月別アーカイブ: 2011年5月

パンだより、公開しました。

一昨日、昨日の二日間、スタッフの宮下さんにもお願いして集中的に作業し、今までにない速さで編集を終え、本日pdfファイルをアップしました。
ご覧いただければ幸いです。

いつものように、表面カラー版と裏面モノクロ版の二本立てになっています。

  表面・カラー版 <こちら> ・ 裏面・モノクロ <こちら>

編集作業も、もうすっかりイラストレーターに馴染んで、スムーズに進められるようになりました。
さあそうなると、いずれ新しいバージョンのイラストレーターを使いたくなるのが私の習性ですから、大変です・・・。
ま、しばらくは、否当分先まで、お預けです。




  茶房・千のホームページが新しくなりました。

我が山都町に昨年2月に開店した茶房・千、最初作ったホームページは、結局更新が滞ったまま廃止されました。

新たに作り直したホームページが、最近アップされましたのでお知らせいたします。

茶房・千さんには、食工房の自家焙煎コーヒー豆をメニューに入れていただいています。
オーナーの秋庭さんが、大のコーヒー好きということもあって、抽出にも神経を使っていただいています。
おかげさまで、コーヒーがおいしかったからと言って、食工房に豆を買いに回って来てくださるお客さまも少なくありません。
山都町にお出での節は、ぜひ茶房・千にお立ち寄りください。


茶房・千のホームページは、<こちら>からご覧いただけます。
なお、食工房のホームページ上、Shokuko Friends<こちら>のページにもご紹介しています。




  商工会に聞きました。

今日、商工会に顔を出して来ました。

一つは経理上の指導を仰ぐため。
今一つは、原発事故の影響について話を聞くため。


喜多方市の商工業にも、多大な影響が出ているそうです。
そしてまだまだこれから長い長い試練が続きそうな見通しです。
補償や支援の話しは、まだ当分先の話しになりそうです。
ただし、影響評価が出来るように経理データは詳細に残して置いてくださいと言われました。
そしてまもなく商工会でも、放射線量計を二台ほど購入して、自主的な測定が出来るようにするそうです。


何をやるにも、放射能・・・です。

水の汚染を読む


飯豊連峰・弥生3月の頃  この麓に我が山都町があります。


雪国の会津では、あの濃厚な放射能の灰が降り注いだ3月15日~17日、辺りはまだ大半雪に覆われていました。
水源の山々は、大方1m以上の雪に覆われており、すっかり融けるまでには1ヶ月かそれ以上かかったと思います。


ところで皆さま、雪は下から融けて行くことをご存じでしょうか。
冬の間も春になってからも、積もった雪の下ではいつも地面に接しているところが地温によって融かされ、水が地中にしみ込んでいるのです。


ですからその後放射能の灰は、表面に乗ったまま少しずつ下がって、ついには地表面に到達することになります。
その時、雪国の人ならだれでも見たことがあると思いますが、雪の上に乗った汚れはほとんどそのまま地表面に膜を張ったように留まります。


傾斜のあるところはある程度流れますが、平らな所はそっくりそのままです。


つまり、降り注いだ放射性ダストは、まだほとんどが山の上の地面や木や草の上に留まっていると考えられます。


よほど大雨が降って洗い流さない限り、それは少しずつ少しずつ水の流れに乗って移動します。
その他の汚れがそうであるように、放射性ダストも大半落ち葉や土に吸着され、浸み出してくる水はかなりな程度浄化されていると思います。


幸いにして今まで、会津管内の上水道からは、放射性物質は検出されていません。
よく考えてみると当然だったろうと、私は思っています。
積雪の下層が融けて流れ出した水は綺麗なはずですから。
いよいよ雪が融けて、汚れが地表に到達してからの方が、むしろ警戒すべき時です。


しかし、こうして時間稼ぎが出来たおかげで、少なくとも放射性ヨウ素の影響は回避し得たのだと思います。
そしてヨウ素と違って水に溶けにくいセシウムは、この後も一気に出て来ることはないと思います。
湧水を水源としているこの地区の上水道ですから、なおのことリスクは小さいと考えて良いでしょう。
県の5月21日の検査結果でも、管内全てでND(不検出)です。
決して不自然なデータではないと、私は思っています。


そして現在の原発の状況を判断すると、空気よりも水の汚染の方が深刻です。
水を注入し続けているので、大気中に放散するものは極少で、その代りに海の水が汚されています。


