日別アーカイブ: 2008年2月17日

スパイスケーキ



食工房オリジナル 
スパイスケーキ


このケーキの名称を初めて聞いたのは、もう17、8年前のことになるでしょうか。
フランスの料理本をめくっていた連れ合いが、発見したのでした。
しかし、詳しいことは何も書かれていなくて、ただ名前だけの「スパイスケーキ」というものがどんなものか、全く想像するしかありませんでした。
何か妙に惹かれるものを感じた私は、想像に任せてとにかく造ってみることにしました。
それまで承知していたように、卵を泡立てて、砂糖を混ぜて、溶かしたバターを混ぜて、そしてスパイスを入れた粉を混ぜて生地をつくり、ケーキ型に入れて焼いてみました。
しかし、結果はがっかりするようなものでした。
卵やバターは、そもそも他の臭いを消してしまう性質がありますから、効かせたはずのスパイスの香りがほとんどしていませんでした。
あとで分かったことですが、スパイスの量が全然足りていなかったことも、原因の一つだったようです。
それはそれとして当時は、これは何か手法が違うんじゃないかと思い、自分たちのオリジナルの「香りを楽しめるケーキ」を創り出してしまえばいいのだと、得意の好奇心で開発に乗り出しました。
数年かかって辿り着いた結論は、卵やバターなどを使うスポンジケーキをベースにしないで、重曹とリンゴ酢で膨らませる生地にしたことです。
ついでですから、砂糖も使わず少量のメイプルシロップとレーズンだけで甘さを採ることにしました。
そして肝心の香りをどうするか、自分たちの好きな「針葉樹の森をイメージ出来る香り」をテーマに、スパイスのアレンジを考えました。
松の実と数種類のスパイスを小麦粉に混ぜる他に、二種類のスパイスリキュールも用意しました。
このリキュールも私たちの創作です。
一つは生地の中に混ぜ込み、もう一つは焼き上げた後熱いうちにスプレーします。




リキュールをスプレーした後、数時間おいて
冷ましながらアルコール分を飛ばします。


そうやって出来たオリジナルスパイスケーキ、多分他に例がないんじゃないかと思っています。
マクロビオティックメニューとしても合格です。
ひょっとすると一番食工房らしいメニューかも知れませんね。
ぜひ一度お試しいただきたいと思います。

  本日の食工房
ちょっとお天気が持ち直したせいでしょうか、午後からポツポツとお客さまが見えました。
そして今日は、最近見えるようになった方から、手づくりのジャムをいただきました。
イチゴに少しレモンを入れてつくられたそうで、とても色がきれいに仕上がっていましたので、写真を撮ってみました。
自家製のヨーグルトに添えてみようか、黒パンに添えてみようか、プレーンロールにはさんでみようか・・・、楽しみです。




可愛らしいビンに入って、いっそうステキ。