今日、福島市の知り合いから電話がかかって来ました。
震災以来ずっと音信が無く、どうしていらっしゃるかなと思っていました。
お元気そうなお声を聴けて、それはそれで良かったのですが、何と言ってもお住まいが福島市の中でも高濃度汚染地で有名になってしまった渡利地区なので、ひょっとして避難していたのかもと思って尋ねたら、いろいろ事情があってずっとそこにいらしたということでした。
「今、渡利中学校の校庭を剥いでますよ。思いっきり、土ぼこり吸ってます。」
「すぐ隣はスーパーで、普通に営業してるし・・・。」
そしていろいろ長々と喋っているうちに、ちよっと気になる目撃談を伺いました。
原発で水素爆発があって、大量の放射性物質が放出されたと見られる日に、駐車場に止めたあった車の上に、直径が3~4cmで丸くてふわーっと盛り上がった白いボタ雪のような埃のようなものが、一面に乗っているのを見たそうです。
その時、その方はピンと来たと言います。
ああ、これが死の灰という奴か・・・、脳裏には「命は有限」というイメージが浮かんだそうです。
怖くて怖くて、しばらくはどうにもならなかったそうです。
後になって、まわりの人たちからも同じものを見たという話しがポツポツと聞かれたそうです。
写真撮らなかったの?と尋ねたら、怖くてとてもそんなことは思い付きもしなかったとのこと。
もし撮影していれば、貴重な記録になったかも知れません。
福島市内のどなたか、同じものを見て写真を撮った人、いないのでしょうか・・・。
放射能は目に見えないとよく言われますが、そうやって見えるほどはっきりと大量に降り注いだのだとすると、大変なことです。
これでもよくもまあ国も県も市も、今まで何も手を打たずに市民を被曝させて、平気な顔をしていられたものだと、あきれてしまいます。
「もう笑っちゃいますよ!」と電話の向こうで、あっけからんとした声で話されるその方。
私には、福島市民はとっくに腹は決まっているぞ!と言っているように、聞こえました。
それにつけ、昨日の話しじゃありませんが、つくづく私たちは国を失ったと思い知る気がします。
福島市長の奥様とお子様方は、沖縄へ避難とか。
枝野官房長官のご家族は、海外に避難とか。
いろいろ伝わって来ます。
そしてその度に、ため息しか出て来ません。