以上が、水に対する私の推測です。


なお今後、検査結果の発表を注視します。
多分、会津の水は大丈夫です。


どんな時でも、最後の最後は、自然の営みが味方してくれると信じている私です。




  食工房から、今週のクッキーとマフィンのお知らせ

森のパン屋のビスケットとわらいごまを焼きました。
その他、ジンジャークッキー、ナッツクッキー、コーヒークッキー、どろんこクッキー、パタポン、くるみびすけっと、バタービスケット、いずれも在庫があります。


その他、エルフの焼き菓子を焼きました。


マフィンは、今週はココリスのみ焼きます。

現状を認識する

ここ会津は、同じ福島県の中にありながら、今とても微妙な位置(状況)にあります。

浜通りと中通りが、はっきりと原発の事故の被災地であると認知されているのに対し、会津は被害を免れた安全な場所だという認識がある一方で、やはりここも安全ではないという見方が交錯して、地元の私たちも外からご覧になっている人も、混乱の中で判断に迷っているという状況があります。


実際、会津に避難していらして一安心される方がいる一方で、少しずつですが確実にこの会津からも避難して行く方が増えています。


私は、すでに申し上げていますが、ここを動く考えはありません。


今、迷っている方々のご参考になるかも知れませんので、私が、ここを自分の許容範囲の中で安全と考えている根拠を申し上げたいと思います。
ただしこれは、あくまでも私の個人的見解ですので、以下に申し上げることについては予め免責させていただきます。




現在、この会津管内の環境放射線量は、概ね0.1μSv/hから0.25μSv/hの範囲にあります。(この数値には、自然放射線も含まれているということに留意してください。)
我が山都町では、先日の私の測定で0.16μSv/h。
これは多分実態に合っており、現在もほぼ変っていないと思います。


さて、一般公衆が人為的に浴びる放射線量の限度が年間1mSvであることは、もうすでに多くの方がご存知です。
一方、私たちは日頃自然放射線に晒されており、日本の平均的年間被ばく量は1.5mSv程度です。
つまり合計2.5mSvが、あらゆる放射線を含めた年間被曝量の範囲ということになります。
どんな場合でも、これ以下が望ましいということです。


我が山都町の0.16μSv/hは、年間にすると1401μSv=1.4mSvの被曝量となります。
もちろんこれは、内部被曝を考慮していませんが、2.5mSvに対してまだ余裕があります。
出来るだけ内部被曝を避けること、ホットスポットに留意して行動すること、レントゲンを受けるなどのことをしなければ、今後汚染が強まらないことを前提に許容の範囲だと判断しています。




そしてさらに申し上げておきますが、こんな計算をするまでもなく、仮にこの10倍の値であったとしても、私はここに居ると思います。
強制何とかにならない限り・・・。
その時は、若い娘たちには、自分で考えてもらいます。


何故? 草や木が動けないのと似たような理由で、私たちも動けません。
根っこが生えてしまいましたから。


明日は、水の安全に対する私の推測を申し上げたいと思っています。

ひとつぶ農園の野菜が届きました。

昨日久しぶりに、「ひとつぶ農園」から野菜のパッケージが届きました。

昨年12月でいったん終了して冬のお休みに入っていたのですが、5月になってやっと今年の作物が採れ始め、そして今年初めての出荷となったわけです。


農園主のこみけん君とは、もう4年のお付き合いです。


かつて我が山都町で、一年間農業研修をしていたという経緯については、このブログの中で度々触れていますので省きますが、彼は今連れ合いと愛娘の葉菜ちゃんと共に、長野県の佐久穂町というところで、「ひとつぶ農園」を営んでいるというわけなのです。


そして昨年は、一シーズンずっと彼の野菜を届けてもらいました。
今年もまたシーズンになりましたので、お願いすることにしました。


それで実は出荷に先立ち、電話がかかって来ました。
その時聞いたのですが、個人で作物の放射線モニタリングを依頼したとのことでした。
えっ、長野県で・・・と思いましたが、彼の考え方はとてもしっかりしていて、よく勉強しているなと思えました。


どんなに距離が離れていても、ホットスポットに当たれば濃厚な汚染を被る可能性があること、自分の出荷する野菜でたとえ微量でも被曝する人が出てはいけないこと、そのことに責任を持とうとするなら検査に出す以外にないと判断したそうです。


結果、自分の作物の中では一番吸収率の高い、アブラナ科の大根の間引き菜を検体としましたが、不検出。
良かった、良かった!


