秋深まり、やがて雪

今日も朝からずっと雨でした。
台風の影響もあるのでしょうが、どちらかというと日本海側の気候のここ会津では、これからの季節、ぐずついた空模様が多くなります。
そして一雨ごとに冷え込みが強くなり、やがて雨はみぞれに、そして雪に変わります。
私は、五十過ぎまでずっと太平洋側の気候帯に暮らしましたので、秋から冬の間はいつも晴れている風景に馴染んでいます。
ですから、まだこちらの気候には、すっかり慣れたというわけには行きませんが、それでもこちらにはこちらの良さがあり、けっこう気分良く過ごせるという気がしています。
雪とのつきあいは、確かに大変なこともあるのですが、一方、雪が会津の豊かさを保証する大切な水資源であることは間違いありませんから、私は雪が降る度に、一人密かに手を合せて「ありがたい、ありがたい・・・。」と唱えています。
うす暗い空から雪が落ちてくる様子を眺めていると、正直、飽きることがありません。
ただ、そうぼんやりと雪を眺めているわけには行かないことがほとんどですから、いつも思いを断ち切るように止めなくてはならないのが、残念でなりません。
子どもじみていると言われればそれまでですが、私の場合、いくら歳をとってもこの気持は無くならないと思います。

それで先日河原に行った時、雪の季節になったら「顔たち」にも会えなくなるし、第一、春までそのまま残っているわけもないと思い、写真を撮りました。
「顔たち」は、今年の春から今まで壊されもせずに、ずっとそこに居ます。
その一つに誰かが、砂を固めて作った見事な玉をお供えしてくれたのを見つけた時は、しみじみ嬉しかったですね。
両頬にお化粧もしてくれてました。
それでは、面々の姿をご覧ください。





ゆるやかな一日

今日は、午前中にスコーン1種類と、午後にクッキー1種類の2品だけの仕事で、少しゆるやかな一日になりました。
昨日、今日の準備をしていて、無くなったまま未入荷の材料があることに気がつき、中止になったものが一つありましたので、そのせいもありました。
本当は、アプリコットケーキもやりたかったのですが、そこへ、未入荷だった材料が他のものと一緒に届き、そちらの始末をしなくてはならなくなって、それも延期となりました。
食工房では、レーズンなどのドライフルーツは、オーガニックのものをケース単位で仕入れ、自分で小袋に詰め直して脱酸素剤を入れ、シールして保存しています。
こうしておけば、半年くらいおいても品質は全く劣化しません。
今日は、サルタナレーズンとカレンツのケース、アールグレー紅茶の1㎏袋を仕入れましたので、それらの小分け作業で残りの時間を費やしました。
製品を造るのに比べたら、はるかにテンションのゆるい仕事ではありますが、まあ、こんなところにも手間ひまかけてコストダウンの努力をしているわけです。

今日はまた、雨模様ということもあって、午後はお客さまも少なく、ご常連の方がお一人、お茶を飲みにいらしてくださいましたので、私たちの3時のコーヒータイムをご一緒させていただき、しばしおしゃべりに花を咲かせました。
たまにはこういう時もないと体力が持ちませんが、かと言ってずっとヒマだとそれも困るし、一日一日がライブステージみたいなものだと思ってやるしかありませんね。

さて明日はまたパン焼きです。
最近は、カネリプッラ(シナモンロール)が、とてもかわいくきれいに焼けるようになり、よく売れるようになりました。
正直なものですね。
これからもがんばりま~す!

ヨーグルトをつくりました。

昔はよくやったものでしたが、本当に久しぶりにヨーグルトをつくりました。
それというのも、行きつけの生協で、生乳100%のヨーグルトを売らなくなったからです。
自分でつくると言っても、市販されているヨーグルト菌を使ってつくるのですから、簡単と言えば簡単です。
ただし、このヨーグルト菌がそこそこ値段の高いものですから、手づくりの方が安いというわけには行きませんが、原材料の牛乳は地元の低温殺菌牛乳「会津のべこの乳」を使いましたので、品質は言うことなしです。
保温も、パン用の保温庫(ホイロ)を使えば40℃保持も問題ありませんから、こんなに条件が揃っているのに何でやらずにいたのか・・・、余裕がなかったんでしょうね。

