月別アーカイブ: 2011年9月

一家族また一家族

この3月の大震災による原発事故以来、放射能の被害から避難するために、移住を決断する方が増え続けています。
私の周辺でも、県外に避難移住を決めた方が、何家族かいます。
どなたも、小さいお子さんを育てている最中の方々ですので、寂しくなるけど仕方がありません。
むしろ行った先での、ご活躍とご多幸を祈るばかりです。


こうして若い世代が減って行き、十年あるいは二十年が過ぎれば地域はすっかり衰退して、いくら気持ちはあっても、もうそこでは暮らせないということになるのかも知れません。


実は今日も、小さい子どもさんをお持ちの若いご家族から、移住を決意されたとご報告が伝わって来ました。


福島県の県知事さんや各行政区の長の方々は、こうして止むなく移住して行く若い方々の気持ちを、一体どの程度理解出来ているのでしょうか。


放射能のリスクは、原発からどれだけ離れているかには関係なく、その場所場所によって異なるものであることは、もうどなたもご存じのことですし、また年齢や性別、各人が過ごした状況によっても大きく異なります。


行政の対応は、それぞれの不安に個別に応えるものでなくては、あまり意味がありません。


それなのにやっと今頃になって、学童園児たちにバッジ式線量計を配布するとか、地域ごとに除染に対する金銭的補助を出すとか、遅きに失した感を否めない事業にお金を使って、ますます私たちをガッカリさせてくれます。


対外的に、対応の不味さからことごとく信用を無くしつつある福島県産の農産品のことでは、もう為す術がないとさえ思います。


そのことを認識出来ていない人が、結構少なくないということが、これまたどうにもこうにももどかしい・・・。


このままでは、一家族また一家族と、移住を決意する方々が増えるだけです。


ああ、ここで私一人が力んでみてもどうにもならないのが、これまた哀しい・・・。

パンだより、出来ました。

「食工房のパンだより・66・稔の秋号」が出来ました。
ホームページ上に、pdfファイルにして公開いたしますので、ご覧いただければ幸いです。

<こちら> からご覧いただけます。

店頭には、プリントしたものを置きますので、ご自由にお持ち帰りください。

実はそのプリントをする際、プリンターの調子が悪くて一時お手上げ状態になりました。
なかなか原因が分からず、最悪買い替えかと暗澹とした気分になりましたが、なおあきらめずあちらこちらと点検しているうちに、排紙方向をガイドするパーツに、紙の粉塵が固着しているのに気が付きました。

これを掃除して、シリコンオイルを塗ったところ完璧に復旧。

やったー!{/チョキ/}





明日は、パン焼きの木曜日。
張り切って、おいしいパンを焼きます。
かぼちゃあんぱんの試作が出来るかもです。
ご来店お待ちしております。

ただ、パニくってるだけなんじゃ・・・?

ふと思ったんですね。
今回の原発事故が、あまりにも途方もないので、福島県民も否日本中の全員が、ある意味パニックに陥っているのじゃないかと。
国の無策も、東電の無責任も、学者たちの言いたい放題も、そして市民の右往左往も、もちろんこの私も含めて皆、ただ為す術が無いだけなんじゃないか・・・。


それにしても、思考停止はいけません。

ただ今、道路工事中です。

もっと早くにお知らせすべきでしたが、すぐに終わるものと思っていましたので、「まあ、いいか!」で工事に突入。
始まって見たら、これがなかなかかかりそうな感じです。


ちょうど今、舗装をはがして砂利道状態で、定休日明けの木曜日までに新しい舗装が完了するのは難しそう・・・。


そんなわけで、ご来店時に何かとご不便をおかけすると思いますが、どうぞ悪しからずご了解ください。




  舗装をはがしたら・・・

舗装をはがしたら線量が変化するかどうか、当然のことながら関心がありましたので、店のフロントに線量計を置いて観察していました。
店の真ん前を掘削している最中、埃が舞い上がったせいでしょうか、一時的に線量が上がりました。
0.08μSv/hだったのが0.1μSv/hに。

その後また0.07μSv/h~0.08μSv/hに落ち着いたので、工事の人が帰ってから付近の道路をモニタリングして見ました。
歩きながら変化を見ていましたが、意外なことに舗装をはがしたところが線量が高めでした。

非工事区間が0.10~0.11μSv/h、工事区間が0.13~0.14μSv/h。

セシウムは、舗装の下まで浸透してしまったのでしょうか。
あるいは他に理由があるのか・・・、ちょっと分かりません。






  今週のクッキーとマフィンのお知らせ

今週は、バタービスケット、ナッツクッキー、パタポンの3種類を焼きました。
その他数種類、店頭在庫があります。
マフィンは、スィートハートとそば粉マフィンを焼く予定です

ナナオ・サカキは、何と言うだろう・・・

震災以来間もなく半年、この歴史的惨状を目の当たりにすることなく先立って行った、幾人かの友人知人のことを思い出しています。


その中の一人に、詩人のナナオ・サカキがいます。


足 に 土


手 に 斧


目 に 花


耳 に 鳥


鼻 に 茸


口にほほえみ


胸 に 歌


肌 に 汗


心 に 風


これで十分



と歌ったナナオ


言うに及ばず、原発無用。


今生きていたら、何と言うだろう・・・。


せめて天国から、否、地球Bから?メッセージを送ってください!