それが昨日届いて、もう早速いただいてしまいました。


今回のことでこみけん君は、マスメディアのみでは本当に必要な情報が得られないことを痛感し、インターネットの接続を再開したそうです。


実は、以前からブログサイトも持っていて、これからの展開を楽しみにしている私です。


「こみけんブログ」は、<こちら> から




  お知らせ


今月の「パンだより」紙上に告知しておりました、「食工房カフェクラブの集い」は、都合により流会とさせていただきます。
悪しからず、ご了承願います。

この稲、この麦が実る頃・・・


ここの大ケヤキの神々しさに感じて、時々写真を撮りに行っています。



小麦の穂・嬉しい風景です。


今日の午後、会津若松市内に戸別配達に回りました。

途中、会津坂下町のいつもの小麦畑の前を通りかかりましたので、車を降りて近寄ってみました。
穂が出ていました。
まわりの田んぼも田植えが終わり、稲と麦が隣り合って植わっている風景は、そこが豊かな場所であることを証明しているようでした。


この小麦と稲がそれぞれ実る頃、ここは、会津は、福島は、日本は、どうなっているのでしょうね。
この美しい小麦の穂の中にも、微量の放射性セシウムが吸収されているのでしょうか。


沼ノ平の麦畑も、ここと同じようにもう穂が出ていることでしょう。
検査を受けるつもりですが、NDは難しいかも知れません。


微量の汚染でも、長引くほどに蓄積され、いろいろなものに波及して行くと思われるからです。

今頃は高い山の上で雪が解けて、その上に降り積もっていたであろう放射性ダストが一緒に流れ出して来ます。
水源の谷川の水が汚れるのは、むしろこれからかも知れません。
牧場でも、例年今頃から放牧が始まります。
今までは、保存飼料を食べていたのですから、こちらも危ないのはむしろこれからです。


当然対策は取っているとは思いますが、なお今一度、牛乳と水の安全も確認し直すつもりです。




  今日のニュースから


文部科学省が、福島の学校における被曝限度を年間1mSv以下にすることを目指して、早急に対策を取ることを決定しました。
具体的に数値を示して対策を提示したことは、一つの前進と受け取れますね。

当然でしょう・・・・そうでなくちゃ、ウソですよ!
なおこれから、具体的にどんな処置をしていくのか、しっかり監視していようと思います。

あとは、学校外のことはどうするのか、子どもたちは学校だけにいるわけではありませんから。

私がこのブログでも報告したように、日頃遊んでいる場所にホットスポットが存在していることへの対策なども、求めて行かなくてはなりませんね。




NHK ETV特集 「ネットワークでつくる放射能汚染地図・」 という番組、ご覧になった方も多いと思います。

反響の大きさは尋常ではなかったようです。

私は、間もなくYou Tube 上にアップされていたものを見る機会がありましたが、最近それらのファイルはNHKの異議申し立てによって削除された旨が表示され、見ることが出来なくなっていました。


そうしたら、またつい最近になって別な人が全編1ファイルのロングバージョンをアップしたようです。
NHKとしては、法律に基づいて当然の異議申し立てをしたわけで、他人の著作をアップすることは、You Tubeの規定にも触れる行為ですから、こちらもいずれ削除されるかも知れません。


ご覧になるなら今のうち・・・!? <こちら>


ちゃんと正当にご覧になりたい方は、<こちら>


<急告> 明日、5月28日(土)15:00より、
             NHK教育テレビにて再放送されます。

パンだより編集にかかります。

早くしようと思いながら、何やかやと忙しく未だ手を付けていません。
食工房の今後の事を考えると、内容が重くなりそうで大変です。
でも、出来るだけ前向きで楽しい紙面にしたいと思います。


そのようなわけで、本日はこれにて。




今日、たまたまラジオを聞いていました。
原発の状況は、もう何もかも滅茶苦茶ですね。


本当に収拾が付くんでしょうか・・・。

蓄積と拡散

言うまでもなく放射能汚染のことです。
毎日毎日、こんな話ばかりで、正直まいります。
私はまだいいとして、食工房のお客さまの中には、営業上の話題を期待しておられる方もいらっしゃることでしょう。


