
雪対策で過ぎる一日
このところの降雪で、にわかに雪対策に駆り出されるようになり、食工房の仕事も小刻みに中断しています。
思いがけない時に、屋根の上に残っていた雪が落ちて、出入り口や道路を塞いだり、除雪車が脇にせり上げていった雪も片づけないと、出入りの邪魔になったり駐車スペースが無くなったりします。
そんなこんなで、今日は朝から3回ほど雪かたしをやりました。
ところで雪国では、一定以上雪が降ると除雪車が出動して、道路の雪を片付けて交通の確保をしてくれます。
夜中のうちから出動して、朝の出勤通学時間までには、生活道路はすべて開通させます。
特別雪がひどい時は、日中にも帰り道の確保のために出動します。
運転席が、民家の2階の窓くらい高い位置にあり、タイヤの直径が大人の背丈くらいもある巨大な除雪車が、この山都町内だけでも10台以上は走り回っています。
もう半ば当たり前のようになった除雪車の出動ですが、こんなに隅から隅まで除雪が行われるようになったのは、聞くところによると昭和50年代に入ってからだそうです。
私が知っている限りでは、それはユンボやローダーと呼ばれる高性能の建設重機が出現した頃と一致します。
この頃を境に、雪国の冬の風景は一変したと言われます。
考えてみると、こんな山里で風変わりなパン屋を開店し、遠来のお客さまもお迎えし、宅配便を使って地方発送もこなすというのは、今だから出来ることなのですね。
一方でエコロジカルな生活を目指して来た自分としては、この大きな矛盾に、ちょっと今すぐには答えが出せません。
それより、このところの経費削減で、除雪の体制も以前に比べて後退しています。
もし、必要な交通の確保に支障が出るほどになったら、食工房もここで商売を続けていくことが出来なくなりますね。
差し迫った心配というわけではありませんが、今日は雪かたしに汗を流しながら、ふとそんなことを考えていました。
今日こそは、屋根から雪崩落ちた雪の山を写真に撮ろうと思っていましたが、気がついた時にはもう片づけてしまった後でした。
道路を塞いでいるのを目の当たりにしたら、どうしたって悠長にカメラを構えているわけにはいきません。
落雪にご注意!
今日は早朝からパン焼きの日で、テキパキと仕事を片づけました。
パンの出来も上々でした。
ただちょっと寝不足で、あとで疲れが出るだろうなと思っていました。
昼頃、ドドーッと音がして、店の前に屋根の上から昨日の雪が一気に落ちて来ました。
アッと言う間に店の前に雪の山が出来て、道路も半分塞いでしまいました。
これではお客さまの出入りはおろか、通る車も迷惑です。
それより何より、下に誰もいなくてホッとしました。
車が止まっていれば、屋根がへこんでしまいます。
もし人がいて直撃されたら、ケガでは済まないかも知れません。
雪国では、冬はどこのお家でも、この屋根からの落雪には心しています。
早速仕事を一段落させて、息子と二人スノーダンプで、道路を半分塞ぐほどになった雪の山を片づけました。
ご来店の方、これからしばらくの間、特に降雪の後は落雪にご注意願います。
店のすぐ前にはお車を止めないよう、また出入りの際は頭上に十分ご注意くださいますようお願いいたします。
雪の日、2倍ポイントプレゼント
12月から3月まで、雪の日にご来店の方に、ポイントカードの点数を、通常お買い上げ500円毎に1点のところ2倍のポイントをさし上げています。
このこの機会に上手にポイントをためて、無料コーヒー券を獲得してください。
詳しいことは、「パンだより・新年号」をご覧ください。
<こちら>
雪、雪、雪・よそ者の会津考 vol.4
まさに雪国の冬の風景
店の前の雪の山もどんどん高くなっています。
今日は、予定通り午後から、会津若松市方面へ配達に回って来ました。
昨日からの雪が、今朝までに新たに50cm近く積もって、店の前も家の前も出入りが不自由となっていましたので、仕事の前にひとしきり雪かたしをやりました。
車も半分埋まったような状況で、こちらは時間切れで息子にバトンタッチしました。
ところで、雪国会津でこのくらいの雪はもう当たり前のことなのですが、ずっと会津に暮している方々のこの雪に対する心象と、大人になって途中から会津にやって来た私などの心象は、ずい分違うものだと感じています。
私の知り合いで、会津で生まれ育ち暮して来た方の昨日のブログの中に、雪のことに触れた記事があり、それを読んで思わず大きく深く頷かざるを得ませんでした。
<参照>
小さい時からずっと何十年を、毎年雪と付き合って来た方の感覚と、南国育ちで雪は珍しくてうれしいものだった私の感覚が違うのは、当然と言えば当然です。
しかし私も、雪で苦労し雪に泣かされたことが、無いわけではありません。