ちょっと話が脇道にそれますが、酵母菌と乳酸菌(ヨーグルト菌もその一つ)は、切っても切れない共生関係にある微生物で、食工房のパン種の中にも天然由来の乳酸菌が入っています。
醗酵の仕事というのはいろいろ関連があって、やり出すと面白くて止められなくなりそうです。
パンづくりは酒づくりに結びつきますし、ヨーグルトづくりはチーズづくりへとつながっています。
そうそう、このヨーグルト菌も継ぎ種して行くことが出来るのです。
ただし、管理はかなり難しそうです。

さて、昨日午後から仕込んで、夜遅くに出来上がったヨーグルトを、冷蔵庫に移して一晩熟成させ、今朝一番に味見しましたが、なかなか上等です。
今度から、ヨーグルトも自家製するしかなくなりました。
ということは、アプリコットケーキに使用するヨーグルトも自家製ということになります。
「会津のべこの乳」を使った、生乳100%のヨーグルト入りのアプリコットケーキのお味を、どうぞお楽しみに!

Gratitude/グラティチュード


Cafe  Gratitude


食工房の自家焙煎コーヒー豆を使ってくださっているお店を、また一つ紹介いたします。
民家を、そのままカフェにしてしまったこのお店は、まるでお友達の家に訪ねて行って、お茶をごちそうになる時のようにくつろぐことが出来ます。
お店の名前、Gratitude/グラティチュードは、英語で「感謝」の意味だそうです。
場所は、仙台市内の住宅地の中。
仙台駅から歩いても30分位、もちろん近くにバス停もある、そこそこ便利な所です。


営業は、平日、月~金の11時~16時まで。 土、日、祝祭日は、お休みです。 
また、12月1日から3月いっぱい冬季休業になります。

 <メニュー>
おまかせランチ
玄米と白米のハーフミックスライス、スープ、小鉢一品、サラダとお惣菜4品の盛り合わせ一皿、漬け物 700円
食工房の自家焙煎コーヒー、各銘柄 450円
無農薬有機栽培紅茶、カフェラテ、チャイ、ココア、ハーブティーなど飲み物メニュー多数
オーナーの手づくり、野菜入りケーキも興味をそそられます。


 <交通>
仙台駅から徒歩30分、お腹を減らして到着後、いただくランチは特別おいしいかも。


仙台駅よりバス便あり、北6小学校前バス停下車3分


仙山線東照宮駅より徒歩10分


 <住所番地>
〒980-0005 仙台市 青葉区 梅田町 1‐56 ☆地図へのリンクは<こちら>


 <お問合せ> TEL 022-271-4431



お友達のお家の中みたいな店内


縁側のくつろぎスペースがおすすめ。
外は、オーナーの菜園になっています。


☆仙台及び近郊にお住まいの方、またこの方面にお出かけの方、ぜひお立ち寄りください。

戦争の証言者






これが、8月13日の記事「戦争を語ってくれた人たち・その3」に登場した飯炊き釜です。<参照>
先日、高知の実家に出かけた折、写真を撮って来ました。
今は使っていなくて、押入れにしまってありましたが、きれいに磨かれていて何だか安心しました。
「フタもあるよ。」と妹が声をかけてくれましたが、この釜の本体を見ただけで感激してしまいました。
60余年前、東京の地でアメリカ軍の空襲に遭い、奇しくも焼け残った釜です。
母は、夜寝る前に、鍋釜の類には全て水を張っておいたそうです。
そのおかげで、フタは燃えてなくなったのに、釜だけは助かったわけです。
空襲の火災では、アルミの釜などひとたまりもなく溶けてしまったと言います。
後に、フタは新しいものを作ってもらい、ずっと家で使っていました。
何度も引っ越ししたのに、こうして無くならずに残っているのは、何だかとても意味のあることに思えます。
まさに、戦争の証言者です。

戦争なんて、永久にご免こうむりたいと思いますが、何だかこの頃、日本も世界も不穏な空気に満ち満ちているように思えて、とても気がかりです。
今も、アフガニスタンやイラクで、明らかに戦争状態が続いていますが、実際に銃弾が飛び交っていない国に暮らしていても、私たち世界中の人間は、ある意味で戦争当事者であることを自覚しなくてはならないのだと思います。
今こそ、戦争と平和について、深く、深く考えて見る必要があるのではないでしょうか。

