私にとっては、故郷と言えば土佐の高知以外にありませんが、私の子ども達にとって故郷とは何処でしょうか。
6人の子ども達が生まれ育つ間、次々と引っ越しを繰り返して落ち着くことのなかった私たち。
子ども達にとって、故郷は無いに等しいのですね。
幼なじみとか同級生とかにほとんど無縁に過ごさせてしまったことには、親の私たちも少しばかり後悔の念があるのです。
しかしここ会津の地に来て以来、私たちのもういい加減に落ち着きたいと思う心に呼応するかのように、この地域の方々からはじっくりとお付き合いしていただいています。
土佐と会津、本当に何もかもが正反対の庶民性なのに、今の私には妙にしっくりして無理がないのです。
一昨日、昨日あたりから、この地区でも、都会に出ている若い方々が帰省して来て、県外ナンバーの車や普段見かけないお顔にお目にかかります。
私の家にも、二男夫婦と二人の孫が来ています。
三男は今年のお盆は用があって来られないものの、明日の盆踊りには、四男夫婦と孫も顔を見せてくれます。
私にとっては元々は縁もゆかりもなく、借家住まいのこの家が、子ども達にとっては実家であり、故郷とも呼ぶべき拠り所になっているのですね。
何となく昔からのここの住人のような気分になれて、正直うれしいのです。
でも皆さんがお墓参りに墓地に向かう姿を見ると、それだけが私たちにはあり得ない風景だと、ちょっとしんみりとした気持ちになってしまいます。
もしこの私と連れ合いがここに骨を埋めることになって、子ども達の誰かが居を構え墓守をしてくれることになったら、その時こそここは子供たちにとっての故郷、私にとっても第二の故郷になるのでしょう。
今夜も、盆踊りのお囃子の笛と太鼓の練習をしている音が聞こえています。
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私の思いを汲み取っていただけたら幸いです。