以前山暮らしをしていた時のある年の冬、3日続きの豪雪で5日間孤立し、スコップだけで1000mの山道を車を出すために、当時はまだ少年だった息子たちに手伝わせて、4日間朝から晩まで雪を掘って道を開けたこともあるのです。
会津の方がよく「雪などいらねェ。」とか「雪さえなければ・・・。」と仰るのを耳にしますが、そうかと言って、降れば降ったで黙々と淡々と雪かたしをしている姿に、私は妙に胸を打たれます。
私などは、どっさり降るとわけもなくうれしくて、いい歳をしてはしゃいでいるのですから、ひんしゅくを買ってしまいそうです。
でもこの雪が、会津の水の恵み、土の恵みにつながっていることは間違いありません。
そのことは、地元の方々もよくお分かりです。
先日、高知の従兄弟から便りがあり、その中でTVで見た飯豊の風景がことさら美しく思えたことに触れ、厳しい自然はそのお返しに恵みを与えてくれると思ったこと、そして四国の温暖な気候では考えられないことだと結んでいました。
雪があっても、雪があるから、会津はいいところです。
配達の帰り道、会津若松市郊外の路上にて
帰り道、こちらは山都町内です。
冬の嵐
今日は、明け方から降り始めた雪がしだいに強くなり、そのうち風も出て来て荒れ模様の一日となりました。
店の中から眺めている分には、雪が風に乗ってクルクル舞っているようでとても美しいのですが、外はもう大変な寒さです。
こんな冬の嵐の中を来る人もいないだろうと思っていましたが、先ずガス屋さんが集金に来ました。
次に宅急便が集荷に回って来ました。
そして運転手さんも、沢山パンを買ってくれました。
その次は、製菓材料屋さんが注文品の配達に。
それからガス屋さんが、ボンベの交換に来てくれました。
雪の中で重たいボンベを2本取り替えてくださる姿には、頭が下がりました。
おまけにパンも買ってくださって・・・、ありがとうございます。
こちらは店の中で暖かい仕事ですから、何やら申し訳ないような気分でした。
しかしその私も、夕方から配達に出ました。
今日という今日は、これぞ会津の冬という感じでしたね。
気温が完全に氷点下のせいで、上着に雪が付いても全然濡れないのはかえって気持ちが良かったです。
道路は、そりゃあもうスケートリンク並みにツルツルですが、スタッドレスタイヤはすごい威力です。
ゴム長靴では立ってもいられないような坂道を、グイグイ登って行きますからね。
それにいよいよ気温が下がると、路面は車が乗っても融けないので、その割には滑りません。
それでも下り坂は怖いですけど・・・。
それより困るのは、ワイパーに雪が凍り付いて窓が拭けなくなり、前がよく見えなくなることです。
今日は、立ち寄った先々でワイパーの氷を落としていました。
そんな道路を、渋滞するほど結構沢山の車が走っていて、自分もそうですが、産業社会に休みはないのだなぁと思うことしきりでした。
この配達に出ている間に、お客さまも見えたらしいです。
いやはやこの嵐の中を、本当にありがとうございました。
明日はまた、会津若松市方面へ配達に回ります。
多分、今日と似たような条件になるらしいので、集中力を切らさないよう、気をつけなくてはと思っています
おいしいコーヒーの淹れ方
毎週恒例の「習刊・コーヒー通信」、今週はペーパードリップで美味しいコーヒーを淹れるコツをご紹介しましょう。
もう何もかもご存知の方もいらっしゃると思いますが、確認の意味で一緒におつきあいください。
そして、今まで知らなかったことがあったら、迷わず実行してみてください。
きっとご満足いただけるはずです。
ではでは・・・。
これを絶対に忘れないように。
これだけでも、確実にコーヒーのグレードが上がります。
ペーパードリップを使う時の先ず第一のポイントは、セットしたフィルターにお湯をかけて十分に湿らせることです。
これにより、紙の臭いが抜けると同時に、繊維が膨らんでフィルター効果が高まり、濁りのないピュアなコーヒーが抽出されます。
フィルターを湿らせたら、下に落ちたお湯は捨ててくださいね。
トントンと軽くたたきます。
真ん中を指で窪ませて、
おまじないは「コピ、ルアック!」
そしてコーヒー粉を入れます。
ドリッパーを軽く叩いて、粉を平らに落ち着かせます。
量が多い時など、中央に窪みを作りお湯の回りが均一になるようにします。
お湯は、沸騰から3~5分冷ましてから使います。
別のポットに移し替えるなどすれば早く冷めます。
だいたい90℃を少し超えるくらいです。
さあいよいよ抽出です。
お湯は、初めはそろそろと含ませるように慎重に注ぎます。
上面が泡で覆われたら、注ぐのを止めて一呼吸置きます。
量が少ない時は、この一呼吸を長くとります。
後はほとんど切れ目なくお湯を注ぎます。
蒸らしの後、どんどん注いでいるところです。
泡立ちの良さにご注目!