  おしらせ
平和の象徴、憲法九条を守る会が、全国のあちこちで狼煙を上げています。
我が山都町にも「山都町九条の会」が発足し、活動を始めています。
会のブログも立ち上げられました。
皆さまにも、ぜひともご覧いただきたく紹介申し上げます。
ブログ「平和のつくり方新聞」へのリンクは<こちら>

飯豊山、初冠雪

このところ、朝から日没までずっと仕事に追われていて、ちょっとの合間に一回り散歩をと思っても、それが果せません。
それでも今日は、明るいうちに一区切りついたので、娘の運転のトレーニングを兼ねて買い物に出かけました。
家を出てすぐのカーブを曲がった途端、目に飛び込んで来た景色に思わず「おお!」と声が出ました。
飯豊山は昨日一日の間に、かなり下の方まで白くなっていました。
さて、この冬の雪はどんなでしょう。
雪も、降る時にはそこそこ降らなくては、自然の恵になりません。
もし会津で、周りの山に雪がなかったら、砂漠になっていたかも知れません。
飯豊山は、何と言ってもその名の如く、椀いっぱいに盛った飯のように真っ白な姿が似合います。
残念ながら私は、今年も飯豊山行は叶いませんでした。
せめて麓を歩きたいと思いますが、それさえどうでしょう・・・。
でもこれから来年の春まで、雪化粧した美しい山容を眺められるのは、私のさやかな楽しみの一つです。
あと一ヶ月もするうちには、下界にも初雪が降っていることでしょう。
大変ではありますが、私は、雪のある冬の会津が好きです。

マイブログ考

この半年余の間、こうして毎日ブログを書き続けてきましたが、それにエネルギーをとられる形で、印刷物として出して来た通信がずっとお休み状態になっています。
ブログを始める時、インターネットを使いこなせるようになるまで、しばらくはそれも仕方ないなと思っていました。
「画面と紙面」というタイトルで、画面で見るのと紙に印刷したものを見ることの違いについて考察した記事も書きましたが、今思っていることは、結局
どちらがどちらの代わりにもならないということです。
そして、これはブログの欠点じゃないかと思うことにも、一つ気がついています。
ブログは、毎日でなくてもけっこう頻繁に、新しい記事をアップして行かないと、すぐに読者は離れてしまいます。
毎日更新はそれなりに意義のあることですが、膨大な数になった記事を、新しい読者が全部掘り返して読んでくれるかと言えば、ほとんどその可能性はないでしょう。
自分として、後々まで伝え続けたいメッセージも、多くの記事の中に埋もれてしまいやすいと思います。
ここらで印刷物としての通信を出したいと、虫が騒ぎ始めています。
限られた時間とエネルギーの使い方の、バランスを考えなくてはらない時が来たと思っています。
毎日更新にこだわらない、ブログへの関わり方の新しいアイディアはないものか、そんなことも今考えています。

商売雑感

商売していると、否応なく競争に巻き込まれます。
今は、情報と交通の手段が完ぺきになったおかげで、地方の片田舎にいても、全国を相手にしなくてはなりません。
人々は、気に入りそうなものを探して、どこにでも出かけて行きますし、どこからでも取り寄せます。
商売している側からすると、いつも自己主張し続けていないと、すぐに埋もれてしまって忘れられてしまいますから、昔よりはそういう意味で気苦労が増えていると思います。
上手くチャンスをつかんで大勝ちするところがある一方で、全然波に乗れずに敗退するところもあり、そのテンポがとても速いですね。
売り上げの格差も拡がっていると思います。
私は、そんな競争に巻き込まれるのが嫌で耐えられないので、いつも人のやらない方向へと逃げて来ました。
今でもずっと、人のつくれないモノをつくる、人が見捨てるような部分に価値を創造するなど、何とかして競わないで行ける道を探し続けてやっています。
それでも、次々と似たような手を考える人はいるもので、油断していると知らないうちにまた競争に巻き込まれてしまい、次の手を考えなくてはならなくなります。
まあ、そうやって鍛え上げられ、練り上げられて残って行く製品や販売のアイディアが、一つでも二つでもあれば、それを看板に生き残ることは出来ると思っています。
あとは、皆さんとのお付き合いをどうやって楽しくするか、そこに懸かっています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。



http://shokuko.com

ヴァルティナ、ヴァルティナ、ヴァルティナ!


