今、コーヒー業界は、急激な変化の途上にあるようです。
これは、先日届いた業界誌にいろいろと興味深い記事があり、それらを総合して私が感じていることです。
かつてコーヒーが舶来の珍しい飲み物であった時代、もっぱらコーヒーは喫茶店で飲むものでした。
喫茶店でコーヒーを嗜むことは一種のステイタスでもあり、誰もが喫茶店を憧れの眼差しで眺めていました。
そういう時代に、コーヒー焙煎業者は、喫茶店卸しのみがマーケットであり、それだけで悠々と経営を成り立たせて来たのでした。
しかし、時代の移り変わりに連れて、世界のコーヒー事情も日本のコーヒーユーザーのニーズも確実に変化を遂げて来わたけで、業界はそれに対応する努力を怠っていた部分がありました。
今、コーヒーは珍しい飲み物でも何でもなくなり、家庭でも道具を揃えてレギュラーコーヒーを淹れることが、当たり前のことになりつつあります。
一方、喫茶店業界も再編の様相で、カフェと呼び名を変えて、中身もギャラリー併設や雑貨販売、また自家焙煎やこだわりの食事メニューを揃えるなど、多種多様になって来ています。
今、コーヒーに求められているのは、飲み物として嗜好品として、本来の要求である「美味しい・・・」ということです。
この美味しい・・・を満足させるためには、農産物であるコーヒー豆の生産現場のことに始まって、脱果精製や選別保管、そして焙煎、さらに挽き方や抽出のノウハウなど、上げればキリのない沢山の要素が関わって来ます。
それらに一通り精通していることが求められるとしても、仕事としてやるとなるとどこかの部分に限られます。
これからコーヒーの仕事に求められるスタンスは、どういうものでしょうか。
何も一つのスタイルに限る必要は無いように思われます。
ただ、どの部分でユーザーを満足させられるのか、自分の力量と相談して、一番腕を揮える部分に深く関わるのが成功の秘訣と言えそうです。
そしてその他の部分は、如何に信頼に足りる業者と出会うかだと思います。
食工房は、コーヒーロースターとして腕を揮いつつ、皆さまに美味しいコーヒーを召し上がっていただくために、必要な情報をコーディネイトして行く、そんなポジションに居たいと考えています。
カタクリの花が咲いていました。 2009.04.08 撮影 Fuji Fine Pix A800
こちらに越して来て初めての春に見つけたカタクリです。
以来毎年、一輪だけ花をつけます。
川の辺に咲くこのカタクリは、多分上流の川入あたりから大水のときに流されて来たものに違いありません。
実生から花が咲くまでに数年、株が増えて群落になるまでに数十年。
この一輪が、二つ三つにそしてあたり一面紫になるには、一体どれ程の時間がかかるでしょうか?
今年も同じ場所に咲いているのを見つけた時、懐かしい友人に再会したような感慨を味わいました。