コーヒーの抽出時間は、量の多少に関わらず3分を目安にしてください。
長くなりすぎると、苦みが増し渋みも出て来ます。
逆にあまり短いと風味が出切らず、水っぽい間の抜けたコーヒーになってしまいます。
そして、最後の一滴まで落とさないようにすることです。
もったいないなんて言ってはいけません!
泡の部分に渋みが乗っていますから、これを下に落とさないうちにドリッパーを外してしまいます。
そのタイミングで、規定の量が抽出されるよう、すべてはお湯を注ぐスピードで調節するわけです。
3分ですよ!お忘れなく。
さあこれで、美味しいコーヒーが飲めるはずです。
ちなみに、抽出時の泡立ちの良さが何と言っても大切です。
これはその豆が炒り立てであることを示しています。
お好みのカップでお楽しみください。
そして新しいコーヒー券です。
おしらせ
cafe高野茶屋のコーヒー券の価格を、2月より改定させていただきます。
焼き菓子一品付きのコーヒー券1枚が400円になります。
こちらも食工房のポイントカードの対象となります。
どうぞご了承ください。
暮して遊ぶ
子どもの時からずっと思い出せる限り私の人生をふり返る時、「何でも自分でやってみる」、これが生き方の根本姿勢だったような気がします。
本当にいろいろなことに手を出しています。
そして我が連れ合いも、その点では私とピッタリ同調する人だったので、我が家は6人の子ども達も含めて家族中、生活全体のスタンスがずっと自給自足的方向でした。
私は、仕事上でも生活上でも出来ることは何でも自分でやっていましたし、連れ合いは子ども達の着るものは、上着からパンツに至るまで縫っていました。
子ども達は、買い与えたオモチャに飽き足らず、ナイフや鋏、ノコギリなど何でも持ち出して、自分たちで作ったオモチャで遊びました。
そんな私たちのことを、友人の一人は「暮して遊んでいる。」と言ったものです。
曰く、「遊んで暮す」のは極道のやることだけど、「暮して遊ぶ」のは、自給自足の極意だと。
しかしそうは言っても、限られた人の一生の中にすべてを抱え込むことは出来ませんね。
一方では、人を信頼し自分に出来ないことを任せる、というスタンスも大切なことです。
そこに人と人の交流も生まれます。
そこで実は、私が何でも自分でやって来たことの根底に、人を信頼出来ないという気持ちがあったことは否定しません。
しかし、そうやって何十年を過ごして来て、到底自分には出来ないこと、人の力を借りなくてはどうにもならないことは、いくらでもあるということも思い知りました。
そして人の力を借りようという時、信頼し納得して対価を支払うことに、惜しむ気持ちはなくなりました。
さてそれで今はどうでしょう・・・。
やっぱりいろいろ抱え込んでいますね。
一つには、貧乏暮らしがすっかり身についてしまって、お金を払って人にものを頼めないというのがその理由、そして自分でやるのが楽しいというのがもう一つの理由・・・。
どうやら私は、一生暮して遊ぶ人で終わりそうです。