しかし汚染の蓄積と拡散は、食工房の今後の命運に関わります。


原発の事故は、もはや事件と言っても良い側面を見せ始めています。
収束と言う言葉が、ますます虚しく響くような気がします。


国や東電は、事故の初動時からこれまで、否、事故前からかも知れません、はっきり言って「怠惰」以外に言い表しようのない態度に終始して来たと、私は思っています。


今後この状態が長く続けば、汚染はさらに蓄積され拡散して行きます。


今安全なものも、やがて安全ではなくなるかも知れない、今安全な場所も、やがて安全ではなくなるかも知れないということです。


そうなった時は、どうしましょう・・・。
食工房の営業は、少なくとも自粛せざるを得ませんね。


ここで生活することは、私自身が覚悟するならそう問題にはなりません。
強制何とかにならない限り、ここに居るつもりですから。


日本というこの国の命運が、次第に怪しくなって来たような気がしている私です。





一日一日を大切に、食工房は、明日もパンを焼きます。

今のところ、大丈夫です。

皆さまのご来店お待ちしております。





  ドコノモリへのお誘い

しばらくぶりに、連れ合いのブログに新しい作品、と言っても今回は一編の詩ですが、アップいたしました。


<こちら> からご覧ください。




  原発関係参考資料

衆議院・科学技術特別委員会における参考人質疑の模様 <こちら> 
※画面左側のカレンダーの5月20日をクリックし、次の画面の科学技術特別委員会の項目をクリック。

証拠を残しておこう

今回の大震災とそれに続く福島第一原子力発電所の事故、この二か月余りの間に国や東京電力が何を言い何をして来たか、またその時々にどのように報道されたか、残せる資料は出来る限り取って置きましょう。


必ず後々役に立つ時が来ることになります。


今はインターネットのおかげで、情報の収集と拡散は迅速に行うことが可能です。
保存も、PCという道具のおかげで、ほとんど無制限に可能です。


今こそ私たち市民が、本来の権利である監査を、企業や政治に対して実行する時です。
そのために、必要な資料を作っておかなくてはなりません。


農業被害、健康被害、その他どんなことでも、被った迷惑の責任を問うために・・・。


新聞やテレビなどの報道、実際に企業や行政に何かを求めた時の対応、どんなことでも記録に残しておくことです。
新聞の切り抜き、テレビ報道の録画、ネットからのダウンロード、方法はいくつもありますね。


そして今一つ提案があります。


一部ですでに実行されていますが、市民による放射線量測定をもっと広範囲大規模に行うことです。
実際、測定器を持っている方は沢山います。
情報を集約して体系づけるためのサイトを立ち上げたら良いと思います。


その際、市民が集めたデータなど参考にならないと一蹴されないためにも、個人で測定をやっている方々が今一度放射線について勉強されて、自分が持っている計測器の性能や操作の仕方について、熟知する必要があると思います。


データを普遍性のある正確なものにするために、計測の仕方に一定のルールを決めるのも一案だと思います。


行政が行う測定には、当然のことながら限界があります。
ある場所の汚染状況の詳細を知るには、一ヶ所一地点一回の測定では全く不備です。
例えば学校などの大きな施設では、屋内屋外周囲まで含めて最初の一回だけでも良いので、地表面の測定を最低500ヶ所くらいはして欲しいと、これは私の経験から感じる実感です。


そうすることで、汚染の実態への理解が飛躍的に深まるはずです。


「ホットスポットなど存在しない。」などという、悪質極まりない言動に惑わされることはありません。
計ってみれば一目瞭然です。
どなたもきっと目を剥きます。


二十年先になって、原因不明の健康被害が続出することになるかも知れません。
証拠が必要なのです。

長い一週間

長い一週間が終わりました。
いつもの食工房の営業の一週間、それとは別に放射線測定器が届いてから数日間の測定、そしてお借りした測定器を返しに福島市の友人宅に往復、私の放射能汚染に対する理解が一気に深まった、長い長い一週間でした。


一人一人の私たちにとって、引き受けるにはあまりに重過ぎるこの試練、現実から逃げてしまいたい気持ちになる人もきっといることでしょう。
それでも何の割り引きもしてくれない放射能・・・、残酷です。


一方でこの一週間、沢山の方々にご来店を賜りました。


本当にありがたく、うれしく、ただただお礼申し上げるのみです。


酵母だけは、まるで何事もないように、この季節に反応して絶好調です。


何だかこの頃益々、一日一日が貴重な宝物のように感じます。


願わくは、こうしていつまでもお客さまをお迎え出来るこの場所でありますようにと、毎日手を合わせている私です。




  今週のクッキーとマフィンのお知らせ


今週は、どろんこクッキー、ナッツクッキー、パタポンを焼きました。
他に、ジンジャークッキー、コーヒークッキーの在庫があります。


マフィンは、シマリス君の朝ごはん、スィートハート、そば粉マフィンの3種類を予定しています。




引き続き、放射線測定器の入手情報を求めています。
耳寄りな情報がありましたら、ご一報ください。
また、一定期間貸してくださる方がいらっしゃいましたら、有料無料を問わずお知らせください。

