その時には、100点と思えた仕事も今ならどうでしょう・・・。
素晴らしい出来栄えに対し、100点という評価をしますね。
学校のテストで、嫌というほど刷り込まれた100点の呪い・・・。
それはそれとして、仕事をしているとその出来栄えに、無意識のうちにも自分で点数を付けていたりします。
それで私の場合。
私は、とにかく独学独力でやって来ましたので、師匠と仰ぐ人もこれが手本というものもありません。
そこで私にとっての100点満点は、当面自分にとって実現可能な最高の出来栄えということになっています。
ですから、時々100点が出ることはあり得ますし、やがて努力が足りていつでも100点というところに辿りつきます。
しかしその頃には、もっと上が見えるようにもなっているわけで、それまでの100点は80点に格下げとなります。
私は、そうやって向上し続けることを、自分自身に課しています。
何しろ、ここまでおいでと導いてくれる師匠はいないし、身近に手本となるような仕事ぶりに触れる機会もありません。
自分自身で向上して行くことだけが、成長の証なのです。
ですから、5年前の100点も、今なら及第点すれすれがいいところです。
モノづくりの仕事、職人の技には、まさしく果てはありません。
そしてその技と勘は、会得したその人だけのものです。
死んでしまえばそれでおしまい。
弟子がいて、吸収の限りを尽くしたとしても、全く同じ職人にはなりません。
達しないこともあるし、逆に大きく超えることだってあり得ます。
そこが面白いところなんです。
そして独学独力でも、努力次第でちゃんと世界に通用するところにまで辿りつける可能性がある。
今の私は、その匂いくらいを嗅いだような気がしています。
努力は確かに報われるらしいと・・・。