食工房製 地粉角食パン
先日のこと、「国産小麦のパン」をキーワードに検索したところ、いくつかよく知っているパン屋さんの名前が上がっていて、サイトを拝見したりブログを読んだりしましたが、一つ気になるパン屋さん(ではありませんけど・・・)の名前が上がっていました。
そうです、業界最大手の「山崎製パン」です。
うーん・・・、「ヤマザキよお前もか!」ではありませんが、こういう大手が国産小麦に手を出す時代になったのかと感心する一方、これは我々のような国産小麦で独自路線を歩んで来たパン屋にも、少なからぬ影響が及ぶだろうと思った次第。
早速サイトを覗いて見ました。
その結果分かったことは、確かに国産小麦100%だということ・・・。
何々!とよく見て行くと、国産小麦は製パンに適さないところを、独自の研究開発で克服した旨が宣伝されています。
そしてその中身も、公開されていました。
それは、パン生地の改良材として、臭素酸カリウムを使用する方法でした。
この臭素酸カリウムというのは、私などは、30年くらい前に勉強してよく記憶に残っている、製パン用の食品添加物の一つです。
※臭素酸カリウムに関する、検索結果 <こちら>
当時、盛んに使用されていましたが、遺伝毒性が認められるということで、使用を自粛することになった危険な添加物です。
イギリスでは、使用禁止措置がとられているとのこと。
日本では、禁止ではなく自粛という方向で、代わりにLアスコルビン酸を使用しています。
そこを何故敢えて臭素酸カリウムなのかというと、やはり生地改良の能力が格段に優れているということなのですね。
そこでヤマザキさんは、最終製品のパンに焼き上がるまでに、この臭素酸カリウムの残存を限りなく0にする技術を研究したらしいのですね。
残存が0ならいいじゃないかという話になりそうですが、あまり気持ちのいい話しではありません。
まあ、考え方感じ方の違いで、支持する方もいるでしょうから、輸入小麦の価格がさらに高くなってくれば、大手の製パンメーカーもどんどん国産小麦に乗りかえて来るでしょうね。
そうなると、私たちのような小さいパン屋は、今までどおり安定して小麦粉を仕入れられるか、ちょっと気になったという次第。
食品行政や農政に、もっと国産重視の姿勢をとって欲しいと思わずにはいられません。