日別アーカイブ: 2010年10月11日

造って何ぼ

製造業、つまりモノづくり商売のことですが、自分の手で造ったモノ以上の売り上げは、当然のことながらあり得ないのですね。
ましてや手づくり品の場合は、自分の手がする仕事の次第が全てです。
だから、職人の一番重要な資質は、仕事の速さです。
もちろん、質を落とさずに完璧にやれることが前提ですが・・・。


ところで、素人の独学でスタートした私のパンづくりも、通算すればもう20年以上にもなりました。
ちゃんとしたパン屋の看板を上げてからだと、それでも7年余り。
まあ自分で言うのも何ですが、そこそこ仕事は出来るようになりました。


やっていることは、7年前とそんなに変わらないと思いますが、何をやる時も迷いがなくなった事とスピードが格段に速くなったこと、この二つが決定的な進歩だと自覚しています。
これまでの積み重ねを思い出しながら、どんな商売でもちゃんとメシが喰えるようになるということは、並大抵のことではないのだという極当たり前のことに、還暦が近づいた今頃になって認識を新たにしている自分は、今までよほど幼稚な考えだったに違いありません。


その代り、いろいろと夢を見、あれをやりこれをやりして、浅く広く経験を積んで視野だけは広く持てたと自負しています。
だからかも知れませんが、今パン屋をやりながら、忙しさの余り何も他のことが出来ない状況にも、あまり辛いという感覚はないのです。
そしてパン屋の仕事でも、他の何をする時でも、楽しいと言うか喜びと言うか、そんな感覚がいつもあります。


若い頃、自分の人生に何が実現出来るか、全く自分のことしか眼中になかった私ですが、ここに来て決定的に自分を納得させているのは、自分の焼いたパンを喜んでくださる他人(ひと)がいる、ということです。
そして、その喜びの分だけ代価をいただけるのですね。
自分のためではなく、誰かの喜びのためにこの手で仕事が出来る、これで十分これ以上のことはないと、何か気持ちが軽くなったような気がする私です。


これからもずっと体が動く限り、おいしいパンを焼き続けます。



  今週のクッキーとマフィンのお知らせ


今週は、くるみびすけっとと森のパン屋のビスケットを焼きました。


マフィンは、シマリス君の朝ごはんとそば粉マフィンです。