福島市


食工房店内です。



店の前、出発前に最後の測定。



同、アスファルト路面・何故か空間より低い・・・。
多分、バラつきの範囲内た゜と思います。


昨日はあの後、福島市の友人宅まで出かけて来ました。


出発前に、最後に店の中と外で線量測定をしました。
店内は、その他の屋内と同様、外よりは少し低めとなりました。
やはり室内にいる方が、いくらかでも安全なのですね。


外は0.17μSv/hでしたが、ちょっと意外だったのはアスファルト路面の表面線量が低かったことです。
昨日は午前中ずっと雨模様で、その雨が上がって乾いた直後だったので、地表面の線量が上がっているだろうと思っていたのです。
と言うことは、この雨には放射能を帯びたダストは含まれていなかったことになりますね。

確かに、原発から飛んで来る放射性ダストは格段に少なくなっており、風向きが良ければ雨で洗浄されることもあると考えて良いのかも知れません。


その代り、雨水が流れて行った先の汚染は濃くなるのかも知れませんが・・・。


さて、二時間余りの道中、車内で測定器のスイッチを入れっぱなしにして、走りながらモニタリングしました。
頻繁によそ見をしているわけには行きませんので、所々で停車して外に出ても見ました。


その結果、場所によって目まぐるしく数値が変化することが分かりました。
北塩原村・猪苗代町を通過する間、大体0.1μSv/h台後半から0.7μSv/hくらいの範囲でした。

全体的な傾向から言えば、福島市から遠い北塩原村の方が高い数値が出ており、逆に近くの猪苗代町の方が大分低めでした。
その差は、約2~3倍くらいです。


興味深かったのは土湯トンネルの中で、トンネルの中と言えども風は通り抜けていますし、車両が落として行くダストがあったりして線量は下がることはないだろうと思っていたら、予想に反してグンと低くなり、奥深く進むにつれて下がり続け最低値0.07μSv/hでした。


走行しながらですので、写真は撮れませんでした。



道の駅「ドライブインつちゆ」にて
関係あるかどうか、少し風が吹いていました。



駐車場脇の草地


そして土湯トンネルを出たらどうなるか、一番の関心事でしたが会津側と全く変化なしで拍子抜け。
ずっと走って標高が下がり、途中の道の駅で休憩を取りついでに測定してみました。
ここで0.44μSv/h。
やはり上がったか・・・という実感はありましたが、逆にこの程度?とも思いました。
地表面は、0.63μSv/h。


ここで初めて、私以外にも放射線測定をしている人を見かけました。
使用中の機器は、アメリカ製のInspecter というもの。
興味はあったのですが、声をかけそびれました。


さてそれから30分ほど走って、件の友人宅にたどり着きましたが、道中意外にも1μSv/hを超えることがありませんでした。
0.5μSv/hを超えたのも、大分市街地に近づいてからのことです。



常時この線量の下にいることが、安全と言えるのかどうか・・・。



草の生えている地表面です。


ところが、到着して車を降りて外に出て測定器をかざした途端、思わず息を呑みました。
何のことなく1.92μSv/hです。
地表面は3.4μSv/h。


会津なら、ホットスポットだと騒いでいるところです。

それでも室内は、0.2μSv/hを超えるくらいで、とりあえず安心できるレベル。
そうは言っても、一日の大半外で仕事をしている方なので、外の環境の方が影響が大きいのですね。


後で聞いたところでは、雨どいの下に15μSv/hのホットスポットがあったそうです。
さらに市内の保育所で、70μSv/hに達するホットスポットも発見されて、市民の手でホットスポットマップを作っているところだそうですが、測定器の数が全然足りずまだ端に着いたばかりだと伺いました。


今回の事故以来の福島市の環境放射線レベルは、かのチェルノブイリの原発事故の際に強制移住の対象になったレベルだそうです。
・・・!!!
日本という国では、そういう場所に30万人の市民を置き去りにしているのです。


この事態を、皆さまいかが思われますでしょうか。


「青木さん、正直あきらめてます。私たちはいいの・・・、この歳だし・・・。」「でも、子ども達はかわいそう・・・。何とかしてあげなくちゃ・・・。」
奥さまのこの言葉は、ズシリと重く私の胸の中に落ちました。


果樹園農家の友人は、とにかくできることは何でもやって見なくてはと奔走していますが、決して楽観出来る前途ではありません。


果たして彼がまた私が生きている間に、安心して食べられる梨や林檎が出来るようになるでしょうか。
全く胸が詰まる思いです。



結局夕食をいただいてしまうことになり、その後帰り道、土湯峠に上がって行く道々眼下に広がる福島市の街明かりに、何とも言葉にならない哀しみを感じた私です。


とにかくただ事ではありません!

とりあえず平和に安心の中に暮らしている方も、この日本の中にチェルノブイリと同様なリスクの下に置かれた人が数十万人いるという事実を、どうぞ一時も忘れないでください。




友人の奥様がブログを立ち上げて活動されています。

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