日別アーカイブ: 2008年8月1日

よそ者の会津考 vol.5



会津の象徴、会津磐梯山


先日のこと、生まれも育ちも会津の地元の方と話している時、こんな話題が出たのでした。
曰く、会津の人間は、なかなか前に出られなくて、いつも他所から来た人に活躍の場をさらわれてしまってばかりだと・・・。

本当にそうなのかなァ?
自分もよそ者だけど、ちっとも活躍なんかしていないけど・・・と思いながら聞いていて、一方で思い当たる節がありました。

それはちょっと想像していただくと、すぐにお分かりになることですが、その土地に縁もゆかりもない者が、そこで生活しなくてはならないということになった時、先ずどんな心境で何をするだろうかということです。
どんな事情でやって来るか、人それぞれに違うとは思いますが、見知らぬ土地で頼れる伝も限られていますから、とにかく何をやるにも必死になります。
生活を落ち着かせるために、仕事であれ暮らしのあれこれであれ、チャンスには貪欲にならざるを得ないのです。
そこへいくと地元の方は、代々暮して来た生活の基盤があり、それら有形無形の沢山の資産に裏付けられた、不動の安心感みたいなものがありますから、そんなに貪欲になることもないのだと思います。
それよりもよく見ていると、そういう基盤に裏打ちされて、家業や要職で素晴らしい活躍をされている人が、地元の方の中にもいくらでもいることが分かります。
そういう中で、何も無いところから叩き上げたよそ者の頑張りは、少しばかり目立つだけなんじゃないか、それも必要に迫られて必死になっているだけの姿かも知れないぞ、と今度は自分のことを思っていました。

それにしても、会津は豊かな土地だと、今日も急きょ配達に出かけた「駅カフェ」までの道々、磐梯山の見える田園を前にしながら、しみじみ感慨に浸る私でした。