・・・と、聴こえて来たのは<この歌> 音源の出所は秘密です。


今日はもう、何も言う気がしません。


こうなったらとことん・・・

昨日の記事を見てくださった方は沢山いらして、わざわざメールをくださった方、来店の折に声をかけてくださった方、皆さんそれぞれに関心を持ってくださっています。


私ももっともっと勉強しなくてはと考え、先ずは、厚生労働省が作成した「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」をダウンロードしてざっと読んでみました。<こちら>

いやー、放射能の測定がこんなに込み入っていて難しいものとは知りませんでした。


精密なデータを得るためには、ものすごい労力と時間とそして高額な測定機器が必要なのですね。


それで今回の同位体研究所の検査ですが、報告書を見ると、この「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」の、第二段階モニタリングをカバーする検査であることが分かります。


20分間の検査時間で、10Bq/kgの定量下限値を達成出来るどうかは別にして、この通りの検査がなされているとすると、ライ麦の34.1Bq/kgを見逃すはずはないわけです。
小麦の18.5Bq/kgでも引っかかると思います。


これが出ないということは、同位体研究所か某大学の研究室か、どちらかが間違っている可能性があるということになります。


こうなったら、また一つ別な機関で検査してもらう以外ありません。


結論が出るまでには、まだまだ時間がかかりそうです。




  明日も「百姓市」やりますよ!


台風のことが気になる方も、おられるかも知れません。
明日は、風はあっても雨は降らないと思われますので、いつも通り開催です。
テントの支柱にしっかりと重石をかけて備えます。
野菜もパンもいっぱい用意して、皆さまのご来店をお待ちいたします。
無料コーヒーサービスもお楽しみに。
場所のご案内は<こちら>



ちょつと地味ですが、こんな風景です。
お見逃しなきよう・・・。

NDの意味・再び

この前6月14日の記事<参照>で、NDについて解説申し上げましが、当時は耳新しかったこのNDという用語も、最近では頻繁に耳にするようになりました。
前回の記事で、必ずしもND=0ではないことを申し上げましたが、放射能の検出に関しては、それだけではないもっと広範な意味が含まれていることを、最近になって知る機会がありましたので今一度取り上げることにいたしました。


先日、食工房でライ麦・小麦原穀の残留放射能検査を同位体研究所に依頼し、検査結果がNDであったことをご報告いたしました。
実はあの後、某大学の研究室の研究資料用という名目で、同じライ麦・小麦原穀の検査をしていただく機会を得ました。
そうしたところ、有意な汚染が認められるという結果が報告されました。

ライ麦が、34.1±6.1Bq/kg
小麦が、18.5±5.2Bq/kg

公認の検査機関である同位体研究所でND、大学の研究室の測定では有意な汚染有り、この事実をどう受け止めたら良いのか、正直なところ私には結論が出せません。


で、この研究室の測定結果には、測定結果の解釈について資料が添付されていました。
私には、概ね理解出来るものの、NDの意味するところは統計学的な定義によるもので、単純に測定器の検出限界以下という訳ではないことが分かって、ますますこのデータをどう扱ったら良いのか、戸惑うばかりです。


とにかく資料をそのままご覧に入れます。



統計学は苦手中の苦手



たしか、100分計測だと伺いました。


では同位体研究所の検出限界1Bq/kg、そしてNDという結果報告と検査に関する注釈はどう理解すべきなのか、やはり問い合わせて見るしかないと思っていますが、果たして解説を聞いても理解出来るかどうか・・・。
同位体研究所のホームページの中にある、検査の仕方や検査機器の解説を見ると、ほとんど完璧だと思わせるものがあります。



こちらは、同位体研究所の小麦の検査報告



★同位体研究所・検査機器の解説

★食工房がオーダーした核種検査の詳細

公認の検査機関ということで、検査結果の報告には当然責任を持っているわけですから、
公式発表はNDとする以外ありません。


※某大学のデータは、それを以て安全性や危険性の証明とすることは出来ませんし、大学名や個人名も一切公開しないことが条件になっています。


さてここまで申し上げて、今私に出来る対応は何かと言うなら、とりあえず事の真実が分かるまで、このライ麦も小麦も使用しないということに尽きます。
幸い、まだ切り替えていませんでしたし、ライ麦はカナダ産オーガニックのもの、小麦は昨年度産のもの、それぞれまだ在庫があります。


もし、この分野の専門的なご見識をお持ちの方で、この件に関しご教示いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご一報ください。


ところで、NDについてはまだ他に意見があります。

百姓市仲間のひぐらし農園の浅見さんのブログ<こちら>に、このNDのことも含めて貴重な意見や報告が述べられていますので、どうぞご覧ください。


私も、全く同感です。

温度差

毎日いくつかのブログを見ていて、この頃思うことです。

福島県内の友人知人その他の人たちは、だいたい毎回のように放射能のことを取り上げています。
それとは対照的に、県外の人々の記事には、放射能の話題を見かけることが少なくなっています。
当然と言えば当然のことかも知れません。


合わせて気が付いた傾向として、農業をしている人は県内外を問わず、放射能の話題を必ずと言って良いくらい頻繁に取り上げます。
また私のような食品製造者は、商売に対する基本姿勢によって様々です。


そして同じく放射能の話題に及ぶ時も、生産者と消費者、子や孫がいる人とそうでない人、その立場によって微妙にスタンスが違います。


こういうのを、いわゆる温度差と言うのでしょうか。


その温度差が、やがて目に見えない壁にならないようにと、案じている私です。




  移住8周年


今日9月1日は、私たちが阿武隈の山奥から会津に引っ越して来た日です。
あの懐かしい住まいも、山々の風景も、私たちの暮らしも、もはや記憶の中にのみ存在するものとなりました。



パン焼きもしていたんですよ。






  パンだより編集中です。


もうしばらくお待ちください。