フィンランドで人気のバンドと言えば、ヴァルティナです。
そして、ヴァルティナを知っているとしたら、あなたは相当なフィンランドびいきです。

ここ20年くらいの間、世界中で伝統音楽、民俗音楽などいわゆるルーツミュージックの再興が、大きな流れになっています。
そして北欧こそはルーツミュージックの宝庫であり、今では魅力ある、また実力あるミュージシャンが沢山現れて、音楽界をにぎわしています。
以前一時、北欧のミュージシャンたちは、国際的に認められようとしてわざわざ英語の歌詞で歌うことが多かったのですが、今は逆に、母国語の響きや韻を大切に考え、それぞれの国のそれぞれの地域や民族の言葉で歌っています。
そんな中でヴァルティナは、今から24年前にフィンランドのカレリア地方の小さな村で、9歳から16歳くらいまでの女の子のグループとしてスタートしました。
その後すぐに男の子たちも加わり、当初は男の子6人を含む総勢21人の子ども達の、元気のいいバンドでした。
そしてやっていたのが、カレリア地方のルーツミュージック。
1987年にはファーストアルバム「ヴァルティナ」を発表していますが、まさに子ども達が元気な声を張り上げて、カレリア地方の伝承歌を歌っているのが、何とも愉快です。
その後いろいろと変転があり、それを語ればキリがありませんが、現在は当初からのメンバー3人を含む、女性3人男性6人で活動しています。
女性3人は専らヴォーカル、男性6人が楽器の演奏やコーラスでサポートしています。
ところで、フィンランド語の韻は、いわゆる西洋音楽の定型のリズムに乗りにくいらしく、彼らの曲には変拍子がところどころに現れます。
それが、聴いていてとても新鮮ですが、一方どこか日本の民謡の間の取り方に通じているようにも聴こえて、不思議と違和感がありません。
それで今、うちの娘たちがヴァルティナにフリークしていて、つい先日20周年記念アルバム「iki・イキ」(最高の、の意)を手に入れました。
まさにタイトル通り、背筋に震えが来るような興奮と感激を味わいました。
さすがに人気バンドだけあって、インターネット検索でもいっぱい出て来ます。
皆さんにも知って欲しい、フィンランドの一面が見えるかも・・・。
先ずはオフィシャルサイトは<こちら>
You Tubeでライブビデオクリップも沢山見られます。
リンクは<こちら>

さてさてこの週末は、ヴァルティナでお楽しみください。

相変わらず忙しい木曜日

おかげさまで木曜日は、早朝から夜まで仕事に追われています。
波はありますが平均すると、焼くパンの数は以前より少し増えています。
その分作業時間に隙間が無くなって来ています。
自慢にはなりませんが、効率が悪いので娘たちに手伝ってもらいながら、やっと間に合っている状況です。
それでも、来るお客さまが口々に「いい匂いがする。」と仰るのを聞くと、やっぱりこの仕事をしていて良かったと思います。
天然酵母の匂い、バターの香り、シナモンやカルダモンなどスパイスの香り、そして焼き上がりの少し焦げる匂い、パン屋はいろいろなそれもステキな匂いに満ちています。
女の子たちがパン屋になりたがるわけが分かる気がします。

さて、忙しい合間を縫って配達にも回って来ました。
例によって、市内の農民連直売所にもお邪魔しましたが、今、野菜が沢山出ています。
それも皆お買い得です。
主力生産品のお米は、その場で玄米から精米サービスしてくれますし、小豆や花豆なんかもあります。
地元の大豆で造った納豆もおすすめ品です。
味噌や醤油も、農民連の生産者が大豆など原材料を供給して製造したものを販売しています。
食工房のパン目当てと限らず、足を運んでいただければ、何かと収穫があることと思います。
☆農民連直売所の場所のご案内は、<こちら>をクリックしてご覧ください。


そして配達から戻って、明日の支度を済ませて食事をして、やっとこのブログを書くところまで辿り着きました。(只今、午後9時です。)
あとは、会計をして、お風呂に入れば今日も一日終わりです。
先日のアイリッシュコンサートの録音を聴きながら・・・。